鱈のムニエルの人気レシピ特集!下処理から正しい焼き方まで!

鱈という魚は、大衆的なような気もしますが、意外にその扱いにはむつかしいものがあります。ともすれば臭みが付きまとう鱈の下処理ですとか、扱いを誤れば身が崩れてしまう鱈の焼き方だとか、多分に厄介なハードルがあります。鱈のムニエルを仕上げるにあたって、そんなハードルを越える方法を、くわしく紹介します。また、鱈のムニエルといえば、バター焼きが定番です。ここでは、鱈のムニエルの、他のいろいろな人気レシピを探ってみました。

鱈のムニエルの人気レシピ特集!下処理から正しい焼き方まで!のイメージ

目次

  1. 1ムニエルを作るために鱈を知る
  2. 2鱈をムニエルにするための下処理
  3. 3鱈のムニエルのための焼き方
  4. 4人気レシピの鱈のムニエル「レモンバターソース」
  5. 5人気レシピの「鱈ムニエルトマトソース掛け」
  6. 6人気レシピの「鱈ムニエルわさび風味ソース」
  7. 7人気レシピの「鱈ムニエルマスタードクリームソース」
  8. 8人気レシピの「鱈ムニエルタルタルソース」
  9. 9人気レシピの「鱈ムニエルカレー風味」
  10. 10人気レシピの「鱈ムニエルオレンジソース」
  11. 11人気レシピの「鱈ムニエルバルサミコソース」
  12. 12鱈のムニエルのまとめ

ムニエルを作るために鱈を知る

鱈は、日本においては、北海道および東北の太平洋側と日本海側で水揚げされます。捨てるところのない、鱈は冬場が美味しい季節です。旬は、1月から2月中旬にかけての、1カ月余りのわずかな期間になります。けれども、鱈もまた他の魚同様に、漁獲量の減少によって、高級魚となりつつあります。20世紀後半ごろからは、一般に流通している鱈は、輸入物が大半となっています。

鱈は足が速く、刺身で賞味できる期間は、ごく短い間です。そのために、鱈を刺身で食べることのできるのは、実際には、漁業関係者くらいのものです。そんな腐りやすい鱈だから、国内物はもちろん、輸入物でも調理に関しては、少なからず配慮が必要になってきます。輸入物は、たいてい甘塩で保存処理がしてあります。この記事で取り上げる、鱈のムニエルに仕上げる場合にも、生とはまた違った下処理も要求されます。

鱈が足の速い魚である、ということと関連する話ですが、鱈は「鱈腹食べる」の語源とも言われるように、非常に食欲旺盛です。そのため、飲み込んだものを直ちに分解する、強力な分解酵素が必要になってきます。プロテアーゼという強力な酵素を、鱈はもっています。そのプロテアーゼが、鱈の死後、鱈自身を分解することになり、その際の、香りなり、臭いが鱈の腐敗臭です。これを除去する、下処理が要求されてくるわけです。

食品栄養素的に言いますと、鱈は100g当り、カロリーが77kcal、蛋白質が17.6gで、高蛋白低カロリーの魚の典型です。鱈は、味に癖のない白身魚で、定番の鍋物やムニエルなどに向いています。和風のポン酢とも、洋風のソースとも、よく合う魚です。

鱈をムニエルにするための下処理

鱈は、深海で生存していくための、多くの物質をもっています。その物質が、捕獲された鱈の体内でトリメチルアミンに変化します。トリメチルアミンは、高濃度ではアンモニア臭を発します。これが、鱈の嫌な臭いの元です。その臭いを除去するために、鱈から水分を抜いてやることが、必要になってきます。美味しく鱈のムニエルを食べる、人気のレシピに行き着く前に、鱈の下処理を紹介します。

生の鱈をムニエルにするための下処理

鱈から臭みを抜く方法は、たくさんあります。代表的なのが塩をふる、です。その他、牛乳や酒、白ワイン、塩水などに、浸すというやり方があります。ここでは、砂糖を使用して、鱈の臭みを取っていきます。バットに水切りなどをかますか、バット自体を斜めにして水たまり場所を確保してから、バットに鱈を並べます。鱈から出た水分を、ふたたび鱈に吸わせないためです。ふりかける砂糖の量は、鱈の重量の1%程度です。

鱈の両面に、砂糖をまぶしたら、ラップをかけて、冷蔵庫で20分ほど寝かせます。砂糖の量と、寝かせる時間は、これ以上に多くしないほうがよいでしょう。水分が抜けすぎて、鱈の身がパサパサになってしまいます。20分経ったら、水で洗い流して、鱈の水気をよくふき取れば、鱈の臭みを抜く下処理は完成です。よりよく臭みを抜くために、水ではなく、玉酒で行うのがベストです。玉酒とは、酒と水を1:5で割り合わせたものです。

玉酒の効果は、アルカリ性のトリメチルアミンと、酸性の酒が反応を起して、無臭の物質に変化していくことです。

冷凍の鱈をムニエルにするための下処理

輸入物に多い、冷凍の鱈の臭みを取る方法を紹介します。まずは、保存のために施された、甘塩を抜く必要があります。この場合は、塩水で塩抜きをします。2%の塩水に、やはり、20分ほど浸します。鱈の水気をよくぬぐい取ったら、調理に入れます。砂糖での臭み抜きは必要ありません。冷凍の掛かった輸入物よりも、生の国内産の鱈のほうが、言うまでもなく鍋でもムニエルでも、一段と旨いのは致し方ないです。

鱈のムニエルで身くずれを防ぐ下処理

鱈をムニエルにする際の、身くずれやパサパサになることを防ぐために、おすすめの下処理があります。いろいろな食材で行わている、湯引きをする方法です。同じ鱈の白子などもこの方法で食べられています。まず、鱈の両面に片栗粉を薄くまぶしておきます。この湯引きの熱湯は、沸騰した後、しばらく置いた90℃の温度でなければなりません。このお湯へ、網杓子などに鱈をのせて、そっと湯に入れます。

表面がうっすらと白くなったら、すぐに取り出して、氷水に取ります。鱈の身がくずれるのは、加熱されたときに、熱に弱いコラーゲンが溶け出ことが原因です。それを、湯引きすることで、鱈の表面からコラーゲンが流出することを防げます。鱈の表面の蛋白質を、一瞬のうちに固めるための最適な温度が、90℃前後の湯である、ということです。しっかりと、水気をぬぐい取ったら、ムニエルを仕上げる準備は、整いました。

鱈のムニエルのための焼き方

ムニエルを焼くための一般的心得

ムニエルという調理法は、素材に小麦粉をまぶし、フライパンで溶かしたバターで焼き上げ、絞ったレモン汁を加えたソースを、回しかけた料理です。現在は、レモンバターソースばかりではなく、いろいろなパターンもあるようです。基本的には、素材の栄養素とか旨みを、まぶした小麦粉で閉じ込めて、焼き上げたものにちがいありません。素材としては、鮭、カレイ。ヒラメ、舌平目、鱒、鱈など、数多あります。

鱈のムニエルを焼き上げるための心得

いろいろな下処理を終えた鱈を、ムニエルに焼き上げるための、注意すべき心得を紹介します。まずは、鱈にまぶす小麦粉のまぶし方についてです。目的から説明します。鱈に小麦粉をまぶすのは、鱈から水分、栄養素、旨味などが、焼き上げている間に、流出するのを防ぐためです。したがって、小麦粉はたっぷりめに用意し、鱈にまんべんなくまぶしたら、こんどは逆によくはたいて、鱈から余分な小麦粉を落とします。

この状態が、ムラなく薄く小麦粉を鱈にまぶしつけた状態です。これ以上に大事なポイントは、鱈に小麦粉をまぶすのは、焼き上げる直前にかぎります、ということです。面倒な下ごしらえは、全部先にやってしまおう、ということで、小麦粉をまぶした鱈を、焼き上げるときまで、冷蔵庫で保管する方はいないでしょうか?鱈から出た水分と小麦粉が混ざり合って、焼いた場合に、ムニエルができの悪いピカタに変わってしまいます。

いよいよ、鱈のムニエルを焼き上げていきます。フライパンを熱したら、オリーブオイルをしきます。ここに小麦粉をまぶしたばかりの鱈を、そっと入れます。盛った時に上になる、鱈の皮のある側を下にして焼き始めます。強火でしばらく焼いたら、火を中火に落としバターを加えます。バターを最初から加えないのは、一般の方には、バターよりもオリーブオイルのほうが、焼き上げが容易だからです。

バターというのは焦げやすい性質をもっています。ムニエルだからと言って、終始バターのみで焼き上げなければならないという、規則はありません。バターは、投入する量とかタイミングとか、けっこう難しいものがあります。オリーブオイルで、ある程度焼いておいて、途中でバターを投入しても、バターの香りは鱈に十分移ります。そして、鱈に6,7割方、火が通ったら、鱈を裏返します。

返した鱈は、1~2分も焼けば、全体に熱が入ります。この間に、もう1点注意していただきたいのは、けっしてフライ返しなどで、鱈をいじりまわさないでください。手持無沙汰のせいで、よくそんな過ちを犯しますが、美味しい鱈のムニエルのためには、よくありません。鱈の小麦粉がはがれて、旨味が流出したり、身が割れる原因になります。ここまで我慢したら、鱈のムニエルの焼き方は完成です。

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人気レシピの鱈のムニエル「レモンバターソース」

鱈の切り身は、砂糖をまぶし、玉酒で洗い流し、湯引き処理もしておきました。フライパンにオリーブオイルをしいて、強火で加熱します。小麦粉をまんべんなくまぶし、塩、コショウで調味した鱈の表面を下にして、フライパンにそっとすべらせます。2分ほど強火で焼きめをつけたら、中火にして、バターを加えます。バターが溶け切るころに、鱈には6,7割り方火が通っているはずです。鱈の裏を返して、しばらく焼き上げます。

別のフライパンで、シメジとスライスニンニクを、同じようにバター炒めしておきます。塩、コショウをして、醤油を少々たらして香りをつけておきます。器に、サニーレタスを敷いて、鱈のムニエルを盛り、シメジとニンニクを添えます。鱈のムニエルを調理したフライパンにレモン汁とバターを加え、ひと煮立ちさせます。熱々のレモンバターを鱈にかけまわして「鱈のムニエルレモンバターソース」の完成です。

人気レシピの「鱈ムニエルトマトソース掛け」

トマトは湯剥きして、粗みじん切りにしたら、みじん切りの玉ネギとEVオリーブオイル、レモン汁、塩、コショウと混ぜ合わせておきます。下処理を施した鱈に、塩、コショウし、小麦粉をまぶして、フライパンでムニエルに焼き上げたら、器に盛ります。フライパンに、バターと取り置いたトマトソースを加えて、ひと煮立ちさせて、トマトソースを回しかけます。刻んだパセリをふって完成です。

人気レシピの「鱈ムニエルわさび風味ソース」

玉ネギは薄くスライスし、レタスは適当な大きさにちぎっておく。下処理した鱈は、しお、コショウ、小麦粉をまぶして、オリーブオイルをしいたフライパンで、強火にかける。オリーブオイルとわさび、醤油、酢をボウルで和えておく。中火に切り替えて、鱈の両面をじっくり焼いたら、器に盛って、レタスと玉ネギを添えて、わさび風味ソースを回しかけて完成。

人気レシピの「鱈ムニエルマスタードクリームソース」

みじん切りにしたベーコンを、オリーブオイルでじっくり炒め上げておく。このベーコンオイルと粗びきマスタード、生クリーム、黒コショウを合わせてミキサーにかけ、マスタードクリームソースを作っておきます。下処理をした鱈に、塩、コショウをふって小麦粉をまぶし、フライパンにオリーブオイルをしいて、両面を焼き上げます。この間に、フライパンの空いてる所で、同時に長ネギも焼いておきます。

焼き上げた鱈を器に盛って、ネギを添え、ソースを回しかけて、みじん切りのパセリをふったら完成です。

人気レシピの「鱈ムニエルタルタルソース」

刻んだ茹で卵とみじん切りにしたピクルスと玉ネギをマヨネーズで和えて、タルタルソースを作っておきます。下処理を施した鱈に、塩、コショウで調味し、小麦粉をまぶして、オリーブオイルをしいたフライパンで焼き上げます。強火から中火に変えて、こんがり焼き色をつけたら、器に盛って、タルタルソースを回しかけて、ベビーリーフを添えたら完成です。

人気レシピの「鱈ムニエルカレー風味」

下処理を施した鱈に、塩、コショウをふります。小麦粉とカレー粉を2:1で合わせて、鱈にまぶします。熱したフライパンに、オリーブオイルをしいて、鱈を両面こんがりと焼き上げます、途中バターも加えて、鱈に香りをからめたら、器に盛って、付け合わせの野菜を添えて完成です。

人気レシピの「鱈ムニエルオレンジソース」

鱈の身は、酸性のオレンジジュースに浸ることで、ふっくらと柔らかくなります。そんな特性を活かした、レシピです。ソースを作ります。酒と醤油、ミリン、オレンジジュースを、すべて同割で合わせます。鱈をこのソースに、冷蔵庫で10分ほど漬け込みます。

水気をふき取った鱈を、オリーブオイルをしいたフライパンで、焼き上げます。最初、強火で、中火に変えて、バターを加え、両面をこんがり焼き上げたら、器に盛ります。フライパンにソースの一部を入れて、少しに詰めたら、鱈に回しかけて完成です。

人気レシピの「鱈ムニエルバルサミコソース」

バルサミコソースを作ります。バルサミコ酢とミリン、醤油、白ワイン、蜂蜜、バターを合わせます。パプリカは、適当な大きさにカットして、下茹でしておきます。下処理した鱈は塩、コショウをして、小麦粉をまぶしたら、熱したフライパンにオリーブオイルをしいて、鱈の両面を焼き上げます。途中バターを加えて香りがついたら、同じフライパンでパプリカも焼き上げておきます。ソースをひと煮立ちさせて完成です。

鱈のムニエルのまとめ

鱈の下処理から、焼き方、仕上げのレシピまで、いろいろ調べた方法を紹介してきました。鱈が臭いなどのクセのある魚だからこそ、鱈を美味しく食べるについて、今更ながら、基本だとか下ごしらえの大切さを、思い知らされました。レシピにのっとって、料理を作り上げた時には、目に見えなくなっている作業ですが、それらの作業がないと、仕上がった料理もありえないことが、確かに理解できました。

完成された料理は、味付けだとかソースだとか、見映えが重視されますが、それを支えているのが、ここに紹介した、鱈の下処理や焼き方の基本などの、いわゆる裏方的存在でした。

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