2018年06月22日公開
2024年07月19日更新
ハツ(牛・鶏)の部位は?栄養や食感は?美味しい焼き方・食べ方は?
みなさん、「ハツ」はお好きですか?独特の食感を持ちながらクセが少なく栄養価が高いハツは焼肉や焼き鳥でも人気の部位の一つです。そんなハツの名前の由来は知っていますか?ハツを自宅でいただく場合には美味しく食べる為の下処理と火の通し方が肝心です。綺麗に下処理が出来たハツにいい感じで火を入れれば、旨味たっぷりで食感の良いおかずが完成です。最高の一皿を仕上げる為にハツがどの部位になるのかなど、ハツの事を知り、下処理とおすすめのレシピを学んでいきましょう。
目次
食感・栄養価ともおすすめの部位ハツを知る
ハツは「Hearts」
その食感で焼き鳥や焼肉でも人気の部位であるハツ。皆さんはハツの事をどれくらい知っていますか?ホルモンの中では比較的部位が分かりやすく良く知られている部類だと思いますが改めて確認したいと思います。
ハツの部位は貴重な心臓
ハツは、焼肉や焼き鳥などの焼き物から、日本をはじめ各国の伝統料理の食材として用いられる、牛や鶏などの心臓の事です。その語源には諸説ありますが、英語のHearts(ハーツ、心臓を意味する単語Heartの複数形)がなまったものとするものが有力と言われています。その他にも焼き鳥屋さんなどでもハツから更に転じてココロなどと称されることもあります。
特に肉牛の心臓である牛ハツは多く食べられていて、脂肪分が少なく淡泊な味わいで独特な食感があります。牛以外にも先ほど説明したように鶏の心臓が焼き鳥に用いられることもありますし、それ以外の動物の心臓の部位を食材として用いることがありますが、詳しくは後程じっくり説明していきます。
ハツの部位である牛の心臓って美味しいの?
牛ハツの部位はもちろん心臓
出典: http://jbeef.jp
牛ハツの部位は先ほど説明した様にもちろん心臓を指します。牛の心臓を食肉として流通させる為にHeartsを展示させてハツと名付けた方は本当にセンスがあると思います。その響きと呼びやすさがここまで浸透した理由でしょう。
ハツの部位は心臓とここまで説明してきましたが、牛の心臓は人間のそれよりも随分大きなものとなっています。個体にもよりますが、おおよそ2kg前後でずっしりとした重みがあります。心臓はその大部分が筋肉で構成されていますが、表面にの一部には脂肪がつき全体にうっすらと白い脂肪が広がっているのが見られます。
とは言え、全体としてみれば食肉の中では脂肪がとても少ない部位で肉の旨味を感じられる部位です。細い筋繊維質でコリコリとして独特の食感を感じることができますよ。焼く・煮るなど様々な調理方法で多くの料理の食材として用いられますが、特に新鮮なハツはお刺身ハツ刺しとしても楽しむことが可能です。
鶏の心臓も美味しい部位!
鶏ハツの部位ももちろん心臓
先ほど牛ハツの部位は食肉の心臓とお伝えしましたが、鶏ハツの部位ももちろん心臓をさしています。語源も同じであり、やはり英語で心臓を指すHeartsが転じてハツと呼ばれるようになりました。鶏の場合にはハツ以外にも特に焼き鳥などではココロと呼ばれることもあります。
鶏ハツは牛のハツとはまるで大きさが違います。遥かに小さいのです。大きさは一つが4cm程度でしょうか、おやる時の先ほどの大きさしかありません。サイズが小さく一羽につき一つしか取れない心臓ですから部位としては大変貴重な部位になります。一本のハツの焼き鳥を作ろうとすると2,3羽の鶏が必要となる為、贅沢な串といえるでしょう。
牛ハツと同じく食感に特徴があり、コリコリとした歯応えに加えて、モツ特有の柔らかい食感を楽しむことが出来ます。鶏ハツの焼き鳥は適度な弾力ありながらも砂肝よりも食べやすく幅広い世代に人気があるようです。
牛と鶏以外にも心臓の部位を食べる生き物がいる!
特に牛や鶏のハツが人気の部位としてよく流通していますが、その他の動物の心臓またハツとして食用にされます。次点はやはりブタでしょう。もつの串焼きの定番の具材でありやはりコリコリとした食感を味わうことが出来ます。からしや辛みそにつけていただくとビールやホッピーがどんどん進みます!
その他では、やはり食肉として利用される羊や馬の心臓がハツとして味わうことが出来ますよ。どのような動物の心臓の場合にも下処理は大切ですが、やはり独特の食感を楽しめるようです。
また食肉用の動物以外でも、魚の心臓を食材として用いることもあります。鰹や鮪の心臓は新鮮なものでしか味わえない漁師の珍味として知られています。例えば鰹の心臓の場合は、ハツではなくちちこなどと呼ばれ高知県では珍味として生姜と甘辛く炊いて味わわれます。
一頭・一羽に一つの貴重な部位の栄養価は?
牛ハツは栄養価が高い部位
肉牛の心臓で、焼肉や煮込みなどに使われる部位であるハツですが、その栄養価も注目すべきものです。たんぱく質・脂質を多く含んでいてそれなりにカロリーがあります。ビタミンB1、B2、B12や鉄分が多くコレステロールはそれほど多くありません。
牛ハツ100gに含まれる栄養素は、カロリーが142kcal、たんぱく質が16.5g、脂質が7.6g、炭水化物が0.1gとなっています。その他、ビタミンB1が0.42mg、B2が0.9mg、ナイアシンが5.8mg、ビタミンB6が0.29g、B12が12.1μgで多くのビタミンを含みます。また、鉄分が3.3mg、亜鉛を2.1mg含み、レバーが苦手な人の栄養補給にもクセが無く使いやすい食材と言えるでしょう。
栄養価が高い部位のハツはレバーにも負けない
牛ハツに続いて、主に焼き鳥など利用される鶏ハツの栄養素も見ていきましょう。栄養素としてはたんぱく質よりも脂質が多く、比較的カロリーのある食材となります。牛ハツと同様に各種ビタミンや鉄分も豊富ですが、コレステロールも比較的多くてエビと同程度の量です。
こちらも鶏ハツ100gあたりに含まれる栄養素で見てみると、カロリーは207kcalと牛ハツより高めになっています。たんぱく質は14.5g、脂質が15.5g、炭水化物は0gです。ビタミンAとビタミンB2が多く含まれており、ビタミンAは700μg、Kが51μg、B1が0.22mg、B2が1.1mgナイアシンが6mgです。鉄や亜鉛も多く含み、鉄分は5.1mg、亜鉛は2.3mg、牛ハツと同様レバーが苦手な人にもおすすめできる食材となっています。
おすすめの部位牛ハツを美味しくいただく為に
牛ハツの下処理
どんな食材も下処理が大切ですが、食肉とくに内蔵の一部であるハツはその例に洩れず美味しく味わう為に下処理が大切な食材となります。塊の状態で購入する場合と、スライス済みのパックなどで購入する場合がありますが、それぞれの下処理を順番に見ていきましょう。
まずは大きな一塊のハツ(心臓)を扱いやすいサイズのブロックに切り分けます。ブロックに切り分けたら大き目の鍋からボールに入れて流水で良くもみ洗いしましょう。心臓の中にある溝や切れ込み、血管の中には血が塊となって残っていることがおおいので、それらの部位を指で押し出すようにして血を出し切ります。
水が汚れなくなったら更に小さなカタマリに切り分けそれぞれ薄皮を剥いでいきましょう。小さめのナイフなどでそぎ取るようにするか、魚の皮を引く要領で剥ぐようにするのがおすすめです。小さな塊となって薄皮もはげたら再度流水で洗い、キッチンペーパーなどで水気を良くふき取れば下処理の完成です。
下処理済みで切り分けられパック入りになって販売されている牛ハツの下処理は簡単です。汚れは臭みを落とすことを心掛ければそのままいただくよりもより美味しく味わうことが出来ます。
パックから取り出した牛ハツのスライスを、ボールや鍋にためて塩水で軽くもみ洗いします。汚れや血の塊が溜まりやすい場所は大きな塊のハツと同様に肉の溝や血管の中です、そこを揉みだす様にして汚れを取り除き流水で良く洗いながすか冷水にさらしてから水気をよくふき取るようにします。
牛ハツの美味しい焼き方
牛ハツはあまり焼き過ぎると硬くなり食感が悪くなるだけでなく旨味も落ちてしまいます。美味しく焼き上げる為のコツを知ることが大切です。焼肉でハツを召し上がる場合には、スライスされたハツの断面にピンク色を残す様にしながら両面を焼き上げます。あまり焼き過ぎず、初の断面の中央部分にピンク色が残る程度が食べごろです。
牛ハツの美味しい味わう為のレシピを紹介!
牛ハツのおすすめレシピ其の一:牛ハツのステーキ
赤身好きには堪らない味と食感をステーキで味わいましょう。スーパーなどで売られるパック入りのスライスされたハツではなく、精肉店で買える大きな塊のハツをローストビーフの要領で焼き上げます。ハツを周りのの筋をとり、塩を馴染ませてから、好みのハーブと共に一晩寝かせます。
熱したフライパンにオリーブ油をひき、ニンニクとハーブを入れて火を入れ香りを油に移していきます。フライパンが温まったらハツのブロックを焼き前面を満遍なく焼き上げましょう。頃合いを見て火を止めたらホイルで包んで余熱で火を入れるとともに肉を休ませます。お好みのサイズに切り分け彩りの良い野菜やソースなどを添えて盛り付けましょう。
牛ハツのおすすめレシピ其の二:アンティクーチョ(牛ハツの串焼き)
牛ハツの串焼きはペルーで大人気の伝統料理です。レバーの様な臭みは無く、ヘルシーで栄養価が高く男女ともにおすすめできる料理です。牛ハツを2~3cm角、厚さ1cm程度の大きさに切り、ワインビネガーとお好みのスパイスで作ったマリネ液と混ぜ合わせて冷蔵庫で一晩寝かせます。
漬け込んだ初を串にさしてフライパンか魚焼きグリルで焼き上げます。始めは強火で表面を焼き、その後は火を弱め中に火を通していきましょう。全体に火がとおってきたらマリネ液を刷毛でぬりコおば敷く焼き上げれば完成です。お好みの野菜を添えて大き目の皿に盛り付ければ大きめの焼き鳥の様な串が主役の見た目にも美味しい一皿が仕上がりますよ!
おすすめの部位鶏ハツを美味しくいただく為に
鶏ハツの下処理
鶏ハツでも下処理は大切です。鶏ハツは牛ハツの様にスライスして販売されることは少なく、鶏ハツそのものを沢山パック詰めするか鶏ハツとレバーが一緒になってパック詰めされ販売されることが多いようです。ここでは鶏ハツの下処理を順にまとめていきますが、ハツとレバーが一つになっているものの場合には、まず初めにハツとレバーを切り分けましょう。
まずは心臓の上側、薄黄色の脂肪や血管が集まっている部分を切り取ります。基本的には心臓側の筋肉の部位を味わうことになりますが、脂肪と血管が集まった部分も丁寧に処理すれば美味しくいただくことが出来ます。これはハツもとなどと呼ばれ脂が多めで血管のコリコリとした食感を楽しめる部位です。
次に心臓の中から固まった血液などを取り除く為に、綺麗に切り開く必要があります。この時のポイントは心臓を縦に切り開くようにすることですが、切り開く位置にもポイントがあり心臓で言う右心房側から縦に切れ込みを入れることで右心室、左心室とも綺麗に切り開くことが出来るのです。
言葉では伝わりにくいので画像を見ていただきたいのですが、先ほどハツモト(心房)を切りおとした後の切り口を見て、左心室、右心室の両方が切り開けるように切込みを入れればうまく下処理をすることが出来ます。
ハツの周りに残った脂肪が気になる場合には、包丁の先でそぐようにすると簡単に取り除くことが出来ます。切り開いたハツの中にある溝を包丁か指で掻き出すようにして洗いましょう。冷水につけて血抜きをしてからキッチンペーパーを使って水気をよくふき取れば鶏ハツのの下処理は完了です。
鶏ハツの美味しい焼き方
鶏ハツを焼くと言えばやはり焼き鳥を外すことは出来ないでしょう。ここでは焼き方のポイントを簡単にまとめます。串打ちですが、切り開いたハツは比較的薄い為縫い付けるようにして串を打っていきます。
火は強めの遠火にしておき、焼く直前に軽く塩をふっておきましょう。遠火で焼き始め片面に火がとおり、ハツの縁が白くなり始めたら返します。両面にある程度火を通したら塩焼きの場合はそのまま焼き続けて完成です。タレ焼きの場合には2~3回タレをつけて焼くことを繰り返し肉に火がとおりタレの焼ける香ばしい匂いがしてくれば鶏ハツの焼き鳥が完成です。
鶏ハツの美味しいいただく為のレシピを紹介!
鶏ハツのおすすめレシピ其の一:竜田揚げ
鶏ハツの竜田揚げでいつもの唐揚げとはひと味違う揚げ物を夕飯のおかずにしてみるのはいかがでしょうか?冷えても美味しい竜田揚げはお弁当にもぴったりですよ。大根おろしを薬味にぽん酢をかけてみたり、切り刻んでどんぶりにするも良し、シンプルに定食にするのもおすすめです。
水気をしっかり取った鶏ハツに、酒や醤油や生姜を混ぜた漬けタレにつけて30分程寝かせます。タレを切って片栗粉を満遍なくつけて、180℃の油で中心に火がとおるまで揚げましょう。気泡が小さくなって揚げ音が高温に変わったら完成です。レモンを添えて今晩のおかずの一皿にしましょう!
鶏ハツのおすすめレシピ其の二:にんにくの芽の炒め物
食感のいい鶏ハツは炒め物にもぴったりです。好みの野菜と合わせれば美味しく仕上がりますが、今回はこちらも食感良く香りもいいにんにくの芽炒め合わせていきましょう。味付にはオイスターソースと醤油を使います。
鶏ハツは鍋に湯を沸かし湯がいて8割程度火を通しておきます。ニンニクの芽も4~5cmに切ってから1分程湯がきましょう。中華鍋を中火にかけ、サラダ油を熱しネギとニンニクを入れて香りが出たら鶏ハツを投入します。サッと炒めたらにんにくの芽をいれ軽く火を通します。オイスターソースと醤油を回し入れ、最後に胡椒を一振りしたら完成です。
味も食感も栄養もおすすめのハツでココロに響く一皿を作ろう!
牛ハツも鶏ハツも栄養価高く食感のいいお肉、そしてそれにもかかわらずクセが少なくレバーが苦手な人でも美味しくいただくことが出来るでしょう。より美味しく食べるコツは下拵えと火の入れ方です。臭みをとって上手く火を通せば普通の精肉にも負けない一皿が完成しますよ。今夜のおかずに、明日のお弁当に、ハツを使ってココロに響く逸品を作ってみて下さい!