魚醤と醤油・ナンプラー味の違いや使い方は?日本の三大魚醤油を解説

私たちが料理を作る上で欠かせない調味料。そんな調味料の一つ・『魚醤』についてあなたはご存知でしょうか…?実は多くの方があまり詳しく理解されていない『魚醤』。そんな魚醤と醤油・ナンプラー味の違いや使い方は一体どんな点が挙げられるのでしょうか?そこで今回は、魚醤と醤油・ナンプラー味の違いや使い方を調査してみました!また、日本の三大魚醤についても併せて調査してみましょう!

魚醤と醤油・ナンプラー味の違いや使い方は?日本の三大魚醤油を解説のイメージ

目次

  1. 1知らない人もまだ多い?調味料・『魚醤』。
  2. 2魚醤とは…
  3. 3日本国内で有名な『日本三大魚醤』!それぞれの特徴や味は?
  4. 4魚醤と醤油・ナンプラーの味の違いや使い方は…?
  5. 5魚醤と醤油・ナンプラーの味の違い・使い方を調査せよ!
  6. 6魚醤と醤油の味の違い・使い方
  7. 7魚醤とナンプラーの味の違い・使い方
  8. 8《まとめ》魚醤と醤油・ナンプラーの味の違い・使い方

知らない人もまだ多い?調味料・『魚醤』。

砂糖・塩・酢・醤油・味噌…。このように様々な調味料があり、多くの料理に使われています。そんな調味料の中でも、まだまだ知らない人も多い調味料と言われているのが『魚醤』です。『魚醤』とは一体どんな調味料なのでしょうか?まずは『魚醤』という調味料について調査してみましょう!

魚醤とは…

魚醤(ぎょしょう)』とは、簡単に説明すると魚類または他の魚介類を主な原料にした液体状の調味料のことを指します。『魚醤油(うおしょうゆ)』・『塩魚汁(しょっつる)』とも呼ばれています。『魚醤』は魚を塩と共に漬け込み、自己消化・好気性細菌の働きで発酵させたものから出た液体成分で黄褐色〜赤褐色・暗褐色の液体です。

魚醤は濃厚なうま味を有しているため、料理に塩味を加えるとともにうま味を加える働きが強い調味料です。しかし、魚醤は独特の香りがあるため、苦手な方は炒め物、焼き物、煮物などといった料理に使用するようです。魚醤はアジア、特に東南アジアの沿岸部を中心とした幾つかの文化圏で用いられ、特にタイを始めとする東南アジアでは塩を除いたほぼ唯一の塩味の調味料で、非常に多くの料理に用いられています。

魚醤はどんな料理に向いている?

塩味とともに、うまみを加えてくれる魚醤。そんな魚醤は一体どんな料理に向いているのかということですが、魚醤は煮物料理やチャーハンなどの炒め物・ペペロンチーノやカレー・焼うどんなどの隠し味にも最適だと言われています。和洋中問わずに様々な料理に活用できる魚醤は、1本購入しておくと便利な調味料と言えるでしょう。

日本国内で有名な『日本三大魚醤』!それぞれの特徴や味は?

東南アジアの沿岸部を中心に親しまれている魚醤。そんな魚醤は日本でも歴史の古い調味料として親しまれていましたが、近年、日本の一般家庭での使用は減っています。これは、日本人が採食中心だったことに加え、魚醤よりも醤油の方が保存性が高いことから、いつからか魚醤の生産量が減ったと考えられています。

今では魚醤の一般家庭での使用も減ってしまいましたが、いくつかの地方には魚醤を用いる文化が残っており郷土料理などで利用されています。そんな日本の魚醤で有名な三つが『日本三大魚醤』と呼ばれています。『日本三大魚醤』と呼ばれている魚醤は、秋田県の『しょっつる』・石川県の『いしる』・香川県の『いかなごしょうゆ』です。日本三大魚醤それぞれの特徴や味は一体どんなものなのか、調査してみましょう。

しょっつる(秋田県)

日本で特に有名な魚醤は、秋田県の『しょっつる(塩魚汁)』です。しょっつるは秋田県で毎年冬になると豊富に獲れる魚・『ハタハタ』を利用して作られた魚醤です。そんな『しょっつる』の味は、クセが無いことや魚醤独特の生臭さが目立たないため、食べやすい魚醤として愛されています。

いしる(石川県)

日本海側で獲れるイワシやサバを塩で漬け込んだ魚醤が、石川県の『いしる』です。具体的な魚種としては、マイワシやウルメイワシ・ピンサバなどが原料となります。水を加えて大根やキュウリを漬けこんだ、いしり漬けという漬物などが有名です。貝焼きやいしり漬けは独特の風味が大事なので、『いしる』を醤油で代用する事はできないと言われています。

いかなごしょうゆ(香川県)

『いかなご』という魚を原料とした魚醤が、香川県の『いかなごしょうゆ』です。『いかなごしょうゆ』は上記の魚醤と比べても非常に淡い色をしていますが、一般的な魚醤の塩分濃度が20〜25%であるのに対し、塩分濃度が28%~29%と飽和食塩水に近くなっています。しかし、他の魚醤と同様にうま味が強いため、塩味は強く感じないといった味の特徴が挙げられます。

魚醤と醤油・ナンプラーの味の違いや使い方は…?

『魚醤』というものがどんな調味料なのかや日本三大魚醤についても学べましたが、「魚醤と醤油やナンプラーの違いって何なの?」という方が意外と多いようです。確かに魚醤や醤油・ナンプラーはどれも似たような見た目ですし、パッと見ただけだと区別がつきづらいです。

魚醤と醤油・ナンプラーの味の違い・使い方を調査せよ!

では、魚醤と醤油・ナンプラーの味の違いって一体どんな点が挙げられるのでしょうか?また、魚醤・醤油・ナンプラーそれぞれの使い方とは…?お次は、魚醤と醤油・ナンプラーの味の違いや使い方について学んでみましょう!

魚醤と醤油の味の違い・使い方

見た目が似ている『魚醤』と『醤油』。そんな『魚醤』と『醤油』の違いとしてまず挙げたいのが、原料です。ご存知の通り、『醤油』は大豆を原料として、塩漬けにして発酵させたものです。一方、『魚醤』は魚介類(イカやエビ・イワシ・アジ・ハタハタなど)を原料として塩漬けにして発酵させたものです。つまり、『魚醤』は『動物性たんぱく質』、『醤油』は『植物性たんぱく質』を主体としています。

『醤油』は多くの方が利用したことがあると思います。そんな『醤油』のお味は、クセの無いシャープな味わいですが、ボリュームやコクがあまりありません。一方、『魚醤』のお味は、コクと甘みのある濃厚な味わいですが、シャープな旨味があまりありません。そのため、醤油はかつおだしと。魚醤は昆布だしなどと合わせると美味しく仕上がります。

『醤油』にも『魚醤』にも塩分が含まれています。一般的な『醤油』の塩分濃度は13~16%程ですが、『魚醤』の塩分濃度は20%~25%ほどあります。また、『醤油』は『アミノ酸』が豊富に含まれ、『魚醤』にはペプチドが豊富に含まれています。『アミノ酸』は味をつける力が強い為、『醤油』は味つけに向いている調味料と言えます。

一方、『ペプチド』は味を消す力が強い為、『魚醤』は味消しに向いている調味料です。糖分やアルコールを含む『醤油』は、食材を引き締める効果があり水っぽい魚や肉に使うのが適していますが、ペプチドを含む『魚醤』はものをしっとりと軟らかくする効果があるので旨みたっぷりの魚や肉を使うのに適しています。『醤油』と『魚醤』は似ているようで味も効果も異なります。

魚醤とナンプラーの味の違い・使い方

見た目も日本の魚醤と似ていると言われている調味料・『ナンプラー』。では、「『魚醤』と『ナンプラー』の違いとは何…?」ということですが、一体どんな点が違うのでしょうか?まず、『ナンプラー』の説明を簡単にしてしまうと、『ナンプラー』はタイの魚醤であり、タイ料理には欠かすことのできない調味料とされています。

『ナンプラー』は日本での『醤油』のような存在で、一般家庭から高級料理店まで幅広く使用されている調味料です。そして、『ナンプラー』は世界一有名な魚醤と言われている存在です。そんな『ナンプラー』の主原料は『カタクチイワシ』です。『ナンプラー』は日本の『魚醤』よりも生臭さが強く、独特の香りがあります。

『ナンプラー』は小魚を発酵させた上澄みを熟成した液体なのでアミノ酸が豊富に含まれており、濃厚な味やコクがあります。日本の魚醤もコクと甘みのある濃厚な味わいで、コクと濃厚な味わいがある点は『ナンプラー』と同じです。基本的には魚を塩に漬け込んで発酵させて液体化させるという作り方は同じですが、『ナンプラー』の方がエスニックな味わいが感じられると言われています。

日本の『魚醤』と比べても生臭さが強いと言われているタイの『ナンプラー』。そんな『ナンプラー』の生臭さは火を通すと飛ぶため、煮物料理や炒め物などといった調理に用いられることが多いと言われています。ちなみに、タイの『ナンプラー』とベトナムの魚醤・『ニョクマム』は原料(魚の種類)も、製法もほぼ同じで、現地の人たちでもその違いはあまりわからないそうです。

《まとめ》魚醤と醤油・ナンプラーの味の違い・使い方

魚醤と醤油・ナンプラーの味の違い・使い方調査まとめのご紹介はどうでしたか?日本の一般家庭での『魚醤』の使用は減っていると言われているものの、いくつかの地方には魚醤を用いる文化が残っているため、郷土料理などで利用されている調味料です。そんな『魚醤』は、『醤油』や『ナンプラー』とも味や原料の違いがあり、使い方も異なってくるものです。

『醤油』・『魚醤』・『ナンプラー』の3つだと、日本では『醤油』を用いることが多いですが、タイでは『ナンプラー(魚醤)』を用いることが多いため、やはり日本で馴染みのある料理は『醤油』・エスニックなタイ料理には『ナンプラー(魚醤)』を用いることでさらに料理をおいしくできるでしょう。それぞれの使い方・料理に合わせた調味料の使い方をして、より美味しい料理を楽しみましょう!

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