2018年06月08日公開
2024年07月16日更新
マトウダイとは?味や食べ方は?旬や値段・さばき方からレシピまで紹介
マトウダイはどんな魚なのでしょうか?マトウダイはフレンチ料理のムニエルなどの食材として定番の魚です。マトウダイの味は上品な白身でコクがあり、肝や卵も食べることができ、とても美味しいと評判です。高級魚と言われていますが、日本近海でも漁獲されており、時期によっては手頃な値段で手に入ります。今回はそんなマトウダイについて詳しくまとめました。旬や値段、さばき方やレシピもあわせて紹介していきます。良かったら参考にしてみてください。
マトウダイは西洋料理の定番
マトウダイという魚を知っていますか?タイと名が付くと、真鯛のような見た目を想像しますが、全く違います。日本国内では流通量も少なく、魚に詳しくないと名前すら知らない人も多いのではないでしょうか?実はマトウダイは西洋ではかなり有名な魚です。ヨーロッパ地方では「サン・ピエール」と呼ばれ、シタビラメと同様にムニエルにする食べ方が一般的なようです。海外では値段も高く高級魚と言われています。
ちなみにマトウダイは、日本各地で違った名前で呼ばれています。例えばカガミダイ・ハツバ・カネタタキ・クルマダイなどの地方名があり、こちらの名前なら知っているという人もいるかもしれません。今回は、マトウダイがどんな魚なのか、食べ方やさばき方、レシピや値段なども交えて紹介していきます。それでは、マトウダイについて少し学んでみましょう。
マトウダイとはどんな魚?
マトウダイは、マトウダイ目マトウダイ科に属する魚です。一般的なタイのような見た目ではなく、口は前面に出ていて、馬のような面構えと変わったヒレの形が特徴的です。また、体の側面には弓道の的のような模様があり、このような見た目から「馬頭鯛」や、「的鯛」(マトダイ)とも呼ばれています。大きさは30cmから大きい物は50cm程で、大きくなり、成熟するまでには4年ほどかかるといわれています。
マトウダイは西部太平洋から地中海・インド洋など広い範囲で生息しています。日本国内では本州中部以南に生息がみられます。水深の深いところに住み、温帯域では深海にいるようです。また、特徴のある不気味な顔や容姿は、一度見たら忘れられないようなインパクトがあります。見た目の珍しさなどで水族館などにもよく展示されています。水族館でなら見たことがあるという人もいるのではないでしょうか?
マトウダイの味は?
マトウダイの味はとても上品で淡白な白身です。そして白身ですがさっぱりすぎずコクや旨味があると評判です。小骨も少なく食べやすいので、子どもでも安心して食べられます。生のマトウダイは刺身などで食べると、クセも無くモチモチとした独特の食感を楽しめます。刺身にするときに忘れてはならないのが肝です。新鮮な肝はカワハギのように肝醤油にすると美味しく食べられます。
また、加熱調理した食べ方ですと身がしまり、上品で質の良い白身が味わえ、生でも加熱してもどちらも美味しく食べられると言えます。料理店でマトウダイのメニューがあれば、ぜひ味わってみて下さい。白身なのにコクがある、その美味しさに虜になってしまうかもしれません。海外でも評判の美味しい白身を食べてみましょう。
マトウダイの旬の時期
マトウダイの旬は、12月から5月頃です。マトウダイの産卵期は2月下旬頃から5月頃と言われていて、この産卵期前の栄養を蓄えた時期が最も美味しい旬とされています。ちなみに生息している海域の気候によって産卵期は異なり、北に行くほど産卵期は遅くなります。温暖な地域では冬頃から産卵期に入ります。また、産卵期のマトウダイは抱卵しているものが人気で、卵もとても美味しいと評判のようです。
マトウダイの値段
マトウダイの気になる値段について紹介します。マトウダイは群れになって行動しないため、漁で大量に捕ることが出来ません。しかし日本の近海で、他の魚の網に混ざって漁獲され、数は多くは無いですが安定して獲れるので、そこまで値段は高くならないようです。
また、マトウダイの値段は、大きさや状態、旬の時期で変わります。定置網にかかった状態の良いものは1kgあたり800円から1500円と値段も高めで、小さなものや傷があるようなものですと500円から600円前後と低めの値段で販売されています。手頃な値段でスーパーなどで販売されていたらねらい目です。購入したら次の項目のさばき方を参考にしてみてください。美味しいマトウダイを食べ方についても後ほど紹介していきます。
マトウダイのさばき方
特徴的なヒレと大きな頭を持っているマトウダイですが、一体どの様なさばき方があるのでしょうか?ここではマトウダイのさばき方を紹介していきます。丸ごと手に入った際には、ぜひ、自分で捌いてみてください。マトウダイが参考になる動画もあわせて紹介します。
マトウダイの3枚おろしのさばき方
マトウダイにはウロコはありません。しかし体表にぬめりがあるので、まずは良く洗いぬめりを落としますぬめりを取り終わったら、水洗いして水気をキッチンペーパーなどで拭き取りましょう。ちなみにひれのトゲが心配なときは、先にキッチンバサミで根本から切っておきます。頭の方からハサミを入れて切るのがポイントです。
まずはえら蓋に沿って包丁を入れ、頭を落とします。あごの部分に固い骨がありますが、包丁で切れない場合はハサミで切ってしまいましょう。内臓を取り出し、血合いをよく水で洗い流しておきます。内臓は食べられるので捨てずに取っておきます。次は中骨に沿って背の部分に包丁を入れ、腹の方からも入れて身を外します。裏面も同じように包丁をいれ、中骨から身を外します。
次は腹骨を切り取っていきます。腹骨を左側、皮を下にしてまな板に置き、包丁の左面を腹骨に添わせるように切っていきます。マトウダイは身割れを起こしやすい魚なので丁寧にさばきましょう。刺身にする場合は血合いに沿って小骨があれば抜くか、血合いに沿って薄く切り取り、皮を剥がます。下の動画はとても分かりやすくさばき方を実演しています。参考にしてみてください。
マトウダイの内臓は捨てないで!
マトウダイは肝や卵、胃も食べられます。特に大きな肝は絶品です。鮮度がよければぜひ刺身と共に肝醤油にする食べ方を試してみて下さい。鮮度が良くない場合は肝の生食はやめましょう。肝の下処理の方法は、大きな肝は水でよく洗います。水気をきったら酒にさらしてからさっと湯通しします。すぐに氷水に入れて冷やし水気を拭き取ります。卵や胃はよく水で洗い、必ず加熱して食べましょう。
マトウダイの美味しい食べ方とレシピ
新鮮なマトウダイが手に入ったら、ぜひ美味しく料理して食べましょう。マトウダイはカワハギなどの白身魚と同じような料理での食べ方がおすすめです。大きな肝も残さず使いましょう。それではマトウダイのレシピを紹介していきます。
新鮮なマトウダイは刺身で
新鮮なマトウダイは、刺身にするのがおすすめです。この食べ方ですと、上品な白身の味や食感を存分に味わうことができます。レシピは、まず先程紹介したさばき方でサクをつくります。マトウダイは皮を引くと自然に身が血合いのところで割れます。そのため、1本のサクの大きさが細くなりがちです。刺身の1きれを大きくするためにも、厚めのそぎ切りにします。
身の左側から、包丁の刃元から刃先を引くように切ります。最後は包丁を立てるように引くと綺麗に切ることができます。刺身が出来たら丸皿に盛り付けます。マトウダイの身はとてもまったりとコクがあるため、普通にわさびしょうゆでも良いですが、ポン酢でさっぱり食べるのもおすすめです。
マトウダイは肝も絶品
マトウダイといえば大きな肝が美味しい部分です。新鮮な肝は生で、肝和えにして食べましょう。肝和えのレシピは、先程紹介した方法でまずは肝の下処理をしておきます。肝を包丁で叩き細かくします。皿に盛った刺身に添えて、万能ネギを切って散らせば出来上がりです。ポン酢やしょうゆで食べると絶品です。
また、鮮度のあまりよくないときは煮付けにしたり、あんきも風に蒸すのもおすすめのレシピです。肝蒸しの作り方は、洗った肝を2時間程度、塩と日本酒に漬けて置きます。ラップで簀巻き状に巻いたら、アルミホイルで更に上から巻き、蒸し器で20分ほど蒸します。1日冷蔵庫で冷やして切れば肝蒸しの完成です。日本酒にも良く合いそうなレシピです。
マトウダイといえばムニエルが定番
西洋料理ではマトウダイをムニエルにする食べ方が定番です。皮がパリッと白身がふんわりとしたムニエルは家でも真似をしたいものです。ムニエルのレシピは、3枚におろした身の皮は引かずそのまま使います。マトウダイの切身が大きければ横に半分に切っておきます。塩コショウを振り5分程おき、水分が出てきたらキッチンペーパーなどで拭き取りましょう。
マトウダイの身に小麦粉を薄くまぶしつけます。ミニトマトは4等分に切り、パセリはみじん切りにしましょう。フライパンにオリーブオイルと潰したにんにくをいれ、弱火でじっくりとにんにくの香りを出します。香りが出たら中火にし、マトウダイの身を皮が下になるように焼いていきます。このとき魚には触らず、フライパンを動かし油が回るようにしながら焼きます。皮がパリっとし、焼き目が付いたら裏返して弱火にします。
じっくりと焼いて火が通ったら皿に盛り付けます。フライパンの汚れを軽く拭きとり、バター・ミニトマトをいれ中火で加熱します。バターが溶けたら白ワインとレモン汁を加え沸騰したらパセリをいれ、火を止めます。ムニエルに熱々のソースをかけ、レモンを添えれば、絶品ムニエルの完成です。バターの濃厚な香りとレモンの酸味が爽やかなお店の味が家でも再現できます。ぜひ試してみて下さい。
生姜が効いて美味しいマトウダイの煮付け
マトウダイはアラまで美味しい魚です。内臓とエラを取ったら、あとは丸ごと煮付けてしまいましょう。レシピは、まず内臓とエラを取ったマトウダイの身の部分にバツ印の切れ目を入れ、流水でよく洗いましょう。大きめのフライパンに、しょうゆ・酒・みりん・各50cc、砂糖大さじ2、水500cc、だしの素少々を入れ沸騰させます。
沸騰したらマトウダイとスライスした生姜を2・3枚入れ、落し蓋をして中火で20分前後煮ます。火を止め、更に盛り付けたら完成です。大きなマトウダイで作れば見た目もインパクトがあり、おもてなし料理にもなります。ちなみに刺身を作って残ったアラも、頭や骨の部分に身が残っているので煮付けにすると最後まで美味しく食べられます。卵や胃袋も一緒に煮ると美味しいです。
マトウダイのフライ
マトウダイは小骨もほとんど無く食べやすい魚です。フライにすれば子どもでも食べやすくおすすめの調理方法です。レシピは、まず3枚におろしたマトウダイの身の皮をひき、1cmほどの大きさにそぎ切りします。塩コショウをふり、小麦粉・卵・パン粉の順に付けて180度の油でキツネ色になるまで揚げます。ベビーリーフやミニトマトなどを添えたら完成です。
マトウダイのフライは、熱々をソースで食べるのも美味しいですが、素材の味を楽しむのには塩で食べるのがおすすめです。また、あっさりした白身なので、タルタルソースや、ちょっと洋風なトマトソースもよく合います。癖のない味の魚なので、フライにすると子どもから大人まで美味しく食べれるレシピとなっています。
マトウダイでフィッシュ&チップス
イギリスのファーストフード、フィッシュ&チップスは基本的にはタラなどで作られます。しかしマトウダイで作っても美味しいです。旨味のあるしっかりとした白身とポテトの組み合わせは、ビールのツマミにもってこいです。ここでは、マトウダイを使ったフィッシュ&チップスの作り方を紹介していきます。レシピは、まず小麦粉100g・卵1個・黒ビール90cc塩少々をよく混ぜ、冷蔵庫に入れて20分ほど置いておきます。
3枚におろしたマトウダイを食べやすい大きさに切り、塩コショウを振っておきます。ジャガイモは皮のまま使うので良く洗い、くし切りにして水にさらします。マトウダイに薄く小麦粉を付けてから、冷蔵庫で休ませていた衣をつけ、170度から180度で火が通るまで5~6分ほど揚げます。水にさらしていたジャガイモの水気をよくきってから素揚げします。皿に盛り付け、お好みでケチャップやマヨネーズ、レモンを添えれば完成です。
マトウダイをさばいて食べてみよう!
今回はマトウダイの生態やさばき方、食べ方やレシピなどについて紹介してきました。海外でも人気の魚ですが、値段もそこまで高くなく、手に入りやすい食材という事がわかりました。家でさばけば新鮮な身はもちろん、肝も美味しく食べることが出来ます。市場やスーパーなどでマトウダイが販売されているのを見かけたら、購入しさばいて食べてみましょう。
マトウダイは白身なのにコクがあるまったりとした味わいや、肝の濃厚な美味しさにはまってしまうかもしれません。マトウダイは鮮魚店などではなかなか見かけない魚ではありますが、売っているのを見つけたらラッキーです。また、他の魚を狙って釣りをしていると外道としてかかることもあるようです。そういった機会にぜひこの記事を参考に、自身で捌いて食べてみることをおすすめします。