ブルーギルは食べることが出来る?特徴や料理方法を画像で解説!

ブルーギルと言えば、ブラックバスと並んで日本の生態系に有害とされる、特定外来生物として有名です。そんなブルーギルですが、どうやら食べることができるらしいのです。しかもかなり美味なんだとか。今までは厄介者扱いされるだけだったブルーギルが美味しいとなれば、どんな味でどんな料理に向くのかなど、やっぱり気になるところです。ブルーギルがどんな魚なのかその特徴や、どんなブルーギルの料理があるのかを、画像を交えて紹介します。

ブルーギルは食べることが出来る?特徴や料理方法を画像で解説!のイメージ

目次

  1. 1ブルーギルは特定外来生物
  2. 2ブルーギルとは、どんな魚?
  3. 3ブルーギルは食べることができる?
  4. 4ブルーギルの下処理とさばき方
  5. 5ブルーギルのおすすめ料理方法
  6. 6ブルーギルはリリース禁止なので持って帰って料理しよう

ブルーギルは特定外来生物

ブルーギルは日本の生態系に重大な影響を与える、特定外来種に指定されている外来魚です。繁殖力の強さと日本に元から住んでいる在来種を食べつくし、本来いるべき日本の生物が絶滅したところもあり社会問題化しています。そんなブルーギルですが、原産地だけでなく、移入した日本以外の国では日常的に食べる大衆魚なのです。ブルーギルがいったいどういう魚なのか、どんな味がしてどんな料理方法があるのかまとめてみました。

ブルーギルとは、どんな魚?

特定外来種として各地で駆除対象にされるなど、各地で厄介者扱いされているブルーギルとはいったいどんな魚なのでしょうか?原産地では特に問題になったこともなく、他の移入国の中には一般的な大衆魚として養殖している国もあるのに、なぜ日本では厄介者として駆除される存在なのでしょうか?ブルーギルの特徴や日本で起こっている問題だけでなく、画像も交えて問題なく食べられる魚なのかなど、さまざまな角度から紹介します。

ブルーギルの特徴は?

ブルーギル(Lepomis macrochirus Rafinesque,1819)はスズキ目サンフィッシュ科ブルーギル属に属する、13種類のうちの1種です。実はあのブラックバスもこのサンフィッシュ科の魚で、ブルーギルとは親戚筋の魚になります。ブルーギルの特徴は、名前の由来ともなっている左右のエラの部分にある皮蓋の色です。若いうちにはほとんどないその皮蓋は、成長とともに突出するだけでなく画像でもわかるくらい鮮やかな紺色になります。

画像でもはっきりわかるくらい目立つその特徴ある皮蓋から、ブルー(青い)ギル(エラ)サンフィッシュ、略してブルーギルと呼ばれるようになりました。日本ではブルーギルの事を単にギルと呼ぶことがありますが、ギルは元々エラをさす英語のため、現地では通じませんしブルーギル自体が略称です。ですが日本ではエラをギルと呼ぶことがほとんどないため、ギルが略称として特に釣り人の間では定着しています。

ブルーギルは原産地では40cm以上の大物が釣れることもありますが、日本の場合は大きくて20cm~25cmがせいぜいです。ブルーギルが成長して40cmほどになると、画像のようにフライパンに収まる形と大きさになるのも特徴のひとつです。ですが1歳代のブルーギルは細長く、親とは似ても似つかない姿をしています。成長するにしたがって背中が盛り上がるように高くなる反面、体は薄べったいままというのもブルーギルの特徴です。

画像ではわかりにくいですが、ブルーギルは縦に高く胸びれも発達していないため、まっすぐ泳ぐのはやや遅めという特徴があります。一方で背びれ・腹びれ・尻びれが良く発達しているおかげで、方向転換能力が高いのも特徴のひとつです。体色は幼いときは通常青から緑がかった褐色で7本~10本の暗い色の横縞があります。成長すると暗い灰褐色から黒っぽく変化して腹側は黄色っぽくなり、画像のように縞模様も薄くなってきます。

さらにブルーギルは群れで行動する特徴があります。繁殖期になると、群れの中で地位が高いオスほど、画像でもはっきりわかるように、胸の部分が赤い婚姻色に染まる特徴があります。画像ではわかりにくい特徴として、背びれ・腹びれ・尻びれに無毒とはいえ鋭い棘があるため、不用意につかむと大怪我をすることがあります。網を使った漁では、この棘で他の魚が傷ついたり網自体も傷むため、より嫌われる原因にもなっています。

ブルーギルはどこから来たの?

ブルーギルを始めとしたサンフィッシュ科の魚は、画像のように北アメリカの固有種です。つまり北アメリカから来た、ということになります。このサンフィッシュ科の魚の特徴は、その適応力の高さと繁殖力です。原産地の北アメリカでは天敵もいるため、ブルーギルやブラックバスといえど生態系では低位の生物です。そのため身に付けた生命力が、天敵がほとんどいない地域では生態系を脅かすほどの、問題生物になってしまうのです。

ブルーギルが繁殖した為に起こった問題

ブルーギルの繁殖がもたらした問題として、その悪食が原因のひとつとなっています。ブルーギルは肉食寄りの雑食性で、水生昆虫から小魚やその卵まで、口に入るサイズのものは何でも食べてしまう特徴があります。さらにサンフィッシュ科の特徴として、オスは春~夏の繁殖期に入ると縄張り意識と闘争性が極端に高くなる特徴があり、画像のようなすり鉢状の巣を作ってメスに卵を産ませ受精させます。

ブルーギルは産卵・受精後も、オスが卵と孵化したばかりの稚魚を、画像のようにしばらくの間保護する特徴があります。稚魚の生存率は4%と言われていますが、他の魚と比べると驚異的な数字です。平均的なメスでも1回の産卵数は21,000粒~36,000粒、大きい固体になると64,000粒もの卵を産んだというデータもあります。しかも1回の繁殖期のうちに複数回産卵する特徴があるため、まさにねずみ算的に増えていくことになります。

ブルーギルの原産地の北アメリカには、画像のような天敵となるアリゲーターガーやワニガメ類がいますが、日本ではブルーギルの天敵と呼べるものは少なく、在来種の水生昆虫や魚の稚魚のみならず、卵から小型の魚まで全て食い尽くしてしまいます。過去には滋賀県の瀬田月輪大池で、ブルーギルの移入後に在来種のモツゴという小魚が絶滅したことが確認されています。

そんなブルーギルでも稚魚のうちは、ブラックバスやナマズ類、カワセミなどの鳥類の他、湖沼に生息するウグイが稚魚や卵を食べるため、繁殖に抑制効果があるのではないかと期待されています。他ではタニシ・カワニナなどの巻貝類が、ブルーギルの産卵床付近に多く、卵を餌にしている可能性が示されています。ですがまだまだ調査・研究段階に過ぎず、生態系への悪影響や漁業被害を減らすには至っていません。

とはいえ大人になったブルーギルは、天敵らしい天敵もいないまま、水質汚染を始めとした水質変化にも柔軟に対応し、時にはブラックバスの稚魚を襲うなど、ブラックバス以上に在来種にとって脅威であることが確認されています。ブルーギルとブラックバスが多い水系では、ブルーギルのほうが優勢種であるというデータもあります。そのため繁殖時に産卵直後に農業用貯水池を画像のように排水し、孵化を阻止する試みも行われています。

ブルーギルは食べることができる?

ブルーギルの原産地である北アメリカでは、パンフィッシュ(Pan fish)と呼ばれ、大きく成長したブルーギルはちょうどフライパンに収まり料理しやすい魚として、一般的に良く食べる魚です。中国でも観賞用に移入された後に、食べるための魚として転用され、各地で養殖されるとともに画像のように蒸し料理が人気です。このことからもわかるように、ブルーギルはれっきとした食用魚でもあるのです。

ブルーギルは食料目的で移入された魚

ブルーギルは今上天皇がまだ皇太子明仁親王時代の1960年に、アイオワ州グッテンバーグで捕まえられたミシシッピ川水系原産のブルーギルを15尾(一説では17尾・18尾とも)、日米修好100周年を記念として贈られたものを持ち帰ったのが最初です。その後そのブルーギルは、水産庁淡水区水産研究所が日本人が食べるのに有用な魚かどうかを研究するために飼育し、さらにさまざまな県の水産試験場が研究用に分与されています。

滋賀県には淡水真珠の母貝の養殖にブルーギルが最適として、ずさんな管理下で養殖される中かなりの数が流出し、大阪では食用魚としても期待され休耕田での養殖が行われるなど、試験飼育の段階でもかなりの数が散逸していることが予想されていました。自然水域への放流は、1966年の静岡県の一碧湖への放流が最初で、釣魚としてのブルーギルの研究が行われたものの、結果は厳しいものだったことも報告されています。

その後も釣り人によって1969年~1972年にかけて4回、ダム湖や池の他にも淀川にも放流されたことが当時の釣り雑誌に記事として残っているなど、人為的に放流・拡散していった記録が多数残っています。結果1960年代~1970年代にかけて、各水産試験場で研究用の養殖時の散逸と釣り人の放流など、多くの人為的移入によって画像のように日本各地に広まっていきました。

この事実は2009年に三重大学の生物資源学部が発表した、全都道府県の56ヵ所で捕獲したブルーギル1,398尾全てが、アメリカ13地点で捕獲したブルーギルのうち、グッテンバーグで採取したものとDNAサンプルが完全に一致したことで証明されました。ブルーギルが拡散した要因には、単に釣り人による移植だけでなく、大阪府や滋賀県などの水産試験場の関与もわかっていて、行政も関わった拡散であることも問題になっています。

他にも「ブルーギルはおめでたいプリンスフィッシュである」と言われて放流された記録もあり、現在のブルーギルによる深刻な問題に対して、2007年の第27回全国豊かな海づくり大会で、今上天皇が「ブルーギルは50年近く前に私がアメリカから持ち帰り、水産庁の研究所に寄贈したものが食用魚として期待され研究されたものの、結果としてこのような事態になったことに心を痛めています。」と発言するほどに深刻化しています。

現在も政府や自治体手動で駆除作業が行われたり、漁業関係者から買い上げるだけでなく、人工的に浅瀬に産卵床を作って卵を産みつけたところで駆除したり、さまざまな防除手段がとられています。その他にも魚粉に加工して、鶏や豚の畜産飼料や魚の養殖飼料に利用したり有機肥料として利用するなど、ただ駆除するだけでなく、地産地消品としての有効利用に取り組んでいる地域もあります。

ブルーギルなど特定外来生物は放流禁止の場所が多い?

ブルーギルなどの、日本の生態系や産業、生活環境などに悪影響があると認められた生物は、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」により、さまざまな規制と防除に関して定められています。通常は外来生物法もしくは特定外来生物被害防止法と呼ばれ、日本在来の生物の捕食や競合により生態系を損ねたり、人の生命・身体への安全および農林水産業に実害があるかその可能性のある生物を、抑止するのが目的です。

そのためすでに日本に移入している種以外でも、危険性が認められた種は特定外来種に指定されているものもあります。この特定外来種は、飼育・栽培(植物の場合)・保管・運搬・輸入などさまざまな分野で規制されるとともに、すでに日本に移入されている種に関しては、必要に応じて国や自治体が防除を行うことも定められています。特定外来種は輸入だけでなく飼育にも、画像のように専用の書類の提出も義務付けられています。

特定外来生物は、個人での輸入だけでなく、生きたままの輸送や飼育にも、環境省に届け出て大臣から許可を取る必要があります。つまり釣ったブルーギルはその場から、生きたままの状態で持ち帰ることも禁止されています。さらに外来生物法では、特定外来種の野外への放流も禁止しています。つまりキャッチアンドリリースは違法行為ということになります。

外来生物法に違反するとどうなるのでしょうか?無許可での生きたままの移動や飼育・販売、野外への放流(キャッチアンドリリースも含む)などの行為に対して、個人の場合は「3年以下の懲役や300万円以下の罰金」、法人の場合は「1億円以下の罰金」が科されます。さらに防除が必要になった原因となる行為(放流など)を行った場合、その防除経費の一部または全額を負担することになります。

琵琶湖では「キャッチ&イート」を呼び掛けている

琵琶湖では画像のように滋賀県や琵琶湖周辺自治体の他、NPO法人による外来魚駆除イベントも行われています。そんな中で琵琶湖で釣れた特定外来種であるブラックバスやブルーギルを、ただ廃棄箱に捨てるだけでなく食べることを推し進める「キャッチ&イート」を呼びかけています。滋賀県のホームページでは専用ページを設けて、ブラックバスやブルーギルを使った料理を提案しています。

滋賀県ではブルーギルをビワコブナという名称で、鮒寿司の材料であるニゴロブナの代用魚として使ってみたり、地元の料理店でもブルーギルを使った料理の開発や提供を推し進めています。また滋賀県庁では、釣り人に対してチラシを配布してブルーギルのリリース禁止の啓蒙活動を行うとともに、釣り人によるブルーギルの駆除効果は、大規模な漁具での駆除が行えないような場所でも大きな駆除効果があるとして、推奨しています。

日本では釣り魚としてのブルーギルの価値は低いですが、原産地であるアメリカではパンフィッシュとして食べるなじみの魚としてだけでなく、簡単な仕掛けで釣り初心者でも簡単に釣れる水遊びの相手として、キャンプやハイキングでも釣りを楽しむ魚です。日本国内で釣る場合でも、ブルーギルは口に入る大きさで餌と判断したものにはなんにでも食いつく特徴があり、非常に釣りやすい魚です。

そのため釣り慣れた人にとっては物足らない魚かもしれませんが、ただひたすら釣ってみたいという人にはぴったりの魚です。釣れたブルーギルの中でも、大きなものだけを料理用に下処理して持ち帰り、他は回収ボックスや回収いけすが設置されている場所ではそこに処分し、回収ボックスや回収いけすのない場所では大量の氷で冷やしながら持ち帰り、臭いが出る前に速やかに下処理を済ませて処分しましょう。

ブルーギルを釣ることで、環境回復に貢献することができます。ですが釣ったブルーギルをその場に捨てていくと、カラスなどの餌になって鳥害を招いたり、腐って害虫を招いたり悪臭の素になるなど、周辺環境にとって逆効果になることもあります。適度に釣って、きちんと処理するよう心がけましょう。始めから、琵琶湖のように回収ボックスや回収いけすを設置してあるところで釣るようにするのも、簡単な対処法のひとつです。

ブルーギルの味は?食べてみると意外に美味しい?

ブルーギルは日本ではあまり大きくならないため、身が薄い割には小骨が多くて食べるのに苦労するだけでなく、ぬめりや内臓が多くて臭いが移ると食味が悪くなるほか、ほとんど全てのヒレに棘があるなど怪我をしやすいこともあり、小さいうちは料理にするにも手間がかかりすぎるという難点があります。ですが大きいブルーギルが釣れた場合は食用に持って帰る釣り人もいるように、食べるのにも適した魚であることは事実です。

ブルーギルは川魚らしい上品な白身をしていて、タイの味に例えられることもあるほどです。一方で塩焼きにすると一夜干しのカレイのような味だという人もいれば、タラにも似ているという人もいます。うなぎのようにふわっとした食感だとも言われたり、スズキに似ているという人もいる、上品な白身魚という点は共通しています。もうひとつ共通してある意見は小骨が多いということですが、料理次第で美味しくなる魚です。

ブルーギルの下処理とさばき方

ブルーギルは下処理で味がまったく別物になってしまう魚です。料理の前に必ず丁寧に下処理をしましょう。ブルーギルの厄介な点は、臭みの素が日本の川魚とは別の場所にあることです。通常日本の川魚は塩でこすってぬめりを取れば、後は内臓さえ処理してしまえば問題ありません。ブルーギルはこうはいきません。ブルーギルを料理する前にしておきたい、大切な下処理とさばき方を紹介します。

ブルーギルは泥抜き不要

ブルーギルはコイなどと違って、泥や砂を口に入れる習性がありません。そのため泥抜きは必要ありませんが、住んでいた水の生臭さはあります。そのため綺麗な水を用意しておき、その中に入れてしばらく生かしておいてから、その後に締めてエラを切って血抜きをします。エラを取ったらその隙間から指を入れ肛門のところを少し切ったら、内臓を押し出します。ペットボトルの水などで腹の中を綺麗に洗い流します。

ブルーギルのお腹の中を綺麗に洗い流したら、キッチンペーパーなどで綺麗に水気をふき取ります。袋に入れて大目の氷とともにクーラーボックスに入れて、家に持ち帰るようにしましょう。ブルーギルは特定外来生物のため、生きたまま持ち運ぶことが禁止されています。釣ったその場で食べるのでもない限り、必ず締めてから持ち帰るようにしましょう。

ブルーギルの下処理

ブルーギルの下処理は、まずは全てのひれを切り落とすことから始めましょう。ブルーギルはひれの先に鋭い棘を持っているため、そのまま処理をはじめると大怪我をすることも珍しくありません。先に危険なひれをキッチンバサミなどで切り取ってしまいましょう。釣ったその場で料理するときは、釣り上げるときも締めるときにもひれには注意してください。

下処理を始めるときに、先にお湯を沸かしておきましょう。沸かしたお湯をブルーギルにかけると、ぬめりやうろこが固まって簡単に取れるのですが、かけすぎると皮までめくれてはげてしまいます。そのため大きなブルーギルでない限り、鍋に湯を煮立てながらその中に10秒ほどブルーギルをくぐらせましょう。熱の伝わり方は、目の玉の色やうろこの色が変化し始めたのを見逃さないようにします。

湯をくぐらせたブルーギルは、流水をかけながらうろこを逆なでするようにすると、簡単にうろこを取り去ることができます。うろこを全て落としたら塩でもんで、ぬめりを丁寧に取り除きます。ブルーギルの臭いの素はうろこの下にあります。そのためうろこを落としてから、丁寧にぬめりを落とすようにしましょう。ぬめりを取ったら、胸びれの付け根の下に包丁を入れて頭を落とし、お腹を開いて内臓や血合いを全て取り除きます。

内臓も臭いの素になるので、身が崩れない程度に丁寧に洗い流しましょう。ここまで下処理が終わったら、急いで使う場合を除いて、一晩冷蔵庫で寝かせましょう。これでブルーギルの一番の難点である臭いは、下処理が不十分でもない限り、完全といっていいほどなくなります。後は料理に合わせて、ブルーギルをさばいていきましょう。

ブルーギルのさばき方

小さいブルーギルはそのまま唐揚げにしても良いのですが、大きいサイズのブルーギルは3枚に下ろしていきます。腹側から包丁を入れて、中骨に沿って切り開いていきます。ブルーギルの上下を逆にしたら今度は背中側から包丁を入れて、身をはがすようにして切り離します。片側が終わったらそのまま裏返して、反対側も同じように身を切り離して、3枚下ろしにしていきます。

3枚に下ろしたばかりのブルーギルは、腹骨が付いたままです。腹骨の位置を指先で確認したら、背中側から腹骨を、削ぎ取るように切り取ります。これだけでもかなり小骨が減り、料理の仕方次第では小骨を気にすることなく、食べることができるようになります。小さいブルーギルはひれのとげを切り落とした後、うろことぬめりと内臓を取り除いて、そのまま料理に使っても問題なく食べることができます。

ブルーギルのおすすめ料理方法

ブルーギルは元々食べる目的で移入されただけあって、味はとても良い白身魚です。原産の北アメリカでは、リリースを定められているところ以外では、普通に持ち帰って食べられることのほうが多い魚です。滋賀県でもキャッチアンドイートを推し進めているだけあって、さまざまな食べ方を奨励していて、地元の料理店でもブルーギルを使った料理を提供しています。そんな家庭でもできるブルーギル料理を紹介します。

ブルーギルで作る塩焼き

3枚に下ろした後でも、そのままの姿焼きでも簡単に作れる料理です。他の川魚の塩焼き同様、飾り切りを入れてから塩を振り、まずは強火で表面に焼き目が付いたら裏返し、裏面にも焼き色が付いたら弱火でじっくりと火を通していきます。小振りのブルーギルを姿焼きにするときには、ひれに化粧塩をすると良いでしょう。そのときも火通りが良くなるだけでなく、余分な水分を抜くためにも飾り切りを入れましょう。

一見臭いがきついのでは?と気になるかもしれませんが、きちんとした処理を済ませたブルーギルは臭みもなく、味の評価も普通に高いです。若干小骨が気になる人もいますが、下処理さえちゃんとできれば、この先も食べるという人のほうが多い魚です。臭みの少ないブルーギルを釣り上げるには、なるべく水の綺麗なポイントで釣り上げれば、元々生臭みの少ないブルーギルが釣れるので、より美味しく食べることができます。

臭みが気にならない唐揚げ

唐揚げ粉にカレー粉を少々混ぜて、カレー風味のブルーギルの唐揚げを作ってみませんか?塩・コショウで下味を付けたブルーギルに、日本酒をふりかけます。こうすることで生臭さが押さえられるだけでなく、ブルーギルの身がよりふっくらと揚げあがります。下味をつけたブルーギルに唐揚げ粉をまぶしたら、始めは高めの温度で表面を固めて旨味を閉じ込め、その後じっくり火を通して揚げていきます。

最後まで油の温度が低いまま揚げると、仕上がりが油切れの悪いべたべたの唐揚げになってしまいます。なので、仕上げに油の温度を一度上げてから、油切れが良いようにパッドに立てるように並べていきます。じっくり火を通すことで小骨も柔らかくなるので、食べるときに気にならなくなります。子供でも食べやすく、おすすめの調理方法です。

和風唐揚げもおすすめ

先ほどはカレー粉で風味付けをしましたが、ショウガと醤油の和風の味付けの唐揚げもおすすめです。しょうががブルーギルに残った臭みを消してくれるだけでなく、より柔らかくさくっとした仕上がりになります。大切なのは唐揚げ粉を付け過ぎないことです。唐揚げ粉が余分な油を吸って油臭くなったり、硬い歯ざわりの素になったりします。しょうがと醤油の浸けダレで下味を付けたら、から揚げ粉は軽くまぶすだけで揚げましょう。

ピリ辛風味で食べるならブルーギルのチリソースあえ

ブルーギルを3枚に下ろした後に、短冊形に切ります。塩・コショウで下味を付けた後に日本酒で臭みを取り、良く溶いた卵白に浸してから片栗粉をまぶします。ピーマンを千切りに、ネギ・しょうが・にんにくをみじん切りにしておきます。フライパンに油を入れて、ブルーギルとピーマンをそれぞれ油で揚げておきます。後でもう一度火にかけて合わせるので、火を通し過ぎないように注意しましょう。

ブルーギルとピーマンの油通しが終わったら一度油を処分し、もう一度油を引きなおします。刻んでおいたネギ・しょうが・にんにくを良くいためた後にチリソースと日本酒を足して味を調え、素揚げ下ブルーギルを入れます。水溶き片栗粉でとろみを付けてよくなじませたら、器に盛り付けて揚げておいたピーマンを彩り良く散らして完成です。ビールのおつまみにも良く合う一品です。

魚といったらやっぱり煮付け

ブルーギルは身が薄いので、大きめの固体のほうが食べ応えがありおすすめです。姿煮にしますが、安全のためにひれは全て先を切り落としておいたほうが良いでしょう。沸騰したお湯をかけて、うろことぬめりを丁寧に取り除きます。ヒレや尾は特にぬめりがひどいので、切り落としてしまってもかまいません。肛門から包丁で腹を切り開いて、内臓とエラを全て取り除いて、血合いも全て綺麗に洗い流して、身に切れ目を入れておきます。

ブルーギル2匹に対し、醤油・昆布つゆ各大さじ3杯・味醂大さじ1杯・砂糖大さじ2杯・水100mlくらいを良く混ぜて軽く煮立たせて煮汁を作ったら、そこにれんこんを適量乱切りにして入れて、再度煮立ったらブルーギルを入れて、アルミホイルなどで落し蓋をして弱火で煮込んでいきます。時々ひっくり返したり煮汁をかけたりしながら、煮汁が半分くらいになるまで良く煮込んで、味をなじませたら盛り付けて完成です。

意外な美味しさのブルーギルの天ぷら

3枚に下ろしたブルーギルを使います。頭が付いていたほうの背中の部分から皮を引っ張って、皮を全部剥ぎ取ります。キッチンペーパーなどで水分をふき取ったら、ラップをして冷蔵庫で一晩寝かせましょう。後は通常の白身魚と同様に、市販の天ぷら粉を使って揚げるだけです。臭いもなく小骨も気にならない、美味しい天ぷらが出来上がります。味は白身魚の天ぷらの定番のキスにも勝るとも劣らないという、おすすめの一品です。

ブルーギルを料理するときの注意点

今ではブルーギルを美味しく食べる方法がいろいろと考えられて、ネットで検索するとさまざまな料理方法が紹介されています。北アメリカ原産のブルーギルも、日本人の口にあった料理方法で美味しく食べられる工夫がされています。ですがやっぱり共通して言われるのは、料理中の生臭さです。釣ったその場での下処理も大切ですが、その日の内に臭いの素となる内臓やうろこ、ぬめりの処理は済ませておきましょう。

ブルーギルを扱うとき気をつけたいのが、背びれや腹びれ、尾びれに付いた棘です。飾りとして残す場合でも、縁は全てキッチンバサミで切ることで、棘を全て取り除いてから料理に取り掛かるようにしましょう。刺さると非常に痛く、大怪我になることも珍しくありません。特にひれにもぬめりが多いことから、下処理中の怪我の危険性も非常に高い魚です。無毒だからと気を抜かないように、注意して取り扱ってください。

これはブルーギルに関わらずどの川魚でも言えますが、寄生虫が多いため生食は控えましょう。必ずしっかり加熱してから食べるようにしないと、寄生虫による食中毒の危険があります。養殖の川魚でも専門家に処理してもらったほうが安全なくらいなので、自然の中で育ったブルーギルを食べるときには、生のままだと寄生虫がいる、と思ったほうが間違いがなく、安全に食べることができます。

ブルーギルはリリース禁止なので持って帰って料理しよう

ブルーギルは釣り上げたらリリースすることを禁止された、特定外来生物です。好きで釣ったわけでもないのに、放したら刑罰対称になってしまいます。そんなブルーギルですが、下ごしらえはちょっと面倒なものの、とても美味しい魚です。近頃は食べるために釣りに行く人もいるくらい、その味が評価されてきています。もしたまたまでも釣り上げたときには、ぜひ一度料理して食べてみてください。きっと価値観が一変するでしょう。

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