2018年06月07日公開
2024年07月16日更新
ベラという魚の味と食べ方は?さばき方や刺身・塩焼きなど料理も紹介!
ベラという魚を知っていますか?実はある魚の正式名称なのです。その魚の画像を見せると「あ、この魚なんだ」と納得するのですが、実はこのベラという魚を食べれることをご存知ですか?意外と観賞用の魚というイメージがあるので食べれることを知っている人は少ないぐらいです。そこで今回そんなベラという魚を知ることで、美味しい食べ方や料理の仕方も一緒に教えていきましょう。そうする事でベラの魅力を更に知ることもできます。
ベラはキュウセンとも呼ばれる美しい魚
ベラという魚を知っていますか?と言われるとどんな魚?となる事が多いのですが、実際この魚ですと見せるとほとんどの人が「あ、その魚なんだ、ってこの魚ベラっていうの?」となる事が多いです。というのも別名ではとても有名な魚なのです。その別名が「キュウセン」という魚で呼ばれています。実はベラ(倍良)は愛称であり標準和名をキュウセン(九線、求仙)と呼びます。関西では「キザミ」や「ギザミ」等呼ばれてます。
そんなベラはスズキ目ベラ科の魚で、画像で見る様にカラフルで派手な見た目をしていて、まるでルアーのようなおしゃれな姿が特徴の魚です。また魚としては珍しいタイプの魚である為にベラは変わっていると言われています。また雄と雌とで身体の色が異なります。雄の体は緑色で黒いスジがあり、雌は全体が赤っぽく黒い縦縞があり見た目から簡単に雄と雌を見分けやすいのです。その為に雌を赤ベラ、雄を青ベラとも呼びます。
ベラとはどんな魚
ベラは性転換する魚
ここでベラは他の魚にない珍しいものを持っているという事ですが、それは雌性先熟です。その雌性先熟とは、最初は生まれたすべてのベラは雌として成長し、成長後は雄に性転換する不思議な生態であることです。人間煮は想定理解できない自然の世界の話ですが、ベラの雄は自分の縄張りの中の複数の雌抱えて繁殖を行ういわば一夫多妻の繁殖形態を持っている魚なのです。そしてもう一つそのようになったのかをご紹介します。
それはベラの生態と関係がありました。ベラは縄張りと雌を巡って雄同士が争うのですが、どうしても体が小さい雄はこの時戦いに負けてしまい縄張りを奪われ繁殖の機会を無くしてしまうのです。そうすると自分の子孫を残す事が出来なくなってしまいます。そんな事にならない様に少しでも自分の子孫をたくさん残す為にも体が小さい内は雌として繁殖を行い、縄張り争いで戦える大きさに成長したら雄に性転換するというのです。
つまりベラにとっては大事な子孫を残すための生き残りなのです。小さな体では次を残せないならば、小さいうちは雌で生き続けて、その間に大きな身体になったら雄になって子孫を残す。魚の世界も子孫を残すのに弱肉強食の世界でもあります。ちなみにこのような生態を持っているのはベラ科の魚以外にもハタ科やハゼ科の魚もこのような形態で生息しています。魚は何百万個と卵を産みますが生き残れるのも半分位と言われています。
ベラは西日本で好まれている
所でそんなベラですが、全国的には有名な魚ではありません。というのもベラは主に西日本をメインに食べられている魚なのです。東日本特に関東ではベラは下魚とされ、捨てられているところも何度か目にする人が多いぐらいです。しかし西日本でも関西や瀬戸海等一部のエリアのみで食べられていますが、毎回流通している物ではないし、出回っても高級魚でもなく安値で買えることもあるそうです。そんなベラの旬について紹介します。
ベラの旬の時期と味と食べ方
ベラの旬の時期は?
ベラの旬ってあるの?と思いますがやはり魚なので旬は存在します。魚の旬って俳句を詠まれる事が多いのですが、俳句を嗜んでいる方はご存知かもしれませんが、俳句の季語や歳時記などでは、ベラは夏を表す季語として使われていることが多いです。しかし実際ベラが一番美味しい旬の時期は春から夏にかけての時期だと言われます。おそらく産卵の時期がそのぐらいだろうというのと一番身がしまって美味しい時期がその時期だそうです。
ベラの味は?
そもそもベラが関東で下魚として扱われているのは、その魚の容姿もあります。それと同時に捌くのがとにかく大変なのです。捌くときにウロコ飛び散るし、骨強いし、なによりもぬめりが強すぎてとても食べたいという気にならないそうです。しかしぬめりは塩で洗えば落ちますし、骨は上手に退ければ大丈夫です。鱗の飛び散りだけは出来る限り飛び散らない様に取るしかないです。ベラの身肉自身は繊維質が少なく柔らかい白身の魚です。
ベラはどんな食べ方をされている?
ベラの食べ方は様々です。ベラという魚自身が元々臭みのない魚なので新鮮なものは生食つまり刺身にして食べるのもおすすめです。また、広島県の郷土料理ではベラの「はぶて焼き」という食べ方も有名です。これは煮つけたベラを一晩おいて改めて焼くという地方料理の食べ方です。いつも魚料理でよく使われる煮つけの美味しさに香ばしさが加わった絶品と言われていて、広島の方ではよく作られる料理で食べられる郷土料理です。
ベラの刺身のさばき方を紹介
さばき方は他の魚と同じ
さて、ここからそんなベラを美味しく食べるにはどうすればいいかという事で一番ベラが嫌われる原因であるさばき方についてご紹介していきます。さばき方はいたって簡単です。ベラは他の魚と同じで3枚おろしにして食べるのが一番おすすめです。3枚おろしであれば他の魚をさばいていたら素人の人でもさばきやすいやり方なので、おすすめです。もちろん大名おろしというさばき方もありますが、ベラは小柄なので3枚卸しがおすすめです。
注意が入るのはぬめりの取り方
そこで次の問題です。ベラを釣った人や釣り人の間では一番難儀とされているのはベラのぬめりです。そのぬめりが強い為に釣り上げても食べようと思わないのです。しかしそのぬめりもある方法をすれば綺麗に落とすことができます。それは塩です。釣り上げたベラをそのままリリースする人もいますが、食べる事が多い西日本側では、塩でそのぬめりを綺麗にとってから食べるのは常識になっています。知っているだけでもまた違います。
ベラを美味しく食べるならば3枚下ろし
ぬめりを綺麗に取れた所で次の問題にぶちあたります。それは、ウロコです。西日本でも食べられているのですが、やはり苦労するのはぬめりと鱗だそうです。なにせ骨が硬い為にウロコもすごく硬くて、力を入れながらやらねば取れないと言われている位です。そんなベラのウロコは普通の魚では包丁で取れることもあっても包丁をいためかねないので、鱗取りを使ってとるほうが比較的安全でスムーズに出来ます。では鱗の取り方です。
鱗取りっていっても高くない?と思う人も多いですが、意外と買っておくとありがたいです。もちろん包丁で取ることもできますが、鱗取りがあればもし一匹まるまるの魚を貰ってもすぐにウロコが楽にとれます。ではベラの鱗の取り方についてですが、取りあえず飛び散らない様にできれば台所の流しでやるといいでしょう。流しであれば飛び散っても下の排水溝の網の中に入ればいいですし、なによりも片づけがスムースに済みます。
流しで綺麗にウロコを取り終えたらなら、あとはもう3枚卸しをしていくだけです。と思ったらまだ難題があります。ベラの骨は強いと言われています。つまり骨が強い=固いという事です。どれだけ硬いのかと思うと、包丁を上から押してやっと切れるぐらいともいわれています。野菜で言うと南瓜と同じぐらいだと思ってもいいでしょう。しかし3枚おろしをするには骨は綺麗に取っておかないと食べた時に骨が出てきたりして大変です。
骨を上手に切り落として行けばここから3枚おろしが出来るのです。3枚卸しは動画を乗せているので細かくは書きませんが、魚をさばいた人であればすぐにさばけるので大丈夫です。さばいた後も、骨がないかは必ず確認してください。骨自体太いのもあれば細いのもあります。ベラの骨は強いのでうっかり口にいれてしまうと喉に刺さる可能性もあります。最後まで綺麗におろせば完成です。次はおすすめの食べ方と料理を紹介します。
ベラを使ったおすすめ料理レシピ
ベラがどんな魚なのか、ベラのさばき方さばき方が分かったところで、続いてはベラを使ったおすすめの料理レシピを紹介してきます。ベラを使ったレシピに迷った場合には是非とも参考にしてみてください。
簡単に作れて絶品と評判の塩焼き
やはりベラのおすすめ食べ方と言えば塩焼きです。また塩焼きは一番魚をさばく必要もなく最小限の下処理だけで済むことが大きな特徴です。もちろんウロコと内臓はしっかりとってくださいね。ただ新鮮なものであれば内臓も一緒に食べても美味しいかもしれませんが、寄生虫の心配もある為、出来れば取り除く様にすることをおすすめします。そんな塩焼きですが、そのまま焼いてしまっても身肉がこりこりしているので美味しいです。
ただ塩焼きをするときには注意があります。それはベラ独特のぬめりです。ぬめりはありますが、しっかりと洗い流さなくとも臭みはありません。そして必ず内臓を取り出しきれいに洗い流して塩をふり焼きます。ベラを塩焼きにするときは大きい雄の方が食べやすいようで、焼くと皮目が香ばしくとても美味しいそうです。ベラを塩焼きにするときは少し干してから塩焼きにした方が美味しいという声もあり、酢橘を付けるのもいいです。
小ぶりなベラで作りたいと評判の唐揚げ
ベラの美味しい食べ方、そして料理として次におすすめするのはからあげです。こちらは3枚おろしをしてから上げていくのが一番いいでしょう。またベラを唐揚げにするならば素揚げも美味しいですですが、白身の淡白な魚なので下味をつけて食べると更に美味しいです。ぬめりやウロコをしっかり落としていれば大丈夫ですが、それでも気になる人は下味の時にしょうゆ、みりん、生姜でしっかり味をつけておけば匂いは気になりません。
またベラを唐揚げの料理するときは小ぶりの雌である赤ベラを丸々唐揚げにするのがおすすめです。小ぶりの魚を唐揚げにすると骨ごと余すところなく食べることができ、カルシウム摂取にも効果的です。小魚ほどではありませんが全部を食べたいときはおすすめします。また赤ベラしかいなかった、赤ベラしか連れなかった時はぜひ唐揚げの食べ方で食べると美味しいです。お酒もあれば最高のつまみの一品にもなるのでおすすめの料理です。
ベラの旨味を最大に引き上げる煮つけ
次に紹介するベラの料理と食べ方は魚料理ならば定番の煮つけです。やはりぬめりそして骨が強い、さらにウロコも硬いと言われているベラを美味しく食べるには一番もってこいの料理ではないでしょうか?そんな煮つけですが、こちらもウロコと内臓はしっかり取り除いてください。ぬめりも丁寧に塩でしっかり洗い流せばちゃんと落ちます。煮つけは魚料理の定番なのであえてレシピは書きませんが、ベラの白身肉を最高にしてくれます。
またベラの煮つけにおすすめなのは大きくなった雄の青ベラが美味しいでしょう。小ぶりの雌である赤ベラも産卵期の時にとれば美味しいとは思いますが、赤ベラはどちらかといえば唐揚げで食べる方がカルシウムなどの栄養的にもおすすめです。ベラは本当にクセのない淡白な味わいが出来る魚なので、煮込みや焼き、揚げなど味をつけて食べる料理が最高に合います。また煮つけであれば子どもでもとても食べやすいのでおすすめです。
ベラの味を感じることが出来る刺身もおすすめ
次に紹介するベラの料理はやはり「刺身」です。すべての魚料理で一番魚の味を感じることが出来ると言われている刺身なのですがしかし刺身は同時に新鮮な状態でないと美味しくありません。特にベラは見た目とぬめりから敬遠されがちな魚なのでなかなか食べたいと思いません。しかし旬である春から夏の間であれば釣りたてのベラであれば刺身としてさばいて食べる事が出来ます。そんな訳で刺身が美味しい理由を紹介しましょう。
ベラの刺身は身にふくらみがある為に、夏場のベラの刺身は脂がのっていて甘みがあり豊かな味わいです。見た目の白さも美しく寿司屋では初夏の握りとしてさわやかな存在だとが。因みに釣ってすぐに食べればコリコリした食感ですが1日寝かせればねっとりとした食感で癖になります。刺身にはわさびもいいですが、島唐辛子もいいです。またヌメリが残っていると皮をひくのが難しくなるので、しっかり落としてから捌くのがお勧めです。
ベラは味が良く、とても美味しい魚
ここまでベラという魚について生態、さばき方、美味しい食べ方、そして料理について紹介してきました。ベラという魚はまだまだ生態に関しては不思議な魚です。しかし、一部の地域ではでは一般的な食用の魚として美味しく食べられているようです。一度ベラの美味しさを知ると関東では非常にお買い得なのかもしれませんまたベラ自身見た目は華やかな色なので食べれる魚かと心配ですが、白身の美味しい魚なのでぜひ食べて下さい。
またベラは流通がなかなかない魚なので、スーパーや市場を見ても会える確率は少ない魚です。釣りで釣り上げるのも難しいと思いがちですが、実は釣りで釣ると意外と釣り上げる魚でもあるのです。もしベラを食べてみたいと思った時は周りの釣りが好きな人などにお願いしてみるといいかもしれません。相手がベラを知らなかったらぜひ知らなかった人にもぜひ美味しいベラの料理にして教えながらも堪能してみてください。