舌平目とは?ムニエル・煮つけなど料理の下処理とさばき方を解説!

舌平目という魚をしっていますか?あまり聞いたことがない言葉かもしれませんが、食材としては評価の高い魚になります。見た目はカレイ?ヒラメ?というかもしれません。料理では、ムニエル、煮つけなどで食べらています。舌平目はシンプルに料理ができる魚なので、一度は食べてみませんか?ここでは、舌平目についての説明や下処理とさばき方の解説をしていきます。舌平目の料理方法をマスターして、食卓の一品にしてみてはいかかですか?

舌平目とは?ムニエル・煮つけなど料理の下処理とさばき方を解説!のイメージ

目次

  1. 1舌平目のイメージといえばフランス料理?
  2. 2舌平目とは、どんな魚?
  3. 3舌平目のムニエル用の下処理とさばき方
  4. 4舌平目の煮付け用の下処理とさばき方
  5. 5舌平目の全ての料理前にやっておきたい下処理
  6. 6舌平目の下処理とさばき方をマスターしよう!

舌平目のイメージといえばフランス料理?

舌平目はフランス料理には欠かせないメニューとなる魚で、舌平目のムニエルは外国で大人気です。舌平目と聞くと自分では下処理や調理が難しいと思っていませんか?舌平目の下処理やさばき方を覚えてしまうと、簡単に自宅でフランス料理の味を堪能できるようになります。まずは、舌平目について詳しく解説していきます。

ヨーロッパのフランス料理で使用されるのは、ドーバー海峡近郊で取れた舌平目が主です。ヨーロッパでは、ヨーロッパソール、ドーバーソールと呼ばれています。日本のクロウシノシタに似ていますが、身の厚みが日本より数段厚いのが特徴です。身はよく締まり、豊かな味わいがあり、ヨーロッパ諸国で高級魚として人気があります。体長は40cm~70cm以上にもなります。

舌平目とは、どんな魚?

舌平目はカレイ目ウシノシタ科の総称

世界に250種以上で日本近海に、30種類以上の舌平目が生息しています。平目という漢字が付いているので、平目の仲間と勘違いされますが、カレイの仲間になります。そして、舌平目は総称名として付いていて、ウシノシタ科やササウシノシタ科に分かれ、赤舌平目、クロウシノシタ、シマノウシノシタ、イヌノシタという色んな名前があります。舌平目という名前の由来は、形が牛の舌や犬の下に似ていることから付けられたそうです。

体型としては薄くて細長く成長し、ヒレが体の回りにあり、全部繋がっています。欧州の方では舌平目の愛称が「魚の女王」として呼ばれている高級魚になります。舌平目に味の評価としては、脂肪が少なく淡白なのですが、身が柔らかく上品な味わいがある魚になります。舌平目は、刺身、煮つけ、ムニエル、唐揚げ、塩焼きなどの色んな料理で調理できます。舌平目は、貧血予防の鉄分やコーラゲンを含んでいる魚です。

カレイやヒラメもカレイ目という分類に入り、カレイはカレイ目のカレイ科、ヒラメはカレイ目のヒラメ科です。似たような形やカレイ目は一緒ですが、舌平目はヒラメやカレイと違う魚ということになります。

シマノウシノシタ

上の写真はシマウマ模様をした、ササウシノシタ科のシマノウシノシタという名前です。舌平目は呼び名でも地域によって違いがある魚です。呼び名としては、ゲタ、クツゾコ、ゾウリなどです。このような名前で呼ばれているのは、舌平目が生息している場所が、砂底などを住みかにしているからです。カレイも砂などの底地に、隠れるようにして生息しています。

クロウシノシタ

ウシノシタ科のタイワンビラメ属の魚種で、赤舌平目と間違いやすいですが色が赤みを帯びていないので、見分けることができます。細かいウロコがあるので、料理するときには注意しましょう。体調は最大で、約35㎝ぐらいまで成長します。別名、「クロシタ」ともよばれていて、よく料理にも使用されている魚になり、関東から上で見かけられます。

赤舌平目

ウシノシタ科の魚種で、赤舌平目が最も美味といわれています。約25㎝まで成長し、一般的に舌平目と呼ばれているのが、赤舌平目のようです。よく鮮魚店やスーパーで売られているのが、赤舌平目やクロウシノシタです。赤舌平目は、瀬戸内海や九州や西日本に多く存在している魚になります。

舌平目はカレイの仲間なのに左に目がある

ヒラメとカレイの判別も難しいときがあるのですが、目の半別方法で左ヒラメ、右カレイという言葉を覚えておくと便利です。舌平目はカレイの仲間ですが、ヒラメのように目が左にあります。舌平目は、細長く成長するタイプなのでカレイと間違えることは少ないと考えられます。舌平目の口も特徴があり、顔の先端部分ではなく目の少し下にあるので、わかりにくい場所にあります。

舌平目は種類によって大きさが大きく異なる

舌平目は種類によって、大きさに違いがでてくるのが特徴です。大きくなるサイズでは、40cm以上にもなる舌平目がいます。平均サイズとしては25~30cmぐらいです。沖縄やアフリカに生息している、アマミウシノシタが40cmサイズにもなるといわれています。

舌平目のムニエル用の下処理とさばき方

舌平目のさばき方は難しいと考えている方もいるかもしれません。舌平目の下処理とさばき方はコツを掴むことで、上手になっていきます。ここでは、ムニエルの下処理とさばき方を説明するのでチャレンジしてみてください。ムニエルとは小麦粉や塩コショウ、バターや油で焼き付けて調理する方法で、ヨーロッパ地方の小麦粉を作る職人の名前(ムニエ)から名付けられました。

舌平目は皮を剥いた方が使い勝手が良い

舌平目のムニエルは、一般的に皮を剥いで調理するのが好ましいといわれています。皮には少し癖があり、硬く魚特有の臭いがすることがあります。皮つきのままで調理することもありますが、下処理のときに皮を剥いでおくことをオススメします。皮を剥いでおくと、ムニエル以外でも調理の選択肢が広がります。

大きい舌平目は3枚におろしても良い

舌平目は加熱調理以外でも、刺身で食べることができます。大きいサイズでは、3枚おろしにして調理すると便利です。舌平目は3枚おろしでさばいても端の周りを処理すれば、形が整えやすい魚です。大きいサイズなら、何枚かに切り分けておくと使い勝手が良いです。

舌平目の3枚おろしの下処理

下処理で最初にすることはウロコ取りで、包丁やウロコ取りアイテムで表のウロコを取っていきましょう。細かい箇所は、包丁の方が取りやすいと思います。ウロコ取りが終わったら水できれいに洗いながしましょう。次は、皮の表側を裏にしてエラ付近から皮を残すように切れ目をいれます。そして、ひっくり返して皮を表にして、ゆっくりと身が取れないように手で剥いでいきます。

皮を剥がすときに滑り止めとして、手に塩を軽くつける方も多いようです。手で剥がれにくいときには、包丁で皮を引きながら剥がすパターンもあります。表の皮を剥ぎ終えたら、同じ要領で裏も剥がしていきます。次は、腹部分の内蔵を取り除き水洗いをします。

舌平目の3枚おろしのさばき方

次は3枚にするさばき方として、腹部分のヒレから少しずつ中骨に近づけるようにしながらオビレまで切れ目を入れていきます。次に向きを変えて背のヒレから同じようにして中骨に近づけるようにオビレまで切れ目を入れていきます。中骨に近づくにつれて、包丁の角度を少し上げて中骨に沿っていく感じで切っていきます。そして、背と腹の切れ目を重ねていくき、身だけに分かれるようにします。

表の身を切り離したら、同じ要領で裏側も身を切り離していき3枚おろしの完成となります。あとはムニエルや刺身用に切り分けます。

舌平目の煮付け用の下処理とさばき方

舌平目の皮はそのままでも良い

ムニエルとは違った味を楽しむことができる煮付け。しかし疑問に思うのが、舌平目を煮付けるときには皮はどうすればいいのか?舌平目の皮も調理することで食べることができるので、煮汁を染み込ませると美味しく食べれます。ここでは舌平目の皮つきの煮付け用の下処理や、さばき方を説明していきます。

舌平目の煮付け用の下処理

舌平目の煮付けは、頭付きや頭ナシの方法があります。どちらがいいのかは個人差があると思うので、好みで選んでください。最初の下処理は、ウロコとエラ、内蔵を取ってから水洗いをします。あまり水洗いを長時間すると、うま味や身が水ぽっくなることがあるので注意してください。

煮付け用のさばき方としては、皮つきのまま煮込む以外に、皮を剥いで煮込むこともできます。皮を剥ぐのは、3枚おろしのさばき方を参考にして下さい。

舌平目の煮付けを綺麗に仕上げるコツ

舌平目の身は柔らかいのが魅力なのですが、煮付けにするときには身が崩れないように注意することがポイントです。煮込みにすると皮が縮まって身が反ることがあります。なので、身崩れしないように綺麗に仕上げるには、半分や3枚ぐらいに切ると身崩れしにくくなります。あとは、味が染み込むように表と裏に切れ目をいれておくのもポイントです。それにより、味がしみこむ時間が早くなり、ふっくらと仕上がりやすくなります。

気をつけるポイントで、舌平目は強火より中火で煮込む方が身崩れしにくいようです。煮込み時間が長くなると、身がカタクなることがあるので、注意してください。あとは、落し蓋などをして煮込む方が多いようです。火を消して余熱でダシが身に染み込みやすくなります。煮付けを綺麗に仕上げるコツは、美味しさをさらに引き立てます。ショウガの千切りを少しだけ入れて煮込むと、魚特有の臭いが和らぐこともあります。

煮汁の分量としては多く入れすぎないことが大事で、舌平目は火が通りやすいので煮汁が浸かるぐらいでいいと思います。水の分量を多く入れすぎると、うま味成分が拡散されてしまう場合があります。煮汁が沸騰して、アク取りを忘れないようにしましょう。その後に落し蓋を入れるほうがいいです。

舌平目の全ての料理前にやっておきたい下処理

魚の臭い成分とは

魚といえば、臭いが一番気になるのではないでしょうか?食べるときや食べたときに嫌な臭いがすると、せっかくの料理が台無しになります。下処理する前に、臭いがないか確かめることもポイントです。なぜ臭いがでるのかというと、鮮度、死後日数、成分、環境などの色んな要素が関係してきます。臭いは腐敗臭や血が腐っていくと臭いがひどくなっていきます。

舌平目は海の底に長くいるため、泥などの臭いの素が身と皮の間に付着する場合もありますが、魚には「ジメチルアミン」という成分がふくまれているからです。ジメチルアミンとは、魚のうま味や臭いの成分といわれています。ジメチルアミンが死後時間が長くなるほど細菌で分解され、トリチメルアミンという臭い成分が多くなってきます。

トリチメルアミンは水に溶けやすい性質があり、酸で中和すると緩和されやすい傾向にあります。なので、魚の臭みを少しでも取り除く方法が、何種類か紹介するので試してみてください。

舌平目の臭い取り

牛乳やヨーグルトに浸しておく方法です。牛乳は時間にして約10分ぐらいでヨーグルトは一晩ぐらいで、牛乳に含まれているタンパク質とヨーグルトの酸性を利用して臭みを減少効果に期待できるからです。他にも、煮汁に牛乳を含ませると臭い取りやコクのある味になるようです。牛乳は肉などの臭み取りにも使用できます。

料理酒や酒で魚の臭みを取る方法もあります。この方法は、かなり有名なので知っている方もいると思います。調理前に料理酒や清酒に浸したり、ふりかけておくとアルコールの蒸発で臭い取りに期待できます。料理酒は魚の柔らかさ、風味をアップさせることにも期待できます。コストはかかりますけど、清酒はうま味をアップさせる効果にも期待できます。

塩で臭み成分を引きだして消す方法です。塩も一般的な方法ですが、身の引き締めや魚の余分な水分をだす効果もあります。それにより、臭いも一緒に吸収して外にでます。このときにでた水分をキッチンペーパーで必ず拭き取りましょう。白身だと身の2%ぐらいの塩で、10分ぐらいが妥当といわれています。青魚系では身の3%前後ぐらいで、10~15分前後といわれています。

お酢は殺菌効果と臭い取りにも期待できる方法です。ボウルに酢水をつくるために小さじ2~3杯の酢と冷水で薄めて、下処理した魚をくぐらせてキッチンペーパーで水気を綺麗に拭き取ります。この方法は、青魚でよく使用されます。

舌平目の霜降り

魚料理の煮付けをするときにオススメの方法が霜降りです。霜降りとは熱湯に浸けたり、くぐらせたりして臭いを消していきます。鍋やボールに約90℃ぐらいの熱湯を作り、舌平目を浸けたり、くぐらせたりして、表面が少し白くなるぐらいを目安にします。次に、冷たい水にくぐらして水気を拭き取って終了です。この方法は、魚全般に使用できる臭み取りです。霜降りは、身の引き締めや、うま味を閉じ込めるといわれています。

もう少し丁寧にする霜降りの方法があります。塩をふってから水気をだして、キッチンペーパーでふきとったあとに、霜降りをすると効果アップにつながるようです。魚の臭みがとくに気になる方は試してみてもいいかもしれません。

舌平目の下処理とさばき方をマスターしよう!

美味といわれている舌平目は下処理とさばき方をマスターできれば、色んな舌平目の料理が味わえます。洋風料理には舌平目のムニエル、和風料理には舌平目の煮付け!いつもとは違った魚料理をしてみてはいかかですか?舌平目のレシピもたくさんあり、今度参考にしてみてください。他にも、自分だけのオリジナルの舌平目の料理を作ることもできます。

舌平目の素のままの味を求める場合には刺身です。舌平目が小さいサイズでは身の薄いのが欠点ですが、大きいサイズの舌平目では3枚おろしにして刺身にもできます。冷凍では味わえない新鮮なままの甘みある味と、もちもちした食感を味わってください。他の魚でも使用できる臭み取りを活用して、魚レシピを増やしてみてはいかかですか?

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