大豆油は体にいい?健康への影響や脂肪酸の多さなどほかの油と比較調査
私たちの食生活において必須の『食用油』。健康に良いと言われる油もあれば、悪影響だと言われる油もあり、食用油の種類によって賛否は様々です。そんな中でもかつてから健康への影響が特に賛否両論とされている食用油が『大豆油』です。そこで今回は、大豆油とは一体どんな油なのかを調査するとともに、大豆油の健康への影響や大豆油と他の油の脂肪酸の多さなどを比較調査してみました!
目次
『大豆油』ってどんな油?
私たちの食生活に欠かせない『食用油』。サラダ油やコーン油・こめ油・オリーブオイル・アマニ油・ごま油などなど…。一口に『食用油』と言っても様々な種類の油が存在します。そんな種類豊富な食用油の中でもかつてから健康への影響が賛否両論とされているのが『大豆油』です。『大豆油』とは一体どんな油なのでしょうか?まずは、『大豆油』がどんな油なのかについて学んでみましょう。
大豆油とは…
『大豆油(だいずゆ)』とは、その名の通り、大豆の種子から採取される油脂のことを指します。安価で色や匂いが少ないため、天ぷら油やサラダ油に適している大豆油は最も代表的な植物油とされ、マヨネーズやマーガリン・ドレッシングなどの原料などとしても用いられています。
2010年・2011年度の大豆油生産量は世界の油脂生産量中でも第2位となり、アメリカでは植物油消費量の3分の2を占めているほどです。日本国内では液状植物油消費量の約4割弱を占め、大豆油は菜種油に次ぐ消費量となっています。食用以外では、合成樹脂や塗料・石鹸などの工業製品のほか、大豆油特有の透明性を活かし、大豆インキとしても使用されています。
大豆油に含まれる成分は?他の油との成分を比較せよ!
最も代表的な植物油として、サラダ油やドレッシング・マヨネーズやマーガリンの原料などと多くの食品に用いられている大豆油。そんな大豆油に含まれる成分は一体どんな成分が挙げられるのでしょうか…?お次は、大豆油と他の油それぞれに含まれる成分を比較してみましょう!
大豆油に含まれる成分と他の油との成分比較まとめ
まず、大豆油に含まれる油の成分についてですが、大豆油の主成分は『オメガ6(リノール酸)』です。『オメガ6(リノール酸)』は、大豆油の脂肪酸割合で半数以上を占め、その他に『オメガ9(オレイン酸)』・『飽和脂肪酸』・『オメガ3(α-リノレン酸)』『トランス脂肪酸』などが含まれています。また、『ビタミンE』・『ビタミンK』・『ミネラル』・『鉄分』・『亜鉛』も少々含まれています。
大豆油と他の油の成分比較
大豆油に含まれる油成分の半数以上を占める『オメガ6(リノール酸)』は100gあたり50gほど含まれています。利用頻度が高い他の油との含有量を比較すると、コーン油が47g・ナタネ油が21g・ごま油が45g・オリーブ油が10gとなっており、大豆油は『オメガ6(リノール酸)』含有量が多いことがわかります。
続いて、大豆油に含まれる『オメガ9(オレイン酸)』は100gあたり23g・コーン油が33g・ナタネ油が55g・ごま油が40g・オリーブ油が71gとなっています。大豆油に含まれる『オメガ3(α-リノレン酸)』は100gあたり7g・コーン油が1g・ナタネ油が10g・ごま油が0g・オリーブ油が1gとなっています。
こうして大豆油と他の油の成分を比較してみると、『オメガ9(オレイン酸)』や『オメガ3(α-リノレン酸)』は特段含有量が多いというわけではなさそうですが、やはり大豆油の油成分の主となる『オメガ6(リノール酸)』は他の油よりも多く含まれていることがわかります。
大豆油は健康にいい?それとも悪影響…?
様々な種類の食用油がありますが、油の種類によっては「健康に役立つ」というもの、「体に悪影響」だというものがあり、油が健康に良いか悪いかなんて一概に言えません。では、大豆油は健康にいいのでしょうか?それとも、大豆油は体に悪影響…?お次は、大豆油の健康にいいと言う意見と健康に悪影響という両方の意見をチェックしてみましょう。
大豆油は健康にいいという意見
大豆油に含まれている『オメガ9(オレイン酸)』はコレステロール値を下げる効果があります。また、大豆油に含まれる『オメガ9(オレイン酸)』には胃酸の分泌を促して胃腸の調子を整える効果にも期待できるとされています。
大豆油に含まれる油成分の半数以上を占める『オメガ6(リノール酸)』は、人間の体内では合成することができない必須脂肪酸ですから、食品などの体外から摂取する必要があります。そんな大豆油に含まれている『オメガ6(リノール酸)』は血液中にコレステロールを減少させる効果や、高血圧予防・動脈硬化予防などにも期待できるため、健康にいいという意見があります。
大豆油は健康に悪影響という意見
一方、大豆油は健康に悪影響という意見も多いです。大豆油に多く含まれている『オメガ6(リノール酸)』はコレステロールを減少させる効果がありますが、大量摂取してしまうと、体にとって有効な善玉コレステロール値まで下げてしまう恐れがあると言われています。
こうすると、「大豆油をたくさん摂取しない様に気をつけたらいいのでは?」と思う方も多い様ですが、大豆油はマーガリンやマヨネーズ・ドレッシングといった家庭でもおなじみの調味料などを始め、ファーストフードやスナック菓子・ツナの缶詰などでも多用されています。つまり、自覚がないうちに大豆油に含まれている『オメガ6(リノール酸)』を大量に摂取してしまっている恐れがあるということです。
大豆油が健康に悪影響と言われるのはなぜ?
健康に良い・悪いと、賛否両論な大豆油。人間の体内では合成することができない必須脂肪酸の『オメガ6(リノール酸)』が、大豆油が健康に悪影響と言われる大きな原因となっている様です。では、一体何故『オメガ6(リノール酸)』は健康に悪影響だと言われているのでしょうか?お次は、大豆油が健康に悪影響と言われている理由を調査してみましょう。
大豆油に含まれるオメガ6(リノール酸)は炎症作用がある…?
大豆油に含まれている『オメガ6(リノール酸)』は過剰摂取すると体内に炎症作用を発生させる恐れや細胞を傷つける恐れがあります。そのため、アレルギーを引き起こす原因や動脈硬化の原因などといった体への害が心配されています。知らず知らずのうちに摂取してしまう大豆油だからこそ、『オメガ6(リノール酸)』の過剰摂取に繋がりやすく、健康へ悪影響を及ぼす恐れがあるとされています。
大豆の抽出方法にも問題がある…?
一般的に、植物から油を抽出する場合、圧力をかけたり手や機械で搾ったりして油を抽出します。しかし、大豆油は原料となる大豆の種子に強い圧力と熱をかけて搾油する方法と、種子に溶剤をかけて搾油する方法があります。これらの抽出方法は、製造過程で体に危険とされる『トランス脂肪酸』を生成して成分に含んでしまいます。
大豆油の原料となる大豆は固い上、大豆の種子は17~20%程と油分が少ないので圧力で抽出する事が出来ません。そこで、溶剤をかけて物質を溶かすのですが、この溶剤はガソリンやアルコールの仲間とされるものです。「ガソリンの仲間」と聞くと、有害性を感じられますし強く感じられるでしょう。大豆油は他の植物油とは異なった抽出方法である事から健康へ悪影響と言われている様です。
大豆が遺伝子組み換えされている可能性も…
大豆油の原料となる大豆が遺伝子組み換えされている可能性も、大豆油が体に悪影響と言われる一つの原因とされています。大豆の国内自給率は少なく、約6%程度。そのため、国内に流通する90%以上の大豆は海外の輸入品です。日本は遺伝子組み換え作物の栽培は行っていないものの、海外から輸入する事が多い大豆には、遺伝子組み換えがされているものが多いと考えられます。
遺伝子組み換えされた作物の全てが悪影響だという報告は現在のところされていませんが、遺伝子組み換えされた作物が健康に有害だという報告が多くされているのも事実です。大豆油は含まれる成分や抽出方法・原料となる大豆が遺伝子組み換えされている可能性がある事から、健康に悪影響と言われている様です。
《まとめ》大豆油の成分比較・健康への影響調査
大豆油の成分比較・健康への影響調査まとめのご紹介はどうでしたか?どれだけ気をつける様にしていても、知らず知らずのうちに摂取してしまっている大豆油。多くの食品に用いられている大豆油ですが、多く含まれる『オメガ6(リノール酸)』や一般的な植物から油を抽出する方法とは異なる点、大豆油の原料となる大豆が遺伝子組み換えされている可能性がある事から、健康に悪影響と言われています。
とはいえ、大豆油の全てが体に悪影響だというわけでもありません。遺伝子組み換えに関しても、大豆以外の多くの食品も遺伝子組み換えされています。健康に悪影響と言われ、人々に嫌われている大豆油ですが、最も大事な事は大豆油に含まれる成分をチェックする事や輸入品ではなくなるべく国産にするなどといった選び方です。食品や調味料を購入する際にはしっかりと成分表をチェックする様にしましょう!