2018年05月31日公開
2024年07月15日更新
タカベとはどんな魚?美味しい食べ方や塩焼き・刺身の調理法まで!
タカベという魚が美味しいとして話題になっていますが、タカベとはどのような魚であり、どのような食べ方で楽しむことができるのでしょうか?タカベはあまり馴染みがない人も多いかもしれませんが、実は刺身から塩焼きまでさまざまな食べ方で堪能できる上に、釣りをして自分で入手することも可能なようです。今回は、そんなタカベの具体的な食べ方・レシピも含め、気になる疑問点を掘り下げていきましょう。
タカベってどんな魚?
タカベという魚を知っていますか?名前は聞いたことがあるという方や見たことのあるという方もいるでしょう。反対に名前も聞いたことがない、見たこともないという方も多いのではないでしょうか?タカベは知名度こそそこまで高くはありませんが、かなり食味がよくさまざまなレシピで楽しめる魚だと言われています。
タカベはイスズミ科に分類される海水魚の一種であり、日本固有種の魚のようです。そんなタカベは釣りなどでゲットできることも多いようですが、美味しく楽しむべく旬の時期や具体的な釣り方、目利きをチェックしましょう。
タカベの旬の時期
タカベは日本固有種ということで、あまり知名度はありませんが日本人であればぜひ一度は食べてみたい魚のひとつだと言ってもいいでしょう。そんなタカベを美味しく楽しむためにはまずその旬の時期をしっかりと把握しておきたいものです。旬の時期のタカベは格別の味わいであり、塩焼きや煮付けだけでなく刺身などにしても美味しいとされています。
タカベは、本州や九州にかけての広い範囲の太平洋沿岸で釣ることができるようですが、その産卵期は8月から10月ころとなっています。市場には4月頃から出回るとされるタカベですが、特に美味しいとされる旬の期間は初夏から夏にかけてであり、中でも7月・8月頃のタカベはかなり美味しいとして多くの人に親しまれているようです。
タカベは夏の季語でもあり、一部の地域ではタカベの塩焼きを食べながらビールを飲むというのが夏の風物詩の一つとしても認識されているようです。このように夏とのつながりが強く、多くの人が夏のタカベを格別だと言っていることからも、まだタカベを食べたことがない人にとっては夏の時期のタカベは一度試さないわけにはいかないでしょう。
そんなタカベは旬の時期でもできるだけ美味しいものを意図的に選ぶことで刺身や塩焼き、煮付けなどどのような食べ方をする上でも一段階上の味を楽しめますから、ぜひその目利きも大事にしたいものです。また、タカベは自分で釣って楽しむこともできるようですから、ぜひその釣り方もマスターして美味しいタカベを堪能しましょう。
美味しいタカベの選び方
タカベは釣りでゲットできることもあるということで、釣り好きとしてはぜひ自分で釣り上げたものを楽しみたいものですが、自分で釣り上げたものを調理する際でもスーパーでタカベを選ぶ際でもその目利きというのは非常に重要になります。質のよいタカベを選べば塩焼きや刺身などのシンプルな食べ方でも自然と美味しいものを楽しめそうです。
質のよいタカベを意図的に選ぶ場合にはまず、その表面の色をチェックするとよいでしょう。タカベには黄色いラインが入っているという身体的な特徴がありますが、その黄色いラインができるだけ濃くくっきりとしたものであればあるほど、質がよくどのような食べ方でも美味しいとされています。また、タカベは体の形も質に関わっています。
タカベは旬の時期であれば塩焼きや煮付けだけでなく刺身にしても美味しいかもしれませんが、そんな旬のタカベの中でも特に丸みを帯びているものを選ぶようにしましょう。体躯が細すぎるものや色が黒ずんでいて黄色いラインがあまりよくみえないものなどは、逆に質・鮮度があまり高くない証拠ですから、刺身にするのは避けたいものです。
タカベの釣り方
お伝えしたような目利きも参考にぜひクオリティの高いタカベを刺身や塩焼きにして楽しみたいものですが、そんなタカベは自分で釣り上げて楽しむこともできそうです。タカベは高級魚の一種に数え上げられることもあり、一見釣り上げるのが難しそうですが、実は群れをなして泳いでいることも多く、入れ食いになることも多いものです。
そのため、ちょっとしたタカベの釣りのコツをしっかりとおさえ、ぜひタカベを大量にゲットしましょう。タカベを効率よく釣り上げるコツとしては、コマセとしてオキアミなどを活用してまずはタカベをおびき寄せ、そこに釣り竿を降ろすことで比較的簡単に何十匹と釣れることもあるようです。ただし、コマセが切れるとなかなか厳しいようです。
そのため、コマセを切れないようにコンスタントに投げ入れながら、できるだけ短時間で一気に多くのタカベを釣り上げてしまうのがポイントとなります。また、なかなか釣り上げられないときにはオキアミの殻をむいて餌として釣りを行うと、より効率よくタカベを釣ることができることでしょう。あとは、釣るポイント選びも重要となります。
防波堤から釣る場合には水深がやや深めで沖に突き出た場所をピックアップして釣りを行うのが望ましいでしょう。また、船釣りの場合には防波堤などからの釣りに比べて大物を狙うことも可能となるでしょう。タカベは刺身から塩焼き、煮付けまでさまざまな食べ方で楽しめそうですが、このようなポイントも抑えてぜひ大量に釣ってみましょう。
タカベの刺身の調理法
お伝えしたようなコツをおさえて釣りを行うことで、効率よく大量にタカベをゲットできる可能性が高まるので、ぜひ実践してみてください。タカベを釣り上げたあとはお伝えした目利きも参考にしながらできるだけ新鮮なタカベを選んでまずは刺身で楽しみたいものですが、タカベの刺身を楽しむ場合にはそのさばき方などが非常に重要となります。
タカベの刺身のさばき方
タカベは塩焼きやムニエルなどの加熱した食べ方でも実に美味しいものを楽しめるとされていますが、旬の時期の新鮮なものであれば刺身でも堪能することができるでしょう。タカベの刺身はその小柄な体躯からは想像できないほどの脂身が豊富で、かなり濃厚な味わいを楽しめるようですが、その分鮮度落ちも早いので注意が必要でしょう。
そのため、タカベを刺身にすべくさばく際にはまずできるだけクオリティの高い状態のタカベを選ぶようにしましょう。お伝えしたように体が丸みを帯びていて黄色のラインが濃いものをピックアップしましょう。タカベを刺身にすべくさばくときにはまず、他の魚を刺身にするときの要領と同じく、まずは表面のうろこを丁寧に取り除いていきます。
ウロコをしっかりと取ったら、まずはえらの元から包丁を入れて腹を割り、内臓を取り出しましょう。まずは包丁でとれる分をしっかりと摘出し、その後に指を使って血合いの部分もしっかりと取り除くのがよいでしょう。指だけで十分に血合いがとれない場合には、歯ブラシを使うのもよいかもしれません。それから、3枚におろしましょう。
包丁を尾の付近から入れて骨に沿った状態で包丁を動かして頭の方まで切ります。胸ビレ付近まで進めた状態で斜めに切ると、簡単に身が剥がれ頭を落とさなくともしっかりとカットできます。そして裏返して反対側も同じ要領でカットすれば、簡単に3枚おろしが完成します。それから、腹骨などを含めて細かな骨を順に取り除いていきましょう。
それからタカベの皮を身から引き剥がし、あとはそぎ切りにしていきましょう。包丁の刃を斜めに寝かせて手前に引き、丁寧に身をカットしていきます。あとはそれを綺麗に皿に盛り付けてタカベの刺身は完成となります。このようにタカベの刺身のさばき方はそこまで難しくなく、慣れてしまえばかなりスピーディーに刺身にできることでしょう。
皮を焼き切ったタカベの刺身の作り方
お伝えしたようにタカベの刺身の作り方は案外簡単であり、慣れてしまえば効率よく美味しい刺身を作ることができるかもしれません。刺身は魚の最もシンプルな食べ方だと言えますが、だからこそできるだけ質の高いフレッシュな状態のタカベを使用し、適切な方法で手際よくさばいて美味しいタカベの刺身を堪能していきましょう。
そんなタカベの刺身は皮を残した状態で美味しい刺身にすることも可能です。皮を残した状態でも皮を炙ることで通常の刺身とはまた違った美味しい風味を楽しむことができますが、皮を焼いた刺身も3枚おろしの段階までは手順が変わらないので、既述のようなベーシックなさばき方を参考にできるだけ効率よくまずは3枚におろしましょう。
それから既述の刺身のさばき方では皮を引いて取り除いていましたが、炙りの場合には皮を残しておきましょう。その状態でしっかりと骨を取り除き、すでに紹介した方法でそぎ切りにしておきますが、このようにカットした状態にしてから炙っていきます。耐熱皿にタカベの刺身を並べていき、皮の面を上にしてバーナーの火を当てていきます。
タカベの刺身はそのままでも十分美味しいですが、皮を適度に炙ることでまた違った風味を楽しむことができます。バーナーの火は決して一箇所に過度に当てすぎないように注意し、全体をさっと短時間で加熱するようにしましょう。できるだけ均等に焼き色がつくようにしたら、裏返して焼いた面をシートなどに押し当てて粗熱をとります。
これだけで簡単にタカベのあぶり刺身が完成し、皮周辺の特に脂身がのった部分をかなり濃厚に楽しめる上に、炙ったことによってスモーキーさも楽しむことができます。そんな炙り焼きの刺身も含めタカベの刺身はぜひ新鮮な状態ですぐに味わいたいですが、タカベを使った料理には他にもさまざまなものがあるので、色々な食べ方で楽しみましょう。
タカベの美味しい食べ方とレシピ
ここまでタカベという魚の概要とその刺身のさばき方をチェックしてきました。タカベを刺身にするときにはできるだけ質のよい状態のものを選んだ上で、お伝えした適切なさばき方をしっかりと実践することが重要です。しかし、タカベの美味しい食べ方は刺身だけではないので、他の料理に関してもその作り方・食べ方をチェックしていきましょう。
定番で美味しいタカベの塩焼き
お伝えしたような釣り方やさばき方を覚えておけば、自宅でも簡単に絶品のタカベを楽しむことができそうです。そんなタカベは旬の時期の質のよいものであれば刺身でも十分に美味しく楽しむことができますが、刺身以外にもシンプルな塩焼きなどのレシピがかなりおすすめとなります。タカベの塩焼きは、大根おろしなどとともに堪能しましょう。
タカベの塩焼きは実は数ある魚の塩焼きの中でも特に美味しいと言われており、タカベは塩焼きにしなければもったいないとさえ言う人もいるほどのようです。そんなタカベの塩焼きはシンプルな調理法で楽しめますが、シンプルだからこそ適切な手順で調理していく必要があり、まずはうろこと内臓をとる下処理をしっかりと行いましょう。
それから塩をふりかけ、少ししてからタカベの水分を拭き取った上で塩焼きにしていきましょう。こうすることで余分な水分を取り除いて旨味を閉じ込めた状態でタカベを楽しむことができます。あとは他の魚と同様にシンプルに塩焼きにするだけですが、タカベの塩焼きは滲み出る脂とタカベ本来の旨味をシンプルに楽しむことができます。
そしてシンプルだからこそさまざまなアレンジレシピで楽しむのがおすすめとなります。やはり定番の薬味である大根おろしやすだちなどは欠かせませんが、これらを加えて味の変化を楽しむだけでなく、そもそもタカベの内側に味噌を塗り込んでから塩焼きにしても、いつもの塩焼きとは全く異なる滋味深い味わいを楽しめるかもしれません。
漁師おすすめのタカベの煮付け
続いて紹介するタカベを使ったおすすめ料理は、煮付けです。タカベは塩焼きが最も美味しいと言われており、タカベを自分で釣り上げた場合にはまず刺身や塩焼きなどのシンプルな料理にトライしたいものですが、それらの後では煮付けを作ってみても面白いかもしれません。甘めの煮付けだからこそ、タカベの違った側面を引き出せそうです。
タカベの煮付けを作る際には他の魚を煮付けにするとき同様に、酒・醤油・砂糖・みりんという定番の調味料で味付けをするのが望ましいでしょう。まずはタカベの下処理を行うことになりますが、うろこを除去した上で盛り付けた際に裏側になる面に切り込みを入れ、内臓も取り出します。それから表側になる面にも適度に切り込みを入れましょう。
その上で既述の調味料を水とともに鍋にかけ、煮立たせます。ほどよく煮立ってきたら薄切りにした生姜を加え、その後タカベと赤唐辛子を入れましょう。赤唐辛子は爪楊枝などで穴をあけておくのが望ましいです。それからアルミホイルなどで落し蓋をし中火で10〜15分ほど煮込んでみましょう。煮汁が少なくなるまで適度に煮込みましょう。
あとは落し蓋をとった上でスプーンで煮汁をタカベに少しずつかけながら全体に味を浸透させていき、煮汁が少なくなってきたら火を止めます。あとは生姜の薄切りと唐辛子と一緒にタカベを皿に盛り付けて、完成となります。砂糖やみりんが効いた甘めの味付けではあるものの、生姜や唐辛子のパンチが効いたバランスのよい煮付けとなることでしょう。
サクッと食べれるタカベのフライ
タカベは塩焼きや煮付けなどの料理にして美味しいのはもちろんですが、フライにしてもやはり美味しいと評判になっています。フライにすることでサクサクの食感でタカベを楽しめので、子供のお弁当のおかずとしても重宝すること間違いなしでしょう。そんなタカベのフライはしっかりと余分な水分を切って揚げることがポイントとなります。
タカベはウロコや内臓を取り除いておき、塩で下味をつけておきます。それから水気をペーパータオルなどでしっかりと拭き取っておき、そこに小麦粉をまぶした上で溶き卵とパン粉につけ、数分放置しておきます。その状態で180度近い油に入れます。それからこんがりと焼き色がつくまで焼いてから一度油から取り出しましょう。
それから二度揚げをしますが、二度目はあくまで軽めに揚げるようにしましょう。あとはバットなどに取り出して余計な油を切り、好きな味付けで楽しむだけです。下味の時点でこしょうなどを振りかけておけば引き締まったパンチにある味わいとなるためソースなしでも楽しめそうですが、もちろん市販のソースなどでも十分に美味しいでしょう。
また、白身魚の中でも特に脂身を楽しめる魚として人気になっていますが、そんなタカベのフライはもちろんタルタルソースで食べても美味しいことでしょう。タカベはフライにすることで煮付けなどの柔らかめの質感とは異なりサクサクの食感に生まれ変わるため、煮付けや刺身などがあまり得意ではないという人もぜひフライには挑戦してみましょう。
濃厚な旨味が絶品のタカベのムニエル
タカベはフライにしても塩焼きや煮付けとはまた違った美味しさがあるのでおすすめだと言えますが、ムニエルにすることでその濃厚な旨味をさらに引き出すこともできます。タカベのムニエルは他の白身魚のムニエル同様にスパイシーとバターでまろやかかつパンチのある仕上がりにするのがおすすめですが、まずは他の料理同様の下処理をしましょう。
それからタカベの切り込み部分からクレイジーソルトなどのハーブ系の塩胡椒を振りかけて、小麦粉をまぶします。小麦粉はできるだけ全体に満遍なくムラがないようにふりかけるのがベストですが、まずはフライパンでにんにくを熱し、にんにくから香りが立ってきたらタカベを焼きましょう。片面がほどよく焼けたら、蓋をしましょう。
それから反対の面がしっかりと焼けたかどうかをチェックした上で蓋をとり、バターを入れます。あとはバターがタカベ全体にしっかりと絡むようにしながら溶かして、完成となります。このようにして案外簡単にタカベのムニエルは作ることができますが、トマト風味にしても美味しいですし、付け合わせで野菜を一緒に煮てもよいでしょう。
ホームパーティーで大活躍するタカベのアクアパッツァ
ここまでみてきたようにタカベは実にさまざまな食べ方で楽しめるものですが、そんなタカベを使った料理の中でもひときわおしゃれで大人数で楽しむのに最適なものとしては、アクアパッツァも挙げられます。タカベをアクアパッツァにする上では、トマトやきのこ類だけでんく、あさりなどの貝類も一緒に混ぜるとかなり美味しくなることでしょう。
タカベの下準備としてはまず3枚におろして、塩こしょうと白ワインで臭みを取り除いておくとよいでしょう。それからにんにくをオリーブオイルで炒め、そこにタカベを投入して両面を適度に焼いていきます。それから鍋に移して白ワイン・オリーブオイル・あさり・好きな野菜類を煮込み、あさりの殻が開くまでじっくりと待ちましょう。
それからオリーブとトマトを鍋に加えて、蓋をして蒸し焼きにします。それから5分程経ったら完成となりますから、タカベの身が崩れないように皿に綺麗に盛り付けて完成となります。タカベはこのようにおしゃれなイタリアンにも早変わりするので、塩焼きが間違いなく美味しいのはもちろんですが、ぜひアクアパッツァにも挑戦しましょう。
タカベの調理法をマスターして美味しく食べよう!
いかがだったでしょうか?今回は、気になるタカベという魚に関する疑問点や具体的な食べ方・レシピなどもチェックしてきました。タカベの知名度はそこまで高くないでしょう。小柄ながらも脂身がよくのって美味な魚の筆頭として知られるタカベの旬は夏のようですが、そんな旬の時期のタカベは刺身にして食べて美味しいのはもちろん、塩焼きや煮付け、あるいアクアパッツァなどにしても美味しいようです。
そんなタカベはコツさえ覚えれば自分で釣り上げることもそう難しくはないため、ぜひ自分で釣って調理し、美味しい料理を堪能したいものです。今回紹介した食べ方の各レシピをしっかりとマスターしておけば、実に多様な方法でタカベを楽しめるはずですから、ぜひ釣り方やさばき方から味付けまでを覚え、絶品タカベ料理を堪能しましょう。