ごぼうの栽培方法・育て方について!種まきから収穫時期まで解説!
野菜の中で1番と言ってよいほどの食物繊維が豊富なごぼうは効能も素晴らしいく薬効もあり漢方などにも使われています。ごぼうならではの風味と歯ごたえもあり、赤ちゃんからお年寄りまで楽しめる食材で、食卓には欠かせない野菜のひとつです。そんなごぼうはどうやって栽培されるのでしょうか?今回は『ごぼうの栽培方法・育て方について!種まきから収穫までを解説!』と題して紹介していきます。
目次
ごぼうとは?
ごぼうとはキク科ゴボウ属の野菜です。原産地はユーラシア大陸の北部になり、旬は秋から冬になります。ごぼうを食用としているのは日本ぐらいで、他国では薬用として使われることが多いです。独特の香りとシャキシャキとした食感が日本人に好まれ日本では食用として使われています。野菜の中では1番と言ってよいほど食物繊維が豊富で低カロリーの野菜でもあり効能も素晴らしく薬効などにも使われています。
ごぼうの効能とは?
ごぼうの成分には食物繊維、カリウム、葉酸、イヌリン、リグニン、タンニン、クロロゲン酸が含まれています。食物繊維が豊富ということで、腸の働きを整えて、血糖値の上昇も抑えてくれる効果があります。また、コレステロール値を抑える作用や腸を活発に動かす作用もあるので便秘の改善効果や大腸がんの予防にもなるといわれています。抗酸化作用もあるので風邪予防やアンチエイジングの効果も期待できます。
ごぼうの種類とは?
ごぼうにはいくつかの種類があります。ごぼうには長根種と短根種があります。スーパーなどで見かけることが多いのは長根種です。細長い形で70cm~1mぐらいの長さがあります。滝野川ごぼうは長根種の代表的なものになりスーパーに並ぶことが多いです。大浦ごぼうは短根種の太いごぼうになります。根の中に空洞があります。堀川ごぼうは京野菜のひとつです。新ごぼうは3月から6月に出る白色の細いごぼうです。
葉ごぼうは若い葉と根を食用にしたもので若ごぼうとも呼ばれています。サルシフィは西洋ごぼうと言われていて日本のごぼうに似ています。長さは20cm~30cmと短く柔らかいごぼうです。これら数種類の品種のごぼうがあります。
ごぼうの種まきの時期とは?
ごぼうの種まきは地域によって適した時期があります。暖地では3月中旬から9月頃、中間地では3月下旬から9月中旬頃、寒冷地では4月下旬から7月頃になっています。ごぼうは基本的に春まきと秋まきの2回蒔くことができ、春まきは4月から5月頃種を蒔き10月下旬から12月頃に収穫することができます。秋まきでは10月下旬頃種を蒔き、翌年の6月から7月上旬に収穫することができます。葉ごぼうは秋まきがおすすめです。
ごぼうの花とは?
ごぼうの花はキク科でごぼう属になります。野菜は花が咲く前に収穫するので、花を見る機会は少ないですが、開花時期は7月から8月です。色は紫色で花の特徴としてアザミに似た頭花をつけています。ごぼうは種を蒔いて1年以上経過するとつぼみを付けます。収穫しないで放っておくと翌年に花を咲かせます。
ごぼうの栽培のポイント
育て方として、連作はしないようにしましょう。品質や収穫量が落ちてしまいます。また、春蒔きと秋蒔きと分けて品種を選びましょう。根は1m前後伸びます。畑は水はけがよく、土層の深いところを選びましょう。育て始めた時から水の管理をしっかり行い株の不ぞろいがないようにしましょう。酸性の土壌にも弱くなっています。苦土の石灰を散布して酸性と中和されておきましょう。
ごぼうを栽培する準備
畑は水はけがよく、ごぼうを連作していない畑を選びましょう。種を蒔く2週間以上前に苦土石灰を蒔いて良く耕します。1週間前には堆肥と化成肥料を散布して、もう一度耕します。その後、畝を作ります。畝の大きさは幅50~60cm、高さ10~30cmです。ポイントとして堆肥は完熟したものを使いましょう。目安は1平方メートル当たり、苦土石灰は約150g、堆肥は約3kg、化成肥料は約100gです。
栽培するごぼうの種を蒔こう
種は1番吸水させましょう。1穴、直径5cm、深さ1cm程度の種を蒔くための穴を作ります。1穴につき4~5粒蒔きます。覆土は薄くしましょう。ごぼうの種は好光性種子なので覆土を薄くし軽く押さえ、たっぷり水を上げましょう。発芽まで水を切らさないようにしましょう。だいたい10日~2週間ほどで発芽してきます。種まきのポイントとしては、種皮がかたいので、種は必ず一晩水に浸して吸水してから蒔くようにしましょう。
ごぼうの発芽までの栽培の管理をしよう
ごぼうの種が発芽しなかった場合の原因として、1つ目の原因は光です。ごぼうは発芽するのにある程度の日光が必要です。もしかすると土を被せすぎているのかもしれません。そして、2つ目は覆土が逆に薄すぎて種が表面に出て乾燥してしまっているのかもしれません。軽く土を押さえて種に土を密着させましょう。そして、発芽がそろったら、中耕と土寄せをします。畝面を浅く耕しましょう。そして、株元に土を寄せましょう。
栽培しているごぼうの苗の間引きをしよう!
春蒔きの場合、種まき後30日~40日の本葉が1枚の時は2本立ちにしましょう。種まき後50~60日の本葉3~4枚の時は1本立ちにしましょう。また、秋蒔きの場合は、翌春の本葉2~3枚の時に1本立ちにしましょう。この時、追肥をします。追肥量は1平方メートル当たり、化成肥料約30gです。ポイントとして間引きは素直に葉が上に伸びているものを残すようにしましょう。
ごぼうの間引き後から収穫までの栽培を管理
間引きから収穫までの育て方として、間引き後すぐに追肥をします。その後、浅く土をほぐすように耕しましょう。前回、株元に土寄せした分より上に土寄せをしましょう。そして、苗の大きさが30cmになるまでに1~2回追肥、中耕、土寄せを行います。ごぼうは、肥料が不足するとすい入りが多くなるので気を付けましょう。
栽培したごぼうをいよいよ収穫しよう!
収穫時期として、春蒔きの長根種のごぼうは150日前後で太さの直径が2cmほどまでに収穫するようにしましょう。収穫時期を逃して長い間収穫をしないとすが入ってしまいます。ちょうどよい収穫の時期に全部土を掘り収穫しましょう。保存する場合には、土を被せて保存しましょう。短根種のごぼうは75日前後で太さが1.5~1.7cm長さ30~40cmを目安に収穫しましょう。収穫時根が細くても若ごぼうとして利用することができます。
収穫方法は、最初にごぼうの葉を刈り、根のやや離れた場所を徐々に30~40cmほど掘り下げて根の首部を両手で持ち、掘り下げた穴側に倒すようにして引き抜きます。この時、ごぼうを途中で折らないように周囲の土をごぼうが簡単に抜けるまで掘りましょう。
ごぼうを波板を使って栽培するには?
畑の土を50cm以上も核耕すのは大変な作業です。その作業を少しでも楽にし、ごぼうが真っすぐに栽培できる育て方があります。波板を使っての栽培方法になりますが、それはどんな方法なのか紹介します。
波板とは?
良くカーポートや倉庫などの屋根にも使われているのを目にしたことがあると思いますが、波形に成形された建築資材です。この建築資材を使ってごぼうをどうやって育てていくのでしょうか?
波板を使っての育て方
まずはじめに、波板を置く土台を作ります。深く掘っていくのではないので、畑に120cmの底辺に30cmの辺りの傾斜の土台を作りましょう。土台が出来たらそこに波板をのせます。肥料の入った土を波板の上にかぶせるように土をのせましょう。この時の土の厚みは10~15cmぐらいにしましょう。
いよいよ種まきをします。波板栽培に適した品種は滝野川ごぼうです。一晩水につけて置いた種を波板の溝が一つ置きになる感覚で浅く掘りましょう。そこでうまく発芽してうまく育ってくれれば、波板の溝に沿って根が生えてきます。収穫時も土を掘る必要はなく、波板を取るだけで収穫することができるのがこの栽培方法の特徴です。
種まきをした後はたっぷり水をあげましょう。土全体にも水をたっぷり浸み込ませておきましょう。ごぼうの育て方の注意点として発芽には乾燥は禁物です。発芽してきたら、本葉が2枚になったら波板の溝1本に1株になるように間引きしましょう。その後追肥をしましょう。収穫まで何度か追肥しましょう。種まきから150日程度が収穫時期になります。
波板の溝の上に伸びたごぼうはこんな感じになります。溝に沿って真っすぐに伸びるごぼう。波板の上の部分の土をはじめに取り除きごぼうを取り出すだけで収穫することができます。利点としては、深く掘ることなく収穫することができることです。波板を使った栽培方法もぜひやってみましょう。
ごぼうをプランターで栽培するには?
ごぼうは畑でないと栽培できないと思っていませんか?実はプランターなどを使って家庭菜園することができます。プランターでごぼうを栽培するときは短根種を選ぶようにしましょう。品種改良されているミニごぼうの種がホームセンターなどで販売されているのでそういったものを選びましょう。
どんなプランターを使って栽培したらよいのか?
ごぼうを栽培する際に適したプランターの大きさは深めのサイズので50cm以上のものを選びましょう。もし、深めのプランターが手に入らないときは、大型の土嚢袋などを使って栽培をする方法もあります。土嚢袋であれば、水に切穴を底に作り掘りにくい時には袋をきって収穫することができます。ミニごぼうの品種の場合は深さ30cm以上の大きさのプランターがあれば栽培することができます。
ごぼうをプランターで栽培するには?
栽培方法としては、畑で行う方法と同様でごぼうの種は一晩水に浸して吸水させましょう。種は浅く蒔き種が少し隠れる程度に土を軽く被せましょう。畑と違う点で、種まき後は、不織布などを濡らして被せ乾燥させないようにしましょう。発芽後本葉が1~2枚で始めたら間引きをし、本葉3~4枚になったら5~6cmほど間隔を開け間引きし、軽く土寄せをします。追肥は本葉が3~4枚になり草丈が30cmなるまでの間に2回行いましょう。
プランターで栽培したごぼうを収穫しよう
収穫に時期は品種によって違いますが、だいたい70~100日が目安になります。軽く葉の付け根部分を掘ってみて、根の直径が1~2cmほどの太さになっていたら収穫時期となりますので収穫しましょう。また、土嚢袋で栽培した時には掘ることが大変な時は、土嚢袋を切ることで収穫できるという簡単な収穫方法もあります。
ごぼうは葉茎部分と根っこの部分では耐寒温度が違う
生育の適温は20度~25度が一般的となっていますが、地上に出る部分は3度以下で枯れてしまいます。根っこの部分は土の中にもぐっているため耐寒性があり-20度でも耐えることができるのが特徴です。育て方として、乾燥にも強いですが、水には弱いので水はけのよい環境で育てるようにしましょう。また、土壌の酸度も調整するようにしましょう。
ごぼうの収穫後の保存時期と方法とは?
ごぼうは、収穫後乾燥させると傷みやすい野菜です。収穫後は土がついたまま新聞紙などに包み、根が下になるように立てかけて保存しましょう。新ごぼうは濡らした新聞紙に包んでラップをかけてポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ保存しましょう。また、畑でも保存することができます。根元を2cmほど出して土に埋めておくと1ヶ月以上保存することができます。
ごぼうの育て方の注意点
ごぼうを育てるにあたり、病虫害は注意しましょう。連作や蜜植え、肥料不足で発生する病害では黒斑病、土壌の乾燥が原因で発生するうどん粉病などが発生します。また虫害では、アブラムシやヨトウムシ、ネキリムシなどが発生します。雨の少ない年などに発生しやすい傾向にあります。育て方のポイントとして、発芽後は防虫ネットなどを張っておくとよいでしょう。
ごぼうがかかる病気とは?
ごぼうは苗全体が枯れてしまうほど被害は出ず丈夫な野菜ですが、なりやすい時期があります。それは植え付けから収穫までの間の8~12月の時期でうどん粉病とウイルス病とあります。うどん粉病は土の乾燥を防げば病気対策方法となりますが、ウイルス病は難病で発症すると治療法がないといわれています。
その他にも黒斑病は葉に褐色が出てしまう病気ですが、発生しやすい時期として5~12月です。治療方法としては薬剤治療もできますが、被害が少ない時には葉を切り取り畑以外で処分しましょう。萎凋病は葉が萎れたり茎の部分が茶褐色に変色したりします。病気の対策方法として水はけをよくして酸性土壌にならないように気を付けましょう。そして萎凋病にかかりやすい野菜の連作は避けましょう。
根腐れ病は病気が進行すると異臭が発生します。土壌の水分量に気を付けましょう。黒斑細菌病は黄色や黒色の病斑が出るのが特徴で細菌が原因で起こる病気です。水やりを控え水はけをよくすることがこの病気の対策方法となります。最後にモザイク病は葉にモザイク模様が出る病気です。害虫がウイルスを媒介し感染する病気で治療方法がありません。
ごぼうを自分で栽培してみよう!
今回『ごぼうの栽培方法・育て方について!種まきから収穫について』と題して紹介しましたが役に立てたでしょうか?本当に家庭菜園でごぼうはできるのか?と思っていた方もいるかもしれませんが、畑だけではなくプランターなどを使っても栽培ができます。育て方の注意点を参考に、ぜひ家庭菜園でごぼうを栽培してみましょう。