オクラの育て方は?初心者でも失敗しないプランター栽培・種まきのコツ
オクラは高温性の植物ですから温かくなってから種まきをします。ぺクチンが豊富で、がん予防や便秘にも効果があるオクラをいつでも食べられるように身近なプランターで育ててみたらいかがでしょう。初心者でも比較的に栽培しやすいオクラです。失敗しない育て方のコツは、種まきにあります。プランターでのオクラの育て方を、おすすめの品種から、種のまき方、間引きの仕方、追肥の仕方、収穫の仕方までやさしく解説します。
目次
オクラって?
オクラは古代エジプトで栽培された記録がある随分と古い野菜です。その後、19世紀にアメリカで栽培され、インドや亜熱帯地域の国々で生活に欠かせない野菜として栽培されていました。日本には明治6年にアメリカから渡来したと言われています。現在の世界の中での生産トップはインドで全体の6割を超えています。日本では鹿児島がです。
オクラは栄養いっぱいの野菜
オクラは成人病予防のペクチンとムチンが豊富な野菜
オクラの粘りの成分のペクチン・ムチンには便秘を防ぐ作用があります。またペクチンには糖分の吸収を抑え、コレストロール値を下げて成人病の高血圧・糖尿病の予防の効果があります。また腸内の善玉菌の増殖を促して腸の中をきれいにし、栄養の吸収を助けてくれます。ムチンには胃の粘膜を保護してタンパク質の消化を助ける働き、脂肪や悪玉コレステロールの吸収を抑制する働きがあるといわれています。
オクラは美肌効果のべーターカロテンも豊富な野菜
緑の濃いオクラは野菜の中でもべーターカロテンが多く含まれています。べターカロテンは抗酸化力が強いのでストレスで増加しすぎた活性酸素を除去して健康に良い働きをしてくれます。べーターカロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚の健康維持や新陣代謝を高めてくれて美肌効果があります。身体の粘膜、免疫機能を保ったり。夜盲症やがんを予防する効力もあります。
オクラは疲労回復のビタミン・カルシウム・その他の栄養も豊富な野菜
オクラには各種のビタミンがまんべんなく含まれているだけでなく、無機質もカリウをはじめカルシム、リン、マグネシウム、鉄がバランスよく含まれているので疲労回復に役立ちます。カルシウムが多く含まれ骨を丈夫にしてくれます。さらにカルシウムはイライラを解消してストレスを軽減します。またカリウムはナトリウムに代わり塩分を排泄するので高血圧に効果的です。
オクラ栽培のおすすめ
このように栄養豊富で体によいオクラですからプランターでの栽培をお勧めします。しかも、初心者でも簡単に栽培できます。オクラの栽培は場所を取らず収穫時期も長く、いっぱい取れるので栽培のしがいがあります。キッチンから遠くないプランターでの栽培は、夕食に彩りのある一品を加え、食卓を豊かにすることでしょう。
栽培準備をする
オクラの種はどれにする?
オクラは原産地がアフリカなので温かくなってからの栽培が適しています。ホームセンターに行くといろいろな種を売っています。写真の五角が一般的に普及しています。早めに食べたければ五角早生のアーローファイブはいかがでしょう。初心者には育て方が簡単な丸オクラのまるみちゃん。五角のグリーンソードは柔らかいのが魅力です。育て方は変わりません。小袋で300円台です。
色が鮮やかな赤オクラ
一見するとトウガラシのような色をした赤オクラです。買い物に行ってもなかなか目にする機会がありません。このオクラの中のアントシアニンが赤色の正体です。ブルーベリーと同じように目にいいアントシアニンですが、加熱されると分解してしまうので要注意です。レタスなど青野菜とまぜて彩りよいサラダして食べることをおすすめします。育て方は、一般のオクラと変わらず、収穫量が多いのが楽しみです。1袋400円台です。
少しジャンボなスターオブディビット
スターオブディビットは切り口が直径3㎝ほどのずんぐりジャンボな9角形をしたオクラです。粘りが多いのでペクチンやムチンもいっぱいな感じです。イスラエルの伝統野菜といわれています。肉厚でかなりの太ささですが、収穫時期を間違わなければ柔らかく独特の香りがあって美味しいと人気が出ています。発芽が25℃と高く、大きくなりすぎたり水不足だと硬くなり、食べられないなど初心者には育て方が難しいかもしれません。
花をいただく花オクラ
正式名はトロロアオイといいます。オクラが実を食べるの対して、このトロロアオイは花を調理して食べます。花がオクラの花とそっくりなので花オクラと呼んでいます。同じアオイ科なので栽培時期は温かくなって種まきしますが実は硬くて食べられません。花は普通のオクラの2倍ほどあって、とっても綺麗です。ただ1日でしぼんでしまう、はかなさです。三杯酢やお浸し、てんぷらで食します。育て方は難しくありません。
オクラに合ったプランターを準備!
オクラは成長すると1~2mまで伸びます。少なくとも容量が20L~25Lの中型より少し大き目で深めのプランターを選部のがコツです。時間差で種をまくと収穫時期がずれて長い間食べられます。種の量は小さい袋でもたくさん入っていますから、置くスペースに余裕があれば、二つくらい買われるといいでしょう。25Lのeco&eco深55型ウィンプランター2個セットで1987円(送料込み)というのがありました。
こんな土を準備!
プランターに入れる土は、初心者は手がかからない培養土の購入をおすすめします。一口に野菜を育てる土といてもいろいろあります。野菜が育つために必要な栄養(肥料)が混ざっていて、水はけがよく、それでいて保水性があるように、いろいろな土をブレンドした土を培養土といいます。これさえあればすぐに栽培ができます。土選びも育て方の大切なコツです。お近くのホームセンターで1袋(25L)で300円前後で購入できます。
こんな肥料を準備!
種から発芽して苗が育つまでは培養土で栄養は十分ですが、苗が育って大きくするためには肥料が必要です。植物が育つには少なくとも、肥料の三要素のN(窒素):葉の栄養に必要、P(リン酸):花や実の生育に必要、K(カリウム):根や茎の生育に必要、を追肥しなければなりません。初心者はそれが平均的に含まれている肥料を選ぶことが育て方のコツです。
オクラの育て方:種をまく前に!
オクラは低温に弱く10℃以下では発芽しません。天気予報をみて気温が高くなってから種をまくことが失敗しないコツです。20℃を越える5月の中旬位が種をまくのによい時期です。もう一つ大切なことは、種は一晩水につけて皮を柔らかくするのも育て方のコツです。またオクラは直根(根が真っすぐ下に出て、横に出る細かい根が少ないので移植するとつきにくい)ためプランターに種を直にまくのが基本です。
オクラの育て方:種をまく
プランターの底にネット(ミカンなどの入っていた空のネットで十分)を敷いて軽石を底が見えないくらい(一段程度)いれて、その上からたっぷり培養土をいれておきます。種は株間30㎝間隔で、1か所に指1センチくらいの深さに押して4~5粒ほどまいて軽く覆土(ふくど)して水をたっぷりあげます。少し早く収穫したいときは4月下旬にポットに4粒まいて発泡スチロールの箱に入れて芽出しするのも育て方のコツです。
オクラの育て方:間引きをする
オクラの育て方ポイント:1回目の間引き
発芽するまでは乾かない程度に水やりします。プランターやポットに蒔いた種が発芽しだします。芽が出たポットは発泡スチロールの箱からだして日光に当ててあげましょう。ポットの苗が双葉の間から本葉が少し展開し始めたら元気な2本を残して他の2本は間引きします。プランターの苗は本葉が1~2枚になったら元気のよいのを二つ残して残りを間引きします。間引きの際には他の芽に影響がないように丁寧に気を付けて抜きましょう。
オクラの育て方ポイント:2回目の間引き
育苗の時は日光にタップリ当てますが、高温になりすぎないように換気には気を付けてください。オクラの苗も少しずつ大きくなってきます。ポットの苗は本葉が2~3枚になったら元気のよい1本だけを残して他の2つは間引きします。プランターの苗の場合は本葉が4つになったら元気な苗1本だけにします。初心者は間引きが可哀そうな気がしたり、もったいない感じがしますが、間引きは大きく元気な育て方のコツです。
オクラの育て方:ポットからプランターへ植え付け
プランターへの種の直まきが基本ですが、早めに苗を育てるためにポットに種をまいて育てた場合は、本葉が3~4枚の早い時期(種まきからおよそ1か月)にプランターに植え付けます。若苗で植え替えるのは、前に説明したようにオクラは直根だからです。プランターに植え付けるときはタップリと水を上げてください。その後の水やりは乾燥したときにたっぷりあげましょう。水やりのタイミングも育て方のコツです。
オクラの育て方:追肥と土増しをしよう
オクラの育て方ポイント:1回目の追肥
プランターの芽が出て苗が成長し始めたら、またポットからプランターに植え付けてから2週間に一度の割合で追肥してあげましょう。肥料の量は土1Lに1gが目安です。25Lのプランターなら25g程度です。栽培期間が長いので、二度追肥したら1回くらいの割合で少量の培養土を足し増して、根元に土寄せ気味にあげてください。追肥は育て方の大切なコツです。
オクラの育て方ポイント:2回目、3回目の追肥
2週間に一度くらいに追肥をしてあげると初夏には花が咲きます。花が咲いたら追肥してあげましょう。皆さんにとっての食事みたいな追肥も栽培に欠かせないコツです。オクラは株が大きくなるので倒れないように、プランターに培養土を増し土してあげてください。オクラは根を下に深く張りますから深いプランターなら倒れる心配は少ないと思います。それでも倒れる心配がありそうなら支柱を立ててあげましょう。
オクラの育て方:発生しやすい病害虫対策
オクラの育て方ポイント:アブラムシ対策
アブラムシは体調1~4mの小さな虫で、飛来して葉や新芽につき増殖して汁液を吸い成長を妨げます。ウイルスを媒介して病気にかかります。小さい苗の葉にアブラムシがつくとやっかいですから、種をまいた後に不織布をかけて予防します。不織布は100鈞ショップで売っています。成長した葉にも付きますから、葉についているのを見つけたら直ぐに取ってつぶすか、びっしり付いている場合は葉を切り取って処分してください。
オクラの育て方ポイント:病気しないで元気に育てる
うどん粉をまいたように白くなった、うどんこ病です。うどんこ病の胞子は風邪で運ばれてきます。乾燥が続いて水やりをウッカリ忘れていたりすると病気にかかりやすくなります。土が乾燥したら水をやって陽当たりと風通しをよくいしてあげることが予防になります。うどんこ病に感染した葉は早めに切り取って処分してあげてください。
オクラの育て方:花を観賞し楽しむのも栽培
植物はみな花を咲かせ、そのあとに実をつけてくれます。オクラも同じですが、その花の意外なほどの美しさに驚かれるのではないでしょうか。しかも、どこかで見た感じがするはずです。そうですハイビスカスや芙蓉の花に似ていませんか?オクラもハイビスカスも芙蓉もみなアオイ科の植物です。栽培には花を観賞する楽しみもあります。
オクラの育て方:実を収穫する楽しみ
収穫のタイミング
開花してから7日~10日くらいして実が7~10㎝(種類によって違うので種の袋を読んでください)くらいしたら収穫のタイミングです。実がなったからと早すぎると種ができずネバネバがありません。遅すぎると硬くなってしまいます。初心者には、その見極めが大変かもしれませんが、いっぱい実がなりますから、何度か経験すればだいじょうぶです。それと実の柄の部分(果梗かこう)は硬いのでハサミで切ってください。
収穫した後の処理
切り取った後にも、ひと工夫が必要です。オクラの実は葉と茎の間にできますから、切り取った実のすぐ下にある葉2枚ほどを残して切り取っておく必要があります。この摘葉(てきよう)することで、そのあとの実を多くつけてくれます。またスッキリして風通しがよくなることで病気になることを防ぐことにもつながります。育て方のコツと言えるでしょう。ただ、全体に葉の数が少なくやせている場合は草勢を見て判断します。
収穫後の保存方法
美味しく食べる処理
オクラの産毛の舌触りが苦手な方の処理方法は、まな板の上にオクラをのせて少量の塩を振りかけ、オクラを手でコロコロ転がし、軽く水洗いすれば産毛はとれます。これを湯にさっと通して氷水で粗熱を取れば下茹で完成です。さらに下茹でしたものを切って種を取り出しブレンダーで混ぜれば”泡オクラ”の完成です。マヨネーズ、ドレッシングに混ぜれば色んなソースができます。これらの下ごしらえの処理をしたものは冷凍保存も可能です。
保存方法
オクラは実がなりだすとけっこう次々と収穫できます。嬉しい悲鳴ですが、やはり今日もオクラ、明日もオクラというと、たとえ栄養があるといってもクレームがつくかもしれません。もちろん料理の腕の見せどころですが、保存して日を改めてという方法も。NHKの”ためしてガッテン”でやっていた、洗って、あるいは茹でて、泡オクラにしてラッピングして冷凍庫保存して使うと、おいしく、しかも栄養を損ないません。
できたらオクラの自家採種してみよう
オクラは5月に種をまいて7月ごろから収穫できます。収穫が終わるのは、地域にもよりますが概ね9月半ばくらいでしょう。この最後の頃に実ったオクラを食べずに、そのままにしてください。実が枯れてきたら収穫して陰干ししておきます。実が殻からに乾燥したら割って中の種をビンに保存すれば来年の種になります。初心者でない立派な自家採種者です。
おわりに:次なるプランター栽培に挑戦しよう
オクラのプランター栽培をステップに
ここでオクラの栽培を振り返って初心者が失敗しない育て方のコツを整理しておきます。プランターは深めで25L容量の大き目がおすすめです。培養土を使いましょう。育ちやすい種を選ぶのがポイントです。暖かくなってから種をまきましょう。種は前日に一晩水につけておきます。
芽が出たら間隔をあけて二度間引きをしましょう。ポットから植え替える場合は若苗段階で、2週間おきに追肥、乾いたら水やりをします。病害虫には注意をしましょう。実をとったら摘葉します!これで万全です。
次は何の野菜にチャレンジ?
これから一つの野菜の栽培経験を通して多くの失敗を繰り返されると思います。でもそれ以上に楽しみをいっぱい経験されることでしょう。もうあなたは野菜栽培の初心者ではありません。もしかしたら、この体験から秋の野菜の栽培に向けて心が弾んでいるかもしれません。さて次は何の野菜にチャレンジしますか?