2022年04月13日公開
2024年11月21日更新
柿を追熟させる方法とは?失敗の原因や食べ頃の見分け方・保存方法も
柿を追熟させる方法を解説します。柿を追熟させるメリットや失敗する原因、色などによる食べ頃の見分け方も詳しく説明!熟しすぎるのを防ぐ保存方法や、完熟した柿のおすすめレシピも紹介するため、ぜひ美味しく食べる参考にしてください。
目次
柿を追熟させる方法と食べ頃の見分け方を解説
柿は古来から日本で食べられている、秋から冬が旬の果物です。酸味が少ないため、子供やお年寄りにも人気があります。ビタミンCなどの栄養も豊富に含まれており、免疫力アップの健康効果や、美容効果も期待できるフルーツです。
早めに収穫した柿は、固くてシャキシャキしており、甘味をあまり感じません。この記事では、追熟する方法や食べ頃の見分け方、熟しすぎないようにする保存の仕方を紹介します。参考にして、ぜひ自分の好みに合った柿を、美味しく味わってください。
柿を追熟させるメリット
追熟とは?
追熟とは、収穫した果実を一定期間寝かせることによって、完熟させることです。ある程度の期間置くことによって、呼吸量が増えてエチレン濃度が濃くなり、熟成が進みます。熟すにつれて色が濃くなり、果肉は柔らかくなるのが特徴です。
果物には、収穫の仕方によって2つのタイプがあります。熟す前に収穫して収穫後に熟成させるものと、熟してから収穫するものです。熟す前に収穫するものは、時間が経つほど糖度が高まり、甘さが増します。
購入したときにまだ固い場合は、熟す前に収穫するタイプです。柔らかくなるまで待ってから食べると良いでしょう。
追熟は未熟なときに収穫された果実が、呼吸の上昇、エチレン排出などとともに酵素活動が盛んになり、軟化の進行、糖、酸および香の変化を伴い可食に達する現象である。
柿を追熟させるメリット
柿は、熟す前に収穫するタイプの果物です。自分の好みの固さや甘さに、熟成をコントロールして食べることができます。
果実の柔らかさやオレンジ色の濃さが、熟し具合の目安です。熟すほど甘味が増します。あまり甘くないほうが好みの人は、少し固めで色が薄いものを選ぶと良いでしょう。
また、果実が柔らかいと、流通の途中で傷がついたり、腐敗してしまうことがあります。固い状態で収穫することによって、輸送中のトラブルを防ぎ、キレイな状態で販売することができます。
青い柿や渋柿も追熟できる?
柿には青いものや渋いものがありますが、これらも収穫してから熟成させることができます。渋いものは、熟成させると渋みも抜くことが可能です。完全に渋みが抜けるときには、実がかなり柔らかくなってしまうため、注意してください。
少し早く収穫して青いものは、時間をかければ熟成させることができます。ただし、実の内部にある種が未熟な場合は、熟成できません。しばらく置いてもオレンジ色にならないときは、あきらめましょう。
柿を追熟させる方法
方法①常温で保存する
熟成は、常温で寝かせておくだけでも進みます。ヘタを下にして、直射日光が当たらない風通しの良い場所に置くのが、おすすめです。
温度は15度くらいが適しています。秋から冬が旬の果物であるため、暖房が入っていない部屋に置くと、ちょうど良いでしょう。少し固めの状態であれば、3日くらいで完熟します。
より甘味の強いものが好みの人は、さらに1~2日寝かせると甘さが増します。ただ、腐りやすいため、注意が必要です。
方法②電子レンジで加熱する
切った時にまだ熟成されていない場合、電子レンジを使うと、すぐに柔らかくなり便利です。加熱方法は、皮を剥き食べやすい大きさにカットし、ふんわりとラップをします。
電子レンジで30秒ほど加熱して、一度確認します。必要であれば、好みの柔らかさになるまで、さらに加熱しましょう。すぐに食べると温かいため、冷たいほうが良い人は、冷蔵庫で冷やしてから食べるのがおすすめです。
方法③りんごと一緒に保存する
柿を早く熟成させたいときには、りんごを使うのがおすすめです。リンゴは、エチレンガスを多く生成します。エチレンガスは、果物の熟成を促進するため、一緒の袋にいれると完熟を早めるのに効果的です。
ただし、熟成が進み過ぎると、腐敗してしまうことがあります。色が濃くなってきたら袋から出し、リンゴと離して保存すると良いです。
柿の追熟が失敗する原因と食べ頃の見分け方
原因①風通しの悪い場所に置いたため
風通しの悪い場所は、湿気がこもります。柿は高温多湿を嫌う果物です。高温多湿の場所に置いていると、カビが生えたり、腐敗してしまうことがあります。柿を追熟させるときには、風通しの良い場所を選ぶのがおすすめです。
また、箱の中は風通しが悪い状態です。できるだけ箱から出して保存します。1つ腐敗していると、他にも悪影響を及ぼすことがあります。箱に入っているときは、腐敗していないか1つずつ確認すると良いです。
原因②室温が適温ではないため
柿は呼吸することによって熟成します。この呼吸のスピードを変える原因が、温度です。呼吸のスピードは、適温より低いと遅く、高いと早まります。
柿を追熟させるためには、15度くらいの室温の場所が最適です。これよりも低いと呼吸が遅いため、なかなか熟成が進みません。高い場合は、呼吸させすぎて腐敗してしまうことがあります。
原因③密閉しすぎているため
先述のように、柿が追熟するためには呼吸が必要です。密閉してしまうと呼吸ができなくなるため、熟成が進みません。袋に入れた場合も密閉はせず、口を開いたままの状態で保存します。
ただし、りんごのエチレンによって熟成させる場合は、一緒に入れて袋で密閉すると、早く熟成できます。好みの熟成期間に応じて、判断しましょう。
原因④収穫が早すぎた
柿が熟成するためには、種の成長も重要です。柿の中にある種が、未成熟の状態で収穫してしまうと、追熟をしても熟成しません。
熟した柿は鳥に食べられることも多いため、早めに収穫する場合があります。しかし、種が成熟していないと追熟できないため、注意が必要です。
少し青い場合でも種が成熟していれば、環境を整えることによって、熟成が進む可能性があります。しばらく置いても色が変わらない場合は、種の成熟が足りないため、熟成できないでしょう。
食べ頃の柿の見分け方
柿の食べ頃は、好みによってさまざまです。一般的に、2~3日追熟をしたくらいが、食べ頃になります。少し柔らかくなり、深いオレンジ色のときが、甘さが増して美味しいです。シャキシャキした食感と控えめな甘さを好む人は、少し固めのときが食べ頃です。
どちらの場合も、ジューシーなものほど、ずっしりと重みがあります。全体の色にムラがなく、ヘタが乾燥していないものが、おすすめです。また、形がきれいなものは、丁寧に生産されていて品質が良いため、美味しいでしょう。
柿を追熟させずに保存する方法
冷蔵庫で保存する方法
柿は常温で置いておくと、熟成が進んでしまいます。ちょうど良い熟成で止めたいときは、冷蔵庫で保存するのがおすすめです。
柿は、ヘタが乾燥すると味が落ちます。冷蔵庫での保存は乾燥しやすいため、注意が必要です。保存方法は、キッチンペーパーを濡らし、ヘタのサイズに折って上に置きます。そのままヘタを下にして、1個ずつラップで包み、袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。
キッチンペーパーが乾燥したときは、また濡らして乾燥を防ぐことが大切です。このようにすれば、2~3週間、熟成を抑えて保存することができます。
冷凍庫で保存する方法
柿を追熟させずに長期間保存したいときには、冷凍庫で保存します。冷凍すると固くなるため、完熟したものを使うと良いです。丸ごとの場合は、皮の汚れを取って保存袋に入れ空気を抜き、そのまま冷凍庫で保存します。
欲しい分だけ解凍して使う場合は、カットした状態で冷凍するのがおすすめです。皮を剥いて種を取り除き、食べやすい大きさに切ります。保存袋に入れて空気をしっかり抜いてから、冷凍庫に入れましょう。
加工して保存する場合は、皮と種を取り除き、ミキサーでピューレ状にします。保存袋に入れて、できるだけ平らにして冷凍庫に入れると良いです。スイーツ作りやジャム作りなどに活用できます。
柿が熟したときにおすすめのレシピ
完熟柿ゼリー
【材料】
- 完熟の柿:2~4個
- 寒天粉:4g(水500ml分)
- 水:400ml
- 糖類:30g(お好みで)
【作り方】
- 柿の皮を剥いて種を取り、実の部分をスプーンなどで押し潰してジュレ状にします。
- 水400mlに粉寒天を入れ、中火にかけ、よく混ぜます。
- 沸騰してきたら1~2分、煮立たせます。
- 火を弱め、少しとろみを感じるまで混ぜながら煮詰めます。
- 4に1の柿のジュレを入れて混ぜます。
- 5に糖類を入れ、よく混ぜ合わせます。
- 6を容器に入れます。
- 蓋をして冷蔵庫へ入れます。
- 固まったら冷蔵庫から出し、切り込みを入れて取り出し、お皿に盛りつけます。
完熟した柿を使ったゼリーのレシピです。ジュレ状にするため、完熟していて形が定まらないものでも活用できます。種の周りの部分も甘味があるため、きれいに取って使用するのがおすすめです。
寒天の代わりに、ゼラチンやアガー、葛粉を使うと、柔らかく滑らかな舌触りになります。柿や糖類の量は、好みで増やしても良いでしょう。
完熟柿のおからパウンドケーキ
完熟柿とおからを使ったパウンドケーキのレシピです。完熟柿が余ってしまったとき、大量に消費できます。
全粒粉とおからを使っているため、とてもヘルシーなスイーツです。完熟柿の甘味を活かすと、砂糖は少なめですみます。生地が固い時は、牛乳や豆乳を加えて柔らかくすると良いでしょう。
柿は追熟させてから食べよう
柿は栄養価が高く美容にも良いため、人気のある果物です。完熟すると甘味が強くなり、スイーツに活用することもできます。熟す前に収穫する果物のため、追熟をコントロールすることで、柔らかさや甘さの調整が可能です。
追熟方法や熟成を抑える保存方法なども参考にして、自分好みの柿の味を、ベストなタイミングで楽しんでください。