2018年04月15日公開
2024年07月05日更新
牛丼太郎が丼太郎として復活?店舗の場所や現在のメニューなど紹介
皆さんは牛丼太郎をご存じでしょうか?低価格路線で首都圏を中心に人気を集めていたが2012年に惜しまれながらも閉店してしまった牛丼チェーン店です。その後店名を牛丼太郎から丼太郎に変更して別会社が運営しています。現在のメニュ-などを詳しくご紹介します。
牛丼太郎とは
牛丼太郎、あまり聞きなれない名前の店舗だとは思いますが、一時期は売上総計5億6000万円を誇っていた牛丼チェーン店です。その特徴は牛丼業界最安の価格です。最安の2001年当時は1杯200円で売り出していました。経営母体は牛丼チェーン最大手吉野家で副社長を務めた、深澤五郎氏が立ち上げた株式会社深澤です。
牛丼なんです pic.twitter.com/CQmNu0Zr0y
— これは結城かなたん。 (@yu0_x3) April 9, 2018
牛丼太郎の歴史
牛丼太郎は前記の深澤五郎が1983年に立ち上げました。当時は本社を東京都練馬区に置き、牛丼太郎一号店は東京都中野区でオ―プンしました。小規模のチェーン展開ながら安値とサービスの提供で人気を集めました。当時、店舗の場所は西武新宿線沿線、中央線の沿線を中心にチェーン展開していました。1999年に最高利益を出し、2001年には牛丼1杯200円を業界に先んじて打ち出しました。
また牛丼太郎はコストを下げるだけでなく利益確保の為高回転率の立ち食い専門の牛丼店を立ち上げたりと試行錯誤を繰り返していた。当時の肉料理界から見れば異端児的な部分もあったのではないかと思います。
2003年の米国でのBSE発症問題を受け、米国産牛肉が輸入禁止になり日本の肉料理界全体が打撃を受ける中で、米国産の牛肉で経営していたものを、豚肉混合へとメニューを切替たりと試行錯誤の末、オーストラリア産牛肉の使用に踏み出すものの、オーストラリア産牛肉の価格高騰の影響もあり価格改定を繰り返しました。その後価格は落ち着き、再び安値路線へ切り替えます。2012年の閉店前は1杯250円までに値下げします。
2011年の12月には売り上げが1億5000万円まで下落しました。2012年に惜しまれつつ牛丼太郎全店を閉店しました。経営母体である株式会社深澤は本社を埼玉県和光市に移していた為2013年9月にさいたま地方裁判所より破産開始の決定を受けるまでになりました。
知る人ぞ知る名店となってしまった牛丼太郎だが、あまり知られていないのには、展開規模以外にも理由がある。社長の深澤氏の意向でインターネット、新聞、テレビをはじめとする広告媒体での牛丼太郎のコマーシャル活動がなかった為です。これは、深澤氏が広告を嫌ったわけではなく、広告費を払うならそれより安く牛丼太郎の牛丼を皆様に提供したいという思いからでした。
ちなみにこの度東京の銀座に新しく牛丼太郎という名前の牛丼店が出店し、安くておいしいと銀座のサラリーマンの注目を集めているのだがこちらは全く違う店舗です。
牛丼太郎の破産・新世代丼太郎へ
牛丼太郎閉店の2012年8月11日の翌日、2012年8月12日から代々木店と茗荷谷店の2店舗は、テープで「牛」の字を隠して丼太郎として営業しています。場所は、代々木店が代々木駅東口前に、茗荷谷店は地下鉄丸ノ内線の茗荷谷駅近くにありました。現在、代々木店は閉店しており、茗荷谷店のみ営業しています。
しかし代々木店の閉店は経営不振から来たものではなく、牛丼太郎から店舗を受け継ぐ当初予想以上に丼太郎で働きたいという社員が多く、茗荷谷店の他にまだ牛丼太郎との賃貸契約の残っていた代々木店を契約満了まで引き継ぐということで新たな社員の受け皿としたとの事です。なので代々木店の閉店は予定通りであるわけです。
しかし、激安店であった牛丼太郎の精神は受け継がれており、牛丼みそ汁付1杯260円という激安価格。これは日本全体の肉料理界で見ても最安ではないだろうかと思えるほどの値段です。経営母体は株式会社丸光となっています。この丸光は当時深澤の社員だった佐藤慶一社長がほかの社員3名と立ち上げた会社です。また看板から消えているのは牛の字のみで当時のイメージキャラクター牛太くんはそのまま使われています。
牛丼の味は牛丼太郎の時と変わらず濃いめの味付けになっています。この味が今でも続く人気の秘密です。安さだけじゃなく、この濃いめの味の牛丼が食べたかったという人が続出し、現在は場所同じ牛丼太郎茗荷谷店でありながら2割以上も客数が増えるといった状況に立て直しています。
牛丼激戦区の茗荷谷駅前という場所にあって、近い場所には「なか卯」と「松屋」が50m県内にある中で業績を伸ばしているのはその味付けと安さ、サービスが茗荷谷エリアの人に受け入れられている証です。またアルバイトを雇わず、牛丼を20年以上作ってきた肉料理の達人の作る味わいの深さは他にはない味付けです。またアルバイトがいない事で余計な人件費を削っている部分があります。
牛丼太郎のメニュー
牛丼太郎の最大の売りはやはりその安さです。最低値で1杯200円まで下げた安さから学生の味方と言われて愛されていました。また値段をむやみに上げぬよう、メニューも最低限を貫いてきましたが、米国産牛輸入禁止以降は少しずつそのメニューを増やしてきました。今回はその牛丼太郎のメニューを見てみたいと思います。
牛丼太郎のメニュー・牛丼
やはり牛丼太郎の看板メニューです。吉野家、松屋と渡り歩いた創業者の思い入れと味と安さの両面で優秀な米国産牛を使った牛丼に仕上がっています。しかし米国産にこだわった最大の要因はやはり安さにあるとの事です。牛丼太郎は1円でも安くお客様に牛丼を提供することが目標でした。味付けは濃いめです。この濃い味が肉料理というイメージにぴったりです。ご飯がどんどん進む味付けになっています。
牛丼太郎のメニュー・納豆丼
納豆丼って納豆ご飯だろ?って思われる方が多いでしょう。大まかには間違っていません。しかし牛丼太郎の納豆丼の最大の魅力は、牛丼と同じく安さです。しかし納豆そのものも違います。牛丼太郎の納豆は大きな豆の大豆を使用した納豆を用いてしっかりと混ぜたものがご飯にかかっています。みそ汁がついて210円です。さらにサラダ付きのセットで310円どボリューム的にも満足の内容です。しかも納豆ですので栄養価も高いというおまけつきです。
こちらの納豆丼元々朝限定のメニューだったものが2003年以降にレギュラーメニューに定着したものです。
牛丼太郎のメニュー・カレーライス
こちらこのカレーメニューは大手の牛丼チェーンのカレーは野菜も具材もドロドロに煮込んであるものが多いのだが、大きめの野菜がゴロゴロしているのが人気の商品です。家庭的な味わいのあるメニューとなっています。
牛丼太郎のメニュー・各種定食
牛丼太郎の定食メニューは3種類です。牛皿定食、やっこ定食、玉子かけごはん定食になっています。牛丼の汁でご飯がべちゃべちゃになるのが嫌な方はこちらの牛皿定食がおススメです。また濃い味の牛皿は肉料理と呼ぶにピッタリの濃い味付けでご飯が進みます。
丼太郎の魅力
牛丼太郎から現在も変わらない丼太郎の最大の魅力はやはり価格です。牛丼みそ汁付で1杯260円という安さ。茗荷谷という牛丼激戦区の場所に位置しながら大手チェーンよりもかなり安く牛丼を提供し続けています。また、従業員の方も全員がオフィスではなく調理場で作業することで価格を抑えています。アルバイトなどを雇わず人件費を最小にしながら企業努力で大手チェーンに対抗しているところが魅力的です。
現在の丼太郎のメニュー
牛丼をメインとしながらキムチ牛丼や牛丼セットが主力商品です。また納豆丼にも、キムチ納豆丼、うめ納豆丼、おろしポン酢納豆丼など多数を展開しています。カレーでは大手チェーン店同様の牛皿とカレーの合い盛りを販売しております。また温玉カレーも用意されており、マイルドなカレーも楽しめるようになっています。
丼太郎でちょい呑み
現在はお酒の飲み方も変化しています。居酒屋ではなくファミリーレストランや牛丼チェーン店などで軽くお酒を飲むちょい呑みが流行っています。気軽に一人では入れて安く飲めるということで人気を集めていますし、何より店側も顧客確保を目標に少量の廉価版メニューやお酒も提供しています。
またちょい呑みのお客はガッツリとした肉料理より、同じ肉料理でも簡単に食べられる牛皿などを好むようです。そのなかにあって丼太郎の濃いめに味付けされた牛皿はビールとも相性抜群です。また丼太郎の安い所はおしんこ30円、キムチ60円とこちらもかなりの低価格で提供しています。
出て来るお酒は第3のビールと言われる「麦とホップ」です。苦みが強く味の濃いのが特徴です。この苦みが味の濃い牛皿にぴったりです。また味を変えたいなら温泉卵をトッピングすると、まるですき焼きのような味がします。
今後の丼太郎
現在の丼太郎の社長インタビューによると、まずこのまま来てしまったので看板を何とかしたいとの事です。確かにテープで牛の字を隠してある看板は味があっていいとは思いますが、企業としてよくないのかもしれません。また牛丼太郎に名前を戻すことも検討中なんだとか。そうなると看板問題はあっという間にカタがつきます。
260円という低価格で味も抜群、お酒にもぴったりというお店です。これからも小規模ながら茗荷谷という場所で地元の人に愛される店舗として長く存続していただきたいものです。