サイフォンの原理を説明!コーヒーサイフォンはどのような仕組み?

サイフォンの原理を応用したサイフォンコーヒーは、まろやかな味わいでコーヒー好きな方も愛飲するとっておきのコーヒーです。一見難しそうに思えるサイフォン式コーヒーは、サイフォンの原理を理解し、やり方を覚えておくと案外簡単においしいコーヒーを淹れることができます。そこで今回はサイフォンの原理をおさらいしながら、サイフォン式コーヒーのやり方を説明していきます。自宅で味わうプロさらながらの本格派コーヒーを楽しんでみてはいかがでしょうか?

サイフォンの原理を説明!コーヒーサイフォンはどのような仕組み?のイメージ

目次

  1. 1コーヒーを淹れるサイフォンの原理はどうなっている?
  2. 2サイフォンの原理
  3. 3コーヒーサイフォンの抽出の仕組み
  4. 4サイフォンを使ったコーヒーの淹れ方
  5. 5サイフォンの原理はコーヒーサイフォンに応用されている

コーヒーを淹れるサイフォンの原理はどうなっている?

コーヒー専門店やこだわりの喫茶店などで見かけるサイフォンは、おいしいコーヒーを淹れるためには欠かせない道具のひとつです。サイフォンの起源は意外と古く、19世紀初期にイギリスで考案されました。日本には大正時代に輸入され、欧米文化の流入とともに一気に知名度を上げました。

現在日本で最も用いられているサイフォンは珈琲サイフォン社というメーカーが開発したガラス風船型のサイフォンです。コーヒーが美味しく抽出できるのでコーヒー愛好家にも愛されるサイフォンは見た目の美しさでオブジェとして使う人もいるほどです。

そんな見た目にも美しく、コーヒーを美味しく入れられるサイフォンの原理はどのようになっているか気になりませんか?今回はサイフォンの原理がどのようになって、コーヒーを抽出できるのか、その謎に迫っていきます。簡単においしいコーヒーを淹れるやり方についても説明しますのでぜひご覧ください。

サイフォンの原理

まずサイフォンの原理について説明します。サイフォンの原理にはある法則が応用されています。私たちの生活に身近なある道具とも深いかかわりがありますので、詳しく紹介していきます。

サイフォンの原理の現象とは?

そもそもサイフォンの原理を応用したサイフォン式コーヒーは、気圧の変化を利用しています。コーヒーサイフォンの抽出の仕組みは後ほど詳しく説明しますが、このサイフォンの原理は水は地球の引力で引き寄せられることで、低い方へ流れていくという法則を応用したもの、ということを覚えておいてください。

ちなみに、サイフォンとはギリシャ語でチューブ、管を意味します。隙間のない管を利用し、液体をある地点から目的地まで高い地点を通って導くメカニズムをサイフォンの原理と呼んでいます。

サイフォンの原理が起こる理由

サイフォンの原理はより高い液体にある液体が、チューブを経由して一旦上に持ち上がったのち、低い方に流れ落ちていくことを言います。どうしてサイフォンの原理が起こるのかというと、液体が出発点から到着点まで移動する際の高低差によって生じるエネルギーで起こる現象によるもので、大気圧や水力と密接に関係しています。

コーヒーサイフォンは下から加熱して湯を沸騰させるのですが、フラスコ内が蒸気圧によって圧力が高い状態になり、一定の大気圧を超えた時点で気圧が低い方向に移動します。ここでコーヒーの粉とお湯が混ざり合い抽出が開始されるのですが、サイフォンの原理が起こるには大気圧と水圧の力が欠かせないのです。

サイフォンの原理の利用例

サイフォンの原理を使用した例は、意外と身近なところにたくさんあります。例えば冬の灯油の給油に欠かせない灯油ポンプは、高いところにある液体を途中液体で満たしたあと、ホースを経由して低い位置にある容器に移すというサイフォンの原理を応用し、簡単に灯油を移動させることができます。

ほかにも、プールの水抜き水槽の水抜きにもサイフォンの原理が応用されていて、A地点からB地点に簡単に液体を移動させたい、という時に重宝されています。

コーヒーサイフォンの抽出の仕組み

サイフォンの原理がわかったところで、コーヒーサイフォンはどのようにしてサイフォンの原理を利用し、コーヒーを抽出できるのか、その仕組みについて説明します。コーヒーサイフォンをこれから使ってみたいという方は必見です。

サイフォンで使われるパーツ

コーヒーサイフォンをこれから始めて使う方には、まず道具を用意することが必要ですが、コーヒーサイフォンで主要となるパーツは、スタンド、フラスコ、漏斗、アルコールランプの4種類となっています。

スタンドとフラスコはサイフォン式コーヒーに欠かせないパーツで、上部にロート、下部にフラスコをセットします。サイフォンのパーツでお湯を沸騰させるために欠かせない熱源となるアルコールランプにはいろんな種類があり、デザイン性の高いものから、安価なものまで幅広く販売されているので、インテリアや好みに合わせて選ぶのも一手です。

コーヒーサイフォンのパーツは別々に用意してもよいですが、初めからコーヒーサイフォン専用のセットも販売されているので、やり方がわからない、簡単に始めたいという方はセット物を揃えることをおすすめします。

コーヒー抽出の仕組み

コーヒーサイフォン抽出の仕組みには、サイフォンの原理を活用しています。フラスコ部に水、ろうとにコーヒー粉をセットした後、アルコールランプで下からフラスコ部分を加熱すると、蒸気が発生します。これによりフラスコ内部に蒸気圧による加圧が発生し、お湯が上部、つまりロート側に移動します。

次に熱源を止めると蒸気が一気になくなり、フラスコ内部が真空状態になります。この時、フラスコ側に吸引が起こり、フィルターとろ過器によってコーヒーと粉は分離され、コーヒーのみがフラスコ内部に移動するという仕組みになっています。

つまり、サイフォン式コーヒーの仕組みは、蒸気圧を利用してコーヒーを抽出するというやり方を採用しているのです。

サイフォンを使ったコーヒーの淹れ方

ここからはサイフォンのやり方を詳しく説明していきます。一見難しそうに思われがちなサイフォンのやり方ですが、手順さえ押さえれば意外と簡単に淹れることができます。サイフォンの原理を応用して入れるサイフォン式コーヒーは、蒸気圧を利用して高い温度でコーヒー粉とお湯を混ぜ、専用の布フィルターでろ過させるやり方となっています。

一般的なペーパードリップ式とは違い、サイフォンの原理で淹れたコーヒーはコーヒーオイルが抽出されやすく、まろやかな口当たりが特徴です。やり方さえマスターすれば、自宅でも簡単にコーヒー専門店さながらのおいしいコーヒーを淹れることができるので、一度しっかりと説明通りのやり方で作ってみて下さい。

準備する器具

サイフォン式コーヒーでコーヒーを淹れる時に必要な道具は、基本のセットに加え、コーヒーの攪拌を行う竹べらや、サイフォン専用の布フィルター、ろかを行うためのろ過器、コーヒー粉を入れるメジャースプーン、お湯を注ぐためのケトル、時間を正確に測れるタイマーなどを用意しておきます。

これに人数や淹れたい量に適したコーヒー粉を用意しておきましょう。コーヒー1杯分の目安は、コーヒーの粉が中細挽きなら10g、中挽なら15g、粗挽きなら18g程度が適正量となっているので、2杯分なら倍の量を用意しておきましょう。お湯の量は1杯が160ccなので、淹れたいコーヒーの量に合わせて用意しておいてください。

おいしい淹れ方

サイフォンの原理を利用したサイフォンコーヒーの淹れ方ですが、まずろ過器にサイフォン専用の布フィルターをセットします。はじめて使うネルフィルターなら、ろ過器にセットした状態のままコーヒー液で20分ほど煮て、最初についている糊や汚れを簡単に落とし、コーヒーとなじませておきましょう。

続いてフラスコに淹れたい量のお湯を入れ、外側についた水滴をよく拭いてからヒーターを着火してお湯を沸かします。フィルターに一度お湯を通して温めたら、フィルターが冷えないうちに温めておいたロートにセットします。次にロートに杯数分のコーヒー粉を入れ、ろ過器の先から垂れているボールチェーンをゆっくりとお湯に沈めて下さい。

お湯が完全に沸騰したら、徐々に泡がチェーンを伝って登ってきます。完全にお湯が沸騰したら、ロートを差し込み、お湯がロートの方に上昇してきたら竹べらを使ってコーヒーの粉とお湯をなじませるように数回攪拌します。

ヒーターを弱火にして15秒ほどそのまま置き、コーヒーを抽出します。抽出時間の目安は珈琲の焙煎度によっても異なりますが、長くしすぎると雑味が出ておいしくないので、1分以内を目安にしてください。

抽出時間が過ぎたら火を止め、再度竹べらで攪拌し、ロートの中のコーヒー液がフラスコへ落下するのを待って、完全に落ちたら完成です。上のロートを外し、コーヒーカップに抽出したコーヒーを注げばおいしいコーヒーの出来上がりになります。

使用後のフィルターは乾かすとフィルターにしみ込んだコーヒーの成分が酸化して、嫌な匂いの元になることもあります。フィルターはろ過器に漬けたまま煮沸し、コーヒーの粉を完全に取り除いたうえで冷水に漬け、冷蔵庫などで保存すると清潔を保つことができます。

サイフォンの原理はコーヒーサイフォンに応用されている

サイフォン式コーヒーのやり方は、初めてやる方にとっては難しそうに思えますが、今回説明したサイフォンの原理が頭に入っていれば意外と簡単に思えるはずです。手順通りに作り、コーヒー愛好家も愛するまろやかでおいしいコーヒーをぜひ自宅で楽しみましょう!

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