スピリタスは度数が世界一のウォッカ!飲み方はショット?カクテル?
スピリタスはアルコール度数が世界最高のウォッカです。発祥はポーランドで、国内産の厳選したライ麦を主原料に、極限までアルコール度数を高めていきます。今回は、スピリタスについて徹底調査します。スピリタスとはどんなウォッカなのか?アルコール度数、製造方法、名前の由来、歴史、味わい、値段などを調べてみました。また、アルコール度数が高いので、ショットなどの飲み方、取り扱いの注意点を解説します。そのほか、スピリタスを使ったおすすめの果実酒とカクテルも紹介します。
スピリタスとは?
スピリタスはポーランドが発祥のウォッカで、世界最高のアルコール度数を誇る有名な蒸留酒です。現在では、ポーランドにあるボルモス・ワルシャワ社が生産しており、品質の高さは世界各国で認められています。
ポーランドでは、スピリタスをそのまま飲む習慣はありません。古くから一般的な家庭おいて、高い濃度のウォッカに、薬草や野生の果実などを漬けこんで、フレーヴァードウオッカとして飲む習慣があります。このベースのウォッカにスピリタスが使われています。また、アルコール度数が高いことから、家庭で消毒薬としても使われています。
ここでは、スピリタスがとのような蒸留酒なのか、アルコール度数、製造方法、名前の由来、歴史、味わい、値段について紹介します。
アルコール度数が世界最高
出典: https://cuty.jp
スピリタスはアルコール度数が世界最高の蒸留酒で、驚異の96度を誇ります。スピリタスはほとんどが純粋なアルコールであり、世界最高純度の精製スピリッツといえます。
アルコール度数に関する数値としては、一般的なビールや缶チューハイが5度、ワインや日本酒が15度、焼酎が25度、ウイスキーが45度くらいなので、スピリタスのアルコール度数が異常な数値ということがわかります。
70回以上の蒸留
スピリタスのアルコール度数が96度まで高くできるのは、蒸留酒の製造方法に秘密があります。スピリタスの原料は、ポーランド産の厳選した良好な秋撒きのライ麦が主原料で、そのほかの穀類を原料に、70回以上もの蒸留を繰り返して作られます。
蒸留酒(スピリッツ)は、水とアルコールの沸点の違いを利用して作られます。水よりも低い沸点のアルコールを気化させたものを冷やし、液化する工程を繰り返しアルコール度数を上げていきます。スピリタスは、この蒸留の工程を70回以上を繰り返し、アルコール度数を96度まで高めていきます。
蒸留という工程を繰り返し、アルコール度数を極限まで上げていくと、共沸という現象がおこり、それ以上アルコール度数を上げられなくなります。そのアルコール度数が96度で、スピリタスは極限まで高められた世界最高純度の蒸留酒です。
名前の由来
スピリタスの名前の由来を紹介します。スピリタスとは、ポーランド語で「酒精」という言葉で、エタノールを意味しています。広い意味では、蒸留酒全般を示す言葉でもあります。
スピリタスのポーランド語の正式な名前「スピリトゥス・レクティフィコヴァニ」で、精製アルコール意味で、そのまま商品の特徴を付けたといわれています。
歴史
スピリタスの歴史を紹介します。1919年、ポーランドにポルモス社が設立され、この当時からスピリタスをはじめ、ズブロッカなどの蒸留酒や香辛料入りウォッカなどを生産していました。
1989年、ポーランドは社会主義経済から資本主義経済への体制転換したため、1991年のポルモス社は、ボルモス・ワルシャワ社など10社以上に分割されました。
1999年、スピリタスなどのウォッカの各商標はオークションに出され、ポルモス・ワルシャワ社がスピリタスを落札したことにより、現在でも生産を続けています。
味は?
スピリタスの味は、ほとんどしません。純度の高いエタノールですので、口に入れた瞬間、舌に鋭い刺激があり、刺すような痛みを感じます。そして、アルコールが気化していく独特の感覚があり、焼けるように感じます。
それを過ぎると、甘味を感じるといわれていますが、慣れてくるまでは、強烈な刺激と焦熱感により、お酒を飲んでいるという感じはないと思います。スピリタスを飲み慣れている方や、好みににもよりますが、お酒の強い方なら美味しくいただけます。
スピリタスは純度の高いアルコールですので、香りは注射のときの消毒液のような匂いがします。ですので、スピリタスを飲むときはカクテルのベースなどに利用されることが多いお酒です。
手間の割に値段が手ごろ
スピリタスの値段を紹介します。スピリタスは、ポーランドから輸入されて販売されています。大きなデパートや街中の酒販店でも買えるところもありますが、ネットショップが一番値段が安いようです。
スピリタスの値段は、500ml入の瓶で1500円くらいから販売されています。ボルモス・ワルシャワ社が製造した、緑色のラベルが貼ってあるスピリタスで、アルコール度数96%、無色透明な商品です。
70回以上もの蒸留を繰り返し、かなりの手間暇がかかっているいる割には、値段が手頃というか安く感じます。
スピリタスは飲み方も扱いも要注意
スピリタスは値段も手頃で、色々なネットショップでも取り扱いがあり簡単に手に入るお酒ですが、飲み方や取り扱いに注意は必要です。ここでは、スピリタスの飲み方、取り扱いの注意点を紹介します。
火気厳禁
スピリタスの最大の注意点は、火気に気をつけることです。スピリタスは世界最高純度のアルコールで、消防法上の取り扱いとしてて第四類危険物に該当しています。
消防法では、アルコール濃度が60%を上回っているアルコール類は危険物に分類され、日本国内で流通する、容量が500mlを超えるスピリタスの容器には、注意喚起の表記が必要になります。
日本国内で販売されているスピリタスのラベルには、「アルコール度数が高いため、火気に注意いたください」とか、完全に容量が500mlを超えているアルコール類には、「第四類アルコール類(引火性液体)危険等級II水溶性」とか「火気厳禁」といった表記があります。
一気飲みは危険
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スピリタスの一気飲みは非常に危険です。スピリタスはアルコール度数が高いので、ストレートやショットなどで一気飲みすると、喉が焼け、声が出なくなるような状態になります。
また、ストレートで飲むとアルコール度数が高いため、少し飲んだだけで急性アルコール中毒になる危険性があり注意が必要です。
お酒があまり強くない体重が70kgの方ですと、140gほどのアルコールを摂取することで急性アルコール中毒になる可能性があります。スピリタスの場合、500mlの瓶の半分にも満たない、200mgほど飲むだけで急性アルコール中毒になる可能性があるので注意してください。
タバコの火が引火したことも
スピリタスはアルコール度数が高いのに、注意を怠ったせいで、実際に事故が起きています。スピリタスは、瓶を開封すると蒸発が始まります。ですので、絶対に火の近くで開封したり、ふざけて火をつけると事故を起こす危険性があります。
スピリタスはアルコール濃度が高いため引火性の強く、特に気化したアルコールは火がつくやすく事故につながっています。
日本でも、2015年、名古屋市守山区で車内でスピリタスを飲んでいた男女が、タバコに火をつけようとして引火し、燃え広がった事故が起きています。車内という密閉された空間と、蒸発したスピリタスが原因になり、一気に燃え広がったといわれています。車は全焼し、男女2人が顔や腕にやけどを負いました。
まず、車内で飲酒すること事態、いかがなものかと思いますが、スピリタスが火気厳禁なことを知らないことが招いた、悲惨な事故です。また、洋服にスピリタスをこぼしていることに気づかず、タバコに火をつけ引火した事例は多数あり、ふざけて火を近づけて引火し、ボヤ騒ぎになった事例もあります。
ショットは喉やけの危険
アルコール度数の強いお酒を、そのままショットグラスに入れて飲む、ショットは喉やけの危険があり注意が必要です。通常、ショットで飲むお酒といえば、テキーラやドライ・ジンなど、アルコール度数が30度から40度くらいのお酒です。
スピリタスはショットで飲むお酒としては、適していません。舐める程度でも刺激が強く、ショットで飲んだら、喉が焼けるようにヒリヒリとなり、お酒を味わうレベルではありません。
スピリタスをショットで飲んでも美味しさを感じることはできません。ショットで飲むより、果実酒にしたり、カクテルのベースにするのがおすすめです。くれぐれも、ストレートやショットなどで飲まないでください。
スピリタスのおすすめの飲み方:果実酒にする
スピリタスを楽しむのに、家庭でもできる果実酒がおすすめです。ここでは、スピリタスを使ったおすすめの果実酒を紹介します。
リモンチェッロ
スピリタスを使ったおすすめの果実酒の1品目は、リモンチェッロです。リモンチェッロは、南イタリア発祥の伝統的なレモンを使ったリキュールです。イタリアのソレント半島の各地域で、家庭ごとに庭で育ったレモンを使って作られていたものが人気がでて、現在ではイタリアの名産品のひとつです。
レモンの皮を薄く削り、瓶にいれ、スピリタスで漬け込みます。そして1週間以上寝かせて、スピリタスにレモンの色が移るのを待ちます。次に、氷砂糖と水でシロップを作り、混ぜてから1週間以上寝かせると、美味しいリモンチェッロができあがります。
残ったレモンの果実は、食べるか、ハチミツと一緒に漬け込むと美味しいくいただけます。値段も手頃で簡単にできるのでおすすめです。
スピリタスの梅酒
スピリタスを使ったおすすめの果実酒の2品目は、梅酒です。日本でお馴染みの梅酒を、スピリタスで作ります。スピリタス・2本、青梅1kg、氷砂糖・750gの割合で漬け込みます。
梅は水に浸けアク抜きをし、ヘタとゴミと水分を取り除いてから漬け込んでください。2ヵ月以上寝かせると、美味しいスピリタスの梅酒ができます。時間がかかりますが、値段がお安いのでおすすめです。
イチゴ酒
スピリタスを使ったおすすめの果実酒の3品目は、イチゴ酒です。スピリタスのイチゴ酒は、イチゴ・1.5kg、砂糖・600g、スピリタス・500gの割合で作ります。
イチゴは洗って、水気を切り、ヘタをナイフで取り除いてから漬け込みます。6週間後には飲めるようになりますが、1年後くらい熟成すると、とても美味しく仕上がります。値段も手頃でおすすめで、黒スグリ、ラズベリーなども同じ割合で作れます。
ミントリキュール
スピリタスを使ったおすすめの果実酒の4品目は、ミントリキュールです。ぺパーミントの葉・40gとスピリタス・200mlを1週間漬け込みます。スピリタスに色が移ってきたら、飲む量を取り出し、シロップを入れて味を調整していただきます。
ミントの葉は、良く洗ってから漬け込んでください。ミントの匂いがキツい場合は、分量を減らすと美味しくいただけます。ミントを栽培している方なら、値段がかなり安くできます。
スピリタスのおすすめの飲み方:カクテル
スクリュードライバー
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スピリタスを使ったおすすめのカクテルの1品目は、スクリュードライバーです。スクリュードライバーは、ウォッカをオレンジジュースで割ったロングカクテルで、スピリタスを使ったカクテルでは、おすすめの飲み方です。
スピリタスを使うと、キレのあるスクリュードライバーができあがり、飲みやすいカクテルに仕上がります。
ショットガン
スピリタスを使ったおすすめのカクテルの2品目は、ショットガンです。ショットガンはテキーラでお馴染みの飲み方で、ジンジャーエールを加えて作られます。
テキーラをスピリタスに変えて作り、通常、1対1の割合で作られますが、スピリタスはアルコール度数が高いのでスピリタス・3対ジンジャーエール・7くらいがおすすめです。
ブラッディメアリー
スピリタスを使ったおすすめのカクテルの3品目は、ブラッディメアリーです。ブラッディメアリーは、トマトとウォッカを使ったカクテルで、血のように赤く、トマトの旨味を感じる美味しいカクテルです。赤い色が鮮やかで見た目にも美しい、おすすめのカクテルです。
ウォッカトニック
スピリタスを使ったおすすめのカクテルの4品目は、ウォッカトニックです。ウォッカトニックは、スピリタス、ライムジュース、トニックウォーターを注ぎ、ステアしていただきます。
カットしたライムの爽やかな味に加え、スピリタスの味をそのまま感じる、おすすめのカクテルです。
パールハーバー
スピリタスを使ったおすすめのカクテルの5品目は、パールハーバーです。パールハーバーは、メロンリキュール、ウォッカ、パイナップルジュースをシェイクして作ります。
メロンリキュールとパイナップルジュースを使っているので、甘いカクテルですが、スピリタスを使うと甘さや和らぎ、大人の味のパールハーバーを楽しめます。
ソルティドッグ
スピリタスを使ったおすすめのカクテルの6品目は、ソルティドッグです。ソルティドッグは、ウォッカとグレープフルーツジュースを使ったカクテルです。グレープフルーツのサッパリした口当たりが特徴です。
オールドファッションドグラスの縁をグレープフルーツでぬらし、塩をつけてスノースタイルで味わうと、また違った味わいになりおすすめです。
スピリタスは取扱いに注意して楽しいお酒に!
今回は、スピリタスについて紹介しました。スピリタスはアルコール度数が高いので、ストレートで飲むことはおすすめしません。ポーランドやヨーロッパなどの家庭でも作られている、果実酒にして味わうことがおすすめです。イチゴ、キュウイ、梅、柑橘系など色々なフルーツで果実酒を作って味わってください。