ワインの賞味期限の目安《未開封・開封後》正しい保存や状態のチェックも

ワインの賞味期限を知っていますか?実はワインは正しい保存方法を守れば腐らないという概念があるため、ボトルのラベルには賞味期限の記載がないのです。では賞味期限をどうやって見極めたら良いのでしょうか?また飲み頃の目安はどのくらいなのでしょうか?ワインの飲み頃の目安から正しい保存方法を始め、ワインの状態の正しい見極め方や、賞味期限が切れてしまった場合に料理などで上手に使いきる方法まで紹介します。

ワインの賞味期限の目安《未開封・開封後》正しい保存や状態のチェックものイメージ

目次

  1. 1ワインの賞味期限はどのくらい?
  2. 2ワインの賞味期限の目安【未開封】
  3. 3ワインの賞味期限の目安【開封後】
  4. 4ワインの正しい保存方法
  5. 5ワインの保存状態のチェック
  6. 6ワインの状態が悪い時の消費方法
  7. 7ワインは正しく保存して賞味期限以内に飲み切るべき

ワインの賞味期限はどのくらい?

ワインを買ってきたり貰ったりしたものの、後で飲もうと思っているうちに忘れてしまって賞味期限がわからなくなってしまったことはありませんか?よく年代もののビンテージが話題に上がりますが、そもそも賞味期限とはどのくらいなのでしょうか?

実はボトルのラベルには賞味期限の記載がありません。そのため余計にその賞味期限が気になるところです。正しい保存方法で管理した場合に賞味期限はどのくらいになるのか、種類ごとに見ていきましょう。

ワインの賞味期限の目安【未開封】

ワインの賞味期限の目安はどのくらいなのでしょうか?さまざまな銘柄や種類がありますが、賞味期限の記載がないのにはちゃんと理由もあるのです。では飲み頃の目安はどうに判断したら良いのでしょうか?そもそも未開封ならば永久に飲めるのでしょうか?

ワインの飲み頃の目安の見極め方や、種類ごとの賞味期限の目安を調べてまとめてみました。

ボトルに記載がないワケ

ワインのボトルに賞味期限の記載がないのはなぜなのでしょうか?理由はワインには腐るという概念がないだけでなく、その飲み頃の時期も数年から10年以上と非常に幅が広いことも理由のひとつです。飲み頃に幅がある理由は、瓶詰めのあとでも熟成するお酒だからでもあるのです。

これらの理由から賞味期限をつけることができないのです。ですが腐ることはないとされていても、味わいが変化して劣化することもあります。急激に温度が上がったり、振動にさらされたりと味が劣化する理由もさまざまですが、そういう意味では飲み頃という賞味期限はあるのです。

飲み頃

ワインの「飲み頃」という名の賞味期限の目安はどう見極めたら良いのでしょうか?通常売りに出されているものは飲み頃を迎えています。ですが中にはさらに熟成させたほうが良い種類もあります。一番の飲み頃を知るためには、そのタイプを知ることも大切なのです。

未開封なら永久的に飲めるのか?

ワインに賞味期限がないということは、一見永久に飲めるような気がします。ですが先ほども触れたように、飲み頃という賞味期限は存在します。飲み頃を過ぎると酸化が進み、その影響で風味が落ちたり酸っぱくなるものもあります。

このため賞味期限の記載はありませんが、飲み頃の目安をきちんと把握して飲まないと、本当の美味しさを楽しむことはできないということになります。では何を目安にすれば、一番の飲み頃で楽しむことができるのでしょうか?調べてまとめてみました。

手ごろな価格のワイン

一般的な小売店で500円~2,000円ほどで売っているワインは、販売しているときにはすでに飲み頃になっています。そのためこのような種類の場合は、購入してすぐに飲むのがおすすめです。未開栓でも賞味期限の残りが少ないものと思って、飲みたいときに買うようにしましょう。

中でもスパークリングワインは、保存を前提に作られていないだけでなく、保存環境に左右されやすい非常にデリケートな種類のため、買ったらすぐに飲むのが一番美味しいとされています。

熟成タイプのワイン

熟成タイプの場合、産地や使用されるぶどうの品種、製造した年によっても、飲み頃は大きく異なります。ラベルには賞味期限の記述はないものの、原料のぶどうが収穫された年は記載されています。ただしシャンパンや、複数の年代のぶどう品種を混ぜ合わせて作られた銘柄のラベルには、収穫年の記載はありません

熟成タイプの場合、ラベルの収穫年を基準に飲み頃を判断することができます。ただしそれぞれのワインによって熟成年数が違うため、熟成期間が10年~20年というものもあれば、特別な高級品になると100年を超えるものもあります。

もしそのような高級品を購入する場合には、ワインの専門店で購入するのがおすすめです。購入したワインの飲み頃を始め、わからないことがあれば正しい知識を教えてもらうことができます。

熟成タイプでないワイン

手ごろという価格よりはちょっと値は張るものの、熟成タイプではない一般的なワインの場合は、白ワインでも軽めのものは1年~2年、コクのある白ワインになると3年~5年と、同じ種類でも賞味期限に差があります

赤ワインの場合は白ワインよりも賞味期限が長く、2年~3年のうちが賞味期限といえます。ただしこちらでも差があり、5年~10年持つものもあります。また、ボジョレーヌーボーは解禁されたその年のうちが賞味期限となります。

ワインの賞味期限の目安【開封後】

ワインの賞味期限は、開封後はどのくらいなのでしょうか?未開封の状態なら腐らないといわれますが、当然開封後となれば話は別です。なぜなら栓を開けることで空気に触れ、酸化が一気に進むようになるためです。ワインは酸化すると、味がすっぱくなったり、香りが変わってしまったりします。

開封後に酸化するまでの期間は、ボトル内の残量や保存状態でも大きく変わりますが、おおよその賞味期限の目安をまとめてみました。

できるだけ早く飲むべきワイン

手ごろな価格のものやスパークリングワインの場合は、開封後はその日のうちか遅くても翌日には飲み切るようにしましょう。特にスパークリングワインの場合は、専用のストッパーを使うなどして、泡が抜けるのを防ぐようにします。ただしシャンパンなどの高級品の中には、開けた翌日にさらに味が良くなるものもあります

この他にも、手ごろというよりは高めの価格の白ワインやロゼも日持ちがしないワインです。先のスパークリングワイン同様に、1日から持って3日を目安に飲み切るようにしましょう。

また多くは酸化防止剤として「亜硫酸塩」が入っています。亜硫酸塩は酸化防止の他にも、殺菌作用や果皮からポリフェノール抽出を促すためなど、さまざまな効果を発揮させるためにほとんどの種類に入っています

そんな中でも最近では酸化防止剤無添加のワインも出てきています。当然開封後の酸化速度は通常品よりも速いため、開封後はできるだけ早く飲み切るようにしましょう。

一週間程度愉しめるワイン

それなりのランクのワインになれば、白ワインやロゼでも賞味期限は5日ほどが目安になります。きちんとコルクで蓋をしなおして冷蔵庫で保存すれば、1週間ほどは飲むことができます。銘柄によっても差はありますが、甘口の白ワインは高品質なものには賞味期限がやや長めのものもあり、2週間~4週間ほど持つものもあります。

ただし高級品でも、通常の賞味期限は1週間が目安です。開封後は酸化しやすいことを念頭に置いて、早めに飲み切るようにしましょう。

当日に飲み切るべきワイン

先にも触れましたが、手ごろな値段のものやスパークリングワインは、当日中に飲みきるのがおすすめです。特にスパークリングワインは、専用のストッパーで密封しない限りは泡が抜け切ってしまうことがほとんどです。開封後は生鮮食品同様、その日のうちが賞味期限なのです。

ワインの正しい保存方法

ワインは種類によって賞味期限がさまざまですが、未開封のまま保存する場合にはどのように保存するのが正しいのでしょうか?特に高級品を買ったときには、美味しく飲むためにも正しい保存方法を知っているかが非常に重要です。品質を保つ正しい保存方法について調べてみました。

未開封のワイン

未開封でも正しい保存方法を守らないと、簡単に劣化して味も香りも色すらも変わってしまいます。品質を良好なまま保ったり、熟成させる間も傷めない正しい保存方法を調べてみました。

赤ワインの場合

ワインは紫外線や光を嫌います。そのため品質を正しい状態に保つためには、暗い光の当たらない場所に保管します。特に日光は紫外線も含んでいることから当たると変質しやすく、劣化臭を発生させることもあるくらい状態を悪くします。必ず暗い場所で保存するようにしましょう。

さらに高温にも弱く、すぐに状態が悪くなってしまいます。保存するときに理想とされる温度は13度~15度で、温度差が少ない場所で保管するのが重要です。特に四季のある日本では、季節によっての温度差が大きいため、温度管理には注意が必要です。

保管しているときの状態に関わるのは、光や温度だけではありません。湿度の管理も大切な要素であり、保存に理想とされる湿度は65%~80%とかなり高めです。湿度が低くなりすぎると栓のコルクが縮んでしまい、隙間から酸素が入って中身を酸化させて状態を悪くしてしまうのです。

もうひとつ状態を悪くするものに、振動があります。ボトルが揺れることで酸化が進んでしまうため、静かな場所に保管することが欠かせないのです。さらに香りを維持するために、周りに臭いの強いものを置かないことも大切です。コルク栓を通して臭いが移らないよう、周囲に置くものにも気を配るようにしましょう。

白ワインの場合

白ワインも光と高温を嫌います。赤ワインと同様にコルクで栓をするため、湿度の高い場所での保管が理想です。振動によっても酸化してしまうため、なるべく揺らさずにすむ静かな場所で保存し、せっかくの香りを台無しにしないよう、臭いの強いものはそばに置かないように保存することで、良い状態を維持できます。

スパークリングワインの場合

スパークリングワインは元々保存を前提に作られていません。飲みたくなったときに買ってきて、すぐに開けて飲み切るようにしましょう。開けるまでの置き場所は光が当たらない涼しい場所で、特に振動の起こらない場所に置いておくようにするのがおすすめです。

ボトルを寝かせる理由

ワインセラーなどでワインを寝かせて置いてあるのを目にすることは珍しくありません。ではなぜわざわざ寝かせて置いているのでしょうか?実は寝かせておくのには、賞味期限を大きく左右する理由があるのです。

ワインを寝かせておくと瓶の中身がコルクに触れます。その結果、中身がコルクの乾燥を防いでいるのです。コルクが乾燥して縮むと、瓶との間にわずかな隙間ができて、そこから空気が入って酸化してしまいます。コルクを湿らせておくことで賞味期限を延ばすことができるため、瓶は寝かせて保存するのが正しいのです。

冷蔵庫はNG

ワインの保存には冷蔵庫は適していません。冷蔵庫の中は保存には温度が低すぎるだけでなく、臭い移りのしやすいものが多く入っています。さらに冷蔵庫の中は湿度も低すぎるため、コルクが縮んでしまう可能性もあるのです。未開封の、特に熟成の必要な高級品の保存には、冷蔵庫は避けるようにしましょう。

開封後のワイン

未開封のワインの保存には適さない冷蔵庫ですが、開封後は常温での保存はかえって賞味期限を短くしてしまいます。開封後はコルクや専用のグッズでしっかり栓をしなおして冷蔵庫で保存しましょう。未開封と開封後で保存方法を変えるのも、賞味期限を維持するのに大切なのです。

ワインの保存状態のチェック

ワインの保存状態はどこを確認すればわかるのでしょうか?買うときはもちろん、自宅で保存しているときにも保存状態は気になるものです。中身の保存状態がわかるチェックポイントをまとめてみました。

ブショネを見分ける

ブショネとはバクテリアに汚染されたコルクを指していいます。コルクワインとして生産されたもののうちの5%前後はブショネに犯されているといわれているのです。ブショネが発生すると、雑巾のようなカビ臭さが移ってしまいます。飲めないわけではありませんが、味は悪くなっています。

コルクの状態を確認する

ワインの温度管理に問題があって中身が温まってしまうと、熱膨張でコルクが押し出されてしまい、中身が染み出してしまうことがあります。そのままの状態で放置しておけば、当然酸化などの風味の劣化が起こる可能性が高まります。

ボジョレーヌーボーなどできたてのものの中には、発酵で発生するガスとともに瓶詰めしていることがあるため、ガスによってコルクが押し出されて液漏れがしやすくなっている場合があり、注意が必要です。

ワインの色

ワインは酸化することで褐色に変色していきます。赤ワインは見た目に判断しにくいものの、白ワインも含めて酸化で変色するのです。変色は酸化している証拠でもあるため、香りや風味も落ちている可能性があります。新しいはずなのに中身が変色していた場合は、もともとの品質や輸送過程に問題があった可能性があります。

ワインの状態が悪い時の消費方法

ワインを開けたのはいいものの、賞味期限内に飲みきれなくて味や香りが変化してしまったら、そのまま捨てるしかないのでしょうか?風味は変化してしまったけれどまだ飲めるというのであらば、料理に使うことができます。

ワインにもそれぞれ適した料理があります。賞味期限は切れたものの、捨てずに使いきるのに適したおすすめの料理法をまとめてみました。

煮込み料理に使う

賞味期限切れの赤ワインは、酸性ならではの特性が活きて、お肉を柔らかくジューシーに仕上げてくれます。そのため特に牛肉の煮込み料理に使うのがおすすめです。ビーフシチューや煮込みハンバーグに利用すると良いでしょう。

白ワインであればボンゴレビアンコやアクアパッツァを始め、白ワイン蒸しなどの魚介類を使った料理に良く合います。肉料理では鶏肉などのあっさり系の肉料理がおすすめです。このほかにも桃やりんごなどの果物を使ってコンポートなどの料理を作ったり、サングリアなどのカクテルにも使えます。

ソースに使う

赤ワインは肉料理に合うため、ミートソースなどに使うのもおすすめです。また、お酢と合わせてピクルス液を作る利用方法もあります。ワインを使ったソースはいろいろあるので、料理に合わせていろいろ作ってみましょう。

状態が悪すぎるものは廃棄する

ワインがいくらもったいないといっても、状態の悪すぎるものを料理に使っては味を台無しにしてしまう可能性もあります。また、味が劣化しているものを無理して飲むのもワインの印象を悪くするなど、何も良いことはありません。そういう場合には思い切って廃棄するのがおすすめです。

ワインは正しく保存して賞味期限以内に飲み切るべき

ワインは正しく保存して上手に飲み頃を見極めて飲めば、最高の風味を味わえるお酒です。ワインの一番の飲み頃に栓を開けて、賞味期限内にその極上の味わいをぜひ楽しんでください!

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