2019年03月26日公開
2024年09月09日更新
フカヒレが高い理由は?サメのヒレが高級なワケを調査
フカヒレを食べたことはありますか?食べた経験のある人もない人も、フカヒレが高い食べ物ということは知っていると思います。フカヒレはサメのヒレの部位を指している、中華の高級食材です。そんなフカヒレが高級で値段も高い理由を探ってみました。サメの種類が多い中で、フカヒレに供することのできるサメは数少ない種類であることや、その高級な味に魅かれて需要は少なくないことが挙げられます。また、フカヒレの食べ方や、コラーゲンなど豊富な栄養成分についても併せて紹介します。
フカヒレが高い理由って何?
フカヒレは中華料理において、ナマコやアワビとともに古くから三大珍味として貴重な食材です。中華の最高料理である、「満漢全席」にも必ず登場する食材でもあります。そんな中華料理の歴史的背景のほかにフカヒレが高い理由は、フカヒレはサメのヒレに当たる部位で、サメの全体量からすれば1%に満たない量しか採れまないことにもあります。
しかも、400以上もあるサメの種類の中で、フカヒレとして使える種類は1割程度です。そして、希少なフカヒレを捕獲してからも、人の食卓に上るまでには、さまざまなテマとヒマが掛かっていることも高い理由です。この記事では、そんなフカヒレの事情を詳しく探って、フカヒレが高い理由を解説していきます。
フカヒレは希少なサメのヒレ
フカヒレがサメのヒレであることは分かりました。そのフカヒレについて、サメの種類や人気の部位、中華の高い高級食材であること、フカヒレの味や食感などを紹介していきます。
人気の部位は尾ビレ
フカヒレには、あらかじめバラバラにほぐれているヒレの「散翅」(サンチ―)と、扇のような形状もった丸ごとの大きなヒレの「排翅」(パイチ―)があります。当然、排翅の方が散翅よりも価格も高い高級品として扱われています。そんな人気の排翅を取り出せる部位がサメの尾ビレなのです。
フカヒレの一般名詞的な総称としては「魚翅」(ユイチー)と呼ばれています。乾燥させたサメのヒレである魚翅には、白いフカヒレ「白翅」(パイチー)と黒いフカヒレ「黒翅」(ヘイチ―)とに分かれます。こちらも白翅の方が黒翅よりも値段の高い高級なフカヒレとなります。
フカヒレに使われるサメの種類
中華料理の食材である、フカヒレとして使われるサメは約40種類ほどです。白翅が採れるサメの種類は、「メジロザメ」「ツマグロ」「ヒラガシラ」「シュモクザメ」「オナガザメ」などです。黒翅の種類は、「ネズミザメ」「アオザメ」「ヨシキリザメ」「ネコザメ」などになります。
なかでも、価格も最高に高いとされる白翅はメジロザメのフカヒレです。ちなみに、日本近海で多く漁獲されるのは「ヨシキリザメ」「モウカザメ」「アオザメ」「オナガザメ」「メジロザメ」などです。
中華の高級食材
フカヒレが価格も高い高級食材である理由は、ここまでにもいくつか述べてきました。基本的にはサメの個体数そのものが減っていること、希少なサメの1/100以下の量しかない部位であることが高いことに影響しています。
また、歴史的にも中国料理においてフカヒレは特別な地位に置かれていたこと、フカヒレが人の口に上るまでの加工テマが甚大なものであることなど、幾多の理由根拠が重なって、フカヒレは値段の高い高級食材となるに至っています。
味
ナマコやアワビとともに、フカヒレは中華料理において珍重されてきました。そして、この三つはいずれも干した物であることも共通しています。乾物というのは日持ちをさせることも目的ですが、フカヒレやナマコ、アワビに限らず旨味を凝縮させることも重要な要素です。太陽光に充てることで、いろいろな食材は旨味も栄養価も増すのが一般的です。
そんなフカヒレの繊維一本一本に味を含ませるために、さまざまな調味料やスープで煮たり冷ましたりの工程を繰り返す、フカヒレ料理は深い味わいに包まれていて、フカヒレの姿煮にこそ、その旨みは凝縮されているのだと言えます。
食感
そのままでは食べることの叶わないフカヒレです。そのフカヒレを下処理をして、干し上げるにもテマは掛かっていますが、フカヒレを戻して味を含ませる工程も4~7日も掛かる作業です。
そんなフカヒレにして、初めて臭みもないコリコリとした独特の食感を、楽しむことだできるのです。素は味もないと言えるフカヒレは、それぞれの職人の努力と苦労の結晶とも言えます。
フカヒレが高級な理由
フカヒレが価格も高い高級な理由を解説します。稀少性であること、需要が多いこと、テマもヒマもたっぷり掛かること、あるいはフィニング問題もあることなどが挙げられます。
希少性が高い
フカヒレの希少性は、これまでも再三にわたり述べてきました。数多あるサメの種類の中でも、フカヒレとして食用にできるサメは1割ほどしかないこと、そのうちヒレという部位はサメ全体の1%にも満たないこと、姿煮にできる排翅は、「フカ」とも呼ばれている大型のサメの尾ビレだけであることなどが挙げられます。
また、サメからヒレを切り取って乾燥させただけの物を「原ビレ」と呼び、ヒレから皮や骨、肉などを取り除き乾燥させた物は「素ムキ」と呼んで、その素ムキを水で戻した物で形の崩れていない物が排翅と呼ばれています。
高価でも需要が少なくない
高い価格のフカヒレが、より高級感を増していくのにはワケがあります。一般的な経済原則から言えば、高い価格の物は買い手(需要)が減って価格は下降しますが、フカヒレの場合には価格は上昇の一途ですが、需要もまた減少することなく、価格も高止まりのままです。
つまり、フカヒレの魅力には、高い価格を上回る需要を呼び起こす力があるということになります。
加工や調理に手間暇がかかる
漁獲されたサメのヒレを切り取り、皮や骨などの掃除、取り除きを行った後、天日乾燥させます。素ムキのフカヒレを水で戻し、調味料で煮たり冷ましたりを繰り返す工程だけで1週間以上掛かります。
さらにこの調理過程を行うのは、熟練した調理人でなければならないことなど、加工や調理に手間暇がかかることも、フカヒレを価格の高い高級品にしている要素です。
フィニング問題
フィニング問題という、聞きなれない問題も、フカヒレの価格が高いことに影響しています。フィニングというのは、サメの部位のうちヒレだけを切り取る漁法で、サメの本体は利用しないことが、環境団体などから強い抗議を受けていました。
このことが、国際的なサメの漁獲規制につながった経緯があります。日本国内においては、サメの本体も海洋投棄しないで、はんぺんなどに加工し、骨もサプリメントに活かす努力をしています。
フカヒレの食べ方
フカヒレの食べ方は、料理に織り込んだりするいろいろな食べ方がありますが、なんと言っても定番である「姿煮込み」や「フカヒレスープ」になります。
姿煮込み
戻したフカヒレを「姿煮込み」に仕上げるのが、フカヒレの一番の食べ方になります。紹興酒と叩き潰した生姜を入れた熱湯で、フカヒレをサッと湯どおしします。次に(ネギ油・紹興酒・鶏ガラと豚骨スープ・オイスターソース)などで、フカヒレを10分ほど煮込みます。
一度、フカヒレを冷ましてから、先ほどの煮込んだスープに中国醤油を加えて、さらに煮込んで水溶き片栗粉でとろみをつけたら、姿煮込みの食べ方は完成です。
フカヒレスープ
フカヒレの食べ方で、もう一つの定番である「フカヒレスープ」です。フカヒレスープのシンプルな食べ方を紹介します。フライパンに油を熱してネギと生姜を炒めます。フカヒレ・水・中華スープを鍋に入れて、じっくり煮込みます。
沸騰したら塩・コショウ・砂糖・醤油を加えます。スープの量が3/4くらいになったら、水溶き片栗粉を加えてとろみをつけて、フカヒレスープの食べ方は完成です。
フカヒレの栄養成分と効果
フカヒレがもつコラーゲンなどの栄養成分は、豊富で効能効果にも多くのものがあります。コラーゲンによる美肌効果や、コンドロイチンによる関節痛緩和の効能などを紹介します。
コラーゲン豊富で美肌効果
フカヒレには豊富なタンパク質が含まれています。コラーゲンはそのタンパク質の一種になります。コラーゲンには疲労回復だけではなく、肌や髪、爪などの美容効果があります。コラーゲンをたっぷり含むフカヒレは、高級で美味なだけでなく健康や美容にも大きな効果を持っています。
コンドロイチンで関節痛の緩和
フカヒレに含まれる栄養素には、コラーゲンばかりでなくコンドロイチンもあります。コンドロイチンは、関節痛の緩和に大きな効能を持っています。コンドロイチンは、他にも体のクッションの役割や保水性を保つ役割をもち、細胞の新陳代謝にも関与しています。
フカヒレは高価でも人気の高い中華料理のひとつ!
フカヒレについて、さまざまな角度から詳しく解説してきました。高価で高級だけれども、魅力もたっぷりのフカヒレだと分かりました。そんなフカヒレは高価でも人気の高い中華料理のひとつ!です。