2019年01月22日公開
2024年08月29日更新
フランスワインおすすめ人気銘柄13選!ブルゴーニュとボルドーの違いとは?
フランスワインを紹介するにあたって、ボルドーワインを外すわけにはいきません。ブルゴーニュと並んでボルドーはフランスワインにおける二大生産地です。そのボルドーワインの特徴や銘柄、歴史などを、ブルゴーニュワインとのブドウ品種や生産形態などの比較を通じて違いを探ってみます。AOC制度によって産地ごとに個性を守られたフランスワインでおすすめの人気銘柄や、その選び方も併せて紹介します。
目次
フランスワインとは?
フランスワインの特徴
ワインの生産量ではイタリアに後塵を拝しますが、ワインの品質の多様性や奥深さを考えれば、フランスワインは世界に冠たるものがあります。そのフランスワインの品質を守っているのが、原産地呼称統制というAOC制度です。AOCによって、フランスではワインの産地やブドウの品種、製法などが決められています。フランスワインは高価というイメージもありますが、それらを含めて多種多様なワインが生産されていることが特徴です。
ワインの産地はフランス全土に広がっており、それぞれに土壌も気候も違い、栽培されるブドウの風味も違います。そのために数あるワインの産地から多種多様なフランスワインが生み出されるわけです。誰もがその名を知っているボルドーワインやブルゴーニュワインはその代表になります。他にも、シャンパーニュやロワール、コート・デュ・ローヌ、アルザスなどもあり、フランスをワイン王国と呼ぶのにふさわしい陣容です。
AOCで産地ごとの個性を守る
品質水準の保持を最大の目的に定められたのが、原産地呼称統制法です。その法律に基づく法的な規制がAOC制度になります。AOCによって、フランスワインは各生産地の個性や品質水準が守られているのです。4つの区分によって分けられていた格付けが、2009年に変更されて3つの区分に変わりました。「AOP」「IGP」「テーブルワイン」という3つの格付けです。
ブドウの品種や栽培方法、醸造法や熟成方法まで細かい基準があり、それをクリアしたワインだけがラベルに正式名称を記載できます。ブルゴーニュワインでは、ラベルに記載される地名が狭い区域(ブドウ畑を更に細分したクリマと呼ばれる区画)になるほど、格付けが高く高級ワインとして評価されることになります。これにたいし、ボルドーワインでは格付けはブドウ畑の所有者(シャトー)ごとになっています。
ブルゴーニュワインとボルドーワインの違い
味わいの違い
ボルドーワインとブルゴーニュワインの、味わいの最大の違いを比較すると、赤ワインで言えばタンニンが豊富かどうかになります。ブルゴーニュワインの赤はタンニンが少なくて渋味が薄く、紫がかった赤色が特徴です。繊細で果実を思わせるアロマも特徴です。これに対して、ボルドーワインの赤は酸味やタンニンが豊富で、重厚なスタイルが特徴になります。長期熟成に向くフルボディの赤ワインでもあります。
白ワインでは、ブルゴーニュワインはミネラルをたっぷり含んだ、気品のある黄金色の辛口が特徴です。比較的に赤ワインが主流のボルドーワインは、白ワインとしては超甘口の貴腐ワインが有名です。
歴史の違い
ボルドーワインとブルゴ―ニュワインの歴史を比較すると、共に2世紀頃からワイン造りがスタートしたという歴史は同じですが、パリの東方内陸部に位置するブルゴーニュは、歴史的に王侯貴族に愛されることによって、品質向上をめざしてワインの銘醸地としての地位を築き上げました。パリから遠く離れているボルドーは海に近いことや、12世紀中頃から300年間イギリス領であったという歴史があります。
その歴史的背景の上に、イギリス人に評価されることでボルドーワインは、ワインの名生産地としての地位を築いたのです。気候や土壌ばかりでなく、歴史的にもブルゴーニュワインの歴史とボルドーワインの歴史を比較すると、対照的な違いをもっていることが分かります。
土壌・気候・ブドウ品種の違い
フランス東部の内陸部に位置するブルゴーニュは、夏は暑く冬は寒いという寒暖差の大きい大陸性気候の特徴をもった土地です。対するボルドーは、比較的温暖な海洋性気候の特徴をもつ土地です。この寒暖差は一年を通じても、一日を通じても同じ傾向をもっています。このことがブドウの品種に大きな影響を与えています。ブルゴーニュ地方では石灰粘土質土壌が特徴で、ミネラル分の多いピノ・ノワール種やシャルドネ種が栽培されます。
ボルドー地方は、大西洋にそそぎ込む広大な川沿いに位置し、川の右岸側では粘土質の多い土壌が特徴でメルロー種が栽培され、左岸側では砂利質の多い土壌が特徴でカベルネ・ソーヴィニヨン種やソーヴィニヨン・ブラン種、セミヨン種が栽培されています。ワインの選び方にとって、大切なポイントでもあります。
ボトルの形状の違い
フランスワインのなかで、ボルドーワインとブルゴーニュワインを比較した場合の、典型的な違いの一つがワインボトルの形状にあります。ボトルの肩に当たる部分が、ボルドーワインはがっしりとした感じの「いかり肩」になっていて、ブルゴーニュワインはなだらかな感じの「なで肩」をしています。これはボトルの形状にとどまらず、ボルドーワインとブルゴーニュワインの色合いや味わいの違いにもつながっています。
ボルドーワインは濃紫赤色で、いかにもフルボディという色合いをしています。ブルゴーニュワインは、ボージョレ―などが特にそうですが、透き通るように淡く鮮やかな赤紫色の色合いをしています。ワインの選び方の参考にしてください。
生産量や生産形態の違い
フランスワインのなかで、二大生産地とされているボルドーワインとブルゴーニュワインですが、実は生産量を比較すると大きな違いがあります。ブルゴーニュワインの生産量は、ボルドーワインの生産量の半分程度です。これには理由があります。ブルゴーニュ―地方はコート(丘)と名の付く地名が多いように丘陵地が多く、ブドウの栽培から醸造まで一貫して行う、比較的小規模のドメーヌがワイン生産の主体です。
ボルドー地方は広大な川沿いの平野部で、比較的大規模なブドウ栽培が行われ、栽培チームや醸造チームというように、分業体制が敷かれている大規模なシャトーが主体です。この点もワインの選び方で、価格などに関連する大切なポイントです。
格付けの違い
フランスワインのAOC制度の中でも、ブルゴーニュワインとボルドーワインでは、格付け方法に違いがあります。ブルゴーニュではブドウ栽培の単位が、村ごとや畑(テロワール)ごとにとどまらず、クリマ(畑を細分した区画)にまでアペラシオン(原産地呼称)が及んでいます。地域からクリマに至るまでの、格付け制度となっています。
出典: http://iewine.jp
ボルドーでは、一つのシャトーが栽培するブドウ畑が広大なこと、複数のブドウをブレンドして醸造することなどから、格付けはブドウ畑の所有者であるシャトーに対してなされます。
フランスワインの選び方
AOC認証の有無
フランスワインの選び方には、いろいろなポイントが考えられます。まずは、AOC(原産地呼称)認証の有無を確認することが必要です。フランスワインの品質保持と保護が目的で、これを確認すればワインの銘柄と、厳しい基準をクリアしたかどうかが分かります。ただ、2009年からはECによる規定の変更で、AOP(原産地呼称保護ワイン)という制度になりました。
産地ごとの比較
フランスワインの選び方では、ボルドーワインやブルゴーニュワインばかりでなく、10に及ぶ産地からいくつかの産地の特徴を紹介しておきます。「ドン・ペリニヨン」という銘柄で、超人気のシャンパーニュ地区です。ここで造られ、厳しい基準を満たしたものだけがシャンパンを呼称することを許されています。爽やかな酸味のミュスカデ種が有名なロワール地区、シラー種を使ったスパイシーな赤ワインのコート・デュ・ローヌです。
出典: http://iewine.jp
シャトーとドメーヌもチェック
フランスワインにおけるボルドーとブルゴーニュの違いは、歴史的経過による生産形態の違いが大きなポイントになっています。これまでも詳述してきたように、ボルドーのシャトーではワイン生産において、大規模な分業体制が主流になっています。ブルゴーニュにもネゴシアンのような存在もありますが、多くはドメーヌという形態で、小規模な一貫生産体制が主流です。この違いが造られるワインの違いにも微妙に表れています。
ブドウ品種での比較
フランスワインの選び方で、ブドウの品種も大きな要素になります。ワインの風味はブドウによって決まると言っても過言ではありません。豊富なタンニンが特徴の、ボルドーワインによって有名になった「カベルネ・ソーヴィニヨン」と、それにブレンドすることで調和のあるワインを生み出す「メルロー」、貴婦人のようなワインを生む「ピノ・ノワール」、スパイシーな風味が特徴の「シラー」などが赤ワインの代表です。
白ワインでは、豊富なミネラルが特徴で辛口のワインを生み出す「シャルドネ」、キリリとした酸味と鮮烈なアロマが特徴の「ソーヴィニョン・ブラン」、淡い緑色をした「ミュスカデ」などが、フランスワインの主なブドウ品種になります。
価格帯での比較
フランスワインの選び方で、価格も当然に重要なポイントです。フランスワインにはリーズナブルなものから高級なものまでそろっていますが、超安値や超高値ではなく、中間的な価格帯のメジャーな銘柄で人気ワインから入るのがおすすめの選び方になります。
ボルドーワインのおすすめ人気銘柄5選
絶賛される逸品「シャトー・モンペラ ルージュ2014」
フランスワインの中でボルドーワインおすすめの銘柄は、これぞボルドーワインと言える「シャトー・モンペラルージュ2014年」2,270円です。250年以上も続く歴史あるシャトーで、成熟した果実味が特徴の人気の赤ワインになります。
ボルドーの女王!「シャトー・マルゴー1998赤」
フランスワインの中でボルドーワインおすすめの銘柄は、ボルドーの女王と呼ばれる「シャトー・マルゴー1998赤」64,100円です。格付け第1級の長期熟成の成果が結実している、人気の赤のボルドーワインとなります。
メルロー種の個性が出た「ムートン・カデ・ルージュ・クラシック」
フランスワインの中でボルドーワインおすすめの銘柄は、メルロー種の個性がよく活かされた「ムートン・カデ・ルージュ。クラッシック」2,160円です。芳醇でしなやかな果実味をバニラの香りが包み込む、格調高い人気の赤のボルドーワインとなります。
繊細な白ワイン「シャトー・トゥール・ド ・ミランボー レゼルヴ ブラン2016」
フランスワインの中でボルドーワインおすすめの銘柄は、フレッシュで繊細な白ワイン「シャトー・トゥール・ド・ミランボーレゼルヴブラン2016」2,160円です。こちらもボルドーワインの老舗シャトー、デスパ―ニュ家が造る柑橘類や洋ナシの香りが凝縮した白のボルドーワインになります。
格付けを拒否した逸品ワイン「シャトー・ソシアンド・マレ2007」
フランスワインの中でボルドーワインおすすめの銘柄は、格付けを拒否したシャトーで最も美しいワインと評される「シャトー・ソシアンド・マレ2007」6,000円です。評価が高く、ほとんどがフランス国内で消費される、エレガントな赤のボルドーワインです。
ブルゴーニュワインのおすすめ人気銘柄4選
世界のVIPにも人気「ラ・ピエレレラ・シャブリジェンヌ」
フランスワインにはボルドーワインばかりでなく、ブルゴーニュワインにもおすすめはあります。世界のVIPにも人気の「ラ・ピエレレラ・シャブリジェンヌ」1,890円です。エレガントな洋ナシやリンゴのアロマが香り立つ高級感のある白ワインになります。
絹糸のような舌ざわり「ジュヴレ・シャンベルタン2015」
フランスワインの中でおすすめのブルゴーニュワインは、絹糸のように滑らかな舌触りの「ジュヴレ・シャンベルタン2015」11,340円です。それでいて、味わいには奥行きも感じられる赤ワインの逸品です。
シャルドネの逸品「ピュリニー・モンラッシェ ル・トレザン」
フランスワインの中でブルゴーニュワインおすすめの銘柄は、シャルドネの逸品「ピュリーニー・モンラッシェル・トレザン」11,880円です。焼き栗のような香りが微かにするなかで、切れの良い酸味とほど良い苦味も感じられる白ワインになります。
熟成感もある「コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ」
フランスワインの中でブルゴーニュワインおすすめ銘柄は、ボルドーワインのような熟成感もある「コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ」9,180円です。濃縮された香りも高く、ポテンシャルも十分感じられるフルボディの赤ワインになります。
フランスワイン以外のおすすめ人気銘柄4選
上品な酸味「サンセール2016メルシー・ドゥー」
フランスワインの中で、ボルドーワインでもブルゴーニュワインでもない、ロワールの「サンセール2016メルシー。ドゥー」3,348円です。濃い目のレモンイエロー色で、上品な酸味が特徴の白ワインになります。
イタリアの代表ワイン「ペポリ・キャンティ・クラシコ」
フランスワイン以外の選び方では、一番にイタリアワインの代表メーカー・アンティノリが送る「ぺポリ・キャンティ・クラシコ」3,240円です。上品な果実味と酸味を兼ね備えた赤ワインになります。
シャンパーニュを超えた「カルテット・アンダーソン・ヴァレー ブリュット」
アメリカはカリフォルニアの、シャンパーニュを超えたと言われる、スパークリングワイン「カルテット・アンダーソン・ヴァレーブリュット」4,104円です。豊かな果実味が主役のスパークリングになります。
リーズナブルなシャルドネ「アラス・デ・ピルケ・シャルドネ」
近年、富に評価を上げているチリのリーズナブルな白ワイン「アラス・デ・ピルケ・シャルドネ」1,296円です。豊かな果実味が主役の、濃厚なシャルドネの白ワインになります。
フランスワインはボルドーワインをはじめ種類が豊富!
フランスワインはボルドーワインをはじめに、層も奥行きも深いものがあります。そんな種類豊富なフランスワインを堪能しようではありませんか!