ブラッドオレンジは栄養たっぷり!品種の特徴から効果効能まで紹介!
ブラッドオレンジは普通のオレンジとは違う真っ赤な果肉が特徴的な、栄養豊富なフルーツです。今回はブラッドオレンジの品種や旬、産地などについてまとめました。品種ごとの味や特徴をはじめ、ブラッドオレンジに含まれる栄養成分の効果・効能についても紹介します。おすすめの食べ方も紹介しますので、まだ日本では流通量が少なく珍しい果物のブラッドオレンジですが見かけたらぜひ食べてみてください。
ブラッドオレンジの特徴と産地
ブラッドオレンジを食べたことがありますか?ブラッドオレンジはヨーロッパなどではよく見かけるフルーツですが日本では珍しいかもしれません。今回はブラッドオレンジについてまとめました。まだ日本では流通量が少ないですが、栄養も豊富で普通のオレンジとは違った見た目と味わいが楽しめる美味しいフルーツですので、見かけたらぜひ手にとってみてください。
イタリア原産の果実
ブラッドオレンジはイタリアが産地のオレンジの一種で、イタリアのシチリア島が原産とされています。現在ではアメリカでも多く栽培されています。日本ではあまり一般的ではないので生のブラッドオレンジを見かけることは少ないかもしれませんが、イタリアやアメリカから輸入されたものや、国産のものもあります。
イタリア産のブラッドオレンジはジュースなどに多く加工されて輸入され、国内で流通しているブラッドオレンジもジュースなど加工品が多いですが、アメリカ産や国産の生食用ブラッドオレンジも旬の時期には流通しています。国内の産地は柑橘類の産地として有名な愛媛県や和歌山県、大分県などで、国内で最もシェアが高い産地は愛媛県です。
特徴は赤い果肉
ブラッドオレンジの最大の特徴はその真っ赤な果肉です。品種によっては皮まで赤い色をしています。この特徴的な赤い果肉から、英語で血という意味のブラッド(=blood)という名前がついています。この赤い色は、ブルーベリーなどにも含まれる色素成分のアントシアニンのためで、抗酸化作用がある成分です。
ブラッドオレンジの味の特徴は、普通のオレンジより甘みが強くて酸味が少なく濃厚です。ブラッドオレンジは普通のオレンジよりも小ぶりで直径約7~8cm程度と、温州みかんとだいたい同じくらいの大きさです。
香りが濃厚
ブラッドオレンジは風味も豊かで、独特の濃厚な香りも特徴のひとつです。一般的なオレンジジュースは爽やかな酸味が美味しいですが、ブラッドオレンジは酸味より甘みが強く香りが濃厚なため加工しても普通のオレンジジュースなどとは全く違った味が楽しめます。
ブラッドオレンジの栄養成分と効果効能
アントシアニン
ブラッドオレンジの赤い色は、多く含まれる色素成分のアントシアニンのためです。アントシアニンはポリフェノールの一種です。アントシアニンの効能のひとつはストレスなどにより発生する活性酸素の生成を抑制することで、アントシアニンが持つ抗酸化作用には血管の拡張や毛細血管の保護、動脈硬化の予防などの効果もあります。
アントシアニンは視力回復にも効果が期待できる成分です。視覚信号を伝える視神経細胞の色素であるロドプシンは光によって分解されることで信号を伝え、再生と分解を繰り返しますが、目を酷使したり年齢を重ねると再生力が衰えてきます。
これが視力が衰えたり目が疲れたりする原因になりますが、アントシアニンはロドプシンの再生を促すという効能があります。このためブラッドオレンジを摂取するとアントシアニンの効能により視力回復や眼精疲労の軽減の効果が期待できます。
ビタミンC
ビタミンCにも体の酸化を防ぐ効能があります。ビタミンCを成分に多く含むブラッドオレンジを食べることで、ビタミンCの抗酸化作用によりくすみやたるみ、にきびなどの肌トラブルを軽減する様々な効果があります。
さらにビタミンCにはコラーゲンを生み出したり、肌の保湿に関わるヒアルロン酸を作ったりする細胞を増やしてくれます。このようにビタミンCは、弾力のある若々しい肌を保つために効果があり女性にとってはうれしい栄養成分です。
葉酸
ブラッドオレンジは葉酸も成分に含んでいます。葉酸はビタミンB群に属していて、赤血球を作るので「造血のビタミン」と呼ばれます。葉酸の効能には血液をサラサラにしてめぐりを良くし、栄養や酸素を体にしっかり届ける働きがあるので体調を整えたり貧血を予防したりという効果があります。
また葉酸は細胞の再生能力に関わっていますので、葉酸が不足すると肌のターンオーバーも乱れてしまいます。このような効能・効果をもつ葉酸は貧血や肌荒れに悩む人には積極的に摂って欲しい栄養成分です。
ブラッドオレンジの品種ごとの旬
モロ種
ブラッドオレンジの品種はいくつかありますが、そのひとつがモロ種です。モロ種のは原産地のイタリア、シチリア島カターニア平原で作られてきた品種です。赤い色が特徴のブラッドオレンジの中でも特に赤味が強く、鮮やかな赤というよりは黒っぽい赤色をしています。濃い赤色は果肉だけでなく果皮の表面にも現れます。
モロ種のブラッドオレンジは濃厚な香りとすっきりした酸味が特徴で、豊かな風味が魅力です。モロ種は国内でも生産される品種で、ブラッドオレンジの代表的な品種のひとつです。アメリカ産モロ種の旬は1月後半から4月頃ですが、国産のモロ種は旬の時期がそれより少し遅く、4月中旬から5月頃にかけてです。
タロッコ種
モロ種と並び国内で生産される代表的なブラッドオレンジのひとつがタロッコ種です。タロッコ種はサングイネッロ種が変異してできたと言われ、モロ種よりも少し大きいのが特徴のひとつです。甘みの強い品種で酸味もあり味が濃厚です。
タロッコ種はジュースに加工するのに向いておりその美味しさには定評があります。果肉の赤い色は他の品種よりも薄く、少し赤紫の色がさしているといった程度です。原産地のイタリアでもポピュラーな品種で、イタリア産のタロッコ種は2005年から輸入が解禁され店頭に並ぶようになりました。
タロッコ種は寒さに弱く、温暖化が進んだことで日本でも栽培がしやすくなったようです。旬の時期も暖かくなってからです。旬の時期はイタリア産のものでは4月から5月にかけてですが、国産のタロッコ種は4月中旬から6月にかけてのようです。
サングイネッロ種
出典: https://latte.la
サングイネッロ種はアメリカではサングイネッリと呼ばれ、スペイン原産のブラッドオレンジです。この品種が変異してタロッコ種ができたと言われます。日本では流通量が少ないので見かけることは珍しいでしょう。
見た目はモロ種に近く、果皮にも赤みがあって種が少ない品種です。2月になった果実が4月まで木になっているそうでその保存期間が長いことも特徴です。
ブラッドオレンジの味を楽しむおすすめの食べ方
コクを楽しむブラッドオレンジジュース
ブラッドオレンジの独特の香りとコクを楽しむ食べ方なら、ジュースにして飲むのがおすすめです。酵素などの栄養素を壊さないように摂取するにはスロージューサーが一番ですが、ジューサーがなくてもミキサーで美味しく飲むことはできます。
ミキサーでジュースを作る場合は固形物も一緒にジュースになりますので素材をまるごと摂取できる利点もあります。栄養を壊さず摂りたいときやサラサラした100%のジュースにしたいときはスロージューサーで、素材をまるごと摂取したい人は搾りかすの出ないミキサーで作りましょう。
素材の味を楽しむスマイルカット
ブラッドオレンジを生食でそのまま楽しむ食べ方なら、スマイルカットがおすすめです。スマイルカットはくし型に切るカットの仕方ですが、水平にカットしてから4つに切り分けることで内側の薄い膜(じょうのう膜)を垂直に切ることになるので、食べやすく外果皮もはずしやすい食べ方です。
スマイルカットはそのままお皿に盛っても見た目がきれいですし、外果皮との間に切り込みを入れるとドリンクのグラスの縁に飾ることもできます。またフレッシュなブラッドオレンジを楽しみたいときは横水平に切ってスプーンですくって食べる食べ方もできます。
皮を有効活用できる砂糖漬けピール
皮まで余すことなく活用できる食べ方がピールです。ピールとはオレンジなどの皮を砂糖漬けにしたもので、家庭でも作ることができます。通常は捨ててしまうことが多い皮の部分にもビタミンCをはじめ美容や健康に効果・効能のある栄養成分がたくさん含まれていますのでぜひ活用しましょう。
ブラッドオレンジをよく洗ってから皮をむき、鍋で茹でたら水を入れ替え、砂糖を入れて煮ます。水分が減ったらさらに砂糖を入れて弱火で煮詰め、乾かしたらできあがりです。簡単なアレンジの食べ方としてチョココーティングなどしてもおしゃれに仕上がります。
ブラッドオレンジを食べて美味しく栄養を摂ろう
今回はブラッドオレンジについて紹介しました。ブラッドオレンジは真っ赤でインパクトのある見た目だけでなく栄養にも優れたフルーツです。日本ではまだ流通量が多くはありませんが、店頭で見つからなければ通販で取り寄せも可能ですのでぜひ食べてみてください。