鏡餅の正しい飾り方と飾る場所は?お供えするものやカビ対策も紹介!

お正月になると飾る鏡餅ですが、鏡餅には正しい飾り方があることを知っているでしょうか?地域によって違いがあるものの、鏡餅の飾り方や鏡開きの時期、飾る場所には決まりがあります。また鏡餅にお供えするものにはそれぞれ理の叶った意味と順番があり、鏡餅の名前にも古来より由緒ある由来がありました。今回はそんな日本の伝統行事である鏡餅の由来や正しい飾り方、飾る場所、飾る時期、鏡開きの仕方、お供えするものの意味、鏡餅のカビを防ぐ対策まで詳しく紹介してきます。

鏡餅の正しい飾り方と飾る場所は?お供えするものやカビ対策も紹介!のイメージ

目次

  1. 1鏡餅の正しい飾り方と順番
  2. 2鏡餅でお供えするものを解説!
  3. 3鏡餅を飾る場所に決まりはある?
  4. 4鏡餅のカビを防ぐ対策を知っておこう
  5. 5鏡餅の飾り方や飾る場所を知って行事を楽しもう!

鏡餅の正しい飾り方と順番

お正月になると飾る鏡餅ですが、最近では鏡餅を飾る理由や飾る順番などあまり知らない方が増えているようです。実は鏡餅を飾るにはとても大きな理由があり、きちんとした正しい飾り方と順番があります。また、鏡餅とお供えするものには、それぞれ古来より受け継がれる伝統的な意味合いがあるのです。

鏡餅の意味

鏡餅には、「神様と人を仲介する物・神様の憑代(よりしろ)」という意味があります。昔は晴れた日に一年の幸せを願って神様にお餅をささげて、そのお餅を皆で分けて食べることで「神様から祝福を受ける」と考えられていました。鏡餅が丸いのは、心臓を模したものといわれています。お正月にお餅を食べる習慣は、平安時代の正月行事である「歯固めの儀」に由来しており、もともと神聖な食べ物だったようです。

また、餅は長くのびてなかなか切れないことから、長寿や無病息災を祈る気持ちが込められています。餅が大小2つ重なっているのは、月(陰)と日(陽)を表しており、円満に年を重ねる、という意味が込められています。

鏡餅の名前の由来

鏡餅という名前の由来は、古くから祭具として使用されていた「三種の神器」の一つである鏡が円形であり、餅が丸くて平らで鏡の形と似ていることに由来し、「鏡餅」と呼ばれるようになったようです。伊勢神宮をはじめ鏡をご神体としているところはたくさんあり、鏡餅は年神様の依り代として、ご神体の鏡をお餅で表しています。

戦国時代には、床の間に甲冑が飾られ、その前に鏡餅が供えられたことに由来して、「具足餅」「武家餅」などと呼ばれていました。

鏡餅の飾り方には順番がある

鏡餅の飾り方には、正しい順番があります。最も一般的で基本的な飾り方は、半紙・裏白・ゆずり葉・橙(だいだい)を使用します。飾り方の順番は、まず2枚の半紙をたらして敷き、裏白とゆずり葉を置いたらその上に大小の丸い餅を重ねて、一番上に橙やみかんをのせます

裏白は本来葉の裏側の白い方を上にして敷くのが一般的な飾り方ですが、緑が鮮やかな方を表にしてもいいようです。また三方(台)はなくても構いません。他にも四方紅や御幣を使用する飾り方もあります。

鏡餅の飾り方は地域によって違いがある

鏡餅の飾り方や順番、飾るものについては、地域によって違いがあります。餅を3段重ねるところや昆布やするめ、串柿、海老をはさむ地域もあり、一番上に扇を飾らない地域もあります。地域によって独特の飾り方があるので、自分の地域がどんな飾り方をするかは、両親や地域の方などに聞いてみるのが良さそうです。
 

鏡餅でお供えするものを解説!

三方(三宝)の意味

三方・三宝(さんぽう)」とは、鏡餅をのせるための台です。昔から神事に使われている台で、尊い神様に鏡餅をささげる際に、そのままお餅だけをささげるのは失礼にあたり、神様に対する礼儀として台にのせて鏡餅をささげる習慣ができたようです。そこまで本格的にしない場合は四角いお盆にのせて飾ることもあります。お餅が「陽」の気、お盆が四角で「陰」の気なので、場の気を「中庸」にするためだそうです。

四方紅(奉書紙)の意味

四方紅(しほうべに)・奉書紙(ほうしょがみ)」とは、お供え物をのせる色紙のことです。白い紙でもいいのですが、周りが赤色になっている紙を使うのが正しい四方紅になります。四方(紙の周り)を紅で縁取るのは、天地四方(全世界・宇宙)の災いを払って1年間の無病息災や繁栄を祈るという意味があります。

裏白とゆずり菜の意味

裏白(うらじろ)・ゆずり葉」とは、シダの葉を使うことが多いです。シダは古い葉と一緒に新しい葉が伸びてくるので、「久しく栄える」という意味があります。形が左右対称のため、夫婦の相性を祝うという意味もあります。シダではなくゆずり葉を使う地域もあり、ゆずり葉は新しい葉が大きくなってから古い葉が落ちるため、代々家計がうまくつながっていくことを祈る意味があります。

御幣(四手)の意味

御幣(ごへい)・四手(しで)」とは、御幣が四方に大きく広がっている様子が手を広げているように見えることから、「長く繁栄するように」という願いが込められています。御幣が紅白なのは、赤い色に魔除けの意味があるからです。

お餅の意味

鏡餅のメインである「お餅」は、お米から作られていることから、神様が与えてくれた豊作の恵みに感謝して五穀豊穣を祈るものです。2段の鏡餅は「陰陽」「月と太陽」を表し、また「年を重ねる」「夫婦和合」という意味があります。一般的には丸い餅を飾りますが、「四角の餅」を飾る地域もあります。

橙(みかん)の意味

橙(だいだい)・みかん」の意味は、みかんが木から落ちずに実を大きく育てることから、みかんのなり方にあやかって「未来永劫にわたって大きく繁栄するように」という願いが込められた縁起物になります。

扇や末広の意味

扇・末広(すえひろ)」の意味は、末に向かって大きく広がった扇から、「家が末永く栄えるように」という願いが込められています。

鏡餅を飾る場所に決まりはある?

餅を飾る場所はどこでも良い

昔はその年の恵方に向けて飾るとよいとされていましたが、現代では方角をあまり気にしないようになっています。飾る場所は昔から家の中で一番大事なところ、「床の間」や「玄関」とされてきましたが、実はお供えするときに神様に対する感謝の気持ちがあれば、飾る場所はどこでも大丈夫です。床の間がない家でも、自分にとって家の中で大切な場所に飾ることが重要とされます。

鏡餅を複数飾るときはどうお供えする?

鏡餅は年神様の依り代であり、お供えした場所に依りついてくれると考えられているので、複数お供えしても構いません。複数飾るときは、一番大きな鏡餅を床の間や玄関に、中くらいのものをお仏壇や神棚に、小さいものを台所や寝室、子供部屋などにお供えする飾り方が一般的です。
 

鏡餅を飾る時期

鏡餅を飾る時期は、クリスマスが終わった26~30日に飾るのが一般的です。28日は「末広がり」になるので最も縁起が良い飾る時期とされます。29日は「二重に苦しむ」という語呂合わせで避けた方がよいです。31日は「1夜飾り」といわれて葬儀と同じで縁起が悪く、また神様に対して失礼なので避けるべきとされています。

 

また飾る時期の28日が仏滅だった場合でも、あまり気にする必要はありません。大安や仏滅などの六曜は中国思想が基本となっていて、古くからの日本の神事とは直接関係がないからです。現代では仕事などで忙しい家庭も多く、特に飾る時期を気にしないなら、大掃除を済ませた後の都合が良い日を飾る時期にするのも良いでしょう。

鏡餅を下げるのは鏡開きの日

鏡餅を下げる「鏡開き」の日は、1月11日が最も一般的です。11日の鏡開きの日に鏡餅を下げて、昔から一年間の無病息災を祈って雑煮やお汁粉に入れて食べる習慣があります。また鏡開きの際には、刃物を使うと切腹を連想させるので使用せず、トンカチなどで叩いて食べやすい形にします。また地域によっては、1月4日の仕事始め、7日の松の内、15日の小正月まで鏡餅を飾るところもあります。

鏡餅のカビを防ぐ対策を知っておこう

鏡餅をあとでちゃんと食べられるように、カビが生えるのは防ぎたいものですが、暖かい室内に置いておいた餅、特に家でついた餅はどうしてもカビが生えやすくなります。鏡餅のカビを防ぐにはどんな対策があるのでしょうか?

対策①焼酎を塗ってカビを防ぐ

鏡餅をお供えする際に焼酎を塗っておくと、ある程度カビの付着を防ぐことができます。アルコールは殺菌効果があり、特に焼酎は高純度のアルコールで、クセも匂いもないので使いやすいです。鏡餅全体と、特に大きな餅と小さな餅が重なる部分に塗っていくと効果的です。焼酎を塗ったら鏡餅に馴染ませるようにきれいな布で拭き取ります。ただし手の脂や汚れがつかないよう、ビニール手袋などで直接触れないようにしましょう

対策②アルコールスプレーをかけてカビを防ぐ

鏡餅に食品用のアルコールスプレーを吹きかけておくと、カビが生えるのを防ぐことができます。あまりベタベタしておくのは良くないので、数日置きに少量吹きかける程度で大丈夫です。アルコールを吹きかけたときに、きれいな布で鏡餅の表面を軽く拭いておくと、カビの胞子がたまるのを防ぐことができます。

対策③割り箸を使ってカビを防ぐ

割り箸を使って餅を持ち上げて、餅と餅の間の通気を良くしてカビを防ぐ方法です。1段目の底の部分と、1段目と2段目重なる部分に、餅の直径より少し短く切った割り箸を2本置いて、鏡餅を少し浮かして置くようにします。割り箸は、餅の直径より短くすればあまり目立ちません。餅の餅の間の風通りがよくなり、カビが生えにくい環境を作ります。また、部屋の通気も良くするようにします。
 

鏡餅の飾り方や飾る場所を知って行事を楽しもう!

いかがでしたか?お正月を迎える頃になんとなく飾っている鏡餅には、地域によって違いがあるものの正しい飾り方と順番があり、由緒正しい由来やお供えの際に使う飾り物にはそれぞれの名前と意味があります。そして鏡餅を飾る場所の決まりや飾る時期、鏡開きの日、どうしても生えてしまいがちなカビを防ぐ対策など、鏡餅について詳しく紹介してきました。

今回紹介した鏡餅の飾り方や飾る場所などを参考にして正しい形で鏡餅を飾り、日本の伝統行事を楽しみながらカビ対策をしっかりして、鏡開きには美味しく鏡餅を頂きましょう!

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