2019年01月09日公開
2024年08月27日更新
トビウオの刺身のさばき方や切り方を解説!味や旬・寄生虫の危険性も!
トビウオはグライダーのように海上を滑空する姿が美しい魚ですが、刺身やたたきにすると身が締まって旨味があり、大変美味しく食べられる魚です。今回は、美味しく新鮮なトビウオの選び方や食べ方、さばき方と切り方について詳しく調査してみました。また、トビウオについている寄生虫の危険や、その処理の仕方についても紹介しています。美味しい旬のトビウオを自分でさばいて刺身で食べてみましょう!
トビウオの刺身のさばき方・切り方
旬のトビウオの食べ方と言えばやっぱり刺身でいただくのが一番美味しい食べ方になるでしょう。そこで、トビウオを刺身にする際のさばき方と、切り方について工程を順に追って詳しく解説していきます。刺身を盛り付けるときの美味しく見えるコツや、トビウオについている寄生虫を見つけた場合の対処法まで紹介するのでチェックしてみてください。
さばき方①ウロコ・エラ・ワタ・頭を落とす
それでは早速、トビウオの刺身のさばき方について解説していきます。まず、包丁の刃先やウロコ取り器を使いトビウオの尾のほうからウロコを取ります。ウロコが取れれば流水で表面をきれいに流しましょう。次に、胸ビレの付け根から刃を入れて頭を切り落とします。トビウオのアラ(頭の部分)からは出汁がでますので、使う場合にはエラを取り除いておきましょう。
次に、トビウオの腹に切込みを入れハラワタを取り出し、水洗いして血合いを洗い流します。腹ビレはひねると骨が持ち上がるので、その骨に沿って刃を入れ取ります。トビウオのヒレは鋭くケガをしやすいので注意して取りましょう。
さばき方②三枚におろす
トビウオの頭、ハラワタ、ヒレの処理が終わったら、続いては三枚におろしていきます。通常の三枚おろしでも大丈夫ですが、トビウオの場合、骨に沿って一度に尾までおろす「大名おろし」という三枚おろしの方法がおすすめです。下の写真のようにトビウオの骨に沿って包丁を入れ、ゆっくりと尾のほうまでおろします。
三枚おろしは包丁に骨が当たっている感触を感じながら滑らせると失敗しません。トビウオの表側、裏側と大名おろしをすれば三枚おろしの完成です。続いては刺身にするため皮をはぎ、腹骨を取り除く工程を解説します。
さばき方③皮を引いて小骨を取る
刺身にする際にはトビウオの皮をはいで、腹にある小骨を取りましょう。トビウオの皮は包丁で取り除くことも可能ですが、手ではぐほうが簡単です。まずはまな板の上に、キッチンペーパーやタオルを敷いてその上に三枚おろしに処理したトビウオをのせます。
次に、下の画像のように端から皮を剥がしていきます。片手でトビウオの身を押さえながらゆっくりとはがすと、皮にトビウオの身がつかずきれいにはがせます。腹の小骨は斜めに包丁を入れながらすき取るといいでしょう。ここまでできれば後は平造りにしてお刺身が完成します。
胸びれを盛り付けにして豪華お刺身
トビウオの刺身にするときの切り方と、美味しそうに見える盛り付けのコツを説明します。トビウオの刺身は基本の平造りでいいでしょう。刃の根元から力をいれずに刃先まで滑らせるように切っていきます。刺身をお皿に盛り付けるときには、胸ビレをいっしょに盛り付けると高さも出て、豪華なお刺身に見えます。おもてなしにも映えるトビウオの刺身の完成です。
寄生虫を確認したら加熱調理
旬のトビウオが手に入ったら自分でさばいて食べるのが新鮮なうちに一番美味しく食べられますが、トビウオの寄生虫について気になっている人も多いのではないでしょうか?トビウオには鮮度がよくても寄生虫がいることがあります。特に、産卵が終わり痩せている個体に寄生虫はつきやすいそうです。
トビウオの寄生虫は三枚におろすと、腹の部分に黄色い筋や白い球のような形でついていることが分かります。これらは人間に寄生するものではないので、食べても害はないのですが、やっぱり気持ちの良いものではないでしょう。自分でトビウオをさばいて寄生虫を見つけたときは、刺身ではなく加熱処理して食べることをおすすめします。
トビウオの旬の時期や特徴は?
海の上をグライダーのように颯爽と滑空する姿が印象的なトビウオですが、その生態や食材としての特徴について詳しく知っている人はそう多くはいないかもしれません。本項ではトビウオの旬の時期と味わいを紹介しているほか、特徴と生態についても解説しています。また、新鮮で美味しいトビウオの選び方についても紹介しているので生のトビウオを購入して刺身で食べたい人は要チェックです。
トビウオの旬の時期と味
食用のトビウオの旬の時期は、種類によって異なりますが4月から8月と比較的暖かい季節です。前半の季節を「春トビ」、後半を「夏トビ」と入荷時期を分けて呼ぶこともあります。トビウオの味わいは、アジに似ているとたとえられることも多いですが、アジに比べ脂が少なく淡白な味です。トビウオの味はあっさりとした旨味が特徴と言えます。
トビウオの特徴や生態
トビウオは成長すると30cmから40cmくらいになる、胸ビレが羽のようにとても大きい魚です。沿岸部の海域、それも浅いところで生息しています。ダツ目トビウオ科に属する魚は数十種類いますが、その仲間の総称をトビウオと呼んでいます。食用として市場に出回っているトビウオは、「ハマトビウオ」と呼ばれる種類のトビウオで比較的個体が大きめなのが特徴です。
海面を飛ぶ姿はトビウオのよく知られた生態ですが、これは大型の魚に捕食されるのを避け、逃げるためであると言われています。海面から空中へ飛び立ち、100m以上、長いと500m以上も飛行することができます。
トビウオの選び方
美味しいトビウオの選び方について説明しましょう。選び方にはいくつかのポイントがあります。まず、目を見て黒く澄んでいるものが良いでしょう。次に、背の青い部分が鮮やかなブルーであることが大切です。目と同様、新鮮な証拠となります。
また、長い胸ビレは干からびていないものを選びます。鮮度が落ちると腹の部分に黄色い線が出てくるので注意してください。市場で購入する際には美味しいトビウオの選び方を参考に新鮮なトビウオを選びましょう!
トビウオの刺身以外のおすすめの食べ方
前項目の選び方を参考に旬のトビウオが新鮮な状態で手に入ったら、もちろん刺身にして食べるのも絶品ですが、他にも美味しい食べ方はいろいろとあります。本項ではトビウオの刺身以外のおすすめの食べ方を紹介しています。前項のトビウオのさばき方と切り方も参考に、下記に紹介するおいしい食べ方もぜひ試してみてください。刺身以外のシンプルな塩焼きや、コクが味わえるから揚げ、たたきやなめろうも絶品です!
食べ方①塩焼きでシンプルに美味しい
それでは早速、トビウオの刺身以外の美味しい食べ方を紹介します。まず、シンプルな塩焼きにしてもとても美味しく食べられるでしょう。塩焼きならグリルで簡単に調理できますし、癖のない淡白な白身が上品な味わいです。大根おろしを添えたり、レモンを絞って食べるのもおすすめです。調理の際は、三枚におろさなくともウロコとハラワタを処理するだけで下処理は大丈夫です。
食べ方②唐揚げやフライでさくさく絶品
続いて紹介するトビウオの美味しい食べ方は、唐揚げとフライです。淡泊な味わいが特徴のトビウオは油で揚げる調理法との相性も抜群です。ウロコと内臓を取り除いた後、丸ごとから揚げやフライにすれば見た目も豪快で美味しいおかずになります。
油で揚げているのでヒレも中骨もそのまま食べることができます。羽を広げた形でカラッと揚げられた姿は、まるで空中を飛行しているトビウオそのものの姿のようでおもてなし料理にもピッタリの華やかさです。
食べ方③たたきやなめろうも絶品
トビウオは刺身以外で生食する場合、たたきやなめろうにすると美味しくいただけます。たたきにする場合もさばき方、切り方は刺身で食べる時の工程と途中までは同じです。ウロコや頭、ヒレの下処理をして三枚におろし、腹骨をとって皮をはぎます。次に、たたきにする場合は包丁でたたき切ります。器に盛り、ネギや玉ねぎなどの香味野菜と生姜を添えれば、トビウオのたたきの完成です。
シンプルなたたきのほかには、たたいたトビウオの身に薬味と味噌を加え、粘りが出るまで混ぜ合わせたなめろうも絶品です。お酒のよい肴になること間違いなしの、たたきとなめろうを是非一度試してみませんか?
食べ方④トビウオは卵も美味しい
お寿司屋さんでよく見かける子供も大好きな「とびっこ」が、トビウオの卵だと知っていましたか?トビウオの卵はプチプチとした食感がおいしく、イクラなど他の魚卵と比べても手ごろな価格で手に入れることができます。トビウオの卵は手巻き寿司の具にしたり、熱々のごはんにそのままかけて醤油を垂らして食べるなどシンプルな調理法で美味しく食べられる食材です。
刺身だけじゃない!トビウオ尽くしが最高!
旬の美味しいトビウオの美味しい食べ方は刺身だけではありません。たたきや、塩焼き、唐揚げにしても絶品のトビウオは、さまざまな食べ方でそのコクのある旨みが味わえるお魚です。今回は旬のトビウオの選び方や、さばき方と切り方について解説しました。自分でさばく時に気になる寄生虫の処理方法も参考に、美味しく安全にトビウオを楽しみましょう!