ガーデンハックルベリーのジャムの作り方!味・完熟の見分け方も!
皆さんはガーデンハックルベリーを知っていますか?様々なベリーを目にする中でガーデンハックルベリーはあまり馴染みがありませんが、完熟した実を材料にとても美味しいジャムを作ることができます。ただし、場合によっては毒に気を付けなければならないこともあるようです。また、見た目がブルーベリーに似ていますが、ブルーベリーとの違いはどこにあるのでしょうか?こちらの記事ではガーデンハックルベリーの特徴や味、旬の時期、食べ方やジャムの作り方など、ガーデンハックルベリーについてまとめたことを紹介します!
ガーデンハックルベリーとは?
ガーデンハックルベリーは栄養価の高さから近年評価されている植物ですが、皆さんはご存知でしょうか?ホームセンターで苗が売られていることもありますが、スーパーで見たことがあるという方は多くないのではないでしょうか?こちらの記事では、そんなガーデンハックルベリーの特徴や旬の時期、食べ方などについて紹介していきます!
ガーデンハックルベリーの特徴
ガーデンハックルベリーはナス科のイヌホオズキの仲間で、イヌホオズキの中でも唯一ガーデンハックルベリーだけが食用とされています。白くてオシベが褐色の小さい花を咲かせ、そのあと沢山の実を付けます。ガーデンハックルベリーの実は、ブルーベリーのように黒紫色で大きさが1cmほど、中に種が沢山詰まっているというのが特徴です。
また、ガーデンハックルベリーは、栽培は比較的容易というのも特徴の一つです。葉が大きく広がるので畑で育てることが多いですが、スペースが確保できればプランターで育てることもできます。アブラムシが付くことがありますが、鳥や害虫の心配がほとんどいらないので、虫が苦手だったり庭や畑を汚したくないという方におすすめです。
ガーデンハックルベリーは健康に良い
ガーデンハックルベリーは栄養豊富というのも大きな特徴です。ガーデンハックルベリーは日本ではまだ馴染みが薄いですが、アメリカでは健康食品として親しまれ、家庭で栽培され、ジャムの材料などに用いられています。
ガーデンハックルベリーにはアントシアニンを筆頭にビタミンA、ビタミンC、カリウムなど様々な栄養が含まれています。アントシアニンは目に映ったものを脳に伝える機能を持つロドプシンという色素の再合成をするはたらきをします。ロドプシンは目を使うほど減少していきますが、アントシアニンがロドプシンを再合成することで眼精疲労を回復したり視力の低下を防いでくれます。
また、アントシアニンには活性酸素を除去するというはたらきもあります。活性酸素は大量に発生するとガンや脳卒中、動脈硬化などの病気を引き起こします。アントシアニンを摂取することでこれらの病気を予防することができます。ほかにも、アントシアニンにはコラーゲンを安定させたり血行を良くしたり炎症を抑えたりなど、様々な作用があります。
他にも、ビタミンAは抵抗力を強めたり、目や皮膚の粘膜を健康にするはたらきがあります。ビタミンCには抵抗力を強めたり血管を丈夫にしたり日焼けを防いだりするはたらきがあります。カリウムには血圧を下げたり心臓機能や筋肉機能を調節したりするはたらきがあります。ガーデンハックルベリーは体の弱い方に是非食べていただきたい食材です。
ガーデンハックルベリーの味は?
ガーデンハックルベリーは見た目こそ甘酸っぱそうな色をしていますが、かじってみると甘味は全くありません。甘味や酸味がなく、アクが詰まったような渋みだけが感じられるような味ですので、ガーデンハックルベリーが一般的に食べられているアメリカでも生で食べることはありません。
ガーデンハックルベリーは栄養価が高いですが、そのまま食べると無味で、そのものの味を生かすことが難しいため、食べ方は限られています。アメリカでは、主にジャムやジュースなどの食べ方をされています。
ガーデンハックルベリーの旬
ガーデンハックルベリーは野生のものは見かけないので旬の時期を見定めて収穫するということはありませんが、ガーデンハックルベリーを栽培するのでしたら、しっかり育って良い実が付くように旬の時期を把握し、適切な時期に種を蒔いたり、苗を植えたりする必要があります。
ガーデンハックルベリーは5月から花を咲かせ、夏ごろに沢山の実を付け始めます。収穫は秋になり、実が完熟してから行うので、旬の時期は8月から10月の間といえるでしょう。そのなかでも、収穫のピークを迎えるのは9月の中旬頃のようです。
ガーデンハックルベリーとブルーベリーの違い
ガーデンハックルベリーはブルーベリーと一見よく似ていますが、ブルーベリーのような味はしません。ガーデンハックルベリーは名前に「ベリー」と付いていますが、ブルーベリーがツツジ科であるのに対しガーデンハックルベリーはナス科の植物なので、全く違う種類の植物です。
ガーデンハックルベリーはそもそも野菜に分類されますが、ブルーベリーなどのベリーに見た目が似ているので「ベリー」と名前に付いています。ブルーベリーと間違えて収穫したり貰ったりした場合、ガーデンハックルベリーはブルーベリーと食べ方が異なりますので注意が必要です。
ガーデンハックルベリーの色や形はブルーベリーとよく似ていますが、ガーデンハックルベリーの実の方がサイズが一回り小さいです。また、ブルーベリーの皮が薄く柔らかいのに対し、ガーデンハックルベリーの皮はナスのように固く厚いです。
また、実を二つに切ってみると、ブルーベリーの実は緑がかっているのに対し、ガーデンハックルベリーの実は皮と同じような色をしています。種もガーデンハックルベリーの方が数が多く、大きくて硬いです。ブルーベリーと間違えてガーデンハックルベリーを手に入れてしまった場合は、ジャムやジュースなどの材料に使いましょう。
ガーデンハックルベリーの完熟の見分け方
ガーデンハックルベリーを栽培している場合、実が完熟してから収穫を始めます。植物には完熟する前でも収穫して食べることができるものもありますが、ガーデンハックルベリーの場合はどうなのでしょうか?
ガーデンハックルベリーは完熟したものだけ食べられる
ガーデンハックルベリーはアメリカでも完熟したものだけが食べられています。完熟する前の果実は薄い緑色をしているのですが、ジャムやジュース、ガーデンハックルベリーを材料に用いているお菓子はすべて完熟した果実の色をしています。実は、ガーデンハックルベリーの果実は完熟したものでないと食べられません。
ガーデンハックルベリーの未熟な実には毒性があるので注意
なぜ未熟な果実は食べられないかというと、未熟な果実にはソラニンという天然毒素が含まれているからです。ソラニンの毒はジャガイモの芽などにも含まれており、体内に取り入れてしまうと吐き気や頭痛、めまいなどの症状が表れます。少ないですがソラニンによる中毒が原因で死亡したという例もあります。
ガーデンハックルベリーは未熟なうちはソラニンの毒が含まれていますが、完熟すると無毒になるため、必ず完熟してから収穫して食べましょう。ソラニンは熱を通しても毒性を持っているので、未熟な果実は決して口にしないようにしましょう。また、ガーデンハックルベリーは未熟な果実だけでなく、緑色のガクや茎にも毒があります。果実と一緒に口に入れてしまわないよう注意が必要です。
ガーデンハックルベリーの完熟の見分け方
未熟なガーデンハックルベリーを食べて体調を崩してしまわないよう、未熟な実と完熟の実は正確に見分けなければなりません。ガーデンハックルベリーは実ができてしばらくは薄い緑色をしていますが、旬の時期が近づくにつれて濃い黒紫色に変わっていきます。ただし、色が変わってもしばらくは完熟したと言えません。果実の色以外にも注目する点がいくつかあります。
ガーデンハックルベリーの実が黒紫色になってからしばらくの間、ガクは青々しい状態を保っています。それが茶色く枯れた感じになると果実が完熟したという合図です。また、実も色が変わってすぐは表面にツヤがありますが、完熟するとツヤが無くなり、色もくすんだ感じになります。これらの特徴が見られ、かつ実を軽く指で摘まんで柔らかい感触があったら完熟したと考えて良いでしょう。
ガーデンハックルベリージャムの作り方
ガーデンハックルベリーは生で食べるには難しく、食べ方も限られています。定番かつおすすめの食べ方は、ガーデンハックルベリーを材料としたジャムです。ジャムにすることで、様々な食べ方でガーデンハックルベリーの栄養分を摂取することができます。ここからは、ガーデンハックルベリーを材料としたジャムの作り方を紹介します。
ガーデンハックルベリーの食べ方はジャムがおすすめ
ガーデンハックルベリーはアクの渋みが強く、甘味や酸味はほとんど感じられません。その分、アク抜きして砂糖などで味を付けると、砂糖の甘味を邪魔する味を持たないため美味しいジャムを作ることができます。
ガーデンハックルベリーやブルーベリーなどに含まれているアントシアニンは熱に弱く、ジャムにするとアントシアニンの効力はかなり弱まってしまいます。そのためブルーベリーはジャムではなく生で食べることを推奨されていますが、ガーデンハックルベリーにはブルーベリーの5倍ものアントシアニンが含まれているため、ジャムにしても十分な量のアントシアニンが残っています。
ジャム作りの材料
ガーデンハックルベリーの食べ方としては、味、栄養ともジャムにするのがうってつけです。作り方も、アク抜きをする手間が加わる以外はイチゴやブルーベリーとそう変わりません。こちらの記事では、ガーデンハックルベリーを500g使った場合のジャムの作り方を紹介します!
- ガーデンハックルベリー500g
- グラニュー糖200g
- 水125cc
- 重曹小さじ1
- レモン汁適量
ジャムの作り方
- ガーデンハックルベリーの未熟な実や、実に付いているガクを取り除き、水でよく洗います。
- 鍋にガーデンハックルベリー、ガーデンハックルベリーが浸かるくらいの水、重曹を入れ、火にかけます。
- お湯が沸騰したら弱火にし、10分ほど煮ます。すると、アクが出てお湯が緑色になってきます。
- 茹でたガーデンハックルベリーをザルにあけ、アクを洗い流します。
- 鍋にガーデンハックルベリー、グラニュー糖、水、レモン汁を加え、火にかけます。
- 沸騰したら弱火にし、木べらで実を潰しつつ焦げ付かないようにかき混ぜながら30分ほど煮詰めていきます。
- ジャムにとろみがついたら煮沸消毒したビンの口いっぱいまで入れ、蓋をして冷蔵庫で冷やします。
作り方の工程で実を潰しますが、これは水や砂糖と実が馴染むようにしなければならない作業です。実の食感を残したければ軽く、実の触感がほとんど残らないトロトロのジャムを作りたければしっかり実を潰してください。また、種の食感が苦手でしたらアクを取り除いたあと実をミキサーにかけ、裏ごししてください。
ジャム作りのポイント
ジャムは火にかけている最中よりも冷ました後の方がとろみが増します。煮詰めすぎると固いジャムになってしまいますので、少しゆるいと感じる程度のところで火から下ろしてください。だいたい、ジャムを水の中に一滴垂らして分散しなくなったらちょうど良い固さになったと考えてください。
また、ジャムをすぐに食べるのなら上の作り方で良いですが、長期保存する場合はジャムをビンに詰めて軽く蓋をした後、15分ほど湯煎してください。ビンを開けなかった場合、常温でも半年ほど保存可能です。パンやクラッカーに塗って食べたり、ジャムを材料にジュースやスムージーを作っても美味しくいただけます。
ガーデンハックルベリーを食べてみよう!
ガーデンハックルベリーを食べると、視力や眼精疲労の回復がありありと実感できるようです。目に関して悩みのある方は、ガーデンハックルベリーを材料に作ったジャムなどを一度食べてみてください。また、ガーデンハックルベリーはあまりスーパーなどで売られていません。ガーデンハックルベリーは栽培が簡単という特徴があるので、これを機に栽培してみてください!