2018年12月21日公開
2024年08月25日更新
パラミツは食糧危機を救うフルーツ?栄養・効能や食べ方を解説!
パラミツは海外では「ジャックフルーツ」と呼ばれ、栄養豊富なスーパーフルーツと言われています。日本ではほとんど流通しておらずあまり馴染みがない果物ですが、その豊富な栄養素と効能から注目が集まっています。ここでは、そんなパラミツの味や特徴を始め、旬の収穫時期や食べ方、栄養素や効能について紹介します。日本で生でパラミツをいただくのは難しいですが、ドライフルーツや缶詰であれば手に入るので、気になる方は試してみてください。
パラミツはジャックフルーツとも呼ばれる巨大フルーツ!
英語で「ジャックフルーツ」と呼ばれるパラミツは、旬の時期であっても日本ではスーパーなどで流通することがほぼなく、あまり馴染みのないフルーツです。このパラミツという果物が、その巨大さや栄養成分がすごいことから奇跡のフルーツとして注目され始めています。ここではパラミツ(ジャックフルーツ)の外観や味の特徴や生産地や旬の収穫時期、含まれる栄養素や効能、食べ方についてなどを紹介します。
パラミツの外観や味・香りなどの特徴
パラミツの外観は薄い緑色で、小さな突起がたくさんあり、ドリアンと似ています。大きく違うのはその大きさです。ばらつきがありますが最高で長さ70cm、幅40cm、重さは40~50kgに及ぶものもある世界最大の果物です。小さいものでも10kgほどの重さがあり、中身もずっしりと詰まっているので重たく感じます。旬の時期の香りはドリアンと似ており、南国のフルーツ独特の甘酸っぱいような匂いがして、好き嫌いが分かれる匂いです。
食感はバナナのようで、樹脂も果実に含まれるのでもちもちしていて、グミのような食感にも近いそうです。完熟しているパラミツは甘みが強く、とてもおいしいそうです。豚肉の風味があると言う意見もあり、パラミツをハンバーガーやタコスなどにアレンジして使っている人もいるんだとか。また完熟していないと味がしないので、完熟していない場合はサラダなどの料理に入れて食べるそうです。
パラミツの旬の時期と収穫地域は?
パラミツの旬の時期は夏の後半から秋の前半にかけてです。日本でいうと8月から9月頃が旬の時期ということになります。主にブラジルや東南アジア、アフリカなどの南国で生産されており、果物の王様ドリアンや、果物の女王マンゴスチンを並び、現地で親しまれている果物です。日本では沖縄で生産されているので、この期間に沖縄を訪れると食べることができるかもしれません。
パラミツは食料危機を救えるフルーツとして注目される
あるイギリス人の起業家は肉に代わる健康的な栄養源として数百万人を飢餓から救う「プロジェクト・ジャックフルーツ」を発足しました。パラミツに豚肉のような風味があることから、これまでにパラミツを使用したタコス、ハンバーガー、BBQ、カレーなどの料理を考案して、試験的に販売を行っています。収穫時期が気候の変動によって左右される小麦などと異なり、実生から3年で果実をつける成長が早いことでも注目されています。
パラミツの栄養と効果効能
パラミツはスーパーフルーツと呼ばれるほど、栄養が詰まった果物です。βカロテンやカルシウム、マグネシウム、食物繊維などが含まれており、その含有量は果物の中で上位を占めるものに匹敵する栄養素もあります。ここからは、パラミツに含まれる主な栄養素をその効能について紹介していきます。日本人に慢性的に不足しがちな栄養素や女性に嬉しい美容効果のある栄養素も豊富なので、毎日の食生活に取り入れてみてください。
βカロテンが生活習慣病を予防
パラミツに含まれるβカロテンは、抗酸化作用を持つ栄養素です。体内では必要とされる量のみビタミンAに変化し、生活習慣病や老化を予防する作用があります。また、粘膜や肌を保護する効能があるので、美肌効果も見込める女性に嬉しい栄養素です。
カリウムがむくみ解消に役立つ
パラミツにはミネラルが含まれていますが、その中でも多いのがカリウムです。パラミツに含まれるカリウムはバナナよりも豊富で、バナナの1.2倍の量になります。バナナもカリウムが多い果物として知られているので、さらに豊富というかなり優秀な果物ということになります。カリウムの働きは、身体の余分な水分の排出を促すことです。利尿作用によりむくみの解消に効果があります。
また、過剰な塩分の排出を手伝う効能もあり、高血圧の予防にも効果的です。他にも身体の電気信号を発生させたり、情報伝達作用を円滑にしたりする効能もあり、筋肉の収縮をうまく機能させることで脱力感を防ぐ効能もあります。
カルシウムで骨や歯の成長を促進
パラミツにはカルシウムも多く含まれています。カルシウムは骨や歯を強くすることで知られるミネラルの一種で、骨粗しょう症や虫歯を防ぐ効能もあります。他にも筋肉の収縮や血液の凝固作用、細胞の機能を調整するなど人間の身体には欠かせない栄養素のひとつです。また、カルシウムはビタミンDと一緒に摂取することで吸収率がアップします。
マグネシウムの働きで血糖値を正常化
パラミツはマグネシウムも多く含んでおり、生の果物ではマグネシウムの含有量は上位にあたります。マグネシウムはミネラルの一種で、カルシウムやリンとともに骨や歯を形成するのに必要な栄養素として知られています。また、インスリンの働きを良くする効能もあり、血糖値の調節にも不可欠です。マグネシウムの摂取量が増えるほど糖尿病のリスクも下がると言われており、慢性的にミネラルが不足している日本人に必要な栄養素です。
パラミツにはそのほかにも様々な栄養が含まれる
パラミツの栄養素は上記以外にもビタミンC、食物繊維のペクチンなどがあります。ビタミンCはコラーゲンの合成を促す他、紫外線を受けることによって発生するメラニン色素の生成を抑える効果があるため、美肌効果や美白効果が期待できます。また、食物繊維には便秘を解消したり、血糖値の上昇を緩やかにする効能があるため肥満を予防したり、お通じを良くして毒素を排出し、肌荒れ予防にもなります。
以上のことから、パラミツには非常に多くの栄養素が含まれており、生活習慣病や高血圧などの予防をする他、美肌・美白効果に加えて肌荒れやシミ・シワなど肌トラブルの予防、便秘解消、骨や歯の生成など身体に嬉しい栄養が多く含まれている果物だと言えます。
他にもタンパク質や鉄などの栄養素も多く含まれており、さらに驚くのはそのカロリーです。1㎏あたりわずか95カロリーとヘルシーな果物です。日本では近年食事が欧米化してきたことにより、慢性的なミネラル不足が深刻なので、パラミツやアーモンドなどで補うことができると安心です。
パラミツの食べ方
パラミツが食べられるのは果肉部分
パラミツの食べ方を紹介します。パラミツが食べられるのは種の周りの果肉部分です。大きなパラミツの果実を二つに切るとパイナップルのような固い芯が中心にあり、果実の多くを占めています。切るときにパラミツのネットリとした汁が出てくるので、服に付かないように注意が必要です。完熟していない時期の食べ方としては野菜のように炒めたり煮たりして調理をしていただくそうです。
海外ではアイスやジュースなどにしても食べられる
海外では「ジャックフルーツアイス」や「ジャックフルーツジュース」などにして食べられています。ジャックフルーツアイスはパラミツに砂糖や乳製品、安定剤などを加えて他のアイスと変わらない作り方で販売されています。通販で取り寄せができるところもあるので、気になる方は取り寄せて食べてみるのもおすすめです。
手軽に食べるなら缶詰やドライフルーツがおすすめ
パラミツは日本国内では生で食べることが難しい果物です。スーパーに流通していることも少ないので、購入したい場合は缶詰やドライフルーツを通販で購入したり、輸入食品のお店で購入することをおすすめします。生でパラミツを味わうのに比べると味は劣りますが、缶詰でいただくと独特な風味が味わえます。また、ドライフルーツは栄養成分が凝縮されているので、少ない量でも上記の効能を期待することができます。
パラミツを食べる時の注意点
パラミツの食べ方には注意がいります。パラミツには胃の水分を奪う作用があることです。胃は水分が不足すると胃酸を生成し、一度に大量に食べると胃もたれのような激しい腹痛に襲われることがあるので、食べ過ぎには注意が必要です。もしくは食べた量以上に水分を取ることが大切になりますが、胃に影響をもたらすことがわかっている以上は適度に抑えるのが得策でしょう。
パラミツは栄養豊富で優れた効果効能があるフルーツ!
日本ではあまり馴染みのない果物・パラミツについて紹介いたしました。東南アジアやブラジル、アフリカなどで生産されている南国のフルーツであるパラミツには、非常に多くの栄養素が含まれています。日本人に不足しがちな栄養素をしっかり含んだパラミツは、生活習慣病や老化の予防、むくみの解消、高血圧予防、美肌・美白効果、便秘解消など優れた効果効能があるスーパーフルーツであると言えます。
ここでは、パラミツの特徴や旬の収穫時期、栄養素や食べ方などをまとめました。日本で生でいただくのは難しいパラミツですが、缶詰やドライフルーツであれば通販や輸入食品の販売店で購入することができるので、気になる方は一度探してみてください。