2018年12月31日公開
2024年08月24日更新
胸式呼吸の効果やメリットは?腹式呼吸をの違いと正しいやり方を解説
呼吸の方法には胸式呼吸と腹式呼吸の2種類が代表的な方法と言われています。私たちが普段無意識に行っている呼吸には生命維持の目的はもちろんのこと、自律神経のバランスを整えてくれる効果や、呼吸を行うことで筋肉を自然と鍛えるためダイエット効果などの嬉しいメリットが得ることができます。今回は胸式呼吸と腹式呼吸のそれぞれの違いを理解し、より効果が得られる呼吸のやり方を学びましょう。
胸式呼吸にはどんな効果があるの?
あまり聞き慣れない胸式呼吸ですが、近年のエクササイズブームがきっかけとなり少しずつ注目を集めています。胸式呼吸の主な効果は2つあります。1つは自律神経のバランスを調整している交感神経と副交感神経のうち、アクティブな気持ちに働く交感神経を優位にしてくれるため、気持ちをリフレッシュさせてくれたりイキイキとした前向きな気分にさせてくれるという効果です。
もう1つは胸式呼吸を行うことによって自然とインナーマッスルが刺激され身体全体が引き締まり、代謝も高めてくれるというダイエット効果も期待することができます。さらに胸式呼吸は腹式呼吸と比較すると一度に吸い込む酸素の量が多いため通常よりも新鮮な酸素を体全体に行きわたらせる効果があり、少しの運動量でもエネルギーを燃焼しやすいというメリットもあります。
胸式呼吸のやり方と効果やメリットについて
腹式呼吸と比較すると、まだ聞き慣れない腹式呼吸ですが、腹式呼吸との違いをしっかり理解し、やり方さえ覚えてしまえばいつもの呼吸で美容や健康維持などの多くのメリットを得ることができます。ここでは胸式呼吸の具体的なやり方を紹介しますのでこの機会にぜひマスターしましょう。
胸式呼吸とは?
では胸式呼吸とはどのようなものなのか紹介します。最もわかりやすく説明すると、胸式呼吸はお腹ではなくて胸に酸素を取り込む呼吸方法と言えます。さらに腹式呼吸とは違い、体の上部で呼吸するため自然と背筋が伸びインナーマッスルが鍛えられるというメリットがあり、ダイエット効果や姿勢の改善が期待できます。
胸式呼吸で体を整えるピラティス
もともとピラティスは1920年代にドイツ人看護師のヨゼフ・ピラティスが戦争で負傷した兵士のリハビリのために考案しました。傷病者や虚弱体質の人にも行えるようにと負荷を抑えたストレッチ中心のトレーニングです。胸式呼吸を行い、体の奥の筋肉を鍛えることで肉体を正し、体本来の動作を問題なくできるようにします。そうすることで基礎代謝が上がり、疲れに負けない健康的な体になっていくのです。
なぜピラティスでは胸式呼吸を取り入れているのでしょうか?その理由は、胸式呼吸によって肋骨の周りにある腹横筋を効果的に刺激することができます。腹横筋は脊髄や骨盤を支える役割があり、鍛えることでそれらの歪みを正常に戻してくれるメリットがあるのです。さらに胸式呼吸によってより効果的にインナーマッスルを鍛えられ、基礎代謝も上がるのです。
胸式呼吸の正しいやり方
具体的なやり方は、胸式呼吸は息を吸ったときにお腹ではなく胸を膨らませます。これは肺を取り囲っている肋骨を効果的に動かすためです。息を吸い込むときは鼻から行いますが、この時に肋骨部分を動かすつもりで思いっきり広げるように意識しましょう。この時に、お腹は極力膨らまないように下腹に力を入れておくように意識する必要があります。
通常無意識に行っている呼吸は、息を吸い込んだ時に横隔膜と連動して、お腹が膨らんでしまいます。胸式呼吸では空気を吸い込んだ時にお腹が膨らまないということが正しいやり方ですので、常にお腹に力を入れておくように心がけましょう。
空気を吐く時は口からゆっくり時間をかけてはき出します。この時もお腹に力を入れておいてください。また、呼吸を行うときは顎は軽く引いて背筋はしっかり伸ばしましょう。ほとんどの人は無意識に腹式呼吸を行っているといわれているので、急に切り替えるのはとても大変です。最初は1日10回から始めてみてください。慣れれば無意識に胸式呼吸ができるようになってきます。
胸式呼吸でどんなメリットがある?
胸式呼吸のメリットをまとめると、酸素を一気に吸い込むことができるため交感神経が優位になり気持ちをイキイキとリフレッシュさせてくれるというメリットがあります。また、胸式呼吸で息を吸ったり吐いたりするだけで腹横筋を鍛えることができるため体幹を鍛えるというメリットもあります。つまり胸式呼吸を習得すると心だけでなく体にも大きなメリット得ることができます。
胸式呼吸と腹式呼吸の違いを知ろう!
胸式呼吸とは異なり、多くの人が普段の生活の中で腹式呼吸を行っていると言われています。特に睡眠時は体を休めさせるために腹式呼吸を無意識に行い副交感神経を優位にして心と体をリラックスできる状態に保っています。ここでは日常生活の中での腹式呼吸のメリットと胸式呼吸の違いについて紹介します。
腹式呼吸とは?
腹式呼吸のはお腹の腹筋や横隔膜を動かすことによって行われる呼吸のことを示します。呼吸を行うことでお腹が動くのが一番の特徴です。息を吸うときは鼻から行い、吸うときは鼻か口のどちらかで行います。なお、息を吸うときはお腹を膨らまして吐くときにお腹を凹ませるのがポイントです。呼吸は時間をかけてゆっくりと深く行うほど効果を得やすいですが、その際に肩を上下しないように気を付けましょう。
腹式呼吸で体を整えるヨガ
ヨガとピラティスは似ていると思っている方も多いのではないでしょうか?動きやポーズが似ているように感じますが、ルーツは全く異なります。ヨガは古代インドが発祥と考えられており、ヨガの語源はサンスクリット語で「つながり」を意味しています。これは心と体と魂が繋がっていることに由来し、呼吸、姿勢、そして瞑想を組み合わせて心と体の緊張をほぐし、精神的な安らぎを得るための修行方法として日本や中国に広まりました。
そのほかの違いとしてピラティスは胸式呼吸で行うと紹介しましたが、ヨガにおいてはほとんどの場合腹式呼吸で行われています。その理由は腹式呼吸を行うことでヨガで重要な要素の一つとされているリラックスした状態を保つことができるからです。これは先ほどご紹介した通り、腹式呼吸は副交感神経を優位にさせて深くゆっくりとしたリズムで呼吸を行うため、胸式呼吸よりもリラックス効果が得られます。
腹式呼吸の効果とは?
腹式呼吸には副交感神経を優位にさせて、緊張状態にあった気持ちをリラックスさせる効果があります。また、呼吸をすることでお腹の筋肉を使うことになるので自然と筋肉が鍛えられ腹回りや腰回りを引き締める効果が期待できます。さらに筋肉が刺激されることで代謝が上がり、血行も良くなるという嬉しいメリットもあります。
また、腹式呼吸を意識的に行うことで普段の生活では鍛えることが難しい内臓や横隔膜を効率的にマッサージする効果が生まれるので便秘解消のメリットがあると言われています。慢性的に便秘でお悩みの方は便秘薬の摂取や食生活の見直しだけでなく、呼吸方法も見直してみるといいでしょう。
胸式呼吸と腹式呼吸の違いなどを知っておこう
ここまで紹介してきた二つの呼吸方法の違いについてまとめると、酸素を一気に取り込むことで交感神経が優位に働きイキイキとした活力を得ることができるため、上半身全体の筋肉を使って行う胸式呼吸は頭と体を同時にリフレッシュさせてくれます。一方腹式呼吸はお腹を膨らませることで横隔膜を動かして副交感神経を優位に働かせます。これにより心と体をリラックスさせてくれるという違いがあります。
呼吸をするときに気をつけたいポイント
胸式呼吸と腹式呼吸のどちらにも共通する、気をつけたいポイントがあります。それは呼吸の深さです。人間は緊張状態になったり強いストレスを感じると無意識に呼吸が速くなり、呼吸の深さも浅くなるという習性があります。そうすると呼吸によって取り込める酸素の量も少なくなり全身に酸素が行きわたらず、体が硬直し疲れやすくなります。
そのため呼吸はできるだけ深く、ゆっくり時間をかけて行うようにしましょう。緊張やストレスの緩和だけでなく、大量の酸素を全身に取り込むことで体の細胞が活性化され免疫力が高まります。これにより病気の予防やアレルギーの予防に効果があります。また、深い呼吸は基礎代謝を高め脂肪を燃焼しやするのでダイエットにも効果があります。深い呼吸にはメリットがたくさんあるのでぜひ意識してみてください。
胸式呼吸と腹式呼吸の簡単な確認方法は?
自分が胸式呼吸と腹式呼吸のどちらなのかを確認するわかりやすい方法があるのでご紹介します。まず仰向けに寝て、お腹に手を当てます。その状態のまま普段通りに何度か呼吸してみましょう。息を吸ったり吐いたりするときにお腹が膨らんだり凹んだりを繰り返している場合は腹式呼吸をしている状態です。もしもお腹がほとんど動かず、胸や肋骨部分が動いている場合は胸式呼吸をしている状態です。
胸式呼吸の効果を試してみよう!
今回は胸式呼吸と腹式呼吸についてご紹介しましたが、それぞれのやり方の違いは理解できましたか?私たちは毎日の生活の中で無意識に呼吸していますが、ポイントを押さえることで今までよりも多くのメリットを得ることができます。
特に胸式呼吸は気持ちをリフレッシュさせて、少しの運動でも酸素を多く取り込み代謝を促してくれるという効果もあります。ぜひ短時間で心も体もリフレッシュさせたい時に実践してみてはいかがでしょうか。