中濃ソースとはなに?ウスター・とんかつとの違いや代用法を調査
一見同じように見えるウスターソースと中濃ソース、とんかつソース。違いはあまり深く考えず、とりあえず家にあるものを使っているという方も少なくないと思います。中濃ソースとはどんなソースなのか、3つのソースの違いや中濃ソースの代用法を調査します。
目次
中濃ソースってどんなソース?
ソースといえば、ウスターソースや中濃ソース、とんかつソースなどいろいろな種類があって、それぞれどう違うのかわかりにくいですね。ウスターソースととんかつソースを比べると、味もとろみ具合もだいぶ違うのでわかりやすいですが、中濃ソースってなんだろう?と疑問に思ってしまう人も多いと思います。
日頃、なんとなく選んでいるウスターソース、中濃ソース、とんかつソース。それぞれのソースはどんなところが違っているのか、3種類のソースの違いを調べて、中濃ソースとはいったいどんなソースなのかを解明してみたいと思います。
ウスターソース、中濃ソース、とんかつソースの違いは?
ウスターソース、中濃ソース、とんかつソース、この3種類のソースに共通点はあるのか、また、違いはどんなところにあるのかを見てみましょう。
3種類のソースの共通点
ウスターソース、中濃ソース、とんかつソースに共通することは、JIS規格での分類によると、3種類のソースはすべてウスターソース類に分類されているということです。中濃ソースもとんかつソースも、ウスターソースなの?と疑問に思ってしまいますよね。JIS規格でいうウスターソース類とはいったい何なのか、調べてみました。
ウスターソース類とは、野菜や果実をもとに、糖類や食酢、食塩、香辛料を加えたもの。つまり、ウスターソース、中濃ソース、とんかつソースはすべて植物性の原料を使ったソースで、原材料には特に違いがないということがわかります。ソースは、とてもヘルシーな原材料から作られています。
3種類のソースの違うところ
では、ウスターソースと中濃ソース、とんかつソースは、ズバリどこが違うのでしょうか?この3種類のソースの大きな違いは、粘度と甘さの違いです。同じような原材料を使いながらも、製造工程や調味料の違いなどで、それぞれのソースの特徴が違ってきます。
粘度が高いほどトロっとした食感になります。3種類のソースを粘度が高い順に並べると、とんかつソース、中濃ソース、ウスターソースとなります。甘さの違いを見てみると、甘い順に、とんかつソース、中濃ソース、ウスターソースとなり、粘度の高い順と同じになります。
ウスターソースについて詳しく知ろう
ウスターソースとは、どんなソースなのでしょうか?ウスターソースの特徴や、ウスターソースを使うお料理にはどんなものがあるのか、見てみましょう。
ウスターソースの特徴
たくさんの種類があるソースの中で、一番最初にできたソースがウスターソースと言われています。イギリスのウスターシャー州ウスター市で作られ、ヨーロッパに広がり、やがて日本にも伝えられました。ウスターソースは、3つのソースの中で一番さらっとしているソースです。ウスターソースとは、JIS規格で、ウスターソース類のうち粘度が0.2Pa・s未満のソースと決められています。
製造工程の中で野菜や果実のパルプ質をろ過しているため、繊維質が少なくサラサラしています。味は辛口のものやスパイシーなものが多く、しっかりした味が特徴です。メーカーによって塩分や酸味などに違いがあるため、ウスターソースの味もメーカーごとに違いがあります。
ウスターソースの合うお料理
ウスターソースは、ほどよく辛口で酸味もあり、サラサラしているのでお料理に使いやすい調味料です。ウスターソースだけで味付けしたり、隠し味としても使うことができます。ウスターソースとケチャップをまぜてナポリタンソースを作ったり、カレーや焼きそば、焼き飯の隠し味にもよく合います。
ウスターソースはキーマカレーにも使えます。ウスターソースを使ってレンジで簡単に作れるキーマカレーは、ウスターソースのおすすめレシピです。みじん切りにした玉ねぎにオリーブオイル、ウスターソース、カレーフレーク、にんにくチューブ、しょうがチューブ、水を入れて混ぜ、豚肉ミンチを入れてよく混ぜ合わせてから、電子レンジでチンするだけ。あっという間にキーマ―カレーが作れます。
ほかにも、ウスターソースは意外なお料理に使えます。バルサミコ酢がない時にウスターソースで代用することができます。フライパンにオリーブオイルとニンニク、赤唐辛子を入れ、キノコ類を入れて塩コショウを振ります。オリーブオイルと酢、ウスターソース、砂糖を混ぜ合わせて、炒めたキノコ類にかければ完成。バルサミコ風きのこマリネが作れます。
中濃ソースについて詳しく知ろう
次に、中濃ソースの特徴と、中濃ソースが合うお料理を見てみましょう。
中濃ソースの特徴
ウスターソースととんかつソースが混ざり合ったような味わいで、いろいろなお料理に合う万能ソースです。中濃ソースは東日本でよく使われていますが、西日本ではあまり使われないようです。ソースにも地域差があるのが面白いです。
中濃ソースの合うお料理
中濃ソースは、JIS規格では、ウスターソース類のうち粘度が0.2Pa・s以上、2.0Pa・s未満のソースのことです。ウスターソースととんかつソースの中間程度の粘度で、野菜や果実の旨味に、ほどよいスパイシーさとマイルドさを加えたソースです。
オムライスやハンバーグなどにかけると美味しいデミグラスソースは、中濃ソースがあれば簡単に作ることができます。ケチャップ、醤油、中濃ソースをお好みの割合で混ぜるだけ。いつものオムライスがおしゃれな一品に早変わりです。
また、中濃ソースの醤油の風味は、和風のお料理にも合います。オムレツにかけると和風オムレツに、豆腐ハンバーグにかけると和風ハンバーグソースにもなり、いろいろなお料理に合います。
とんかつソースについて詳しく知ろう
最後に、とんかつソースの特徴と、とんかつソースに合うお料理を見てみましょう。
とんかつソースの特徴
とんかつソースは、JAS規格では濃厚ソースに該当し、ウスターソース類のうち、粘度が2.0Pa・s以上のものになります。果実を多く使用していて甘みが強く、繊維質が多いのでとろりとした口当たりが特徴です。
とんかつソースの合うお料理
とんかつソースは、そのまま揚げ物にかけるだけで美味しくいただけます。ほどよい酸味と香りが、揚げ物によく合い、お料理をさっぱり美味しく引き立ててくれます。
また、とんかつソースの濃厚な味を生かした、バーベキューソースもおすすめです。とんかつソース、ケチャップ、砂糖、酒、おろしにんにく、おろし玉ねぎ、こしょう、白ごま、サラダ油を混ぜ合わせると、濃厚なバーベキューソースになります。チキンを焼いてベキューソースをかけるだけで、美味しいバーベキューチキンが作れて、おつまみにもぴったりです。
中濃ソースがないときの代用法
どうしても中濃ソースが欲しいのにないという時、家にある材料で中濃ソースが作れたら嬉しいですよね。中濃ソースがなくても、ほかの材料で作れるレシピを紹介します。
中濃ソースをウスターソースととんかつソースで代用
中濃ソースはないけど、ウスターソースととんかつソースがあれば、簡単に中濃ソースが作れます。中濃ソースは、ウスターソースととんかつソースの中間にあたるものなので、ウスターソースととんかつソースを同じ割合で混ぜるだけ。少しスパイシーで甘く、とろっとした中濃ソースが出来上がります。
中濃ソースをお好みソースで代用する方法
ウスターソースもとんかつソースもないけど、お好みソースならあるという場合は、お好みソースに調味料を足せば代用できます。
お好みソースは中濃ソースよりもとろみと甘みが強いので、ケチャップとお酢を混ぜて調整します。ケチャップとお酢の酸味でお好みソースの甘みが抑えられ、中濃ソースの味に近づけることができます。
中濃ソースをウスターソースで代用する方法
中濃ソースをウスターソースで代用する時は、ウスターソースにケチャップと砂糖を混ぜ合わせます。ウスターソースにケチャップだけを混ぜると酸味が強くなってしまうので、砂糖を加えるとちょうど良い味になります。
ウスターソースとケチャップは、ただ混ぜ合わせるだけではとろみがつかないので、フライパンに入れて弱火でゆっくり混ぜるのがおすすめ。トロっとした中濃ソースのように食感になります。
中濃ソースは万能ソース
一見同じように見える、ウスターソース、中濃ソース、とんかつソース。この3種類のソースには、それぞれ味や食感に違いがあることがわかりました。中濃ソースは、あっさりスパイシーなウスターソースと、甘くてとろみのあるとんかつソースのいいところを両方合わせ持つ万能ソース。いろんなお料理に使えて大活躍です。
違いを知ってソースを使ってみると、また新しい発見があるかもしれません。今まで食べたことのないソースを使ってみると、同じお料理もまた違った味で楽しめそうですね。