2018年06月11日公開
2024年07月17日更新
ターメリックパウダーの効能を調査!使い方とウコンとの違いも!
ターメリックと言えば、インドカレーに使われている黄色いパウダー状のスパイスくらいのことは、ほとんどの人が知ってるのではないでしょうか?ターメリックとウコンが同じと聞いたことがるけれど、本当に同じなのか?ウコンとの違いは何なのか?また、インドの家庭には必ずあるターメリックの使い方や、効果・効能や、ウコンの効果・効能との違いは何か?ターメリックに驚くほど多くの効能がり、世界でも注目されていることなど紹介します。
目次
ターメリックとは?
ターメリックは日本で言うところの、ウコンをパウダー状にしたもののことで、紀元前から栽培されていたようです。インドで、アーリア族という遊牧民に発見され、その太陽に似た色から、儀式や供え物の着色としての使い方をされており、神聖なものとして扱われていたようです。
ターメリックと言えばインドカレー?
ターメリックと聞いて真っ先に連想するのが、インドのカレーです。朝から晩まで、365日ほぼカレーを食べ続けるインドの食文化ですが、日本のカレーをイメージして365日カレーを食べる生活を想像すると、あり得ない食生活です。ですが、インドのカレーは、食材に合わせてスパイスの組合を何百通りも配合する使い方で調理され、家庭によっても味が違います。
カレーだけでも、どのくらいの種類があるか数えきれない程なのです。ですから、インドの女性は、365日違う種類のカレーを作ることが出来るそうで、インドカレーと一言で語れないほどなのです。北のインドカレーはガラムマサラ、ターメリック、カルダモン、クミンなどを主にした使い方で、ミルクやバター、カシューナッツを使った濃厚なカレーが多いようです。
一方、南インドのカレーは、シャバシャバしており、マスタードシード、カレーリーフ、レッドペッパーなどとココナッツミルクやタマリンドというフルーツをなどを組み合わせた使い方で作られます。寒い北インドでは、鶏やマトンなどと牛乳や生クリームなどの動物性乳製品などで脂肪を蓄えられ、寒さに対して向いているカレーが主流となったと考えられます。
南インドは、暑さで食欲が減退してしまうので、水分の多い、スパイスや酸味、辛さを利かせたカレーで食欲増進をうながし、魚介類や豆を主としてあっさりとしたカレーが主流となったと、考えられます。また、ナンは北インドで主食として食べられているものですが、南インドでは河川が多く豊かな水源がるので、稲作に適しておりお米が主食となっています。
ざっと説明しただけでも、日本人のインドカレーに対するイメージがいかに偏ったものか、お判りいただけたでしょうか?インド料理は、ターメリックパウダーやガラムマサラなどのスパイスを効果的な使い方で調理し、数えきれない程の種類のカレーが存在するのです。
ターメリックの効能ヨーロッパでの使用
サッカー選手にも推奨されるターメリックの効能
ターメリックパウダーは、ヨーロッパのプロサッカーチームでも公式に使われているそうです。スポーツの後の筋肉疲労にも効能があり、機能を向上させることが研究によって、証明されているからです。バルセロナの研究センターは、筋肉の抗炎症薬として使用されていた今までの薬品よりもターメリックパウダーの方が優れており、副作用が少ないと発表しました。
ターメリックパウダーが、関節の健康に強力な効能があり、長期的な使用でも分量を守れば、副作用の心配が少ないことで、医師も推奨しているそうです。このようにターメリックに注目が集まったきっかけは、ターメリックパウダーを多く摂取している国のスポーツ選手が関節のトラブルの確率が低いことから科学者たちが研究を始めたようです。
ターメリックのパウダーを取り入れることで関節炎やそれに関する科学経路とシグナル伝達機構を中断する作用があり、炎症の予防に効果があることが研究によってわかりました。この効能をサプリを飲むという使い方をすることで、関節だけでなく筋肉疲労の合併症の予防や医療薬として、ケンブリッジの研究者により開発されました。
日本へのターメリックの伝播
日本への伝播は、16世紀頃(室町時代)に中国から琉球王朝(現在の沖縄)へと伝わったとされているようです。琉球王朝では食品の着色料や薬として王朝専売品として貴重なもので、一般の人には栽培することさえ許されていなかったのです。1969年に薩摩藩の支配下になった琉球王朝から、染料や薬として日本全国に広まっていきました。
この琉球王朝でのターメリックが専売品となった経緯は、この後少し詳しく説明をしたいと思います。この時代には既にターメリックをパウダーとして薬としての使い方や、染料としての使い方も広まっていたこの二つの地域が日本にウコンを広めた発信源と言えます。いずれにしても琉球王朝と薩摩藩は、古くからウコン(ターメリック)にとても深く関わった地域のようです。
日本へのカレーの伝播
長い航海中に、イギリス人の船乗りがシチューを食べたいと考えましたが、シチューに必要な牛乳は日持ちがしません。そこで、シチューの代わりにカレーを使うようになりました。しかし、種類の多い香辛料をインド人のように、イギリス人に使い方が解らず、C&B社がスパイスを調合したカレー粉を、カレーパウダーとして商品化し、イギリス家庭に普及しました。
その後、小麦粉とバターの使い方の長けた、フランス料理のソースを重要視する食文化の影響を受けて、ルウを使いカレールーが誕生しました。明治の初期にイギリスから日本へ、イギリス料理として入ってきたようです。日本ではカレーをご飯にかけたカレーライスとして普及し、現在では子供の給食で人気のメニューとして常に上位に並んでいる国民食となりました。
ウコンとターメリックは基本的に同じですが、ウコンからターメリックが作られるので全く同じかというと、日本でウコンとして販売されている健康食品であるウコンには、ターメリックと違う種類のウコンも使用されていることが多いので、効果効能に違いが出てくる可能性もあるので、同じとは言えません。
ターメリックの効果・効能
ターメリックのクルクミンの効能
ターメリックパウダーは、秋ウコンから作られますが、ポリフェノールの一つであるクルクミンの量が春ウコンに比べると、5~10倍とのことです。抗酸化作用や胆汁分泌促進、胃の健康、肝機能の向上、解毒作用、消炎や鎮痛作用などの効能があります。この効能を利用した使い方をしている代表と言えるのが、アーユルヴェーダです。
クルクミンの効能の中の肝機能の向上効果によって、二日酔いが防止されるので、お酒を飲む前に服用するウコン(ターメリック)の商品があるのを、みなさんもご存知でしょう。更に、抗酸化作用によって、活性酸素の抑制がされ、免疫機能の改善もされるので、シミやしわ、くすみの改善やハリのある肌になる美容の効果効能も期待できます。
そして、最近の研究によりクルクミンがアルツハイマー病の改善に効果があることが確認されました。これは、クルクミンがアルツハイマー病を引き起こす物質に、働きかけることによる効能だそうです。実際にインドでは、アルツハイマー病に罹る確率が低いという統計結果もあります。アーユルヴェーダの効果でしょうか?
ターメリックの効能は過剰摂取をすると得られない
注意すべき点もあります。どの食品にも言えることですが、過剰摂取による副作用です。肝臓の機能を助ける効能があるターメリックですが、摂り過ぎると肝機能に負担がかかる可能性があるので、沢山摂取したからといって効能が多く得られるものではありませんので、一日の摂取量の上限など、使い方に気を付けましょう。
ターメリックの用途
伝統医学アーユルヴェーダとターメリックの効能
アーユルヴェーダとは、インドの伝統的医学で世界三大伝統医学の一つです。病気を治すというものではなく、日ごろから健康を作ると考えたほうが、分かり易いでしょう。アーユルヴェーダの重要な要素がドーシャというもので、ヴァータ・ピッタ・カパという三つの、人に宿るエネルギのようなものです。人は三つのエネルギーのバランスが崩れると悪くなるのです。
また元々の体質が、三つのどれが増えやすい体質かを分類して対応をします。この三つのドーシャと自然界の5元素である地、水、火、風、空との組み合わせの割合でドーシャを見極めます。それをベースにパンチャカルマ(新進浄化法)、食事療法、ハーブ、ライフスタイルの改善、瞑想、ヨーガなどがアーユルヴェーダのバランス法の基礎となります。
人は生まれ持ったドーシャのタイプと、生活習慣による体質のタイプとがあり、足りないところを補い、バランスを取っていくことが大切なのです。バランスに影響を与えると言われる4つの要素は、時間・日常生活・場所・天体だそうです。一日の中でもヴァータ・ピッタ・カパのそれぞれが優位に働く時間が変わるので、それに応じて過ごし方が決められています。
概略だけ説明しても、これだけ長くなってしまう程、奥の深いアーユルヴェーダでターメリックは、代表的な薬の一つです。殺菌と解毒の作用が強いので、皮膚の清潔を保ったり余計な脂を取り除く効能を得るために、水で溶いたターメリックでパックする使い方があります。乾燥肌の人は、ターメリックとアーモンドフレークと牛乳の膜を混ぜてパックをするとよいようです。
また、ターメリックはケガをした際に傷口に塗布しますが、鎮痛作用と殺菌、解毒作用の効能を利用した使い方です。インドではヒンドゥー教の儀式にターメリックが使われたり、悪い物を取り去る象徴としてしての使い方もあります。地中で大地のエネルギーを持ったターメリックは根源のエネルギーであるシャクティの象徴です。
食品の着色料として使われるターメリック
ターメリックパウダーは、料理に黄色い色を着色するための使い方が多いスパイスです。カレーに使う米を炊くときにターメリックパウダーを使って、ターメリックライスを作ります。
昔、アメリカのデンバーに移民した日本人が、たくあんを食べたいあまりに、大根のピクルスにターメリックパウダーで色を付け、たくあんの代わりに食べたのですが、現在ではそのたくあんの様なピクルスが、デンバー漬けという名前で伝えられているそうです。
ウコン(ターメリック)の種類によって成分や効能が違う
ウコンの種類は50種類以上あり、大きく分けると、春ウコン・秋ウコン(キョウオウ)・紫ウコン(ガジュツ)の三つです。ショウガ科ウコン属の多年草で、英語名をターメリックと言います。春ウコンのことをワイルドターメリックと呼び、秋ウコンのことをターメリックと呼びます。
春ウコン(ワイルドターメリック)の特徴と効能
春ウコンの正式名称は、キョウオウです。漢字では姜黄と書き、強い苦みや辛さがあります。食用に不向きなため、健康食品に使われているのは、この春ウコンの方です。秋ウコンに比べ、クルクミンは少ないですが、シネオール、ターメロン、カンファー、アズレンなど100種以上の精油成分が含まれています。
春ウコンの精油成分は、癌の抑制、コレステロールの分解、動脈硬化の予防にたいしての効能があり、秋ウコンには無い効能です。その他に春ウコンには、豊富な食物繊維が含まれており、研究が進められているようです。
春ウコンのその他の成分は、骨粗鬆症の予防に対する効能や高血圧の予防をする効能、更にイライラの解消したり、大腸がんの発症リスクを下げる効能のあるカルシウムも含まれています。それから、むくみの解消の為にナトリウムの排泄をうながす効能があるカリウムも含有しています。
出典: http://dxxw2.xyz
他には、カルシウムと結合して、骨や歯を作ったり、糖質代謝を促す効能のあるリンも含み、血を作るのに重要な鉄、体内の酵素反応に密接に関係し筋肉の収縮、体温調整、血糖値の調整などの効能があるマグネシウムなど多くの、効果効能のある成分を含んでいます。
秋ウコン(ターメリック)の特徴と効能
秋ウコンの正式名称は鬱金と書きます。英語名がターメリックで、いわゆるターメリックパウダーで、料理やインドで使われるターメリックパウダーもこの秋ウコンの方です。クルクミンが春ウコンの10倍以上含まれている秋ウコンは、健康維持に効能がありますが、体が弱っている人が飲むと、肝臓に負担をかけるので使い方には十分注意が必要です。
カレーの黄色い色は、このターメリックの色によるもので、ターメリックにはポリフェノールの一種です。見た目は春ウコンとあまり違いがありませんが、中身が濃い橙色で苦みもありません。クルクミンは脂溶性なので、油と一緒に摂取した方が吸収されやすくなります。
ウコンとターメリックの違い
日本で認識しているウコンについて
前述したように、私たち日本人がターメリックパウダーとして知っているのは、秋ウコンだとういうことを、わかっていただけたかと思います。春ウコンと秋ウコンは、成分も大きく違い、その為に効能も全く違います。インドでは、ターメリックとして食品の色付けや、悪いものを取り除く神聖なものとしての使い方をされており、アーユルヴェーダには欠かせな薬です。
では、日本でウコンと言うと、秋ウコンもウコンの中に入っています。その他にウコンには多数の種類がありますが、どのようなものがあるのか、調べてみましょう。日本にウコン(ターメリック)が伝播したのは、琉球王朝からということですので、現在の琉球王朝つまり沖縄ではウコン(ターメリック)をどのように認識しているのでしょうか?
沖縄でのウコンの歴史と種類や効能
ウコンの効能に翻弄された琉球
平安時代に中国から琉球王朝に伝わったウコンは、16世紀後半の薩摩藩による侵略により、降伏を余儀なくされたため、財政も困窮し悪化の一途をたどったそうでうす。そうした中で琉球王朝は、ウコンを専売品にすることを考案しました。その時は既に、ウコンは優れた薬効を持っていることと、染料としての使い方も広く知れ渡っていたのです。
もともと琉球の農民と薩摩商人の間で直接に取引されていたウコンですが、琉球王朝が専売品にし、薩摩藩に売れば大きな利益を得られると考察し、1646年から専売が始まりました。そうして、ウコンの価格は、高額で取引されるようになり、琉球王朝の収益として大いに役立ちました。
ウコン(ターメリック)の効能は世界中で認識されていた
インドのアーユルヴェーダでの血液浄化や健胃の効果が記載された紀元前600年の古典文献や、霊芝や高麗人参と共に、上薬として分類されていた中国最古の医学書など、ウコン(ターメリック)の効能は、古代から認識され珍重され続けています。今もなお、ウコン(ターメリック)の効能について、世界中で研究が続いています。
出典: https://latte.la
さて、ウコンの種類ですが、先ほど紹介した春ウコンと秋ウコンの他に、紫ウコンがあり、日本ではこの3つが、その成分や効能に応じて使用目的を買えて流通しているようです。しかし、正式名称でウコンという名がついているのは秋ウコンで、ターメリックのことです。春ウコンの正式名称はキョウオウで、紫(クロ)ウコンの正式名称はガジュツです。
3つのウコンと呼ばれる春ウコン、秋ウコン、紫ウコンの特徴ですが、秋ウコンと紫ウコンは同じショウガ科ですが、春ウコンはキョウオウ科です。秋ウコンは秋に花を咲かせ、紫ウコンは晩秋に花を咲かせます。そして春ウコンは春に花を咲かせます。花を咲かせる季節によって名前がつけられたようです。
秋ウコンの断面は濃いオレンジ色で、主な効能は肝臓に良いことです。春ウコンは断面が薄い黄色で、強烈な苦みと精油成分の含有が特徴です。紫ウコンは断面が紫がかった白色で精油成分が豊富に含まれているのが特徴です。
ウコンとターメリックそれぞれの効果・効能
ターメリックとウコンは、同じようで種類によって効果・効能が違うことがわかりました。秋ウコンがターメリックということを頭に入れながら、ウコンとターメリックの効果・効能のおさらいをしましょう。
ターメリック(秋ウコン)の効能
日本でウコンと言えば、お酒の前に飲む商品を思い出すことからもわかるように、秋ウコン(ターメリック)に含まれる、クルクミンという成分の効能のことです。しかし、ターメリックの効能は、それだけではありません。
春ウコンの効能
沖縄で古くから栽培されてきたのが、この春ウコンで、ターメリックパウダーと同じように、春ウコンの根茎を乾燥させパウダー状にして経口摂取されます。免疫力が極めて高く、糖尿病やガンなどを改善させる効能があります。春ウコンにも秋ウコンほどではありませんが、クルクミンが含まれており、肝臓の働きを助けますし、胆汁の分泌を促す効能もあります。
そして、抗酸化作用や免疫力を高める力、粘膜や目の病気の予防、アンチエイジング効果やストレスを緩和させたり血液をサラサラにするフラボノイドも含まれています。そして、胃液のペプシンを抑える働きを持ち、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療薬にも使われているアズノンという成分も含みます。
更に、健胃作用や殺菌作用、防腐作用に大変優れたシオネールと、神経の興奮を抑える作用と強心作用がある精油成分であるカンファーも含まれています。カンファーの和名は樟脳(しょうのう)で、衣類の防虫剤などとして馴染みのある匂いと言えば分かり易いと思います。
ターメリックの使い方
ターメリックライスの作り方
3合のお米を水を入れて20~30分置きます。炊飯器のスイッチを入れる直前に、ターメリックパウダー小さじ2分の1を入れて、米とターメリックを混ぜスイッチを入れます。ターメリックライスの量は、色の濃い薄いや好みで、米3合に対して小さじ4分の1~小さじ1の間で、調整してくださし。
ターメリックライスを炊く時に少しバターを入れると、風味と味とコクがついて美味しくなります。オリーブオイルと塩を入れて炊くのもおすすめします。
ターメリックミルクの作り方
ターメリックミルクを飲むことで、生活習慣病の予防や、二日酔い予防、美肌効果または、便秘解消やダイエット効果、胃を守る効果などがありまし、手軽にターメリックを摂取しやすい方法なので、是非作って習慣にしてみてください。
鍋にターメリック4分の1カップとミネラルウォーター2分の1カップを入れて、中火で10分混ぜます。これでターメリックのペーストが完成です。冷蔵庫で3週間は保存できます。このペーストを小さじ1杯、温めたミルクに溶かしたらターメリックミルクが出来ます。好みで、ココナッツオイルや蜂蜜、ショウガ汁、黒胡椒などを入れてもおすすめです。
ターメリックの効能を知って上手に使おう!
ターメリックの効能とウコンの効能をそれぞれ調べていくうちに、ウコンにもいくつか種類があることがわかりました。ターメリックもウコンの中の秋ウコンで、沢山の効能がありました。料理の着色だけでなく、インドのアーユルヴェーダで取り入れられているターメリックの使い方など、日常にも取り入れられそうなことも分かりました。
ターメリックはパウダー状で、保存もしやすく、使いやすいので色々な料理に使えます。1日の摂取量を守って、上手に取り入れてみて下さい。