玉ねぎを切ると涙が出る理由・原因を調査!その成分と出ない切り方!
みなさんは玉ねぎを切っていて涙が止まらなくなった経験はありますか?おそらく殆どの人がそうだと思いますが、鼻がツーンとくる刺激と涙をボロボロ出しながら玉ねぎを切るのは結構辛く、しかも玉ねぎは常備菜としても頻繁に調理する野菜だからこそ、涙を止める方法があればぜひ活用したいものです。いったい涙を出す成分は何でしょうか?今回は玉ねぎを切ると涙が出る原因や対処法を調査します!
目次
玉ねぎを切ると出る涙は防げないの?
玉ねぎはユリ科の多年草で、味に独特の辛味や甘みが有る野菜です。切り方で味も変わるのでカレーや肉じゃが、ハンバーグや野菜炒めなど他多数のお料理に使えます。外側の薄茶色の皮を剥いでも涙は出ず、なぜか玉ねぎ自身を切ると涙が止まらなくなりますが、そもそも日々の調理で玉ねぎを切る度に辛い思いを何故しなくてはいけないのでしょうか?
涙がでない裏技・珍技もあるようですが、果たして本当に効果はあるのか興味深い所です。あの刺激はどこから来て、何故眼と鼻を刺激するのか、その成分は?または切り方や処理の仕方で違うのかなど、色々と探求したいと思います。
玉ねぎを切ると涙が出る原因は何?
玉ねぎを切ると涙がでる理由は、生の玉ねぎを切って細胞が壊れた時に、玉ねぎに含まれるアミノ酸が酵素と反応します。そして涙が出る原因となる硫化アリルという物質が発生し、気化した硫化アリルが目や鼻から入り刺激して粘膜を守ろうとして涙がでます。硫化アリルは、ユリ科の植物にある成分でにんにくなどにも含まれています。
玉ねぎを切った時に涙を出す成分「硫化アリル」効用
硫化アリルという物質自体は身体にとって色々な良い面があり、疲労回復・消化液の分泌を助ける・血栓を防ぐ・コレステロールの増加を抑える・ビタミンB1の吸収を助け活性化・免疫力や新陳代謝の向上などの効用があります。「血液さらさら」とメディアにも頻繁に取り上げられていました。
玉ねぎを切った時に涙を出す成分と「玉ねぎアレルギー」
反面、涙などがでる刺激以外のデメリットとして、生の玉ねぎに含まれる硫化アリルで「玉ねぎアレルギー」を起こす人も中にはいます。症状は頭痛・発熱・腹痛・めまい・動悸・吐き気・湿疹・下痢・嘔吐・触れた手が腫れるなどで、硫化アリルは他のユリ科ネギ属の植物にも含まれていますが、ニラやにんにくなどに含まれている硫化アリルとは種類が異なります。
ちなみに加熱した玉ねぎでアレルギーが起こる時は、ジアリルジスルフィド(二硫化アリル)が原因の可能性があり、これらは長ねぎやニラなどにも含まれています。
玉ねぎを切っても涙が出ない方法
涙が出ない玉ねぎの切り方は、「玉ねぎを冷やしてから切る」「玉ねぎを温めてから切る」「コンロのそばで切る」「扇風機や換気扇をまわしながら切る」「玉ねぎを水につけておいてから切る」「舌を上顎につけながら玉ねぎを切る」「すばやく切る」「ゴーグルをつけて切る」「コンタクトをつけたままで切る」「割り箸をくわえながら切る」「鼻にティッシュを詰めて切る」等など裏技から珍技まで色んなものがあるようです。
冷やす
玉ねぎを調理する1時間くらい前に冷蔵庫で冷して置いてから切ります。これは玉ねぎで涙がでる原因になっている揮発性の催涙性物質は温度が低い場合飛びにくいからです。
温める・火のそばで切る
玉ねぎにラップをして20秒ほどレンジで温めてから切ります。その理由は温めると硫化アリルは熱に弱いので刺激が弱まるからです。またはコンロなど火のそばで切っても同じ効果が得られます。
割り箸をくわえながら切る
「鼻にティッシュを詰めて切る」のと同様に、鼻呼吸を避けて口で息をしながら切る方法です。しかし、これを実際に実行しようとすると、一人ならともかくちょっと恥ずかしい気分になります。
扇風機や換気扇をまわしながら切る
扇風機や換気扇をまわしながら玉ねぎから出る硫化アリルを気化させます。卓上型の扇風機で直接催涙性物質を飛ばせば、より効果がありそうです。
水につけておいてから切る
皮をむいた玉ねぎを10分ほど水につけておいてから切ります。硫化アリルは水溶性なので成分が水に溶け出す事で刺激が少なくなるのが理由です。
舌を上顎につける
これも色んな所で紹介されている方法のようですが、理由や効果がよくわかりませんでした。口の中が乾くと涙を流せという命令よりも喉を潤す命令が打ち勝つ、または唾液が分泌されるので涙が出にくいという原理のようです。
メガネやゴーグルをつけて玉ねぎを切る
メガネをかけて玉ねぎを切るのは、硫化アリルの刺激が目に届かないようにメガネでガード、これも聞いたことのある方法です。しかしメガネの場合、隙間がある事や実際には涙を誘発する成分は鼻の奥へと入り込んで来るので直接の対策にはなりません。ゴーグルなら目に届く刺激成分は防げそうですが鼻から吸い込むものまでは防げません。でも鼻まで塞ぐタイプのものなら使えそうです。
似たようなパターンで、コンタクトをしたままで玉ねぎを切ると涙が出にくいようです。これも、目に直接刺激する成分は防げますが、鼻で吸い込めばやはり刺激を受けてしまいます。また、ハードコンタクトよりソフトコンタクトの方が効果があるようです。
ポイント
こんな風に色々なやり方がありますが、要は「硫化アリルを吸い込まないようにする」「硫化アリルの発生をできるだけ抑える」ことがポイントとなります。
涙が出ない切り方
玉ねぎを切る時の涙の原因である「硫化アリルの発生をできるだけ抑える」ことを考えるとしたら、なるべく玉ねぎを潰さないように切ることが必要です。つまり、切り口が出来るだけなめらかにする為に、包丁のもっとも良く切れる場所「包丁のスイートスポット」で切ります。包丁の真ん中より少し前の部分、この場所が包丁のスイートスポットです。
その包丁のスイートスポットを玉ねぎにあてたら、30°くらいの角度で、ノコギリで切る時みたいな感じで前後にスライドさせて細胞を潰さないように切るのがこつです。または包丁を使わずにスライサーを使うという方法もあります。
涙が出にくい「みじん切り」のこつ
玉ねぎの切り方の中でもっとも涙が出そうな切り方はみじん切りで、これもなるべく繊維を壊さないように素早く切るやり方を2例紹介します。
みじん切りのこつ(1)
玉ねぎを縦に半分に切ります。この時、根の部分は残したままの状態で、通常みじん切りをする場合と同じように縦に線を入れるように包丁を入れて行きます。そして、交差させて切っていきます。
みじん切りのこつ(2)
玉ねぎを横に半分に切ります。(この時に玉ねぎの芯を包丁の根元を使って取り除いておきます)切った部分を下にして、2~4mm幅に切っていきます。やりにくければ竹串を2本置いて(竹串の高さ分)浮かした状態で包丁を入れると玉ねぎがバラバラにならずに切れます。
この時、包丁は手前から奥へ大きく動かして切ると繊維を潰さずに切れるそうです。次に90度向きを変えて(竹串は外しても大丈夫)切って行きます。そして、粗い部分がなくなるように切っていき仕上げます。
玉ねぎを切っても涙が出ない人が居るのは何故?
玉ねぎのみじん切りを泣きながらやるのは本当に辛いですが、中には玉ねぎを切っても涙がでない人も実はいます。でもその理由が体質や年齢によるものと単純に解釈してしまうのは危険です。(年齢もある意味関係はしている場合もありますが)以前は玉ねぎを切ると目がしみて涙が出ていたのにいつの間にか何とも無くなったなどの場合、「ダークスポット」の可能性もあります。
ダークスポットとは、通常目の表面を涙の膜で守っている状態ですがその涙の膜に黒い筋が出来る症状です。この状態では黒目が露出しているので傷が付きやすくドライアイの原因にもなります。ダークスポットは、加齢や目を酷使する生活が続くなどで涙腺の働きが悪くなる事でも起こりやすく、「玉ねぎを切っても不思議となんともなくなった」という人はダークスポットを疑ってみましょう。
切っても涙が出ない玉ねぎがあるって本当?
玉ねぎを切っても涙が出ない方法より、最初から涙が出ない玉ねぎがあればいいのにと考える人も多いでしょうが、すでに開発されています。ハウス食品が開発した「スマイルボール」は切る時に涙に悩まされない上に辛味がなく生で食べられる、遺伝子組み換えではない品種改良の玉ねぎです。生で食べられる玉ねぎはありますが、もっと味が濃く甘いようです。
また、「りんごのような歯ごたえ」らしく、ぜひ食べてみたいものですが、残念ながら秋くらいに地域も数量も限定での販売のようです。しかし毎年生産量を増やす予定らしく、身近で買えるようになるのもそう遠い日ではないのかもしれません。
玉ねぎを切ると涙が出る理由は身体に必要な反応
いかがでしたか?玉ねぎを切った時に涙が出るのには原因や理由があり、その成分は身体にとってとてもありがたいものでした。血液をさらさらにしてくれたり免疫力を上げてくれたりと、そう考えると今までとは見方も変わってきます。しかし原因がわかっても、やはり切る度に目がしみる苦痛は避けたいものです。
本当に様々な「玉ねぎを切ると出る涙を抑える」切り方や方法があり、その中で自分に効果のありそうな方法を試してみましょう。やはり、積極的に摂取したい野菜なので、少しでも楽な方法で楽しく調理しましょう。