にしんそばを徹底調査!京都の名物蕎麦の身欠きの食べ方や戻し方は?
にしんそばは、京都の名物の一つで、京都に来たら食べたい、京都にいるけど定期的に食べている人が多い人気の名物料理です。にしんそばはなぜ京都が有名で京都でよく食されているのかについて調べてみました。今回はにしんそばにまつわるお話しします。
にしんそばとは
にしんそばとは、和食の一種で京都が有名です。明治時代に「松葉」の2代目である松野という人物によって発案された商品です。当時、京都の人々にとって、「身欠きにしん」は重要なタンパク源でした。このタンパク源である「身欠きにしん」を蕎麦になんとかして使えないかと考えて作られたことがにしんそばの発祥とされています。そのため、にしんそばの発祥の地は、京都とされています。
にしんそばは、タンパク質、ビタミンやミネラルのバランスがとれた食材で蕎麦と合わせることでさらに栄養バランスがしっかりとした食べ物となります。このにしんそばは、京都市内外で瞬く間に広がり、京都民に愛される食となりました。ただ、にしんそばは、京都ともう一つ有名な場所があります。それは北海道です。
北海道のにしんそばとの違い
もともと北海道の江差町でにしんの漁が盛んでした。ここで取れたにしんを日干しして干物にしたものを身欠きにしんと呼び、この身欠きにしんを当時江差町から京都へ運ばれたことで京都のにしんそばが生まれるきっかけとなりました。もちろん北海道でも江差町を中心ににしんそばは、食されていて名物ともなっています。
では、北海道のにしんそばと京都のにしんそばは、どう違うのかというと、北海道のにしんそばも京都のにしんそばも身欠きにしんの甘露煮を蕎麦にトッピングすることは違いありませんが、蕎麦の出汁が、京都は関西の薄味の出汁に対して、北海道は関東の濃い出汁になります。
身欠きにしんとは
身欠きにしんとは、ざっくり言えばにしんの干物です。にしん漁が盛んだった当時は、冷凍技術が発達していなかったため、生のにしんは日持ちせず、保存が効きませんでした。そのため、内臓などを取り出し、乾燥させて干物に加工することで全国に流通させることができたためとされています。
身欠きにしんの名前の由来は、干物を戻した時に身が取れやすくなることからつけられた俗称で、本来は「磨きにしん」が正しいのですが、どこかで誤って「身欠きにしん」と表記されたことと本来の名称である「磨きにしん」より「身欠きにしん」という名称が広まったことが由来とされています。
身欠きにしんの戻し方とは
身欠きにしんは、干物ですので買ってそのまま食べるのでは美味しく頂くことは出来ません。そのため、身欠きにしんを下ごしらえするのですが、そのまま食べれない理由は、独特の臭みがあるためです。身欠きにしんを下ごしらえして調理に使える状態にすることを「戻す」と言います。身欠きにしんの戻し方は、いくつかあるようですが、最もメジャーな方法は、米のとぎ汁を使った戻し方です。
米のとぎ汁を使った戻し方
まず、なぜ米のとぎ汁なのかについてですが、にしんは非常に脂が多い魚です。そのため、身欠きにしんにした場合、この脂が酸化して独特の臭いや渋みなどが生まれます。生で食べたとしてもにしんは非常に脂が多い魚とわかります。そのため、水で戻したところでこの独特の臭いや渋みは消えません。身欠きにしんには戻し方のコツがあるので紹介します。
このにしんを戻すために当時の人達が考え出したのが米のとぎ汁を使うことでした。米のとぎ汁には、にしんに含まれる脂を分解させる効果があり、米のとぎ汁につけて身欠きにしんを戻すことで独特の臭いや渋みが取り除かれます。
米のとぎ汁を使った戻し方は、身欠きにしんを米のとぎ汁に一晩漬けるだけでいいのでそこまで手間はかかりません。人によっては2日以上漬ける人もいますし、最近は、身欠きにしんよりソフトにしんが流通しています。ソフトにしんの戻し方は、米のとぎ汁に半日つけておけば臭いや渋みはとれます。もし、米のとぎ汁がない場合は、米ぬかを水に溶かしてから身欠きにしんをつけても米のとぎ汁と同じように臭いや渋みは取り除けます。
にしんそばの食べ方
和食であるにしんそばですが、一部の地域でしか食されていないため、日本人であっても意外と食べ方がわからず、北海道や京都へ旅行に行ったから名物を食べてみようとオーダーしたところで実際ににしんがどんと乗ったそばが出てきたら食べ方がわかりづらいと思います。ただ、にしんそばの食べ方は至ってシンプルです。
にしんそばの食べ方は、まず、にしんをそばの出汁につけます。これは、にしんそばのにしんが甘露煮にされてそばにトッピングされているため、甘露煮の甘いタレをそばの出汁に馴染ませます。にしんを出汁につけるのにはもう一つの効果があるとされています。それは、にしんの最後の生臭さを取り除く意味もあるとされています。あとは、にしんとそばを交互に楽しむだけです。
にしんそばが食べれる京都のおすすめスポット
京都にはもちろんにしんそばがおすすめのスポットが色々あります。にしんそば発祥のお店とされている松葉はもちろんですが、その他にも美味しいお店がたくさんあります。ここでは、おすすめのお店を厳選して紹介します。
にしんそばおすすめのお店in京都:松葉
にしんそば発祥のお店、京都の松葉は、京阪電鉄祇園四条駅から徒歩5分ほどの場所にあります。甘露煮にしたにしんの甘いタレとあたたかい蕎麦の相性は抜群です。関西の薄い出汁に浸した濃い甘露煮のタレがじわじわとそばに染み渡ります。
お店の営業は、11:30〜20:30です。開店当時は、お昼の時間帯なので観光客や常連客で混雑が予想されます。お店へ行く際は遅めのお昼か開店と同時に入店するのがおすすめです。平日の火曜日が毎週定休なのでお店へ行く前に曜日チェックは必須です。
にしんそばおすすめのお店in京都:やぐ羅本店
松葉に負けじと劣らないのが、やぐ羅本店です。創業が明治33年と老舗中の老舗です。京阪電鉄祇園四条駅から徒歩2分ほどの場所にあり、松葉からも比較的近いところにお店を構えています。甘露煮の味がしっかりと味付けされており、蕎麦と出汁との相性が最高です。やぐ羅の特徴は、蕎麦の配合をにしんの甘露煮に合うように配合されていることです。出汁も毎朝厳選した食材から炊きだし抽出しているこだわりようです。
お店の営業時間は、11:30〜21:00です。開店当初は、観光客や常連客で賑わうため、混雑を避けたい人は遅めの入店か開店と同時に入店することをおすすめします。また、定休日が決まっておらず、不定休のため、来店前にHPなどで当日の営業状況をチェックしておくとベターです。やぐ羅は、他の和食も有名で人気です。にしんそばだけでなく他の和食も外れなく楽しめます。
にしんそばおすすめのお店in京都:かく谷
かく谷は、松葉と同じようににしんそば発祥のお店を謳っているもう一つの有名なにしんそば屋です。ただ、ここのにしん棒を他のお店が仕入れてにしんそばにして提供するくらいにしん棒も有名です。しっかりと出汁にじわじわ染みていくにしんのエキスと蕎麦と出汁の相性が抜群です。
お店の営業時間は、ちょっと特殊ですが、朝7:00〜9:30、昼11:00〜15:00、夜17:00〜19:30と珍しい三部制の営業時間です。定休日は日曜日なので休日にかく谷のにしんそばを楽しみたいなら日曜を避けて来店してみて下さい。また、かく谷は、にしんそば以外の和食も有名です。特にうどんやお昼の和食定食系はにしんそば同様人気です。来店の際はチェックしてみて下さい。
にしんそばについてのまとめ
いかがでしたでしょうか?京都は、和の文化のイメージが強く、和食と一括りにした懐石料理の印象があるかと思います。京都は、懐石料理以外にも有名な和食があり、にしんそばは京都の有名な和食の一つです。ただ、食べられている地域が京都に限られるので知っているようであまり知られてなかったりします。京都市内外を中心に元々食べられている料理なので関西近辺は馴染みがありますが、にしんそば屋は、京都市内が中心です。
今回、紹介したにしんそばの食べ方や身欠きにしんの戻し方を参考にして下さい。にしんそばは、自宅でも一手間かけて作れる和食です。身欠きにしんを使って作るのが元祖ですが、最近は、ソフトにしんが主流ですのでソフトにしんを使ってにしんそばを作ったら身欠きにしんより手間が少なくてすみますので試してみて下さい。
京都のおすすめのにしんそばを提供しているお店は、にしんそばに興味を持ってくれたなら絶対に外せないお店です。観光名所を巡ったついでに京都の名物にしんそばを楽しんで下さい。以上、にしんそばを徹底調査!京都の名物蕎麦の身欠きの食べ方や戻し方は?でした。