梟書茶房はドトールの新業態？池袋に誕生した話題のブックカフェまとめ

梟書茶房は、大手コーヒーチェーンであるドトールコーヒーが池袋に出店したブックカフェです。2017年6月、Esola池袋の4階にオープンしました。オープン当初から各種メディアで話題となり、最近では休日になると終日席が埋まっているという人気店になっています。

待ち合わせの定番スポット、池袋駅東口にあるいけふくろう像をはじめ、他にも駅構内に隠れフクロウが潜んでいたり、ふくろうを模したデザインのフクロウ交番があったり、公園には高確率でふくろうの像があったりと、ふくろうは池袋のシンボル的存在。その名を冠した梟書茶房は池袋の新名所と言えるでしょう。

梟書茶房はその名の通り、書房と茶房を一体化させたブックカフェです。発起人である、ドトールコーヒーの”珈琲賢人”菅野眞博さんがブレンドするコーヒーと、かもめブックス店主の”ブックマスター”柳下恭平さんが厳選する本、この2つの出合いをコンセプトに作られたこだわりの空間になっています。

梟書茶房にはなんと3,000冊もの蔵書があります。このうち、2,000冊は実際に購入でき、1,000冊は店内で珈琲や食事を楽しみながら読めるようになっています。この蔵書をセレクトしているのが、梟書茶房誕生の立役者の一人である柳下恭平さんです。柳下さんは、神楽坂の書店「かもめブックス」の店主でもあり、その選書のセンスには定評があります。

柳下恭平さんは、書籍校閲を専門に行う株式会社鷗来堂の代表であり、その数軒先にある書店がかもめブックスです。長年出版業界に身を置いてきた経験から、不況と言われる業界の活性化を目指してユニークな試みを行っていることで知られ、最近ではテレビにも引っ張りだこ。梟書茶房は、そんな柳下さんが立ち上げたエディトリアル・ジェットセットというチームのプロジェクトの一つなのです。

蔦屋書店など、カフェと書店が一体になったブックカフェは最近の流行の一つですが、梟書茶房でも本を買うことができます。梟書茶房が他と違うのは、その販売している本。柳下さんがおすすめしたいと厳選した2,000冊が棚に並んでいるのですが、なんと全て表紙が見えないように全て袋とじになっており、タイトル・著者名が隠されているのです。

本を選ぶヒントは、あおりに書かれた紹介文。柳下さんによる本の感想とおすすめの理由です。本を読む人が少なくなったと言われる今、普段本を読まない人にいかにして本を手に取ってもらえるか。そんな思いから、一般的な書店とは違う本との出会いを提供しているのです。ちなみに"ふくろ"綴じにしているのは、店名の梟書茶房の"ふくろう"と掛けたダジャレなのだそうです。こんなところにも柳下さんのユーモアが感じられます。

梟書茶房での出会えるのは素敵な本の他にもう一つあります。それが、サイフォンで淹れるこだわりの美味しい珈琲です。日本スペシャルティコーヒー協会副会長であり、コーヒーマイスターに資格ももつドトールコーヒーの菅野眞博さんが監修しており、通常のドトールの店舗とは違う珈琲豆を使用しています。看板メニューは、菅野さん自ら開発した「梟ブレンド」。ダークチョコレートのような深いコクが特徴の珈琲です。

菅野さんはドトールコーヒーの取締役でもあり、1979年の入社以来、一貫して珈琲に携わっているコーヒースペシャリストです。星野珈琲などの新業態も手掛けてきた菅野さんは、Esola池袋にドトールの新店舗をオープンするにあたり、ほぼワンフロア丸々使える広いスペースを見て、通常のドトールではもったいないと考え、梟書茶房が誕生したのだそう。梟書茶房には菅野さんのこだわりが詰まっています。

梟書茶房のブックマスターである柳下さんがセレクトした一冊の本と、それに合わせてコーヒーマイスター菅野さんがブレンドした珈琲がセットになったメニューです。”本と珈琲の出合い”という梟書茶房のコンセプトを体現したメニューと言えます。数量限定で、月に一度くらいのペースで内容が変わりますが、第1弾はあまりの売れ行きに予定よりも早くなくなってしまったというほどの人気ぶり。

本と珈琲のセットは、第一弾が「孤独」、第二弾が「偏愛」と言ったように、毎回テーマが設定されています。テーマに沿って柳下さんが選書し、それに合わせてコーヒーをブレンドするというパターンが基本ですが、逆に菅野さんがどうしても飲んでもらいたいというコーヒーに対して本を選ぶこともあります。お二人の思いが詰まったセットは数量限定ですので、気になる人はこまめにチェックすることをおすすめします。

Esola池袋4階のワンフロアを贅沢に使った広々とした店内は、コンセプトや用途の異なる6つのエリアから構成されています。

梟書茶房の目玉とも言えるふくろう文庫を販売するコーナーです。エレベーターを降りてすぐの店内入り口に、タイトル・著者名が伏せられた袋とじの文庫がズラッと並ぶ本棚は他では見られない光景でしょう。あおり文をじっくり見ながら選ぶのもいいですが、1冊ごとに振られた番号を見て直観でチョイスするのもおすすめ。これまでにない本との出会いに胸がときめきます。ユニークかつ素敵な装丁で、プレゼントにも最適です。

シークレットな本屋さんを抜けて、カフェスペースに入ってすぐにあるのがラウンジです。豪華なシャンデリアとアンティーク調の調度品で揃えられた空間は、まるで一流ホテルのよう。テーブル席とソファ席があり、落ち着いて食事やお茶を楽しめるエリアです。

ラウンジエリアの向こう、店内奥の窓際には図書エリアがあります。こちらの本棚には柳下さんがセレクトした本が置かれており、二人掛けのカウンター席に座ってゆったり読むことができます。静かに本に没頭したいときにおすすめです。

店内中央、コーヒーマイスターがサイフォンで珈琲を淹れるカウンターの向かいに位置するのがアカデミックエリア。学校の図書館をイメージしたという席は、向かい側とは高い衝立で仕切られており、一人でじっくり本と向き合うことができます。天板の一部がガラス張りになっているテーブルの下には、柳下さんが選んだ本。偶然座った席での素敵な本との出合いも楽しめるエリアです。

店内の最奥、テラスからの日差しが心地よいカフェスペースです。美味しい珈琲とスイーツに舌鼓を打ちながら、本の感想などおしゃべりを楽しむことができるエリアです。

森の部屋からテラスに出ることもできます。晴れた日には暖かい日差しの中で、珈琲を楽しむのも良し、読書に没頭するのも良しの緑溢れるくつろぎスペースです。喫煙もできます。

梟書茶房のメニューブックはまるで洋書のようなおしゃれな見た目です。ドトールが手掛けるだけあって、コーヒーや紅茶などのドリンクだけでなく、フードメニューも充実しています。

梟書茶房のシフォンケーキはブックカフェならではのユニークなかたち。ふわふわのシフォンケーキを本に見立てて、生クリームがサンドされています。人気のプレーン＆ストロベリーは、さらに大振りのいちごが挟んであり、添えられたカスタード風味のアングレーズソースをかけて頂きます。ふわっと感を出すために研究を重ねたという自慢のシフォンケーキを是非一度食べてみてください。

カフェスイーツの定番パンケーキですが、梟書茶房のものはスキレットで見事な焼き色がついたフォトジェニックな一品です。バターを溶かしながらたっぷりのメープルシロップをかけて頂きます。いくらでも食べられてしまいそうな美味しさです。

梟書茶房はとにかく世界観とコンセプトにこだわりが詰まったカフェです。インテリアや食器などはもちろんのこと、なんと伝票はアンティーク風のカギ。素敵な本とこだわりの珈琲でくつろぎつつも、どこか非日常の特別感も味わえます。

友人と楽しく、デートで恋人とおしゃれに、落ち着いて一人でまったり、そのときの用途や気分に合った席を選べる梟書茶房。二人の賢人がこだわった本と珈琲に合わせて、食事やスイーツも楽しむことのできる幅広いおすすめカフェです。池袋にお越しの際は、是非一度立ち寄ってその独特の世界観を味わってみて下さい。