ジップロックの再利用は衛生的に大丈夫?使い回す際の洗い方/乾かし方
ジップロックは密封性の高さと強い耐久性で、料理の冷蔵・冷凍保存のほか、小物の仕分け・収納にも便利な商品です。主婦の味方でもあるジップロックですが、一度で捨てるのは勿体無いから再利用したいと考えたことはありませんか?実際、一度で捨てるのは勿体無いと再利用している人も多いようなのですが衛生的にどうなのでしょうか?ジップロックの再利用はありなのか?衛生的に危険はないのか?再利用の場合の収納はどうすれば良いのか?について詳しく見ていきましょう。
目次
ジップロックを再利用する危険性
野菜や食材の鮮度を保つために、冷蔵・冷凍保存する時に必ずと行っていいほどお世話になるのがジップロックです。
直接食材を入れて浅漬けを作ったり下味をつけたり、食材以外の小物の仕分けや収納にと色々な使い方で家庭に浸透しています。皆さんはジップロックを一度使ったら捨ててしまいますか?再利用しますか?
しっかりした作りで一度使ったくらいで捨てるのは勿体無い気がするのですが、衛生面で危険はないのでしょうか?今回はジップロックの再利用の危険性について考えていきます。
製造メーカーは使い捨てを推奨
色々なシーンで大活躍のジップロックですが、再利用することに関しては製造メーカーの旭化成は「食品を入れる場合は衛生上使い捨てをお勧めしています。」とコメントしています。
やはり、製造メーカーとしては衛生上の問題からも再利用はすすめていません。再利用する場合は自己判断で行うことになります。
実際、ネット上でも「危険だから再利用しない」「洗えば綺麗になるから使える」「破れるまで使い回す」と意見は分かれます。メーカーは再利用を推奨していませんが、捨てるかどうかはそれぞれの価値観によって変わってきます。
サルモネラ菌の発生
ジップロックは袋状になっているため、丁寧に洗わないと雑菌が繁殖してしまいます。特に肉や魚などの生鮮食品を入れた場合、ドリップが付着するとサルモネラ菌などが発生し危険です。
丁寧に洗っても死滅しない菌もいるので、肉や魚を直接入れたものの再利用は衛生的にもやめたほうがいいです。
食中毒の危険性
サルモネラ菌以外にも食中毒の原因になる菌の発生には注意が必要です。肉、魚、以外にも野菜にも食中毒の原因となるセレウス菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌が発生する可能性があります。
これらの菌の中には加熱しても死なない菌もいます。きちんと洗ったつもりでも菌を完全に除去することは難しく、ジップロックを再利用する場合は衛生管理をきちんと行わないと危険です。
ジップロックを使い回す際の洗い方
一度使ったくらいではヘタレない丈夫なジップロックですが、もしも再利用する場合はどのように洗えばいいでしょうか?いくつかの方法があるので順番に見ていきましょう。
洗剤を使って洗う
出典: https://cakes.mu
一番オーソドックスで、皆さんやっているであろう方法は洗剤をつけて洗う方法です。まず、ジップロックに水と少しの洗剤を入れてよく振ります。これである程度の汚れは落ちますし、角にも洗剤が行き渡ります。
その後ジップロックをひっくり返し、食器を洗うのと同じように洗剤をつけて洗います。袋なので洗いにくいですが、角は汚れがたまりやすいので洗い残さないよう丁寧に洗いましょう。洗剤が残らないよう、すすぎも丁寧に行いましょう。
水に浸したあと洗剤で洗う
少し汚れがしつこいなと思ったら水に浸してから洗いましょう。水に浸して汚れを浮かせたら、通常通り洗剤をつけて丁寧にスポンジでこすり洗いします。
この時も角に気をつけて丁寧に洗い、すすぎもしっかり行います。ですが、長時間水につけておくと逆に雑菌が繁殖するので水につける時間には注意が必要です
炭酸セスキ水に浸した後洗剤で洗う
油汚れなど汚れが酷い場合は、セスキ炭酸ソーダを入れた水に5分ほどジップロックを浸してから通常通り洗剤で洗います。セスキ炭酸ソーダは油汚れやタンパク質汚れに強いためすっきりと汚れが落ちます。
そこまで汚れが酷くない場合は、セスキ炭酸ソーダと水をジップロックに入れて、きちんと密閉してシャカシャカ振ります。そこまで汚れが酷くなければ浸け置きしなくてもこれだけで汚れが落ちます。
しかし、そこまでして油汚れを落として再利用するのも賛否両論あると思います。通常の洗剤で落ちる汚れなら再利用する、セスキ炭酸ソーダを使ってもいいから再利用したいなど、線引きは各個人の判断次第になります。
食器洗浄機は使える?
ジップロックは食洗機には使えません。食洗機は食器なら綺麗に洗えますが、袋状のジップロックは隅々まで洗うことはできません。角や内部に汚れが残り、衛生的にも危険なのでやめましょう。また、食洗機のお湯は高温でジップロックが溶けて変形したり劣化する可能性もあります。
ジップロックを再利用する乾かし方
ジップロックを再利用する場合は、洗い方と同じように干し方も重要になってきます。せっかく綺麗に洗っても、干し方によっては雑菌が繁殖し衛生的に使えなくなります。どのような干し方があるのか、その一例を紹介します。
逆さに吊るして干す
ジップロックを綺麗に洗ったら、風通しのいい居場所で洗濯物と同じように干しましょう。ジップロックを再利用するには、綺麗に洗うのと同様、きちんと乾燥させることが大切になります。
水滴が残ることは雑菌が繁殖する原因になるので衛生的にもよくありません。なるべく空気が通るように、ジップロック同士がくっつかないように干しましょう。気が付いた時にひっくり返せば内側も早く乾きます。
拭く
ジップロックを干す時に逆さに吊るしてもなかなか乾きにくい場合があります。特に風通しの良くない室内に干すと、乾きにくく雑菌の繁殖が気になります。
そんな時はふきんで水分を拭き取りましょう。清潔なふきんを中に入れて水分を吸わせます。吸水性が良い吸水タオルを使えばあっという間に水分を吸ってくれます。角の水分もきちんとふき取るようにすれば、あっという間に乾燥させることができます。
もしも完全に拭き取れなくても、ふきんで拭いた後先ほど紹介したように干して乾燥させればあっという間に乾きます。ジップロックを再利用したいけどなかなか乾かなくて困っていた人は試してみてください。
ペットボトルやコップに立てて乾かす
乾燥させる時に干す場所がない場合は、コップやペットボトルなどにジップロックを被せて乾燥させる方法もあります。水筒やコップ置き、コップに菜箸を立てたものに被せたりして袋同士がくっつかないよう空間を開けるのがポイントです。
しかし、この方法はあまり効率よく乾かないようです。外側は乾きやすいのですが、内側はどうしても乾かないので適度にひっくり返す必要があります。冬など室内が暖房で乾燥していれば乾きやすいのですが、どうしても吊るして乾かすよりは時間がかかるようです。
軽く水を切って冷凍庫に入れる
ジップロックを乾かす方法でちょっと変わった裏技があります。それは、洗ったジップロックをそのまま冷凍庫に入れる方法です。洗って水滴がついたジップロックは特に拭き取るなどせず、そのまま冷凍庫にいれてしまいます。
そうすることで中の水滴が凍るので、使う時にシンクに氷を落とせばいいだけです。拭き取ったり干したりの手間は一切ない超簡単裏技です。ですが風通しのいいところでスッキリ干すのと違い、氷を払うといっても水分がどうしても残るので衛生面でも危険がないのか疑問は残ります。
ジップロックを再利用する収納方法
ジップロックを綺麗に洗い乾燥させたら、収納方法にも気を配りましょう。せっかく清潔に洗っても、収納がきちんとできなければまた汚れて清潔に使えなくなってしまいます。ジップロックを再利用する場合の収納アイデアをまとめたので参考にしてください。
空のティッシュボックス
ジップロックをスッキリ片付けることができるティッシュボックスは、100均で購入することができます。蓋をカポッと開けて中にジップロックを収納すれば、台所周りは片付き衛生面でも安心できます。
ボックスタイプ以外にも、布の吊り下げ式ティッシュケースにもジップロックを収納できます。吊り下げるよう持ち手が付いているので、冷蔵庫の横にマグネットなどで固定しておけば使い勝手もよく便利です。
同じく100均で購入できるレジ袋ストッカーにも収納できます。このように100均の収納用品を使えば、再利用したジップロックを清潔に保管することができます。
冷凍庫保存
先ほど紹介した冷凍庫で水分を凍らせて、使う時に氷を落とす方法を保管にも応用した収納方法です。収納と言えるかわかりませんが、どうせ冷凍で使うならそのまま冷凍庫へいれておけばいいという合理的な方法になっています。
冷凍庫は普段は食品をいれておく場所になります。ジップロックはかさばるものではありませんが、食品を出し入れする時に邪魔になったり使う時にスムーズに出し入れできないことも考えられます。
コップや半分に切った牛乳パックに立てる
コップや牛乳パックに立てて収納する方法は、しまいやすくて取り出しやすいとてもおすすめの方法です。牛乳パックは綺麗に洗ってから半分ほどに切って使います。牛乳パック以外にも、ジップロックが入っていた箱をそのまま切って収納に使っている人もいます。
立てて収納する方法はSNSでもとても人気のある方法で、みなさんそれぞれのアイデアで収納しています。100均のペン立て、綿棒入れ、仕切りのついた小物入れ、ファイルボックス、野菜スタンドなど、立てて収納できるものならなんでもジップロックの収納に使えます。
牛乳パックなどは引き出しなど見えない場所に、コップや可愛いペン立てなどに収納する場合は見える場所に置いてもいいでしょう。
清潔なクリアファイルに挟む
清潔なクリアファイルにジップロックを挟んで収納する方法もあります。クリアファイルは新品のジップロック専用の清潔なものを用意します。そこに挟んでおけば棚の隙間でも、引き出しの中でもかさばることはありません。
クリアファイル以外にも書類ワイドケースや、無印良品のEVAケースに入れてもいいでしょう。再利用したジップロックの枚数が多くない場合におすすめの収納方法です。
ジップロックを衛生的に再利用するポイント
ジップロックを再利用する場合は、いかに汚さずきれいに洗うかがポイントになります。衛生的に使い回すためのポイントを紹介するので参考にしてください。
食材をラップに包んでから入れる
ジップロックに直接食品を入れた場合は、洗剤で洗っても衛生面から考えて再利用は好ましくありません。特に肉や魚などを直接入れた場合は危険な雑菌が繁殖しやすく、洗剤で洗っても100%安全とはいえません。
最近は下味を漬けて保存する調理方法が流行っていますが、そのような場合も再利用には向きません。再利用を考えている場合は一度ラップに包み、ドリップが直接袋の中につかないようにして使うことをおすすめします。
アルコールスプレーで除菌する
ジップロックをきれいに洗ったあと、衛生面で心配な場合はアルコールスプレーで除菌するといいでしょう。アルコールスプレーは掃除用ではなく、食品や手、調理器具に使えるものを使用しましょう。
袋内部の角までしっかり洗って乾かす
再利用のジップロックを清潔に使うためには、何度も言っているように洗い方が重要です。ジップロックは袋状になっているため、丁寧に洗わないと洗い残しの原因になります。
特に一番注意したいのが、何度も言っているように袋の角になります。角は水分が集まる場所で、汚れや雑菌も一番集まる場所でもあります。再利用する時には、角も洗い残さないよう丁寧に洗うようにしましょう。
臭いの強いものを入れたら再利用は諦める
丈夫な作りで一度使ったくらいでは捨てるのが勿体無いジップロックですが、臭いの強いものを入れたら再利用は諦めた方がいいでしょう。いくらきれいに洗っても臭いは取りきれない場合があります。臭いのほか、脂が多いものも完全に汚れを取りきるのは難しく再利用は諦めた方が無難です。
浅漬けを直接漬けたものや下味をつけたものやカレーやシチューなどを入れた場合には、勿体無いですが諦めた方が衛生面でも安全です。
最後は三角コーナーで再利用
使えなくなったジップロックは、三角コーナーとして使うと無駄がなく最後まで使い切ることができます。シンクの隅において調理の際の生ゴミを入れて、水分をきって密封すれば臭いや液漏れの心配なく生ゴミを捨てることができます。
魚の下処理や臭いのきついものを捨てる時に再利用してもいいでしょう。子供のオムツを捨てる時、汚れた衣類を入れる時に再利用するなど、食品を入れる再利用に抵抗がある場合はこのような使い方もできます。
丈夫でまだまだ使えるものだからこそ、食品保存以外の使い方で最後まで使い切ることができるのです。
ジップロックの再利用は必要最低限に抑えて
冷蔵庫に入れても冷凍庫に入れても破れない丈夫なジップロックは、一度使って捨てるには勿体無いと多くの人が考えるものです。しかし食品を入れるものだからこそ衛生面が気になり、勿体無いながらも捨てているという人も少なくありません。
もしも再利用するのであれば汚れがつかないようラップで包む、洗うときは角まで丁寧に洗う、しっかり乾燥させるようにしましょう。再利用し、無駄を減らすことはエコにも繋がるものです。
ですが製造メーカーも再利用は推奨しておらず、あくまでも自分の判断で行うことになります。再利用は食中毒の危険の無いよう、衛生面にはくれぐれも気をつけましょう。