2022年06月15日公開
2024年06月17日更新
栗の中にいる虫の種類と見分け方を解説!対処法や保存方法も
栗の中にいる虫の種類と虫食い栗の見分け方について、詳しく解説します。傷んでいる栗を見分ける方法や、栗の中に虫がいた時の対処法についてもまとめています。栗の冷凍保存や冷蔵保存の方法も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
栗の中に虫がいたときの対処法を解説!
秋になると、栗拾いなどの味覚狩りを楽しむ人が多いです。しかし、皮に穴が開いていたり、表面に黒い斑点が付いている栗も少なくありません。このような栗が食べられるか、気になっている人も多いでしょう。
本記事では、栗の中にいる虫の種類と見分け方を詳しく解説します。また、虫がいたときの対処法や、正しい保存方法も紹介しているため、参考にしてください。
栗の中にいる虫の種類と見分け方
栗の中にいる虫の種類
栗の中にいるほとんどの虫は、クリジギゾウムシとクリミガの2種類です。栗の中にいる虫の80%がクリジギゾウムシで、1週間程度で成虫になります。主に、栗の実をエサとしており、成虫になると1cmほどの大きさに成長します。
クリジギゾウムシは、栗のイガに卵を産み付けます。ふ化したクリジギゾウムシの幼虫が、皮の中に入り込んで、実を食べて成長します。
クリミガと呼ばれる虫で、栗の実に1卵づつ産み付けます。クリミガの成虫はふ化すると栗の葉の裏や栗の基部に産卵し、その卵が更にふ化をしたのちに穴をあけて栗の中に入り実から栄養を摂取して成虫へと成長します。
虫がいる栗の見分け方
虫がいる栗の見分け方はさまざまで、表面に穴の開いている場合は、中に虫がいる確率が高くなります。また、水に浮かべると浮いてくる場合は、実が食べられて軽くなっていることが考えられます。
皮が黒くなっている場合も、注意が必要です。皮の表面にある小さい斑点は、虫が卵を産んだ跡や、虫食いによって腐食されたサインとなります。皮の表面に付いた白い物体は、糞である可能性があるため、選ぶ際は注意しましょう。
また、皮の表面から白い粉が出ている場合も、食害が進んでいる証拠です。粉が出てきた場合は、食べずに処分してください。皮が黒い場合も、虫による食害が進んでいるため注意が必要です。
穴が開いていないのに虫がいることもある
クリジギゾウムシやクリミガなどは、栗の中に入る時に穴を開けるのではなく、外に出る際に穴を開けます。
皮の表面に穴が空いていないにもかかわらず、中に虫がいるというケースも少なくありません。穴が空いていない場合、虫がいるかどうか確認することは困難です。
スーパーで販売されている栗は、虫の卵がふ化しないように処理されています。虫がいるか気になる場合は、スーパーで購入しましょう。
栗の中に虫がいたときの対処法
対処法①熱湯に浸ける
熱湯に浸けることで、栗の中から虫を取り出すことが可能です。栗を熱湯に入れることで、虫を死滅させられます。
80℃の熱湯と、熱湯の倍量の水を用意しましょう。鍋に熱湯と水、栗を入れて1分加熱します。水を切ったら、重ならないように並べて陰干しします。しっかりと乾いたら、冷蔵庫で保管してください。
冷蔵庫で保存する場合は、穴あきのビニール袋がおすすめです。穴の開いたビニール袋に入れることで、栗にカビが生えるのを防止できます。
対処法②水に浸ける
手軽に虫を排除したい場合は、水に浸ける方法がおすすめです。水に浸けることで、虫が呼吸できなくなり死滅します。栗が水に浮いた場合は、栗の実がない可能性があるため、処分しても問題ありません。
まずはじめに、栗を念入りに洗いましょう。バケツに水を張り、栗を入れて2日ほど漬け込みます。しっかりと水気を切ったら、重ならないように並べて陰干ししてください。
対処法③天日干しにする
栗を天日干しすることで、中にいる虫の駆除が可能です。栗を重ならないように並べて、日光にさらします。日光にさらすことで、栗の温度が上昇して、虫が穴を開けて外に出てきます。
ビニール袋に包むなど、温度が上がりやすい環境を作ることで、効率よく虫を駆除できるでしょう。
栗の中の虫は食べても問題はない
栗の中の虫は食べても、人体に影響はありません。クリシギゾウムシは、美味しい昆虫ベスト10にもランクインするほど、美味しいと評判です。
茹でたり炒めたり、さまざまな調理方法で食べられます。クリシギゾウムシのように栗などに付く虫は、人体に影響を及ぼすことが少ないです。
クリシギゾウムシやクリミガは、毒を持っていません。タンパク質が豊富に含まれているため、万が一食べてしまった場合でも、問題ないとされています。虫を食べたくないと感じる人も多いため、虫食い栗を見つけた場合は、下処理をしておきましょう。
また、クリジギゾウムシやクリミガは、高確率で卵を産み付けます。しかし、羽化する前に皮を剥いてしまえば、虫の処理なしでも問題なく食べられます。
傷んだ栗の見分け方
栗の皮に穴が空いている場合や、カビが生えている場合は栗が傷んでいることがほとんどです。また、異臭がする場合も傷んでいる可能性があるため、食べないようにしましょう。
調理後の栗であっても、味に違和感がある場合や酸っぱい臭いがする場合は、腐っている可能性が出てきます。常温保存や気温の高い季節は、栗が傷みやすいため注意が必要です。
栗の正しい保存方法
保存方法①冷蔵
硬い皮に覆われている栗は、常温で保存しても問題ないと考える人も多いでしょう。しかし、常温で保存すると、実が乾燥して風味が抜けてしまいます。また、常温で保存すると、虫が発生することがあるため注意しましょう。
美味しく食べるためには、冷蔵保存がおすすめです。まずはじめに、表面についた汚れを、湿らせたキッチンペーパーでふき取ります。その後、新聞紙で包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫で保管しましょう。
新聞紙を3日に1度取り換えることで、鮮度を保ちます。より温度の低いチルド室での保管をすれば、日持ちするためおすすめです。保存期間は約3ヵ月ですが、徐々に味が落ちていくため注意してください。
保存方法②冷凍
栗は冷凍保存しても、風味が損なわれることはありません。皮が付いたままでも冷凍保存は可能ですが、かさ張らないように皮を剥いてからの保存がおすすめです。
まずは、栗を一晩水に浸けておきましょう。水気を切って、削ぐようにして皮を剥きます。渋皮の処理も行い、水にさらしてアク抜いてください。表面に残った水気をキッチンペーパーでふき取り、保存袋に入れ密封をして冷凍保存します。
冷凍保存した栗を調理する場合は、解凍せずにそのまま使用しましょう。冷凍保存をすることで、美味しさを長持ちさせられます。冷凍保存の場合、約3ヵ月間保存できます。
栗の中の虫は適切に処理しよう
皮の表面に穴が開いている場合や、水に浮く場合は、クリジギゾウムシやクリミガに虫食いされている証拠です。虫食いされている場合でも、正しく対処することで美味しく食べられます。
さまざまな対処法があるため、自分に合った方法で虫を排除しましょう。カビが生えている場合や、異臭がする場合は食べないでください。栗を正しく保存して、美味しく食べきりましょう。