韓国のチキン屋の数に驚き!日本で流行らない理由や韓国での人気店を紹介

「チキン屋か餓死か」韓国ではこのようなショッキングな言葉が国民の間で話題になりました。韓国ではチキン屋が人気で、パリパリ食感のチキンは国民食のような存在です。しかしその一方で街中至る所にチキン屋が乱立し、その数はマクドナルドの店舗数より多いと言われています。チキン屋が多い理由には複雑な社会問題があります。そのため「餓死」というショッキングな言葉が韓国社会を皮肉るように使われているのです。なぜ韓国でチキン屋がこれほど多いのか、その理由を探っていきましょう。

韓国のチキン屋の数に驚き!日本で流行らない理由や韓国での人気店を紹介のイメージ

目次

  1. 1韓国のチキン屋とは?
  2. 2韓国にチキン屋が多いのはなぜ?
  3. 3韓国のチキン屋が日本で流行らない理由
  4. 4韓国のチキン屋の人気店5選
  5. 5韓国のチキン屋は美味しいが複雑な事情があった

韓国のチキン屋とは?

韓国に旅行に行った人は街中、至る所に乱立するチキン屋に驚くようです。韓国では国民食のような人気を誇るチキンですが、その店舗数は異常なほど増えてマクドナルドの世界店舗数よりも多いとまで言われています。

なぜそこまでチキン屋が多いのか?そこには韓国社会の複雑な問題があります。「チキン屋か餓死か」とまで言われるほど、国民が追い詰められている現状があります。今回はチキン屋と韓国人の複雑な事情について紹介していきます。

チキン屋とは?

虫眼鏡とカラフルなはてなマーク

日本ではフライドチキンといえばケンタッキーを真っ先に思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?そのほかにはファストフードのサイドメニューやコンビニでチキンを食べるくらいで、チキン屋という店自体はあまり見かけません。

韓国ではフライドチキンを食べられるチキン屋が至る所にあり、とても人気があります。チキンは国民食のような存在でビールと一緒に食べたり、ホームパーティーや二次会、ピクニックなどでもチキンを食べるほど人気がある食べ物です。

マクドナルドより店舗数が多い

チキン屋の数が多いとはいえ、一体どのくらいなのか想像もつきません。その数はなんと、マクドナルドの世界店舗数より多いという数です。マクドナルドの世界店舗数は37,000店舗です。2018年末、個人営業の店舗も合わせるとチキン屋はなんと87,000店舗以上あると言われています。

韓国の国土は日本の4分の1ほどです。その面積に世界中のマクドナルドの店舗数より多いチキン屋がひしめいているのです。この数がどれだけ多いかわかっていただけたでしょうか?

これは都市部に限ったことではなく、コンビニもない田舎でもチキン屋はあると言われています。なぜこのような事態になったのかというと「チキン屋か餓死か」と言われるほど逼迫した韓国社会の問題があります。

韓国にチキン屋が多いのはなぜ?

美味しくて人気のチキンですが、なぜこれほどまでに店舗数が多くなってしまったのでしょうか?そこには韓国が抱える大きな社会問題と、韓国人の国民性が大きく関わっているようです。

韓国ネイバーポストの記事から

2018年、韓国ネーバーポストに韓国社会とチキン屋の複雑な関係についての記事が掲載されました。韓国国内でもチキン屋が乱立する現状を危惧する声が高まっています。チキン屋を開業できなければ餓死するしかないとまで言われる問題とはなんなのでしょうか?

外食業の開業が簡単

韓国では外食業の開業が簡単と言われています。特にチキン屋は開業資金が少なくて済むことから餓死するくらいならチキン屋にかけてみよう、と開業する人が後を立たないのです。

詳しくは後述しますが韓国では就職率が低く、そのため就職できない子供と会社を辞めた親子でフランチャイズチェーン店を開業する例が多くあります。親の退職金を資金に、簡単に開業できるチキン屋を始めるパターンが少なくありません。

準備不足ではじめる

チキン屋に限らず、通常飲食店を始めるときは入念な準備をすることが普通です。料理についての知識や技術はもちろん、店舗を出す場所や客層をリサーチするなどの準備をするのが一般的です。

しかしチキン屋は比較的調理が簡単で、店舗が狭くても経営しやすいので「餓死するくらいなら」と開業する人が後を絶ちません。

韓国の自営業割合

韓国の自営業者の割合は全体就業者の26.8%を占めていると言われます。この数字は経済協力開発機構の平均15.4%よりもかなり高い数字です。この数字が表す韓国社会の現状とは一体なんでしょうか?

実は自営業者が多い国は経済状況がよくないか、観光業に依存している国といわれています。仕事がないから自分で事業を起こすしかない、というわけです。なぜチキン屋が多いのかというと、やはり経済状況がよくないからに他なりません。

特に飲食店業の比率が高い

韓国では特に飲食店の比率が高く、人口1000人当たりの事業者数を見ると12.2店舗、アメリカでは1.7店舗、日本では5.7店舗です。この数字は韓国の現状を顕著に表しています。

先ほどチキン屋がマクドナルドの世界店舗数より多いと説明しました。具体的には人口10万人当たりの店舗数はチキン屋が78店舗、マクドナルドは0.47店舗となっています。チェーン店が多いファストフード店代表のマクドナルドに比べても、チキン屋がいかに多いかがわかります。

知識産業の比率が著しく低い

韓国ネバーポストでは、記事の中で知識産業が少ないという現状も危惧しています。知識産業とは「知識」を商品として、生産・販売・サービスする産業のことを言います。情報化社会が進むに従って需要が多くなっている産業で、今までのどの産業にも当てはまらないことから第4次産業とも言われています。

教育、研究開発、情報サービスなどが知識産業と言われる主な分野で、韓国ではこれらの比率がとても低い現実があります。

韓国では国民食のような人気

韓国人にとってチキンはとても身近な食べ物です。日本人にとってチキンはクリスマスや特別な日に食べるもの、という位置付けです。しかし韓国人は昔からチキンをよく食べるというのです。

友人と集まってはチキン、飲み会の二次会や三次会でチキン、ピクニックでチキンというように、とにかくチキンをよく食べるようです。韓国人にとってチキンはなくてはならない食べ物で、「国民のおやつ」とも言われています。

チメクという習慣

韓国ではビールに最も合う食べ物がチキンとされています。確かにビールとチキンはよく合いますが韓国ではチメク(チメッ)という造語が作られるほど、この組み合わせは欠かせないものとなっています。韓国語でビールはメクチュ、キンと合わせてチメクというわけです。

チメクが流行したのは2013〜2014年に放送していた「星から来たあなた」というドラマの影響です。主人公チョン・ソンイの好物がチメクだったことで、韓国中でチメクに注目が集まりました。

美味しくパリパリ食感の皮

チキン屋の乱立が韓国経済の衰退を表していると問題視されていますが、もちろんチキン屋自体に問題があるわけではありません。実際、チキンは皮がパリパリと香ばしく、味はとても美味しいと観光客にも人気があります。

チキンの種類も豊富で、いわゆるフライドチキンと呼ばれるものからヤンニョムチキン、マヌルチキン(ニンニク風味のチキン)などがあります。

若者の就職事情

こちらの画像は韓国の就職事情を表したフローチャートです。韓国の現状を皮肉ったもので、行き着く先はチキン屋か餓死か過労死という救いのないものになっています。なぜこのような自虐的な図式まで作られているのでしょうか?

就職難

なぜ韓国でこのフローチャートが作られたのでしょうか?その理由はやはり、韓国の経済状況と就職難にあります。KB金融持株経営研究所によると、チキン屋が多い理由は失業率の高さが原因としています。

日本の失業率は4月には2.4%とされていますが、韓国では青年失業率が10.0%と高い数字になっています。この数字は15歳から29歳までの若者43万5000人が失業していることを表し、有名大学を出ても就職先がなくコンビニでアルバイトするしかない、そのアルバイトすらないという現状です。

仕事がないのは若者に限ったことではなく、その親世代も出世できなければ肩叩きに合い仕事をやめなければいけないという現実が待っています。失業しても再就職はさらに難しく、生活ができない=餓死という図式になってしまうのです。

有名企業や公務員はわずか

日本同様、韓国でも公務員はとても人気がある職業です。しかし公務員になる道はとても狭く、有名大学を出ても就職できないという現状です。有名企業に入るのはさらに難しく、生活の安定した仕事につけるのはごくわずかの限られた人たちです。

チキン店か餓死か?

韓国社会の現状を知ると餓死という言葉も、あながち大げさなものではないのかもしれません。就職しても定年まで務めるのは難しい、若者ですら就職が難しいとなると、簡単に始められるチキン屋に再起をかけるしかないのでしょう。

韓国のチキン屋が日本で流行らない理由

実はチキン屋の大手チェーンが日本でもオープンしたことがあります。しかしほどなくしてすぐ、閉店してしまったのですがそれはなぜでしょうか?

コンビニのチキンの種類が豊富

大手チキンチェーン店キョチョンチキンが六本木にオープンしたものの、9ヶ月という短期間で閉店したのはなぜでしょうか?味は間違いないのに日本人に受け入れられなかった理由のひとつに、コンビニチキンの存在があります。

日本のコンビニはホットスナックがとても充実し、チキンも骨つき・骨なし・唐揚げ・ナゲットと種類が豊富です。チキンの種類が多くホットスナックの充実したコンビニの存在が、韓国チキンが流行らなかった理由のひとつではないかと言われています。

コンビニのチキンは安くて美味しい

海外の観光客は日本のコンビニのクオリティに驚くと言います。チキンは値段が安く、ひとつ100円から200円ほどで購入でき味も抜群です。どこの店舗でも安定した美味しさで手軽に購入できます。この値段でこのクオリティの食品を食べられる、日本のコンビニに驚く観光客が多いようです。

韓国のチキンは高価

お札3種類と硬貨6種類

韓国のチキンは日本のコンビニに比べると値段が高めになっています。日本ではコンビニのチキンは数百円で食べる気軽な食べ物です。しかしキョチョンチキンは日本に出店する際、価格設定をかなり高くしてしまいました。このことが日本では受け入れられなかった最大の理由かもしれません。

高い価格設定

電卓とカラフルな数字

キョチョンチキンが六本木に出店した時、チキンの価格は6本で税抜き1800円でした。小さな骨つきチキンに約2000円もかけたいと思う日本人は少ないでしょう。ましてや安くて美味しいコンビニチキンやケンタッキーがある中で、この価格は少し高すぎます。

この価格は地元韓国でも「高すぎる」「ぼったくり」「なぜこんなに高くしたのか」と話題になっていたほどです。この強気な価格設定が、日本で受け入れられなかった最大の理由といわれています。確かに味は美味しいのでしょうが、この値段でビールを飲むとなると確かに割高な気がします。

見た目の理由

チキン屋が日本で受け入れられなかった理由に、見た目の問題もあるようです。キョチョンチキンはキチンを提供する際、黒いお皿にチキンを無造作に並べただけでした。この見た目がなんとも汚らしい、とネットで話題になったのです。

値段が高いのにみすぼらしい、汚らしいといわれているように、無造作に盛り付けられたチキンが見栄えを気にする日本人にはあまり受け入れられなかったのでしょう。

日本のチキン市場の分析不足

地図と虫眼鏡とスマホ、財布、ペン

なぜ味はいいのに日本人には受け入れられなかったのかといえば、やはり日本のチキン市場の分析不足に他なりません。コンビニに安くて美味しいチキンが売っている、チメクという文化がなくチキンはしょっちゅう食べるものではない、少しみすぼらしい見た目と高い価格設定。

色々な要素重なったことと、六本木というテナント料の高い場所だったこともあって9ヶ月という早い撤退になってしまったのでしょう。

韓国のチキン屋の人気店5選

チキン屋事情は少し複雑ですが味はとても美味しく、日本人観光客にもそのほかの観光客にもとても人気があります。旅行に行ったらぜひ食べて欲しい、人気店を紹介します。

オッパッタッ

オッパッタッという少し面白い響の店名は、オーブネ(オーブン)・パジン(落ちた)・鶏(タッ)の頭文字を取ってつけられたものです。店名にもあるように、オッパッタッのチキンは油で揚げないオーブンで焼いたチキンです。

衣をつけてオーブンで焼いた「クリスピーベイク」と、衣をつけずにグリルした「グリルドロースト」があります。脂っこくなく皮がパリッと焼かれたチキンは特に若者に人気で、週末ともなると行列ができる人気店です。

bhcチキン

しっかりめの濃い味でビールがついつい進んでしまいそうなチキン屋がbhcです。オリジナルのフライドチキンの種類が豊富で、鍾路本店はなんと24時間営業なので好きな時にチキンを食べることができます。日本人に人気の観光エリアには必ずあって、特に若者や学生に人気が高いお店です。

BBQチキン

日本でも人気のアイドルグループ防弾少年団が広告モデルを務めていることでも話題なのが、BBQチキンです。韓国ではとても人気が高いチキン屋で、国民的チキンチェーンとも呼ばれています。

BBQチキンで今話題なのがチーズリングです。チキンにたっぷりのチーズが振りかけられて、止まらなくなる中毒性があることから「麻薬の粉」などと呼ばれるほどです。韓国人に好きなチキン屋は?と聞くと、BBQチキンとみんなが口をそろえる、国民に愛されているチキン屋です。

フライパン

女子同士で気軽に行けるチキン屋をコンセプトに、女性から高い支持を得ているのがフライパンです。チキン屋の中でも若い女性をターゲットに、店内の照明やインテリアにもこだわったカフェのようなチキン屋です。

味ももちろん美味しく、お店独自のオリジナルソースも用意されています。若い女性向けらしく、サラダがメニューにあるのも特徴です。

キョチョンチキン

日本では9ヶ月で撤退となったキョチョンチキンですが、韓国では絶大な人気を誇っています。キョチョンチキンではファストフードを作らない、天然材料を使用する、誠実で健康的なチキンを作るという3つの約束を掲げています。

この約束からも分かる通り余計な添加物は使用せず、時間はかかっても揚げ方にこだわった本当に美味しいチキンを提供してくれます。観光客にも人気で、どこの店に行くか迷ったらキョチョンチキンに行けば間違いないないでしょう。

韓国のチキン屋は美味しいが複雑な事情があった

韓国でチキン屋が乱立するには、とても複雑な事情がありました。一部の富裕層だけが裕福な暮らしをしている階級社会ともいえる現状を打開するには、チキン屋で一発逆転にかけるしかないのです。

仕事がない=生活ができない=餓死するしかないとまで追い詰められた結果、チキン屋が至る所に乱立する飽和状態になってしまいました。いくらチキンが好きな国民とはいえ、人気の店舗があれば閉店に追い込まれる店舗が出てくるのは当然のことです。美味しいチキンの影には苦しんでいる韓国国民の姿があるのです。

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