長崎の郷土料理「ハトシ」の作り方は？絶品レシピやおすすめの名店も

ちゃんぽんや皿うどん、トルコライスなど、長崎には有名な郷土料理が多数あります。江戸時代に国際貿易港として栄えた長崎は、異国文化が食生活にも融合されているのが特徴です。さまざまな名物料理の中から本記事では、ハトシという郷土料理について解説し、まとめました。

ハトシとはどのような料理なのか？ハトシの味わいや基本的なレシピも紹介します。また、長崎でハトシが食べられるおすすめ店を6店紹介しますので、旅行の際の参考にしてください。

長崎で愛されている郷土料理ハトシとは、どのような料理なのでしょう。ハトシの歴史や、ハトシの名前の由来について解説します。

江戸時代に国際貿易港として栄えた長崎は、日本と異国の食文化が融合し、独自の発展を遂げました。ちゃんぽんや皿うどん、カステラ、トルコライスなど、さまざまな郷土料理がありますが、ハトシもその中のひとつです。ハトシは中国から伝わった料理が元となり、その美味しさから長崎で愛され続けてきました。

今でこそ、日本でもパンは普通に食べられるようになりましたが、洋食やパンが珍しかった明治時代、ハトシの美味しさは衝撃的だったに違いありません。その当時はえびが高価だったので、魚のすり身やひき肉を使ってアレンジしたハトシも食べられていました。今でもえびではなく、ひき肉を使ったハトシを提供する店もあります。

元々は卓状料理として食べられていたハトシですが、今では家庭でも気軽に作られています。あまり馴染みのにハトシですが、長崎県民にとってはソウルフードとも呼べる郷土料理のひとつなのです。

中国の卓状料理が元であるハトシは、漢字では「蝦多士」と書きます。蝦(ハー)はえび、多士(トーシー)はトーストを意味しています。つまり、えびを使ったトーストという意味がハトシの語源です。蝦多士(ハートーシー)が長崎では、ハトシと呼ばれ、今現在に至るというわけです。

ハトシは油で揚げているため、炸蝦多士(ジャーハートーシー)と呼ばれることもあります。また、中国のハトシは台湾にも伝わり、蝦吐司(へートースー)と呼ばれて親しまれているようです。タイやベトナムではシュリンプトーストと呼ばれるなど、日本以外の国でも広く愛されています。

ハトシはどのような料理なのか、その味や特徴について解説します。ハトシの作り方や、ハトシを食べられるお店についても紹介していきます。

材料はいたってシンプルで、食パンとえび、揚げ油があれば美味しいハトシが作れます。この3つの材料に、卵や塩、砂糖、こしょうなどを加え、すり身を作ります。レシピによっては、玉ねぎや魚のすり身、ひき肉を加える場合もあるようです。

すり身を挟むので、食パンは薄目のものが適しています。サンドイッチ用の食パンを用意すると揚げムラなく、きれいに仕上がるでしょう。濃いめに味付けすれば何もつけずに食べられますが、ケチャップやマヨネーズ、チリソースをつけて食べると絶品です。

ハトシは、油で食パンを揚げているのでサクッと香ばしく、風味がとても豊かです。えびをすり身にしているので旨味が強く、かまぼこのような味を想像するとイメージしやすいでしょう。しっかり味がついているので、そのまま食べられますが、餃子醤油やケチャップをつけて食べることもあります。

長崎ではスナック感覚で気軽に食べることが多く、軽食やおつまみとしても人気です。家庭やお店ごとに入れる具材も違うので、食べ比べてみるのも楽しいでしょう。

ハトシは長崎の中華料理店や老舗料亭などで食べることができます。観光地の売店で売っていることも多いので、目にする機会も多いはずです。スーパーや食料品店、空港や駅でも販売していますので、お土産に購入するのもおすすめです。通販で購入することも可能ですので、興味のある人はネットで探してみてください。

ハトシの基本的なレシピを紹介します。作り方が難しいイメージがありますが、ポイントを抑えれば家庭でも簡単に絶品ハトシが作れます。紹介するレシピを参考に、家庭でもハトシを作ってみてください。

【材料】

• サンドイッチ食パン…1/2個
• えび…200g
• 塩…小さじ1/4
• 砂糖…小さじ1/2
• 溶き卵…1/2個分
• サラダ油…適量

基本的なハトシの材料を紹介します。ハトシは、えびと食パンさえあれば簡単に作れますので、用意する材料は多くありません。魚のすり身やひき肉を入れるアレンジレシピもありますが、基本の作り方はえびがメインです。

【作り方】

1. えびを包丁で細かく刻みます。
2. 塩と砂糖を加え混ぜながら叩き、溶き卵を加えさらに混ぜます。
3. 食パンの片面にすり身を乗せます。
4. もう一枚のパンを乗せ、周りをフォークで抑えます。
5. ラップで包みレンジで20秒加熱し、もう一度フォークで周りを抑えます。
6. 160度の油できつね色になるまで揚げたら完成です。

基本のハトシの作り方を紹介します。ハトシは作り方が難しいイメージですが、工程は少ないので意外と簡単に作ることができます。えびはすり身状になるよう、しっかり包丁で叩きましょう。えびをしっかり叩かないと、食感が悪くなってしまいます。

通常ハトシは、蒸してから油で揚げますが、家庭で作る時はレンジを使って工程を省きましょう。レンジ加熱せずに揚げると中まで火が通りにくく、パンが油を吸収し過ぎてしまいます。油でカラッと揚げれば、絶品ハトシの完成です。

家庭でも作りやすい、ハトシの絶品アレンジレシピを紹介します。入れる具材や加熱方法を工夫して、家庭でも絶品ハトシを作ってみましょう。

ハトシを作るときに一番手間がかかるのは、えびを包丁で叩く工程です。えびを叩く工程を省きたい時は、市販のすり身を活用しましょう。すり身は白身魚などお好みの物でOKですが、本格的なハトシに仕上げるには、やはりえびのすり身がおすすめです。

通常は油でカラッと揚げますが、焼くことで油っぽさがありません。バターの風味もプラスされて、軽く食べられますので朝食にもぴったりです。カロリーは高くなりますが、バター多めにすると味しさがアップします。

はんぺんと刺身用のえびを活用した、ハトシ風ホットサンドの作り方を紹介します。通常えびをすり身にして作るハトシですが、はんぺんを活用することで簡単にふわふわ食感に仕上がります。はんぺんがカサ増しになるので、えびは少量でOKな点も嬉しいポイントです。

はんぺんと刺身用のえびを使っているので、火の通りを気にする必要もなく、簡単につくれる点も魅力です。ホットサンドメーカーで焼くので、パンもカリッと香ばしく焼きあがります。余ったすり身はお吸い物などに活用してください。

たっぷりまぶしたごまが香ばしい、絶品ごまハトシの作り方です。具材に玉ねぎを加え、甘みとシャキシャキした食感をプラスしましょう。えびの他に、旨味が強いイカを加えるのも美味しく仕上げる秘訣です。えびとイカは、半分はフードプロセッサーで滑らかにし、残りは細かく刻み食感を残します。

パンにすり身を塗ってごまをたっぷりまぶしたら、多めの油できつね色になるまで揚げ焼きしましょう。香ばしいゴマと玉ねぎ、刻んだ魚介の旨味が口いっぱいに広がります。

ハトシを食べられるおすすめの人気店を紹介します。旅行の際はぜひ足を運んでみてください。通販で購入できる商品もありますので、気になる方は要チェックです。

山ぐち仕出し店は、「ハトシといえば山ぐち」といわれるほど地元民に愛されている人気店です。山ぐち仕出し店のハトシの特徴は、えびのすり身とプリッとした食感のバランスの良さです。大振りにカットされたえびも入っているので、食べ応えがあって満足できるでしょう。

ハトシに使用しているえびは、甘くてクセが少なく旨味がたっぷりです。テイクアウトには5個入りパック1500円が便利ですので、家族みんなでハトシを楽しむことができます。もちろん1個ずつ販売もしていますので、食べ歩きも可能です。

江山楼は、長崎ちゃんぽんの名店として有名な長崎新地中華街にある中華料理店です。北京出身の店主が作る中華料理はどれも絶品と評判で、ハトシも人気がある一品です。江山楼は観光客にも人気ですので、時間帯によっては行列ができることも少なくありません。そのため、江山楼を訪れる際には、時間に余裕を持って行くことをおすすめします。

江山楼ではコース料理も食べられますが、一番コスパが良くおすすめなのがホームランコース(3000円)です。事前予約なく注文することができ、ちゃんぽんや前菜、スープ、ハトシ、点心、デザートなど全8種類の絶品料理を堪能できます。長崎では有名店ですので、機会があったらぜひ足を運んでみてください。

長崎一番では、ハトシロールというロール状にしたお土産用のハトシを販売しています。通常ハトシは、えびをすり身にして揚げるのが一般的です。しかし、長崎一番のハトシロールはアジを主原料に、牛豚ひき肉や玉ねぎを加えているのが特徴です。

そのため、ジューシーで食べ応えがあり、1本で満足感があります。冷凍状態で販売されているので、自宅で解凍してトースターで焼いて食べましょう。トースターで焼き上げるので、出来立てに近い味を自宅で気軽に楽しめるのが魅力です。通販で購入もできますので、気になる人はチェックしてみてください。

まるなか本舗は、かまぼこ店として長崎に10店舗を構える有名店です。元が鮮魚店ということもあり、新鮮なえびを使ったハトシを食べることができます。かまぼこ店ならではの技術で作られるハトシは、えびのプリプリっとした食感と、パンのカリッとした食感が最高の組み合わせです。

まるなか本舗のハトシは、デパ地下や空港などで販売されていますので、お土産に持ち帰ると喜ばれるでしょう。1個ずつ購入もできるので、食べ歩きにももってこいです。

中華料理店の蘇州林は、絶品点心が食べられると人気のお店です。ちゃんぽんや皿うどんの他に、ハトシや角煮まんじゅう、肉まんなどの点心も充実していますので、食べ歩きに重宝するでしょう。店先に美味しそうな点心が並んでいますので、選ぶ楽しさもあります。

蘇州林のハトシは魚のすり身を主原料に、えびと玉ねぎが入っています。大きめのえびは存在感が抜群で、プリッとした食感がたまりません。レモンを軽く絞ると、さっぱり食べられます。

四海樓は、長崎に行ったら必ず訪れたい、絶品ちゃんぽんが食べられる有名店です。長崎名物のちゃんぽん、皿うどん発祥の店として、ガイドブックに必ず載っている老舗店です。ちゃんぽん、皿うどんが有名な四海樓ですが、ハトシも人気ですのでぜひ注文してみてください。

四海樓のハトシは肉が入っていますが、軽い食感で重くないのが特徴です。重すぎないので、ちゃんぽんなどの麺類と合わせても十分食べられるでしょう。四海樓はグラバー園など観光地にも近く、アクセスがいいので行列になることも珍しくありません。人気店ですので、ぜひ足を運んでみてください。

長崎で親しまれている郷土料理、ハトシについてまとめました。すり身を食パンで挟んで揚げるハトシは、えびの旨味と、食パンの香ばしさが絶妙です。中華料理店や観光地で気軽に食べられますので、ぜひ長崎に足を運んだ際は食べてみてください。

家庭でも少ない材料で簡単に絶品ハトシを作ることができます。紹介した作り方を参考にして、おやつやおつまみ、おもてなし料理に作ってみてください。