叉焼と焼豚の違いとは?叉焼の作り方や日本版煮豚の作り方も

「叉焼」はラーメン店や中国料理のお店で見るメニューですが、「焼豚」とはどんな違いがあるかを知っていますか?「チャーシュー」といっても、本格的な叉焼もあれば、煮豚といえるような焼豚がチャーシューとして提供されていることもあります。叉焼、焼豚、煮豚の味や作り方の違いはどこにあるのかを知ると、それぞれをより深く味わうこともできます。叉焼の特徴と家庭でも作れるレシピも合わせてまとめています。

叉焼と焼豚の違いとは?叉焼の作り方や日本版煮豚の作り方ものイメージ

目次

  1. 1叉焼と焼豚の違いが知りたい!
  2. 2叉焼/焼豚/煮豚とは?
  3. 3叉焼と焼豚の違い
  4. 4叉焼の作り方/レシピ
  5. 5叉焼の日本版の煮豚の作り方
  6. 6叉焼と焼豚の違いを楽しもう!

叉焼と焼豚の違いが知りたい!

叉焼と焼豚は同じ豚肉を使って、ラーメンにのっていたり、そのままおつまみとして味わったりしますが、その違いは分かりにくいものです。どちらも同じ「チャーシュー」ですが、その作り方や味に違いがあるのかを分かりやすく、紹介していきます。

叉焼/焼豚/煮豚とは?

叉焼は「チャーシュー」と読み、日本では焼豚や煮豚のスライスがラーメンにのっていると、「シャーシュー麺」と呼ばれます。叉焼、焼豚、煮豚それぞれの特徴をみていきます。

叉焼とは?

叉焼は、元は中国に古くからある料理で、下味をつけた豚肉にタレを塗って、釜でじっくりと焼いたもののことです。中国では、肉のかたまりを串にさして焼くことを「叉焼肉」といい、脂身の少ない豚肉を使って、赤い専用のタレを塗って焼いたものが叉焼と呼ばれています。

豚肉に塩、こしょうで味付けをしたものを、紅糟(ホンツァオ)という酒粕の調味料をすりこむようにして一晩おき、オーブンで1時間近くかけて焼き、とりだしたら水あめかハチミツを塗ってさらに表面を焼いて照りをだしているのが「叉焼」です。

叉焼向きの調味料として「叉焼醤」というものも売られていて、これにも紅糟や香辛料などを合わせられています。中華食材の店で購入できるので、これを使うと家庭でも叉焼にの味を出すことはできます。

焼豚とは?

日本では豚肉をこんがりと焼く叉焼ではなく、表面を焼いた後に煮る方法で味付けをして作られているものが、「焼豚」とかいて「やきぶた」または「チャーシュー」と呼んでいます。

本来は、中国のように豚肉に味付けをして、串につるして釜で焼くことから「焼豚」と言われましたが、料理店で釜を作るスペースが作れないなどの理由で、フライパンや鍋で煮て作ることが一般的になり、名前は「チャーシュー」のまま残っています。ただ、焼豚と書いてある通りに、焼いて作るチャーシューを提供しているお店もあります。

焼豚と煮豚はほぼ同じもの

日本では豚肉を煮たものも「チャーシュー」としているお店が多いので、焼豚と煮豚とほぼ同じものということになります。大まかな作り方は焼豚も煮豚も同じですが、その味付けや使う豚肉の部位などがお店によって異なるので、仕上がり具合が違い、個性ある味の焼豚、煮豚があります。

煮豚とあれば、鍋で豚肉のかたまりを煮込んだものをイメージしますが、作り方としては、チャーシューといわれる焼豚とほぼ同じです。煮豚は家庭でも作りやすい煮物ともいえます。

叉焼と焼豚の違い

叉焼は中国に古くからある料理ということが分かりました。一方焼豚は、日本版の叉焼ということもできますが、店によって叉焼、焼豚と表記が違うことがあるので、その違いを詳しくみていきます。

材料の違い

叉焼と焼豚ともに使われている肉は豚肉です。必ずというものではありませんが、叉焼は豚肉でもヒレやロースなどのかたまり肉を使います。叉焼は脂分が少ない部位であっても、じっくりと火を通すことで、しっとりと仕上げることができます。

これに対して、焼豚はロース肉や三枚肉などをかたまりにするように巻いてタコ糸で縛るか網にいれて形が崩れるのを防ぎながら調理しています。脂身があっても煮込むことで、ほどよく脂がおちつつ、調味料と混じり、ジューシーな味わいにしています。

叉焼も焼豚も豚肩ロースを使うこともありますが、叉焼はかたまり肉そのものに、串をさして吊るし焼きをしていて、焼豚になるとギュッと丸めたものをオーブンで焼いたり寸胴鍋で煮込みます。

焼くか煮るかの違い

中国ならではの叉焼と、日本ならではの焼豚の違いは、調理法で焼いているのか煮ているのかという違いです。叉焼の場合は、針金にかけた豚肉のかたまりを専用の炉にいれてじっくり焼いています。中国料理店などでは、厨房や店頭にこの叉焼をかたまりのまま吊るしているところも見られます。

一方、焼豚は表面を焼くというレシピ上の工程はあっても、煮付けることで味をつけているものがほとんどになります。ただ、日本のラーメン店などでは、寸胴鍋を使って叉焼に近い作り方をしている場合もあります。

味の違い

叉焼と焼豚の味の違いは、食べるとよくわかります。叉焼の場合は中国独特の調味料を使っていて、香りも強く、表面の赤い色をつけている発酵食品の紅糟などにより深みのある味わいになっています。表面にはハチミツなどを塗っているものもあり、甘くしっとりとして、内部にも甘味と合わせて香辛料などの味が染み込んでいます。

叉焼そのものを味わう時には、強めの香りがする叉焼に、白髪ネギ、香菜といったものと合わせて味わうことも多いです。こうすることで、きついにおいを和らげつつより豊かな味わいにしています。

これに対して焼豚は、日本人向きなレシピで作られていて、しょうがやニンニクといった香辛料を使いつつも、しょう油、酒、砂糖などを使って甘辛の味になっています。

叉焼のように、きついスパイスの香りがしないので、そのままでも食べやすく、肉のジューシーさが残るものも多く、食べる時にはスライスして、表面を再度バーナーで炙ったり、網で焼くことで香ばしさを加えるものもあります。

使い分け方は?

叉焼と焼豚の使い分け方に明確なものはありませんが、中国式に炉やオーブンを使いじっくりと焼かれたものを叉焼とし、煮豚に近いようなレシピで作られたものを焼豚といえます。叉焼と書いてあり、豚肉の表面が赤い色であれば、本格的なチャーシューと考え、表面は焦げた色でもしっとりと煮こんでいるものは焼豚と見分けることもできます。

叉焼も焼豚もスライスしてそれだけを食べることもあり、ラーメンのトッピングとすることもあります。叉焼の方が香りも独特の風味も強いのでそのものを味わう使い方焼豚や煮豚の方がラーメンや炒飯の具材としてもスープなどの味付けを邪魔することが少ないので、使い分けができます。

叉焼の作り方/レシピ

本格的な中国式の炉がなくても、家庭でも作りやすい叉焼の作り方を紹介します。材料は中華食材のコーナーで購入できるもので、時間はかかりますが、本格叉焼のレシピです。

材料

  • 豚肩ロースのかたまり500g
  • 味噌小さじ2
  • おろしにんにく小さじ1
  • おろししょうが小さじ1
  • 塩小さじ2
  • オイスターソース小さじ2
  • すりごま小さじ2
  • ゴマ油小さじ1
  • 醤油大さじ4
  • 砂糖100g
  • 五香粉小さじ1/2
  • はちみつ小さじ1
  • こしょう

叉焼のレシピでは、豚肉の中でも、脂身の多い部分よりも肩肉などがおすすめです。ヒレでも作ることができますが、値段の面からみても、多少脂身が入っても、手ごろなかたまり肉の方が、ジューシーに仕上がります。

五香粉は中国料理に使われる5種のスパイスを合わせたものです。花椒、クローブ、シナモン、スターアニス、陳皮などを合わせています。叉焼だけでなく、野菜炒めなど一般的な作り方をして、五香粉を加えるだけで中華風になり、煮豚のレシピでも五香粉を加えると叉焼の味わいに近づけられます。

豚肉の切り方

この叉焼のレシピとは別に、豚肉を巻いて焼豚や煮豚の作り方でも作ることはできますが、中まで火を確実に通すために、かたまりの豚肉を厚さを2cmくらいに切って焼く作り方になります。

豚のかたまり肉でなるべく大きな面積になるような切り方でスライスすると、焼きやすく仕上がった時に薄く切りやすくなります厚く切ってしまうと、表面が焼けても中が生焼けということもあるので注意します。

タレに漬け込む

調味料となるものを、大き目のボウルにすべて入れて全部をよく混ぜ合わせます。そこに切った豚肉をいれて、タレにくぐらせます。調味料を合わせたタレと豚肉を、二重にしたポリ袋に入れて口を閉じます。袋を破かない程度に、外から豚肉にタレをもみこむようにして常温におきます

10~15分したら、再度ポリ袋の上から全体をもむようにすることを繰り返して、45分ほど漬け込みます。少し手間になりますが、もむことを繰り返すことで、タレの味と風味が肉全体にむらなくなじみます。タレはそれぞれの調味料のかたまりがないように、よく混ぜ合わせることも作り方のポイントです。

もみこむことを3回ほど繰り返したら、冷蔵庫にいれて1番置いてから翌日に焼くという作り方もできます。

焼き方

漬け込んだ叉焼の焼き方はオーブンでの焼き方もありますが、ガスコンロのグリルでの焼き方を紹介します。豚肉についた余分なタレを切り、グリルの網の上に広げて先ず強火で焼きます。表面を10分最初に焼きますが、最初の5分は強火、後半の5分は中火にして焼きます

次に裏返して同じように10分、前半は強火、後半は中火にして焼きます。焼いている間に、多少焦げ目ができてもそのまま焼き続け、グリルの開け閉めの回数は少ない方が、内部の温度が下がることがなく焼くことができます。

強火と中火で焼くことで、焦げ目をつけて香ばしさをつけることと、生焼けにならないようにしっかりと中にまで熱が入るようにします。オーブンを使う場合は、250度に予熱して焼きます。

表面と裏面が焼けたら、焦げた部分をキッチンバサミを使って取り除きます照りをだすためにハチミツを表面にぬって再度グリルの中火で2分、裏面にもハチミツをぬって2分焼いて、叉焼のできあがりです。

食べ方

出来立ての叉焼を薄めにスライスして、先ずはそのまま食べてみてください。叉焼ならではの表面の香ばしさと、中がしっとりとした味わいを楽しむことができます。レタスなどの野菜に巻いたり、長ネギの細切りを巻くようにしたりする食べ方もおすすめです。

焼きあがって常温になったものは、タッパーなどにいれて保存ができます。この時に残った漬けダレを少しからめておくと、表面がパサつきにくくなり、次に食べる時には再度グリルで炙るように焼くのがおすすめです。

叉焼麺としてラーメンだけでなく、そうめんなどの付け合わせでの食べ方はもちろん、薄切りの食パンにキャベツの千切りと合わせて挟めば叉焼サンドイッチという食べ方もできます。

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叉焼の日本版の煮豚の作り方

叉焼のように手間をかけずに、日本版の焼豚、つまり煮豚の作り方です。家庭で作りやすい材料と分量のレシピで、お好みで香辛料を加えたり、砂糖やしょう油の量を調整してください。ゆで卵も合わせて煮てしまうと、それだけでおかずにもなるレシピです。

材料

  • 豚バラ肉のブロック500g
  • 酒50cc
  • 砂糖50cc
  • しょう油100cc
  • 水200cc
  • ニンニク2片
  • しょうが1かけ

叉焼と違い、鍋のなかで調味液に浸りながら煮込んでいくレシピなので、豚肉はバラ肉などの脂身がある部分で構いません。酒、砂糖、しょう油、水は1:1:2:4となる割合で、ブロック肉が大きければ、この割合で調味料も増やしてください。

作り方

  1. ニンニクは皮をむいてスライスし、ショウガは表面の汚れをとって皮つきのまま薄切りにします。
  2. 豚バラブロック肉は、鍋に入りやすい大きさになるように切って、鍋にいれて、表面にうっすらと焦げ目がつくように、中火で焼きます
  3. ニンニク、しょうがの切ったものと、酒、砂糖、しょう油、水を鍋に加えて中火で煮ます。
  4. 沸々とわいてきたら、落し蓋をして、少し火を弱めて20~25分煮ます。常にフツフツと小さな泡がでているくらいの火加減が目安です。
  5. 煮汁が半分くらいになったらできあがりです。

食べる時には、出来上がった煮豚を2cmくらいの厚さに切ると食べやすくなります。ゆで卵を加えるときには、落し蓋をする時に加えて、一緒に煮込むようにします。

豚バラブロックを使うことで、タコ糸で肉を成型して縛る手間がなく、作りやすいレシピです。鍋に入れたまま1時間くらい置くと、より味が染みこみます

叉焼は、加熱前にタレをもみこむことで味を染み込ませますが、煮豚は加熱しながら味をふくませていきます。甘辛の味を楽しめて、叉焼にはない煮汁と一緒にご飯にのせても美味しく味わえます

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叉焼と焼豚の違いを楽しもう!

叉焼は中国で昔から作られている、豚のかたまり肉に下味をつけてオーブンや炉でじっくりと焼いたものです。焼豚は日本風のチャーシューといえますが、ほとんどが調味料と合わせて煮込む煮豚になっています。

叉焼も焼豚、煮豚もどれも豚肉の旨みに調味料や香辛料が加わり、一層美味しさを増しているものです。好みの味わい方をみつけて、どちらも手作りもしてみてください。

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