梅干しに白いものが発生したらカビ?塩との見分け方や対処法も紹介!

梅干しは市販されたものを購入するのもよいですが、手作りで好みの塩加減や味で楽しむこともできます。手作りの梅干しの処理で気をつけたいのがカビです。梅干しについてしまう白いカビ、黒いカビと塩との見分け方、カビの原因と対策を調査しました。もし手作りの梅干しやいただきものの梅干しにカビが発生してしまった時の安全な処理方法もあります。栄養価も高い梅干しを安全に美味しく食べるための参考になります。

梅干しに白いものが発生したらカビ?塩との見分け方や対処法も紹介!のイメージ

目次

  1. 1梅干しについた白い正体の見分け方!
  2. 2梅干しについたカビは何が原因?
  3. 3梅干しにカビが発生したときの処理方法
  4. 4梅干しにカビがつかないための対策
  5. 5梅干しをつくるときはしっかりカビ対策をしよう

梅干しについた白い正体の見分け方!

ツブツブしてたら塩

梅干し作りをしている工程や、保存している梅干しに、何らかの原因で白いものが付いていたら、カビか塩かを見分けます梅干しは塩分濃度が高いので、塩が結晶になりやすく、白いものが塩なら食べても安全です。見分け方を間違って白いカビをそのままにしておくと、カビが増えて梅干しが食べられなくなってしまいます。

塩なのか白いカビなのかの見分け方は、その白いものを触ってみて、ツブツブとして固ければ塩と判断して安全に食べられます。おばあちゃんが漬けた梅干しを、何十年も経ってから甕から取り出したときに、表面がびっしりと白い塩で覆われているということもあります。かつては今のように減塩に心がけようということもなく、保存性を高めるために塩分濃度を高くし梅干しを作っていた家庭が多いので、塩でカビからも守られていました。

産膜酵母なら安全

梅干しについた白いものが、塩ではなくカビでもなく「産膜酵母」という酵母菌の場合があります。この産膜酵母は梅干しを漬け始めたときにうっすらとした膜となる場合や、出来がった梅でも増えることがあり、梅の実を柔らかくしてくれる酵母です。取り除くという簡単な処理方法で安全に食べることができますが、そのまま放置しておくと増え続け、白カビも発生してしまうこともあるので、見つけたら取り除くようにしてください。

白いふわふわはカビの可能性が

梅干しに白いものが発生していて、塩との見分け方で、ツブツブとした固い結晶ではなく、触った時にフワッとしているよう場合は、カビの可能性が高いです。塩との見分け方が不安な場合は、白いものや白いものが付いた梅干しをグラスにいれたお湯の中に入れてみます。塩であればお湯に溶けますが、カビはお湯の中に広がることはあっても溶けることはありません

お湯を使った見分け方でカビと判断できたら、カビの部分は全取り除くという処理を先ずします。白いものが付いていない梅干しは、お湯でさっと洗って天日干しして表面を綺麗に乾かして、清潔な容器で保存し再度白いカビが発生していないようであれば、食べられます。

黒カビの場合もある

購入した梅干しでも、長期間保存していると黒カビが発生することもあります。黒カビの場合は、一部に発生していても、梅干しの内部にまでカビが侵食していたり、周囲の梅干しにもカビの菌が付いている場合があるので、黒カビが付いている梅干しはもちろん、その周囲の梅も捨てるようにして、保存容器を清潔なものに変えてください。黒カビの見分け方は、臭いをかいでみるとツンとした臭いがします。

梅干しに生えてしまった黒カビは、口にするとアレルギー性の病気や中毒を起こす場合もあるので、絶対に食べないようにします。たくさん保存している一部に黒カビが発生したら、その周囲の梅干しは捨て、容器も清潔にして、その後もカビが発生していないか確認をした上で、安全なようであれば食べるようにします。

梅干しのカビが不吉って本当?

梅干しにカビが生えたら不吉な兆候」と言う人もいます。昔は梅の実を20~30%という高い塩分濃度で漬けていたので、現代よりも殺菌が簡単にできない環境でありながらも、抗菌効果が働きカビが生えることがほとんどありませんでした。そうした漬け方をしても白いカビでも黒カビでも生えてしまうというのは珍しいことで、天候が例年と違うとか、何か悪いことが起きるのではないかという思いで、言い伝えになっています。

現代ではスーパーなどで市販されている梅干しや手作りの梅干しでも、塩分濃度は10%代といった程度なので、昔の梅干し作りよりもカビは生えやすいといえます。もしカビが生えてしまった場合でも、不吉なことが起きるというのではなく、保存方法を見直してみるなどの具体的な対策をすることで、予防することができます。

梅干しについたカビは何が原因?

梅干しをつくるときの水分

梅干しを作る時には、梅の実の選定が大切です。梅の実を漬ける前に、綺麗に洗ってからヘタをとって広げて乾かしてから、一粒ずつ清潔なふきんやキッチンペーパーで丁寧に水気をとります。この時に、梅の実が傷ついていたり、皮が破けている部分がないかもチェックします。傷の部分から水分が入るとカビの原因になります。梅の表面の水分は徹底して取り除いてから、漬けるようにします。

また梅の実は完熟している方がカビが生えにくいです。青く固い梅を購入した場合は、数日間ザルに並べて追熟させると、梅のみのなかの水分量が減って、後にカビが発生しにくくなります。

梅干しの容器が腐食する

梅干しを漬けるための容器が、古いものでカビの菌がついている場合も、梅干しにカビを発生させることになります。容器だけでなく、梅干し作りに使う重石用の蓋、菜箸、お玉、布巾といったものも清潔なものを使うことで、カビを予防できる場合があります。容器や道具に余分な水分が残っているときにも、カビの原因になります。

梅の実や容器の除菌が足りない

梅干し作りでカビが発生する原因の多くが、漬ける前の梅に雑菌がついている、梅干し作りに使う容器や道具の殺菌が足りないといったことです。梅の実は完熟したものを使いますが、きれいに表面の汚れをふき取ったものを使い、もし天日干ししているときににわか雨などで濡れてしまったら、水分をしっかりとふき取って、再度天気の良い日にほして、完全に乾かしてから使います。

容器や道具は清潔なものを使いますが、漬け始める前にアルコール度数の高いホワイトリカーや焼酎を内側の面と口部分にスプレーして消毒するのも、カビ対策として有効です

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梅干しにカビが発生したときの処理方法

カビがそれほどひどくない場合

梅干し作りをしている上でカビが発生してしまったら、初期の状態で白いカビであれば、その部分を取り除くことで処理することができます。すでに出来上がった梅干しであれば、白いカビ部分を取り除き、他は安全に食べられることができます。漬け込んでいる時であれば、対処方法がそれぞれの場合にあるので、梅酢にカビが生えてしまった場合などを参考にしてください。

梅酢にカビが生えてしまった場合

梅干しを作っている工程で梅酢が上がってきて、白いカビが発生した場合は、酸に強いステンレス製のお玉やスプーンで、静かに白いカビ部分をすくい取るという処理をします。この方法は、表面にだけうっすらと膜のように発生している白いカビの場合で、梅酢が濁っていない場合に有効です。

梅酢が濁ってしまったようなカビの場合は、梅を取り出してその梅酢は捨てて、梅干しをホワイトリカーの中に入れてふるように洗ってから、清潔なキッチンペーパーでよく拭いて、もう一度塩漬けにします。この時には塩は少し控えて、ホワイトリカーなどの焼酎を多めに使います。こうして新たに梅酢が上がるようにしますが、梅酢が上がってこないようなら市販の梅酢や梅干しづくりをしている人から分けてもらい、足します。

梅干しの実にカビが生えてしまった場合

梅干しを漬け始めて、梅の一部にカビが生えてしまった場合は、その梅を静かに取り除きます。その時の梅酢の状態やまわりの梅の状態もよく見て、カビが他にもないか確認をします。梅酢が濁っていずにカビでいないようなら取り出した梅をお湯や焼酎の中にいれて洗い、カビがはがれるように落ちたものは、水分をきって半日くらい天日干しをして、表面が乾いたら元の漬けているところに戻します。

梅干しを軽く洗ってみた時に、梅干しの皮が破れてしまったらその梅はカビが中にまで発生している可能性があるので捨ててください。梅酢はキッチンペーパーやふきんで一度濾してから、鍋にいれて煮立たせて滅菌した上で、冷めたら天日干しをしなおした梅とあわせて漬け込むと復活させることができます。

黒カビが発生した場合

梅干し作りの工程で、梅酢に浸かっている状態で黒カビが発生したら残念ですが、全て捨てるようにします。天日干しも済み、保存している状態での黒カビの発生であれば、梅干しを多めに取り除くという処理で、他のものは食べられることもありますが、梅酢に黒カビの菌も混じると、全体に行きわたってしまっている可能性があるので安全のために、漬け込みは中止します。

梅干しにカビがつかないための対策

水分に注意をする

せっかく手作りする梅干しにカビを発生させないためには、梅の実の水分対策をします。最初に漬け込む時に塩をまぶしますが、減塩用の梅干しにしたいからと、塩を10%以下にするとカビが発生しやすくなります。15%くらいにして、焼酎などに梅の実をくぐらせてから塩をまぶすのもカビ対策になります。
 

梅の実の水分だけでなく、カビを発生させないために、保存容器や使う道具も水分が残っていない状態のものを使うようにします。保存ビンを洗っても水分が残っていると、その水のなかの雑菌が繁殖したり、重石についている水分からカビが発生する場合もあるので、水分には注意します。心配な場合は、焼酎をふきつけるといったことの対策もおすすめです。

腐食しない容器を使う

梅干し作りをする時に、カビを発生させないためには、密閉性があり梅干しの酸に強い容器を使います。昔は甕を使っている家が多くありましたが、ホウロウ容器やガラス瓶などもおすすめです。専用の漬け込む容器が無い場合には、厚手の保存用バッグで漬け込むこともできます。水分が付いていない新しいバッグを用意して漬け込めば、カビ対策にもなります。

梅の実は梅酢にしっかり浸す

梅干しを作っている間にカビが生える一番の原因が梅酢の上がりが悪いことにあります。梅酢が少ないと、梅干しが空気に触れる部分がでてきてしまい、そこに空気中の雑菌などが混じり、カビになります。あまりに梅酢が少ないようなら市販のものを足すなどする対策も必要です。

土用干しも忘れずに

梅干し作りをする工程で、天日干しをすることを「土用干し」とも呼びます。梅を収穫して漬け込む準備ができたころが梅雨の時期で、梅雨明けの良く晴れた天気の良い日のことで、梅雨明けした後には晴天の日が続き、日光も強く照るので殺菌に向いている時期でもあります。土用干しも天日干しも、作業としては同じでザルに梅が重ならないように広げて、直射日光が当たる場所で日中干しておきます

天日に当てて干すことで、梅の表面についている菌を殺菌する効果でカビ対策になります。また皮や果肉が柔らかく熟すことで、美味しい梅干しになり、色も鮮やかにるという昔ながらの知恵でもあります。

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梅干しをつくるときはしっかりカビ対策をしよう

梅干しを作る時には、カビが発生しやすくなる原因を取り除いて漬け込むようにします。あらかじめカビ対策をとることで、カビの発生を抑えることができますが、作っている工程でカビが発生した場合も、正しい見分け方をして、処理方法をとることで漬け直すこともできます。見分け方と処理の方法を知って、美味しく安全な梅干しを作ってください。

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