フルコースの流れや順番!フランス料理(フレンチ)の構成やマナーとは?

フルコース料理はレストランや料亭などで提供される順番や流れが決まっている食事です。フルコースは洋食のフランス料理やイタリア料理、和食の懐石料理や会席料理があります。フランス料理のコース料理で提供されるメニューや提供される料理の順番や構成について紹介します。また洋食や和食に限らず、フルコースには礼儀作法やマナーが存在します。楽しく周囲を不愉快にさせない為にも最低限の礼儀作法やマナーは守るのが常識です。フルコースのマナーについても紹介します。

フルコースの流れや順番!フランス料理(フレンチ)の構成やマナーとは?のイメージ

目次

  1. 1フルコースの流れやマナーが知りたい!
  2. 2フルコースとは?
  3. 3フルコースメニューの流れと順番:フランス料理
  4. 4フルコースのマナー:洋食
  5. 5フルコースのマナー:和食
  6. 6フルコースを正しいマナーで楽しもう!

フルコースの流れやマナーが知りたい!

格式の高いレストランや料亭ではフルコース料理が提供されます。好きなものを食べたいときに注文する一品料理とは異なり、フルコースはメニューの内容や提供される順番が決まっています。フルコースはレストランや料亭の場を楽しみながら、語らいをしつつ料理を堪能する場です。洋食も和食も同じです。

フルコースの料理を提供する側は、順番に提供することで最高のもてなしを行っています。そして提供される側にも、それなりのマナーが存在します。そんなフルコースの流れやマナーについて紹介します。

フルコースとは?

フルコースの料理で最初に思い浮かぶのがフランス料理のフルコースです。洋食のフルコースの料理はフランス料理の他にもイタリア料理のなどもあります。また和食でも懐石料理や会席料理のフルコースが存在します。フルコースは料理の順番や流れ以外にも礼儀作法やマナーが存在するのが特徴です。

洋食のフルコースについて

洋食のフルコースの歴史は古く1800年以前からフルコースのスタイルで料理を提供していました。しかし当時のフルコースはすべての料理を一気に提供するスタイルでした。テーブルいっぱいに料理を並べることでゴージャスさを誇っていたためです。しかし料理が冷めたりしてしまうことが欠点でした。

ユルバンデュボアという料理人がフルコースのスタイルに変革を及ぼしました。一つひとつ流れるように料理を提供することで常に最高の状態で提供し、温度や食感をベストのタイミングで味わってもらえるスタイルです。これが今のフルコースの形の始まりです。そして全世界へその方法が広まりました。

着席までのマナー

フルコースのマナーは入店時から始まっています。レディファーストを行うなどさりげない行動が当然のマナーです。コート類を預かってもらうさいも女性から行います。テーブルまで案内してもらう際も女性が先です。ただし、予約した名前をウェイターに伝えるのは男性から行うのがフルコースのマナーです。

洋食のフルコースはテーブル席に着席しますが、着席時のマナーのポイントは座る場所です。ゲストは上座に座るのは日本と変わりありません。入り口から最も遠い席が上座です。

また区別がつきにくい場合には、支配人が席を引いた場所が上座です。座るときもレディファーストです。男性は女性が着席してから座ります。着席や退席は左側から行うのもマナーです。脚を組んで座るのはマナー違反です。そして手荷物は左側の床下に置くのもマナーです。

フルコースを注文する前の注意点

フルコースの料理は事前に予約しておくスタイルと着席してからオーダーするタイプがあります。注文をするときの注意点は2つあります。まず一つ目は、全員が同じランクのコース料理を注文することです。コース料理のランクが異なれば、テーブル席内で変な上下関係が生まれてしまいます。

二つ目のポイントは残さず食べられる量のコース料理をセレクトすることです。食べきれない量のフルコース料理を残す行為はマナー違反です。また、分け合って食べるのもNGです。自分ひとりで残さず食べられる量であるかを確認することが大事なポイントです。

フルコースメニューの流れと順番:フランス料理

フランス料理のフルコースには料理の提供される流れや順番が決まっています。提供される料理のメニューは異なっても種類の順番は変わりません。一般的なフルコースでは7品、フォーマルなフルコースでは8品、格式の高いフルコースでは11品が順番通りに提供されるのがフランス料理のフルコースです。

オードブル

フランス料理フルコースの一番最初に提供されるのがオードブルです。前菜とも呼ばれます。オードブルはこれから楽しむ食事の食欲を促進する意味合いがあります。塩味や酸味を効かせた料理が多いのは食欲促進のためです。ボリュームは少なめですが、彩りが豊かに工夫されています。

食前酒とマッチするような味付けにしているケースもあります。オードブルは冷たい料理であることが多く、次の料理へ味が残らないように少し薄めの味付けに工夫するシェフもいます。格式の高いフルコースではアミューズと呼ばれる突き出し料理がオードブルの前に提供されるケースもあります。

スープ

オードブルの次はスープが提供されます。フルコースのメイン料理への入り口に該当します。スープは冷えている体を温める意味合いもあります。フランス料理のフルコースではスープも時間をかけて調理しており、手間暇をかけることでおもてなしを表しています。

透明な色をしたコンソメ系のスープや、ポタージュのようなクリーム系のスープがあります。最近では、ヴィシソワーズと呼ばれるコンソメ系とクリーム系の両方の良さをミックスさせたスープが人気です。より手間暇をかけてスープをシェフが調理しています。

サラダ

提供される順番が決まっているフランス料理のフルコースの中でサラダの提供する場所はコース料理によって異なります。魚料理の前で提供されるケース、肉料理の前に提供されるケース、そして肉料理の後に提供されるケースがあります。その料理メニューによってどのタイミングが一番良いのか考えられて提供されています。

肉料理の前で提供されるケースでは、肉料理で血液が酸性になる前に、サラダを食べてアルカリ性にしておくという効果があります。逆に肉料理の後に提供されるケースでは、酸性になった血液を中和するためにサラダを食べます。役割は同じですが、美味しく料理を堪能できるスタイルに調整されています。

魚料理

フランス料理のフルコースでは魚料理の事をポワソンと呼びます。メインディッシュである肉料理の前に魚料理を出すのは消化の良さを優先しているためです。

魚料理には調理方法がいくつか存在します。魚を蒸し料理にしたポワレ、魚に焼き目がつくように焼いて調理されたグリエ、魚に小麦粉やバターをまぶして焼き上げたムニエル、少量の油でいためたソテー、魚貝に小麦粉をかけて卵とチーズで焼いたピカタなどがあります。

ソルベ

魚料理と肉料理の間に提供されるのがソルベです。ソルベはシャーベットです。デザートのシャーベットではなく、一度ここで口直しを行うために提供されます。ポアソンは油やソースの味が口の中に残ります。これを一度リセットさせて次のメインディッシュを最高の状態で食べてもらうための工夫です。

ソルベはデザートと異なることと、お腹を満たすために出されているわけではない為、砂糖はあまり使わずに作られるケースが多くなっています。

肉料理

フランス料理フルコースのメインディッシュが肉料理であるアントレです。牛肉、豚肉、鶏肉などのお馴染みの素材の他、馬や鴨、鹿などを素材に調理される場合もあります。肉料理の腕の見せ所は臭みをいかに工夫するかです。肉本来の臭みを打ち消すソースや付け合わせなど考え抜かれた料理ばかりです。

そしてメインディッシュを食べ終えたころに、満腹感を感じるように計算されているのもフランス料理のフルコースの特徴です。メニューのボリュームだけでなく、満腹感を誘う味付けなども工夫されています。

デザート

そしてデザートです。フランス料理の本場では第二のメインディッシュと呼ばれるほど洋食のフルコースでのデザートは非常に大事な位置づけです。パティシエはデザートだけを専念して作るシェフであり、デザートに重きを置いています。デセールとも呼ばれています。格式高いフルコースではデセールの前にチーズが提供されることもあります。

デザートは、見た目の華やかさと繊細なデコレーションとともに食事の最後の満足感を与えるものでなければなりません。そして最後に食べたデザートはその店の印象にも直結します。そのため、デザートはメインディッシュ以上に重きをおいて提供しているのがフランス料理のフルコースの特徴です。

洋食のデザートではアイスクリームとケーキ、フルーツが同じプレートに盛られる場合が一般的ですが、格式が高い洋食のフルコースの場合には、菓子系のアントルメとフルーツを別々に提供します。

コーヒー

最後はコーヒーで締めくくりです。小さなお菓子であるプチフールがつく場合もあります。コーヒーの成分には脂肪を燃焼させる働きがあり、消化を促します。コーヒーは小さいカップで提供されるのがほとんどです。デミタスと呼ばれています。

フルコースのマナー:洋食

フランス料理のフルコースではテーブルマナーも大事です。食事を楽しむためにはマナーを守るのが最低限の常識です。ナプキンカラトリーの作法はもちろんの事、メニューの食べ方にもマナーが存在します。

ナプキンの使い方

テーブルに着席するとナプキンが畳んで置かれています。ナプキンの使い方は膝の上に置いて使います。ナプキンは口や手をふくために使用します。ティッシュペーパーを取り出して使うのはマナー違反です。ナプキンを膝の上に置くタイミングは全員が着席したころがベストなタイミングです。

また食後、席を立つときにはナプキンを雑にテーブルの上に置くのがマナーです。雑に置くのは食事が美味しかったことを意味します。逆にきれいに畳んで置くと食事に満足できなかったことを意味します。

カトラリーの作法

カラトリーとは、ナイフやフォークなど食事をするための道具のことです。カラトリーにも作法があります。カラトリーはたくさん並べられていますが、外側から使うように並べられています。迷わずに外側から取って使用するのが正しい作法です。

フランス料理では、イギリスほどテーブルマナーに細かくありません。フォークは腹を使わず背に乗せる、食事中にフォークを持ち変えてはいけないというマナーは格式高いイギリス式のマナーです。フランス料理ではそこまでこだわる必要がありません。

カラトリーを誤って落としてしまったときには、自分で拾わずウェイターを呼ぶのも礼儀です。食事中にカラトリーを置く時には、ハの字に置き、食事が終わったときには揃えて置くのが作法です。この時ナイフの歯は自分側に向けることを忘れないようにします。

スープの飲み方

フランス料理フルコースのマナーではスープ飲み物ではなく食べ物という扱いです。奥から手前側へとスプーンを運び音を立ててずに飲むのがマナーです。飲みにくい時には少し皿を浮かしても問題ありません。温度が熱い時にはスプーンでかき混ぜるのが礼儀です。息を吹きかけるのはマナー違反です。

パンの食べ方

フランス料理にフルコースではスープのすぐ後にパンが提供されます。パンは、メインディッシュである肉料理と一緒に食べ終わるのが一番美しい食べ方です。パンの意味合いは食事のインターバルに食べる物であり、パンだけを食べるのはマナー上良くありません。

料理の味が混ざらないようにするために、メニュー料理とパンを交互に食べるのがフランス料理の食べ方です。また、パンはそのまま食べるのはNGです。ひと口大に手でちぎって食べるのが正式な食べ方です。

魚料理の食べ方

身崩れが起きやすいのが魚料理です。魚料理はフイッシュナイフとフイッシュスプーンを使って食べます。フィッシュナイフを使って、上手に左から魚を切るとともにソースと一緒にフイッシュスプーンに乗せます。そして口に運ぶのが最もきれいな食べ方です。

フルコースのマナー:和食

フルコースはフランス料理やイタリア料理など洋食だけではありません。和食にも懐石料理や会席料理などのフルコースがあります。和食のフルコースにも料理の流れや順番があります。

懐石のフルコースの順番

懐石料理とは、和食の茶会の席で出される一汁三菜を基本とした料理です。飯や汁を最初に提供するのが特徴です。茶懐石とも呼ばれています。

懐石料理のメニューの流れは、居酒屋のお通しなどに準ずる先付、次にひと口寿司や少量の蕎麦などが提供されるお凌ぎ、洋食のスープに該当するお椀、刺身が提供される向付、山や海の幸を使った一品料理の八寸、旬の魚の焼き料理である焼き物、旬の野菜などを用いた煮物である炊き合わせ、炊き込みご飯などのご飯、デザートに該当する水菓子です。

会席のフルコースの順番

会席料理とは、和食の酒宴向きの料理を意味しており和食の主流です。酒菜がメインで飯や汁などは最後に提供されるのが特徴です。

会席料理のメニューの流れは、お通しの前菜、前菜をリセットさせる吸い物、メインの一品目の刺し身、季節の魚や肉を用いる焼き物、季節の野菜の煮物、野菜や魚の揚げ物、茶わん蒸しなどの蒸し物、口直しの意味で提供される酢の物、締めの食事のご飯とみそ汁とお新香、最後は和菓子や果物と和食らしくお茶で締めくくられます。

フルコースを正しいマナーで楽しもう!

フルコース料理には洋食であるフランス料理やイタリア料理の他に和食である懐石料理や会席料理があります。どれも最高のメニューを最高のタイミングで一品ずつ提供されるのがフルコース料理です。フルコース料理にはメニューが提供される流れがあります。一番美味しく料理を食べてもらえるように流れは工夫されています。

フルコース料理にはマナーがあります。美味しく料理を食べるための最低限の礼儀作法です。和食にも洋食にもマナーは存在します。恥じない為にも、そして周囲に不愉快な思いをさせずに食事を楽しむためにも、フルコースの正しいマナーでコース料理を楽しみましょう。

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