乾燥野菜の栄養価・メリットとは?適した食材・作り方も解説

野菜を乾燥させることで得られるメリットを知っていますか。この記事では、乾燥野菜のメリットとデメリットに加え、長期保存する方法などを紹介しています。また、乾燥野菜の栄養価についても紹介しているため、ぜひこの記事を参考に、取り入れてみてください。

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目次

  1. 1乾燥野菜とは
  2. 2乾燥野菜のメリット
  3. 3乾燥野菜における栄養価
  4. 4乾燥野菜の作り方
  5. 5乾燥させることで栄養価アップが期待できる野菜
  6. 6乾燥野菜のデメリット
  7. 7乾燥野菜の栄養価を理解して美味しく食べよう

「乾燥させた野菜って、本当に美味しいの?」
「野菜を乾燥させると栄養価に影響はないの?」
「自宅で乾燥野菜は作れる?」
乾燥野菜と聞くと、長期保存ができるので便利そうだなと思う反面、このような疑問を抱く方もいるでしょう。


今回はそんな不安を取り除くために、乾燥野菜のメリットだけではなく、デメリットについても解説していきます。また、乾燥野菜の作り方についてもいくつか紹介しているので、自分で作ってみたいけど作り方がわからないといった方の参考になります。


乾燥野菜の知識を正しく理解して毎日の生活に取り入れれば、健康のために役立てたり、乾燥野菜を使ったおいしい料理が発見できたりするでしょう。ぜひ、この記事を参考にしてみてください。

乾燥野菜とは

乾燥野菜の意味を調べてみると「貯蔵・輸送に都合の良いように、また、独自の風味を付すために乾燥させて野菜」と出てきます。


長期保存という点だけではなく、乾燥させれば軽く小さくなるので、保存場所の確保や輸送という点でも便利な上、生野菜にはない風味も味わえます。


そんな乾燥野菜の歴史は意外に古く、地域の食文化にも深くかかわっています。以下で、詳しく紹介していきましょう。

古くから親しまれている

日本の乾燥野菜の歴史は古く、紀元前2500年頃には既に存在していたとされています。


奈良時代の頃は盛んに作られていたようで、奈良の大膳寮という役所には干し椎茸、干しワラビ、干しゼンマイ、切干大根といった沢山の乾燥野菜が蓄えられていて、野菜のとれない期間の保存食としての役割を担っていたようです。


この乾燥野菜の文化は日本だけではなく、海外にも古くから存在しています。ドライポルチーニ茸やドライトマトなどは日本のスーパーでもよく見かける商品ですよね。

用途が増えつつある

近年は天日干しだけではなく、人工的に野菜を乾燥させる技術を組み込むなど、野菜の乾燥技術は劇的に進化しています。技術の向上により、人工的に野菜を乾燥させる際の品質劣化が少なくなり、味も良いので、乾燥野菜の用途はどんどん増えつつあります。


例としては、カップラーメンのかやくや乾燥野菜入りの味噌スープ、パックの野菜だしや粉末状のスムージーといった商品です。


また、災害時の非常食や宇宙食にも使用されています。そのため、今後も乾燥野菜の市場は伸びていくことが想定できるでしょう。

乾燥野菜のメリット

野菜を干して保存するという方法は、昔から使われてきている保存方法です。現代では冷蔵庫の普及もあり、生野菜の保存もできるようにはなりましたが、野菜を干すという方法は現代でも使われています。


ここでは、乾燥野菜のメリットについて紹介します。

長期保存ができる

生野菜が腐敗してしまう原因の1つは、生野菜に含まれている水分量が多い点です。野菜の水分と栄養によって微生物が繁殖して、野菜が腐ってしまうのです。


腐らないとしても、鮮度が次第に落ちて劣化が進んでいきます。しかし、野菜を乾燥させて水分量を減らすことで、腐敗や味の劣化が防げ、長期間の保存が可能となります。


例えば、フリーズドライによって乾燥した野菜は、ほとんど水分を含みません。そのため、フリーズドライ商品は数カ月から数年と、長期間の保存が可能となります。

うま味が増す

野菜の水分量が減ると、野菜の甘味や旨味が凝縮されます。水分だけが蒸発するので、甘味や旨味が濃くなるのです。


甘味や旨味たっぷりの乾燥野菜の戻し汁は、だしとしても使えます。最近では野菜だしのパックも販売されていて、好評のようです。


また、乾燥野菜自体の甘味や旨味が強い上、水で戻した乾燥野菜は味も染みこみやすいので、味付けに必要となる調味料の量も少なくてすみます。薄味を心がけている方には嬉しい食材です。

乾燥野菜における栄養価

ここまで乾燥野菜のメリットを紹介しましたが、野菜を乾燥させてしまうことで、栄養価にはどのような影響があるのでしょうか。


日常に取り入れる場合は、栄養価について気になる方もいるでしょう。では、以下で紹介していきます。

乾燥させることで栄養価が濃縮される

旨味成分と同様に、野菜を乾燥させると栄養価も凝縮されます。


野菜の水分割合は約8割もあります。100gの生野菜を食べるのと、100gの乾燥野菜を食べるのでは、摂取できる栄養価の量が変わってくるのは当然です。言い換えると、乾燥野菜は少量でも高い栄養価を摂取できる食材だと言えるでしょう。

乾燥させることで増える栄養素がある

野菜を乾燥させると水分量が減って、栄養価が凝縮されますが、栄養価が増えるのは一体何故なのでしょうか。


理由は紫外線にあるようです。野菜が太陽の紫外線を浴びることで「縮合反応」という反応がおこり、ビタミンBやナイアシン、食物繊維、カルシウム、鉄分などの栄養価がアップします。


天日干しをさせるだけで栄養価が上がるのであれば、使いきれない生野菜など、乾燥して保存しておくのも良い方法ではないでしょうか。

乾燥野菜の作り方

乾燥野菜は自分で作ることもできます。ここでは乾燥野菜の作り方を紹介します。


使いきれなかった、なすやにんじん、かぼちゃなど、色々な野菜で作れます。とても簡単なので、ぜひ試してみてください。

天日干しの場合

天日干しの場合、空気の乾燥している冬が適していますが、梅雨時を除けば、風通しの良い場所を選んで干すことで作れます。


干し野菜の作り方は以下の通りです。


1.野菜を洗って水けをふき取り、5mm程度の薄切りにする
2.野菜が重ならないようにザルに並べる
3.日当たりと風通しいの良い場所で干す


完全に乾燥させるには1~2日程度かかります。
半干しであれば、半日程度で出来上がります。


野菜を干す場合、専用のネットなども販売されています。専用のネットを使用すれば、少ないスペースで沢山の野菜を干せるので、おすすめです。

電子レンジを用いる場合

すぐに乾燥野菜を使いたい場合や、天日干しをしている時間がないときには、天日干しの代わりに電子レンジを使用して作ることも可能です。


野菜を薄切りにした後、電子レンジのターンテーブルや耐熱皿にオーブンシートを敷いて、野菜が重ならないように並べます。ラップをせずに、600Wで7~8分ほど加熱してください。加熱後はケーキクーラーなどを利用して冷やすと、野菜がパリッとしてきます。水気の多い野菜の場合には、電子レンジの加熱時間を調整してみてください。


ただし、1回で作れる量が少ないので、時間がないときなどはお皿に並べられる程度の量で作るようにしましょう。

食材乾燥機を用いる場合

今は食材を乾燥させるための乾燥機が販売されています。天日干しよりも6倍ほど速く野菜を乾燥できるので、頻繁に乾燥野菜を作りたい人におすすめです。


乾燥器を利用すれば、梅雨時でもカビの心配をする必要もなく、野菜を乾燥できます。外に干す必要もないので、虫やほこりの心配もありません。また、1度に2~3kgの野菜を乾燥できるものもあるので、少ないスペースで野菜を乾燥できます。

乾燥させることで栄養価アップが期待できる野菜

続いては、野菜を乾燥させることで栄養価がアップするおすすめの食材を紹介します。どの野菜が乾燥野菜として適しているのか、参考にしてみてください。

大根

大根を切って乾燥させたものが、切干大根です。市販品は、30時間程天日干しされたものが多いようです。家庭でも煮物やサラダなどで美味しくいただける食材なので、馴染みやすい乾燥野菜の1つではないでしょうか。


この切干大根を生の大根と比較すると、切干大根の方が、豊富にカルシウムが含まれているそうです。


長期保存も可能なので、ちょっとしたときにすぐに使えるよう買い置きしておくのもよさそうです。

椎茸

乾燥野菜としてポピュラーなものとして、干し椎茸があります。


干し椎茸に含まれている成分の「グアニル酸」は、生椎茸には含まれていません。椎茸を天日干しすることで初めて生成される成分です。この「グアニル酸」には、他の食材の旨味を強く感じさせる働きがあります。

乾燥野菜のデメリット

ここまで、野菜を乾燥させれば保存期間も長くなり、栄養素がアップしたり旨味成分が増加したりなど、色々なメリットがあることを解説してきました。ですが、野菜を乾燥させることでのデメリットもあるようです。


続いて、乾燥野菜のデメリットについて解説していきます。

水溶性の栄養素は減る

ビタミンCやビタミンB群といった栄養素は、水溶性となります。水溶性という性質は栄養が水に溶けやすく、日光や熱に弱いという特徴があるため、野菜を天日干しにするとこれらの栄養素が失われてしまう恐れがあります。


野菜からビタミンCやビタミンB群を摂取したいのであれば、生のままで野菜を食べるようにしましょう。


また水溶性のカリウムも、水に溶けやすく、乾燥野菜を水で戻すと戻し汁に流れてしまうので、戻し汁も料理に活用するようにしましょう。

食材の色・香りが失われる

フリーズドライ製法では、食材の色や香りが失われることなく野菜を乾燥できます。ですが天日干しの場合は、色や香りに劣化が起こるようです。


天日干しでは、ビタミンCやカリウムなどの栄養が損なわれるだけでなく、カロテノイドやクロロフィルといった色素が反応を起こし、色の鮮明さがなくなります。


また香りも弱くなってしまうようです。

乾燥野菜の栄養価を理解して美味しく食べよう

今回紹介してきたように、野菜は乾燥させるだけで色々なメリットがあります。


ビタミンCやカリウムといった栄養素の摂取では生野菜を取り入れ、それ以外は乾燥野菜をうまく利用すれば、フードロスにも役立つでしょう。また、旨味成分で美味しく野菜を食べることもでき、野菜摂取量の改善にもつながります。


乾燥野菜の知識を身につけて、環境にも体にも優しい食生活を実現してみてはいかがでしょうか。

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