片栗粉にグルテンは含まれる?小麦粉との違いや栄養も合わせて紹介

健康意識の高まりを受け、グルテンフリーという言葉を耳にすることが多くなりました。この記事では、小麦の代わりに使える食材として手に入りやすい「片栗粉」を取り上げています。小麦粉との違いや保存方法、どんな使い方があるのかもわかるでしょう。

片栗粉にグルテンは含まれる?小麦粉との違いや栄養も合わせて紹介のイメージ

目次

  1. 1片栗粉とは
  2. 2片栗粉に含まれる栄養は?
  3. 3片栗粉の保存方法
  4. 4グルテンフリーの片栗粉で代用して作れる料理
  5. 5片栗粉以外で小麦粉の代用にできる粉
  6. 6グルテンフリー食材として片栗粉を活用してみよう

「最近グルテンフリーって良く耳にするけど、私もやってみようかな?」
「小麦を避ければいいんだっけ。小麦粉以外なら全部大丈夫なのかな?」
グルテンフリーとは小麦に含まれるタンパク質、グルテンを含む食品を避けるライフスタイルを指します。


いざ実践しようとなると小麦から作られているものがありすぎて、代わりになるものを探すのが大変と感じる方も多いのではないでしょうか。


この記事では、グルテンフリーを実践するにあたって、身近で手に入れやすい食材である「片栗粉」を取り上げます。小麦粉の代わりに使えるのか、そもそもグルテンは含まれていないのか、など詳しく解説します。


これを読めば、小麦粉の代わりに何を使えば良いのかがわかるようになり、あなたのグルテンフリーライフに役立つでしょう。気になった方はぜひチェックしてください。

片栗粉とは

片栗粉は家にある食材の一つではないでしょうか。スーパーなどで簡単に手に入れることができます。とろみをつける料理の時は必ず登場する片栗粉ですが、どうやって作られているのでしょう。


片栗粉は、本来「カタクリ」という植物の地下鱗茎(地下茎の周りの葉が肉厚で球状になったもの)から取れるデンプン質のことでした。かつては薬として用いられていたこともあります。


しかし、自生のカタクリが激減してしまったことや、もともと鱗茎からは少量しか抽出できないことから、現在ではジャガイモのデンプンから作られています。


名前はかつての名残で「片栗粉」となっています。

片栗粉と小麦粉の違い

片栗粉と小麦粉、見た目はよく似ています。どちらも白くて細かい粉です。ただ、指で触ってみるとその感触に違いがあるのがわかります。それ以外の違いはどこにあるのでしょう。


1つめは、原材料の違いです。前項でも触れましたが、片栗粉は「ジャガイモのデンプン」、小麦粉はその名の通り「小麦」が原料です。


2つめは主成分の違いです。片栗粉は成分のほとんどがデンプンです。そのため、水を加えてもさらさらで、まとまることはありません。


一方、小麦粉にはデンプンの他にタンパク質が含まれています。


3つ目は、料理に使うときの違いです。揚げ物の衣に使う場合、片栗粉を使って揚げると、その仕上がりはいわゆる「竜田揚げ」のように、白っぽくてサクサクした食感になります。小麦粉を使うと、表面はカリッと仕上がり、こんがりキツネ色になります。


とろみをつける料理を作りたい時は、あんかけなどを作る場合は低い温度で粘りが出る片栗粉を使い、カレーやシチューなど、粘りは出したくないがとろみは欲しい場合、小麦粉を使います。

片栗粉はグルテンフリー

片栗粉と小麦粉の違い、わかっていただけましたか。もっとも大きな違いは、原料の違いにあります。


片栗粉の原料はジャガイモです。ジャガイモにはグルテンを作るタンパク質のグリアジンやグルテニンは含まれていないため、グルテンが作られることはありません。


そのため片栗粉はグルテンフリー食材といえます。

片栗粉に含まれる栄養は?

片栗粉の主な成分は「デンプン」です。デンプン、つまり炭水化物がほとんどを占めています。


片栗粉の100gあたりの栄養は、
・炭水化物81.6グラム)
・食物繊維(0グラム)
・たんぱく質(0.1グラム)

となり、その他微量にカリウム、リンなどを含みます。


カロリーは
・片栗粉大さじ1杯(9g)30kcal
・片栗粉(100g)338kcal ほどです。


炭水化物が多いので、糖質を制限している人は使う分量に注意しなくてはいけません。


出典:食品詳細|文部科学省
参照:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=2_02034_7

片栗粉の保存方法

家にある片栗粉、どうやって保存してますか?
買ってきた袋に入れたままで、そこまで気にしていないという方も、多いかもしれません。


粉ものなので、常温保存で大丈夫だと思われがちですが、本当のところはどうなのでしょう。片栗粉の賞味期限は、未開封で1年半ほどです。開封後は1〜2か月ほどです。意外に短いと思われるかもしれませんが、これは、良い状態で保存された場合の数字です。


湿気が多かったり、きちんと封がされていない状態で保存されていたなど、うまく保存できていない場合はもっと短くなるので注意が必要です。最悪の場合、コナダニというダニがついてしまう事態になります。


特に湿度、気温とも高い5月〜夏の時期はコナダニの発生しやすい時期のため、要注意です。


以上のことから、
・未開封のものは、冷暗所で。
・開封後は冷蔵庫や冷凍庫に入れる。
・ダニが入り込まないよう、密閉容器や保存袋に移し替える。
 量が多い場合は、小分けする。

これらを守るようにしましょう。


また、使う時に冷蔵庫や冷凍庫から出すと温度差で結露して、湿気を帯びてしまうので
使い終わったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫に戻すようにしましょう。

グルテンフリーの片栗粉で代用して作れる料理

では、グルテンフリーを実践している場合、片栗粉を小麦粉の代わりに使って作ることができる料理はどんなものがあるのでしょうか。


よく検索されているものとしてお好み焼きとわらび餅があります。

お好み焼き

小麦粉なし!ふわふわ食感♪お豆腐のお好み焼き風
ギルトフリー!お豆腐お好み焼きのレシピです。
小麦粉なしで作れるので、グルテンを気にしている方、ダイエットを意識している方にもおすすめですよ。

お好み焼きは、普通の作り方ですと小麦粉にその他具材を混ぜて焼きます。


小麦粉の代わりに片栗粉をそのまま使うだけでグルテンフリーメニューに早変わりさせることができます。


小麦粉で作るよりももちもちの仕上がりになるので、こちらの方が好きな方もいらっしゃるようです。ご紹介したレシピではお豆腐を入れていますが、お豆腐なしで、具材と片栗粉と水でもできます。


お好きな方はチーズを混ぜても美味しくいただけそうです。

わらび餅

電子レンジで簡単|もちもち豆腐わらび餅
豆腐で作るもちもちわらび餅風です。 ひんやり冷たいわらび餅は夏のおやつにもぴったり♪ デジタルスケール不要!
簡単豆腐スイーツです。

わらび餅も片栗粉を使っておうちで簡単に作れます。


本物のわらび餅は、わらび粉を使って作るものなので実のところは片栗粉を使う場合「わらび餅風」レシピになります。


工夫すれば、デザートもグルテンフリーで美味しく頂くことができます。


ご紹介したレシピは、片栗粉に豆腐を混ぜて作るものですが、他にも片栗粉のみで作るものもあります。お好みに合わせていろいろ作ってみてください。

片栗粉以外で小麦粉の代用にできる粉

片栗粉はグルテンフリーであり、料理の材料として、小麦粉の代わりに使えることがわかりました。片栗粉以外にも、小麦粉の代用として使えるグルテンフリーな粉類は、他にもあるのでしょうか。


ここでは、代表的なものとして大豆粉、米粉、コーンスターチを取り上げます。

大豆粉

大豆粉は、文字通り大豆を粉にしたものです。大豆の粉というと、きな粉も同じく大豆の粉です。この2つの違いは何でしょうか。


大豆粉ときな粉には、製法の違いがあります。大豆粉は生、もしくは生に近い状態の大豆を
粉末にしたものであり、きな粉は、一度煎った大豆を粉末にしたものです。


大豆粉は加熱する料理に使い、きな粉は基本的にそのまま使用するのがスタンダードな食べ方になります。


大豆粉も、片栗粉のようにグルテンフリーなので、小麦粉の代わりに料理、お菓子作りに使えます。また小麦粉のように、パンケーキ、ピザ、お好み焼きなど幅広くお菓子や料理に使うことができます。


ただし、小麦粉に比べ含まれる脂質の量が多いため、焦げやすいという難点があります。
焼くという工程がある料理やお菓子作りをする時は、火加減や温度に気を配る必要があるでしょう。

米粉

米粉も、文字通り「米の粉」です。昔から団子やせんべいの材料として使われてきましたが、最近はより粒子を細かくすることが可能になったため、パンやケーキなど、小麦粉の代わりに使われた商品も増えてきました。


そして、米粉もグルテンフリーな食材なので、片栗粉、大豆粉とともに小麦粉の代わりに使うことができます。


米粉は小麦粉よりダマになりにくいので、ふるいにかけなくてもよく、扱いやすいのも特徴です。


パンを米粉のみ、もしくは小麦粉に米粉を足して作ると米粉特有のもっちりした仕上がりになり、おいしいということでお店でも米粉入りパンは取り扱いが増えてきました。


小麦にアレルギーがあって、普通のパンが食べられない人でも、米粉パンであれば安心して食べられます。


和菓子に使われる上新粉などを使ってパンなどを作ろうとすると、生地が上手に伸びなかったり膨らまなかったりすることが多いので、パン用や製菓用の米粉を用途に応じて使いましょう。

コーンスターチ

コーンスターチは、とうもろこしのデンプンです。コーンはとうもろこし、スターチはデンプンという意味です。見た目は他の粉類同様、白い粉です。こちらもグルテンフリーです。


片栗粉は加熱することでとろみが出ますが冷めると粘度が下がるので、温かいうちに食べる
料理(あんかけなど)に向いています。


コーンスターチのとろみは、低温でも粘度が下がりにくい特徴があり、カスタードクリームなどのお菓子作りに向いているとされます。


ただし、片栗粉の仕上がりのように透き通ることはないので、用途に応じた使い方をすることが大事になります。


米粉や大豆粉のように、小麦粉の代わりにメインで使うというよりは、米粉や片栗粉に足して、という使い方が主となります。


お菓子作りの場合、小麦粉の1/10程度をコーンスターチにするとサクサクとした食感を出すことができます。あとは、自分の好みに合わせて量を調節しましょう。


また、揚げ物に使うとやはりサクサクと軽い食感に仕上がります。

グルテンフリー食材として片栗粉を活用してみよう

グルテンフリーという考え方は、最近ここ日本でも根付いてきました。


もともとは小麦アレルギーがある人など、グルテンを摂取するのを避けなければいけない人向けでしたが、健康意識の高まりによってそうでない人の間でも実践する人が増えたという背景があります。


ただのブームで終わらないのは、実践している人がその良さを実感しているからなのでしょう。


片栗粉は、グルテンフリーを実践している方にとって小麦粉の代わりに、またそれ以外の用途でも安心して使うことができる、グルテンフリー食材です。


ここでご紹介したお好み焼きやわらび餅はもちろん、クッキーやお団子、揚げ物の衣など小麦粉をこれまで使って作っていたお菓子やお料理を片栗粉で作ってみましょう。


意外なおいしさが見つかるかもしれません。

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