トンテキとは？名前の由来や人気レシピ・美味しいソースの作り方も

三重県四日市市の名物料理トンテキとは、どのような料理なのかまとめました。トンテキの名前の由来とトンテキの定義についても紹介、プロのように柔らかく仕上げる焼き方のコツも紹介します。ケチャップやウスターソースで作る人気レシピも紹介しますので、ぜひ自宅でトンテキを作ってみてください。

トンテキの人気は今や全国区となっています。しかし、トンテキがどのような料理か詳しく知らない人も多いのではないでしょうか？トンテキとはどのような料理なのか、名前の由来や定義について解説します。

トンテキは三重県四日市市のご当地グルメで、地元民に親しまれている肉料理です。四日市市の「來來憲(ライライケン)」というお店が発祥といわれており、市街地では戦後まもない頃から食べられていました。トンテキといってもたれや作り方はお店によってさまざまで、四日市市に行けばお店ごとに違う味のトンテキに出会うことができるでしょう。

洋食屋はもちろん、中華料理店やラーメン屋、居酒屋など、トンテキを食べられる店舗は多数あります。今ではトンテキ専門店もあるほど人気で、その知名度は全国に広がっています。

トンテキの名前の由来は、豚(トン)のステーキを略したものが語源です。トンテキの名付け親である來來憲の先代はもう亡くなっていますが、当時を知る人によると、ポークステーキだと高級なイメージがあるためトンテキと名付けられたそうです。ステーキよりもトンテキの方が親しみが湧くでしょう。

ちなみに四日市市では、トンテキをグローブ、グローブ焼き、ということもあるようです。深く切れ込みを入れて焼いた豚肉がグローブに似ていることから、地元の方にそう呼ばれるようになりました。濃厚なたれが絡まったボリューム満点のトンテキは、確かにグローブにそっくりです。

現在は全国各地で人気のトンテキですが、四日市市のトンテキとは全く別物もあります。豚肉を焼いたものをトンテキと誤解している方もいますが、四日市市のトンテキにはトンテキと名乗るための定義があります。本格的なトンテキを食べたいという方は、作り方の定義をチェックしておきましょう。

四日市市のトンテキに使う豚肉は、厚切り肉を使うという決まりがあります。さらに、ソースは濃く黒っぽい色で、ニンニクが添えられていることが条件です。付け合わせは千切りキャベツを主とすることという、以上4つの条件が揃ってトンテキと名乗ることができます。

これら4つの条件をクリアしていればトンテキと名乗ることができるので、店舗によってたれや作り方に違いがあります。四日市市に足を運んだ際は、食べ比べてみるのも楽しいでしょう。

牛肉を焼いたものをビフテキと呼びますが、これはビーフステーキではなく、フランス語のビフテックが由来といわれています。ビフテキは牛肉を焼いたものですので、豚肉を焼いたトンテキとは全くの別物です。トンテキと似た料理であるポークソテーは、厚切り肉に塩こしょうで味付けしたものです。

トンテキは厚切り肉を使うのが特徴です。厚切り肉は焼くと固くなってしまいますが、ちょっとしたコツでプロが作るような柔らかいトンテキに仕上がります。柔らかく仕上げるためのコツを知って、絶品トンテキを作りましょう。

厚切り肉は焼くと硬くなってしまいますが、焼く前に酒につけておくと柔らかくなります。豚肉のタンパク質は酒によって柔らかくなる性質がありますので、事前に酒に漬けておきましょう。料理酒や日本酒の他、ビールに浸けておいても効果があります。

小さな子供に食べさせる場合は、酒ではなく玉ねぎに浸けておいても良いでしょう。玉ねぎには肉を柔らかくする酵素があり、すりおろすことで効果を発揮します。玉ねぎをすりおろし、30分ほど冷蔵庫で浸けておきましょう。すりおろした玉ねぎはそのままトンテキのたれにも使えるので無駄がありません。

トンテキをプロの味に仕上げるには焼き方がとても重要です。柔らかい絶品トンテキに仕上げるための、焼き方のコツをチェックしましょう。

肉を焼くときにフライパンを熱々に熱してから、投入していませんか？ジューっという音と香ばしい香りは食欲をそそりますが、熱いフライパンで焼くことで肉が硬くなってしまいます。熱く熱したフライパンに豚肉を投入すると、急激に熱が加わるので肉が硬く縮み、肉汁が流れ出てパサパサのトンテキになってしまうのです。

冷たいフライパンに豚肉を入れる方法は、最近注目されているコールドスタートという調理方法です。たれに使うニンニクもこのとき一緒にフライパンに入れましょう。火をつける前に全て食材を入れるので慌てる必要がなく、料理が苦手な方でも柔らかく美味しいトンテキが作れます。

肉を柔らかく仕上げるには、強火ではなく弱火で焼きましょう。弱火で豚肉が焼けるのか不安になりますが、心配いりません。時間をかければ弱火でもきちんと火は通ります。ここで強火にしてしまうと肉が縮み、硬いトンテキになってしまいます。

焼き上がりまで時間はかかりますが、弱火でじっくり焼くことが柔らかく仕上げるポイントです。ニンニクも弱火で焼くので焦げる心配がありません。

豚肉を弱火で焼いていると水分がどんどん出てくると思います。この水分には臭みの元となるアクが含まれていますので、しっかり拭き取りましょう。フライパンを傾けて、キッチンペーパーに吸い込ませながら拭き取ります。

ただし、拭き取るのは最初に出てきた水分だけで構いません。豚肉が焼けると出てくる旨味たっぷりの肉汁は、吸い取らずたれとして活用しましょう。旨味たっぷりの肉汁にニンニクの香りを移せば、絶品のたれが出来上がります。

トンテキを柔らかく仕上げる最大のポイントが余熱を利用することです。トンテキは豚肉ですのでしっかり中まで焼きたくなりますが、焼きすぎると硬くなってしまいます。たれを絡めて仕上げた後、8割ほど火を通したらフライパンの火を止めましょう。

火を止めても余熱でじんわり火が通ります。余熱で仕上げるためには、豚肉を常温に戻しておくこともポイントです。この作り方なら安い豚肉でも、プロ級の絶品トンテキが出来上がりますので試してみてください。

ソースが美味しい人気レシピを8選紹介します。ウスターソースやケチャップなど、自宅にある調味料を活用して絶品のトンテキを作ってみてください。

【材料】

• 豚ロース…100g
• 塩こしょう…適量
• 薄力粉…適量
• こんぶ茶…適量
• ニンニク…半かけ
• 酒…大さじ1
• オリーブオイル…大さじ1

1. 肉を軽く叩いて、筋を切ります。
2. 塩こしょう、こんぶ茶をかけて、薄力粉をまぶします。
3. 冷たいフライパンにオリーブオイルとスライスしたニンニクを入れます。
4. 弱火で焼いてニンニクの香りがしてきたら肉を入れます。
5. 焼けたニンニクは取り出します。
6. 肉をひっくり返して酒を入れ、蓋をして蒸し焼きにして完成です。

塩味であっさり食べられるシンプルなトンテキのレシピです。本来トンテキは濃厚なたれに絡めるのが定義ですが、自宅で作るときは自分好みの作り方で作りましょう。味の決め手は振りかけたこんぶ茶と、薄切りにしたニンニクです。

【材料】

• 豚ロース…3枚
• ニンニク…2かけ
• キャベツ…適量
• 油…大さじ2

• ケチャップ…大さじ1
• ウスターソース…大さじ1
• 醤油…大さじ2
• 酒…大さじ4
• みりん…大さじ4
• 砂糖…大さじ1
• 刻みニンニク…大さじ1/2
• 刻み生姜…大さじ1/2
• バター…20g

1. 付け合わせのキャベツは千切りにします。
2. ニンニクは1mmにスライスします。
3. 豚肉はキッチンペーパーでドリップを拭き取り、筋を切ります。
4. 豚肉に軽く塩こしょうし、薄力粉をまぶします。
5. バター以外のたれの調味料を合わせておきます。
6. フライパンに油とニンニクを入れます。
7. ニンニクに焼き色がついたら取り出し、豚肉を入れます。
8. 焼き色がついたらひっくり返し、キッチンペーパーで余分な油を取ります。
9. 両面焼けたらたれを絡めます。
10. たれが絡んだらバターをとかして完成です。

ケチャップベースのたれが美味しい、濃厚トンテキの作り方です。ケチャップやウスターソースなど、家庭にある調味料だけで美味しいたれが作れます。たれは作りやすい分量ですので、肉の枚数によって調節してください。

【材料】

• 豚ロース肉…6枚
• ニンニク…4かけ
• 小麦粉…適量
• 油…適量
• 味の素…お好みで
• バター…20g
• 塩こしょう…少々

• ウスターソース…大さじ6
• ケチャップ…大さじ3
• 醤油…大さじ2
• みりん…大さじ2
• 砂糖…大さじ1

1. ニンニクをスライスし、豚肉の筋を切ります。
2. 豚肉に塩こしょうし、小麦粉をまぶします。
3. フライパンに油を多めに入れて、ニンニク焼きます。
4. ニンニクに焼き色がついたら取り出します。
5. 同じ油で豚肉を入れて焼き色がついたらひっくり返します。
6. 豚肉を取り出し、余計な油を拭き取ったrフライパンに調味料を加えます。
7. たれにとろみがついたらバターを入れて溶か、肉を絡めます。
8. 盛りつけてニンニクを乗せたら完成です。

ニンニクをたっぷり乗せて作る、スタミナ抜群なトンテキです。ニンニクは弱めの火加減で、焦げないよう焼き色をつけてください。ケチャップとウスターソースの濃いめのたれで、ご飯がどんどん進むトンテキです。

ウスターソースをベースにしたたれに、こんぶ茶を加えて作るスペシャルソースのトンテキです。和風と洋風の中間のような、独特なソースが絶品です。じっくり焼いた甘めの玉ねぎと千切りキャベツも、たれと一緒にペロリと食べられるでしょう。

甘めのたれが苦手な方は、ウスターソースではなくオイスターソースでトンテキを作ってみましょう。砂糖の量が少なめですので、お酒にもご飯にも合います。逆に甘めが好みの方は、砂糖の量を増やして作ってみてください。

玉ねぎをたっぷり使った、たれが美味しいトンテキの作り方です。玉ねぎのシャキシャキした食感と酢の酸味で、脂身の多い豚肉もさっぱり食べられます。ケチャップやウスターソース以外でたれを作りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

すりおろしリンゴの効果で豚肉が柔らかく仕上がる、フルーティーなたれのトンテキです。たれは焦げやすいので、煮詰めすぎないよう注意してください。ケチャップを使わなくても、りんごとはちみつで子供でも食べやすいトンテキになります。

ケチャップと中濃ソースで作る、濃厚なたれが決め手のトンテキです。バーベキューソースは子供も大好きな味付けです。豚肉にしっかり絡む濃厚なソースですので、ご飯のおかずに喜ばれるでしょう。

自宅でも簡単にトンテキを作れる、市販の人気ソースを紹介します。ソースの特徴について紹介するので、自分にあった商品をチョイスしてください。

四日市市とんてき協会認定の、本場の味を再現したソースです。家庭でも手軽に食べられるよう作られた、ニンニクの効いた甘辛味です。味が濃いめで冷めても美味しく食べられるので、お弁当に活用しても良いでしょう。ウスターソースをベースにしたソースは、コクがあるのにしつこくないので家族みんなに好まれる味です。

キッコーマントンテキのたれは、醤油をベースにした日本人好みのたれです。トマトや香味野菜の自然の甘みに、ニンニクとスパイスが効いているのでパンチがあってご飯が進む味です。仕上げに30秒絡めるだけですので、パパッと作りたい時にも重宝するでしょう。

日本食研のトンテキの素は、まぶし粉とソースがセットになっているのが特徴です。下味のついたまぶし粉には、肉をコーティングして肉汁を閉じ込める効果があります。たれをしっかり絡めませる役割もあるので、濃厚な特製ソースをたっぷり絡めて食べましょう。

特製ソースはウスターソースと醤油ベースに、焦がしニンニクの香ばしさが加わった食欲をそそる味です。りんご果汁や玉ねぎパウダーも配合しているので、パンチがありながらフルーティーさも感じられる濃厚なソースです。

四日市市名物のトンテキは、自宅でも簡単に作れるメニューです。焼き方のコツさえ掴めば、誰でも柔らかいプロのようなトンテキを作ることができます。四日市市ではトンテキの定義が決まっていますが、家庭で作るときは自分なりのアレンジで作ってみましょう。

ケチャップやウスターソースで簡単にソースを作れますので、家庭でもトンテキを作ってみてください。