生クリームとホイップクリームの違いは?代用は?使い方や特徴を解説

白くてきめ細かいコクのあるクリームと言えば生クリームですが、生クリームとホイップクリームの違いは?代用は?と聞かれると返事に困ってしまう方も多いと思います。生クリームをホイップするとホイップクリームだし、何に違いがあるの?と逆に聞かれてしまいがちですが、実はあるのです。その違いについて詳しく説明しています。また、生クリームやホイップクリームの使い方や特徴も解説しています。

生クリームとホイップクリームの違いは?代用は?使い方や特徴を解説のイメージ

目次

  1. 1生クリームとホイップクリームについて
  2. 2生クリームとホイップクリームの違い:原料が違う
  3. 3生クリームとホイップクリームの違い:バターとマーガリン
  4. 4生クリームとホイップクリームの違い:表記が違う
  5. 5生クリームとホイップクリームの違い:味が違う
  6. 6生クリームとホイップクリームの違い:日持ちする日数が違う
  7. 7生クリームとホイップクリームの違い:値段が違う
  8. 8生クリームとホイップクリームの違い:泡立てやすさが違う
  9. 9生クリームとホイップクリームの違い:バターが作れるかどうか
  10. 10生クリームとホイップクリームの使い方や特徴
  11. 11生クリームとホイップクリームの代用品は?
  12. 12生クリームとホイップクリームの違いを知って活用しよう!

生クリームとホイップクリームについて

生クリームとホイップクリームの違いについて、意外と知らない人が多いのが現状です。「安いクリームと高いクリーム、どうせ買うなら家計に優しい安いクリームを買った方がいい」という認識だけで買われる人もいるようです。それでも、ふと疑問に思うのは「安いクリームの方はホイップと書かれていて、クリームと明記していないのはなぜ?」確かに不思議です。今回はそんな数々の疑問をすっきりと解決していきます。

生クリームとホイップクリームの違い:原料が違う

生クリームとホイップクリームの大きな違いは「動物性」か「植物性」かになります。生クリームの主な原料は牛乳の脂肪分で添加物は一切含まれていません。一方、ホイップクリームの原料は、植物性油脂を使い、乳化剤や安定剤などの添加物が入っています。見た目からは想像はできませんが、植物性の油を加工したものなので、牛乳とは全く関係のないものです。この2つはバターとマーガリンにもたとえられます。

生クリームとホイップクリームの違い:バターとマーガリン

バターは動物性脂肪で出来ていて、マーガリンはコーン油などの植物性脂肪が原料です。一見同じようにみえますが、中身は全くの別物であることが分かります。また、植物性のものが「ホイップ」と表記されているのは、クリームと表示できるのは「乳脂肪を18%以上含み、添加物や植物性脂肪を一切含まないもの」という決まりがあるからです。そのため、消費者にも分かりやすいように名称を区別させて販売しているのです。

以前から「マーガリンは危険」という情報を耳にしたことがあると思いますが、マーガリンを始め、植物性ホイップクリームやスナック菓子など多くの食品に「トランス脂肪酸」が含まれています。米食品医薬品局(FDA)は、心臓疾患を高める恐れがあるとして、2006年には既にトランス脂肪酸含有量表示を義務づけ、国内消費を減らすよう促しています。そして2018年6月からトランス脂肪酸を食品に添加するのを全面禁止しました。

日本での対応は、日本人のトランス脂肪酸の平均摂取量が、FDAの基準より低いということもあり、今のところ大きな動きはありません。しかしながら、一例でも身近な食品にトランス脂肪酸が含まれていて、知らず知らずのうちに摂取していることを考えると、ホイップクリームばかりでなく、消費者1人1人が自分の身は自分で守るしかないように思います。

生クリームとホイップクリームの違い:表記が違う

先程の説明でもあったように、乳脂肪18%以上含んでいて、添加物や植物性油脂を一切含まないものが生クリームと表記できます。一方、植物性クリームを「ホイップクリーム」と呼んでいますが、実際商品を見ると「ホイップ」としか書いていません。消費者たちが混乱を起こすのは、一般的に泡立てた状態のクリームのことを原材料関係なくホイップクリームと読んでしまうことです。違いがあることを知りましょう。

生クリームとホイップクリームの違い:味が違う

このように、原材料が違うので当然味も異なります。生クリームはコクがあり、濃厚でしっかりした味なので、独特の乳臭さが苦手な人もいるかもしれません。一方のホイップクリームは、あっさりとしていて、あまり重たく感じないのが特徴です。乳製品独特の臭いも感じないので、苦手な方もこれなら大丈夫という声も聞かれます。

生クリームとホイップクリームの違い:日持ちする日数が違う

生クリームの賞味期限は未開封の状態で10日ほどですが、ホイップクリームは1カ月半と差があります。開封後の場合は、生クリームで1~2日、ホイップクリームは3~4日です。保存料や添加物が加えられている植物性の方が無添加の生クリームよりも長く保存ができます。もちろん、どちらも開封後は早く使い切るのが良いですがケーキを作り置きしたい場合では、ホイップクリームの方が風味が落ちにくいというメリットがあります。

兎にも角にも「開封後は早めに」という記載がありますが、開封して何日も経過すると空気中の雑菌が混入するので、賞味期限がより短くなってしまいます。夏場は特に注意が必要です。もし、目安の期限よりも前に「すっぱい臭いがする」「舐めてみたら酸味が感じる」「脂肪が分離している」などの状態であれば、著しく品質が低下しているので、使用を控えましょう。

生クリームとホイップクリームが余った時の活用法

生クリームとホイップクリームの賞味期限が分かったところで、もしクリームが余ってしまった時の活用法を紹介します。生クリームが余った時は、コーヒーの上に泡立てたホイップをのせた「ウインナーコーヒー」がおすすめです。コーヒーのためにわざわざ生クリームを買いに行くことはありませんが、余ったクリームなら、活用するにもちょうどいいですし、コーヒーミルクの代用にもなります。

生クリームが余った時にぜひ作って欲しいメニューは「明太子(たらこ)スパゲティ」です。1人分なら少量の生クリームとたらこ、大葉があればバターと塩・こしょうの味つけで美味しい明太子スパゲティが作れます。ホイップクリームでも美味しく作れますが、生クリームの方がより濃厚クリーミーな仕上がりになります。

生クリームとホイップクリームが余った時の冷凍方法

お菓子作りや料理に使う時の生クリームとホイップクリーム、なるべく使い切ってしまいたいですが、もし残ってしまった場合は、冷凍保存することもできます。冷蔵保存の場合、賞味期限がとても短いのでうまく使い切ることができなくても、冷凍保存であれば、動物性・植物性どちらも1カ月保存が可能になります。また、パックに残ったクリームを泡立ててホイップ状にしたのと、残った液体クリームのどちらの状態でも保存可能です。

ただ、注意したいのが、生クリームやホイップクリームを液体のまま冷凍したものは、解凍してもホイップにならないという点です。解凍後にホイップとして使いたいのであれば「ホイップした状態で冷凍する」必要があります。液体のまま冷凍したクリームは「料理のコクだし」に使うと良いでしょう。また、ホイップした状態で冷凍したものもコクだしに使えるので、どちらの要素も兼ねてという点ではホイップで冷凍するのが良いです。

生クリームを液体のまま冷凍保存する時は、製氷皿を使うのが便利です。製氷皿に流し入れ、冷凍したら小分けにして使い時に使うことができます。使う製氷皿はシリコン製のものが取り出しやすくておすすめです。取り出してみて、もし分離していたとしても、料理に使う分には問題ありません。シチューやスープ、メインディッシュのコクだしにと、幅広く使えて料理が一層美味しくなります。

次に、クリームを泡立ててホイップ状にして冷凍保存する時にも、小分けをして固まった状態で冷凍しましょう。アルミホイルや金属トレーの上にラップをしき、小分けのホイップを並べて冷凍し、固まったらチャック式ビニール袋やタッパーに移し替えます。アルミや金属トレーは熱伝導率が良いので、早く冷凍することができるので、おすすめです。また、小分けにする時、星型の口と絞り袋で絞ると冷凍した時も可愛い感じで良いです。

生クリームとホイップクリームの違い:値段が違う

生クリームとホイップクリームは、スーパーの乳製品コーナーで隣同士に陳列していますが、値段は植物性脂肪のホイップクリームの方が安いです。生クリームは動物性脂肪分が多いほど値段も高くなり、350円~400円前後です。生クリームと同じような味と見た目を再現した代替品のようなものがホイップクリームです。

生クリームとホイップクリームの違い:泡立てやすさが違う

生クリームの方が泡立てやすく、口当たりが良いです。ケーキに使うと上品な仕上がりになり、これぞ生クリームといった感じでまさに製菓用向けです。冬場はキンと冷やした生クリームのパックをすぐにボウルに入れてかき混ぜると、氷水を張る必要もなくあっという間に生クリームが完成します。ホイップクリームの方は泡立て中に小さな気泡がみられるのでじゅわっとした口当たりです。分離しにくいというメリットもあります。

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生クリームとホイップクリームの違い:バターが作れるかどうか

生クリームを振って混ぜるだけで「手作りバター」ができるのを知っていますか?しかも、市販のバターよりもフレッシュでとても美味しいです。副産物として出る「バターミルク」は色んな料理に使えます。今もなお、バターが品薄だったり今後も価格高騰の恐れが再びあるかもしれない、そんな時に手作りバターの作り方を知っていると重宝します。まず、冷蔵庫によく冷やした動物性脂肪分35%以上の生クリームを用意します。

生クリームは必ず動物性のものを使用します。美味しい手作りバターを作るのに、植物性では乳化剤や安定剤が入って、固まるのに時間がかかる上に、植物性脂肪が分離した塊で「植物性油脂」になるので、それはもはやバターではなくマーガリンです。ペットボトルに生クリーム1パック入れてフタをしてシェーカーのように混ぜ、短時間で力強く一気に振るのがコツです。生クリームが手の熱で温まらないように注意します。

液体だったペットボトルが混ぜることによって、ホイップ状に変化していきます。急に音がしなくなりますが、それでも混ぜるのを続けて下さい。ホイップが塊になってきたら、あと一息なので、混ぜるのをやめず作業を続けます。「ちゃぽん」とした音が仕上げの混ぜる工程です。完全に固形物と水分に分離したら、水分(バターミルク)をコップに移し、ペットボトルの上部をはさみかカッターで切り取ります。

残った固形物(バター)をボウルから取り出してから、ゴムベラで押して十分に水気を切ったら無塩バターの出来上がりです。有塩バターにしたい時は、ここに塩を適量加えれば完成です。200mlの生クリームから出来た100~120gのフレッシュバターはパンにも料理にも合い、バターミルクもミネラルやビタミンが豊富なので、パンケーキの材料に加えると風味豊かになります。混ぜる工程が大変な時はフードプロセッサーでも作れます。

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生クリームとホイップクリームの使い方や特徴

クラムチャウダーを作る時に、牛乳も良いですが、生クリームを混ぜるとよりコクのある美味しくて優しい味のクラムチャウダーが作れます。クリーミーなクラムチャウダーが好みの方は、ぜひ作ってみて下さい。

カルボナーラの材料に欠かせないのは、生クリームです。カルボナーラの混ぜる工程の時に卵黄と生クリーム、粉チーズや炒めたベーコンと和えるのですが、ここで良質な生クリームを使うことで、濃厚でなめらかなカルボナーラが作れます。カルボナーラの成功は生クリームにあると言っても過言ではありません。ぜひお試しください。

生クリームとホイップクリームを冷凍保存した場合の活用法

砂糖を加えたホイップクリームを小分けに冷凍したら、温かいコーヒーやココアの中に冷凍したクリーム2~3個解凍せずにそのまま入れます。ぷかぷかと浮いてウィンナーコーヒー、ウィンナーココアの完成です。星型の口と絞り袋で絞ったものを冷凍すると、とても雰囲気のあるカフェ風の飲み物に変わります。コーヒーミルクの代用としても使えるので、便利です。

冷凍したホイップは、トーストの上やワッフルのトッピングに最適です。写真のようなホイップとあんこをのせた「小倉トースト」はいかがでしょうか?クリームがトーストしたパンに溶け出して美味しいです。冷蔵保存だとすぐに使わないといけませんが、冷凍しておくと食べたい時にいつでもクリームを味わえるので、とても便利です。

コーヒーゼリーやプリンなどの上に冷凍ホイップをトッピングしても、おしゃれです。コーヒーゼリーにいたっては、コーヒーミルクの代用にもなります。ホイップの甘いクリームが口いっぱいに広がって、見た目にも上品です。食後のデザートにもいかがでしょうか?

生クリームとホイップクリームの代用品は?

料理やお菓子のレシピに「生クリーム」と書いてあったのに、間違えてホイップクリームを買ってしまった場合、代用できるでしょうか?それは、よっぽど厳密に味の違いを求めない限りは問題ないです。生クリームの方がコクがあって口あたりが良いですが、安価でも期限が長く扱いやすいのは、植物性のホイップクリームです。味や体のことを考えると動物性の方が良いですが、買い直すほどではないので代用しましょう。

生クリームもホイップクリームもない時は、牛乳とその他の材料を合わせたもので代用できます。材料も身近なもので牛乳、バター、塩、小麦粉があれば代用できます。作り方は、バター1/3カップを鍋に入れ溶かしバターを作ります。そこに牛乳3/4カップを加え、よく混ぜることで脂肪分36%の生クリーム1カップ分に代用できます。ここに小麦粉小さじ半量を加えることにより、味に深みとコクがでて、とろみもできます。

ポイントは、使う牛乳が無脂肪の場合には効果的です。また、小麦粉を加える時はダマにならないように、茶こしを利用してかけると良いです。この生クリームの代用により、パスタと一緒に混ぜると写真のようなクリーミーなパスタも作ることが可能になります。牛乳と生クリームは元々乳製品なので、牛乳が代用としてはより近い材料になります。

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生クリームとホイップクリームの違いを知って活用しよう!

今回は、生クリームとホイップクリームの違いや代用は?また、使い方や特徴を詳しく解説しました。どちらのクリームにもさまざまな特徴があって、料理や製菓用に役立つことが分かりました。ボウルに入れて混ぜる工程やあのなめらかでコクのあるクリームが仕上がっていく時、つい嬉しくて指にぺろっと付けてつまみ食いしてしまう美味しさです。皆さんもぜひ、生クリームとホイップクリームをうまく活用して下さい。

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