戦国時代の食事では何を食べていた?武将から見る食生活を解説!

戦国時代の食事について解説します。戦国時代の人たちは何を食べていたのか?どのような食事内容だったのか?といった、戦国時代の食生活についての情報を詳しくまとめました。戦国時代の食事を再現したレシピも紹介します。

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目次

  1. 1戦国時代の食事を徹底解説!
  2. 2戦国時代の主な食事
  3. 3戦国時代の武将の食事は?
  4. 4戦国時代の食事の再現レシピ
  5. 5戦国時代の食事は知恵が詰まっている

戦国時代の食事を徹底解説!

戦国時代はいろいろな武将が活躍していた時代で、ファンが多いことでも知られています。しかし、戦国時代の人々の食生活はどのようなものだったかを知っている人は少ないのはないでしょうか?

本記事では、戦国時代の人々の食生活や戦国武将の食事の内容をまとめました。戦国時代の食事を再現したレシピも紹介しているので、歴史好きの人はぜひ挑戦してみてください。

戦国時代の主な食事

戦国時代の食事は1日2食

現代では朝、昼、晩の三回食事を摂るのが一般的ですが、戦国時代の食事は1日2食が普通でした。これは戦国武将だろうが庶民だろうが変わることはなく、1日3回食が普及し始めたのは江戸時代頃からだといわれています。

現代よりも力仕事の多い戦国時代において1日2食では体がもたないのでは?と思われがちですが、当時の人たちはとにかく米をよく食べていたようです。現代人は食事にご飯を1杯か2杯程度食べればそれで十分ですが、戦国時代では1日で米を5合食べていた人もいたようです

また、一般的には1日2食の食生活を送っていた戦国時代の人々ですが、中には1日3回食事をしていた人たちもいました。それは、城などの城などの重要拠点を警備していた人たちです。彼らは夜通し警備をしなくてはならなかったため、朝まで体力が持つように夜の20時から21時頃に一度食事を摂っていたそうです。
 

主食

現代での主食といえば白米が主流ですが、戦国時代に食べられていた主食は玄米でした。玄米は今でも健康食として人気を集めているように、白米に比べてビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養分が豊富に含まれています。

戦国時代は現代のようにおかずで栄養をしっかりと摂るということができないため、玄米を食べて栄養バランスを保っていたのです。江戸時代には庶民でも白米が食べられるようになりましたが、白米を食べるようになってからはビタミンB1が不足してしまい、江戸時代の人々の間では脚気が流行るようになってしまいました。

このような話からもわかるように、玄米に含まれている栄養素は当時の人たちにとっては欠かすことのできない重要なものだったのです。ただ、戦国時代では玄米だけを食べていたわけではなく、玄米の中にヒエやアワ、キビなどの穀物類やイモ類を混ぜて食べていたといわれています。

味噌汁

味噌汁は日本の国民食のひとつともいえるメニューですが、戦国時代でもそれは変わりませんでした。味噌は保存性が高いため、冷蔵技術などがまだない戦国時代では重宝されていました。味噌を乾燥させたり焼いたりして持ち運び、お湯に溶かして味噌汁にして飲んでいたようです

味噌は保存性が良いだけでなくタンパク質やビタミンなどの栄養が手軽に摂れるため、戦国時代の人々の健康面でも活躍していました。また、味噌汁の中に芋類や野菜などを入れれば腹持ちも良くなるため、おかずが少ない戦国時代の人々にとってはまさに欠かすことのできないものだったのです。
 

兵糧丸

兵糧丸とはその名の通り戦国時代に武士たちの兵糧として使われていた携帯食で、穀物などを丸めて作られたものです。戦地へ向かう時は、この兵糧丸を兵士たちに持たせていたと考えられています。米やそば粉、キビ粉などを中心に作られており、それに梅干しやゴマ、菜種などの保存性の良い食材が一緒に使われていました

また、添加物としてはちみつや天草、日本酒などが入っていることもありました。兵糧丸は兵士たちの命をつなぐ大事な携帯食ですので、戦国時代には各地でオリジナルの兵糧丸が開発されていたようです。

作り方は簡単で、すべてを粉末状かペースト状にしてひとまとめに丸めて乾燥させるだけです。乾燥のさせ方には地方によってもさまざまな違いがありますが、日干しや陰干し、燻製などで乾燥させていたといわれています。

芋茎縄

芋茎縄とは戦国時代に使われていたロープのことで、いざという時には携帯食として食べることができました。この芋茎縄は里芋などイモ類の茎を編み込んで作られており、普段は縄として荷物を縛ったりして使います。しかし、一度味噌で煮込んでから乾燥させてあるため、熱湯に入れれば即席の味噌汁を作ることができたのです

鍋で煮込んでいる余裕がない時でも、そのままかじって塩分やカロリーを補給することができました。普段は道具として使えて食べることもできる、まさに知恵の詰まった戦国時代の非常食です。

肉や魚は食べない?

日本では仏教が入ってきてから、表向きには肉食は禁忌とされてきました。しかし、まったく食べていなかったわけではなく、畑を荒らす野獣の肉などを捕まえて食べていたようです。これらの肉は滋養がつくという理由から、肉ではなく薬として食べてられていました。

一方、牛や馬などは畑を耕したり移動手段に用いられる貴重なものだったため、これらの動物を食べることはしませんでした。「家畜」という概念もこの頃にはなく、食べるための動物を飼うということはしていませんでした。しかし、戦国時代に宣教師が日本にやってくるようになると、彼らの勧めで牛肉を食べ始めた人たちもいたようです。

魚は戦国時代でも食べられていましたが、鮮魚を食べられるのは海や川の近くの人たちだけで、大抵の人は塩漬けした魚などを食べていました。戦国武将たちの間ではコイやタイが高級魚としてありがたられていましたが、一般の庶民たちがどのような魚を食べていたかはあまり記録に残っていないため定かではありません。

戦国時代の武将の食事は?

織田信長

織田信長の食生活は意外と質素で庶民的だったようです。貴族たちが食べるような上品な食事は好まず、田舎風の濃い味付けの食事を好んでいました。特に尾張の郷土料理である「焼き味噌」が好物で、味が薄いと大激怒したそうです

他にも、信長が好んだ食事には「湯漬け」というものもありました。湯漬けとは今でいう茶漬けのようなもので、冷や飯にお湯をかけて食べるだけのものです。せっかちな信長は、戦の前にはこの湯漬けでさっさと食事をすませたといわれています。

また、信長は饗応の宴の古い習慣を変えたことでも知られており、信長や秀吉の時代から徐々に饗宴の食事マナーも変わっていきました。

豊臣秀吉

天下を取ってからは贅沢の限りを尽くしたようなイメージがある豊臣秀吉ですが、彼も意外と質素な食生活を送っていたようです。生まれが貧しい農民だったこともあり、どのような高級品よりも麦飯が一番だと部下に語っていたこともあったそうです

しかし、戦の前には力をつけるために虎の肉などを食べることもあったといわれています。また、晩年の秀吉が好んで食べたのが「割粥」というお粥でした。石臼で米を細かく砕いて作ったお粥のことで、当時は長寿の効果もあるといわれていました。

徳川家康

健康に非常に気を使っていた家康は、食事では生涯麦飯を食べていたといわれています。また、現在でいう名古屋出身だったこともあり、八丁味噌を好んで食べていたようです。

このように健康のために食生活にも気を付けていた家康でしたが、晩年は天ぷらを好んで食べるようになりました。そのため、家康の死因は天ぷらの食べ過ぎが原因ではないか?ともいわれています。

戦国時代の食事の再現レシピ

戦国時代の食事は現代の人には合わない?

現在はさまざまな食材や人工調味料などを使った料理があふれているため、現代人の舌は素材そのままの味では物足りなさを感じてしまいます。そのため、戦国時代の食事をそのまま現代人が食べたとしても、あまり美味しいとは感じないでしょう。ただ、現代の食材で工夫して作れば、戦国時代の食事でも美味しく食べることができます。

兵糧丸

戦国時代の戦で大活躍していた、兵糧丸を再現したレシピです。そば粉がない場合は小麦粉でも代用できるため、家にある材料で簡単に作ることができます。周りにきな粉をまぶしてあるため食べやすく、おやつとしても活躍してくれます

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焼き味噌と湯漬け

戦国時代に信長が愛した焼き味噌と湯漬けのレシピです。焼き味噌は大葉とごま油の香りが漂う甘辛味で、おにぎりの具としても利用できます。焼き味噌は焦げやすいので、焼く時は弱火でじっくりと焼くようにしましょう。味噌は八丁味噌を使えば、さらに再現度が上がります。

信長の「焼きみそ・湯漬け」っす by 歴ピ(歴史レシピ) 【クックパッド】 簡単おいしいみんなのレシピが340万品

戦国時代の食事は知恵が詰まっている

戦国時代の食生活や戦国武将の食事についてまとめました。戦国時代は現代のように食材や調味料も豊富になく、生鮮食品を保存する方法も限られていました。しかし、その中でも人々は知恵を絞って、限られた食材の中で効率よく栄養を摂れる食生活を送ってきたことがわかります。

戦国時代の食事は意外と簡単に再現できるので、自宅で手軽に楽しむことができます。機会があればぜひ一度作ってみて、その時代の人々の食事を味わってみてください。

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