「湯がく」と「茹でる」の違い!湯がく方法/意味や似た表現など

「湯がく」と「茹でる」の調理法の違いを知っていますか?ともに熱湯の中に食材を入れて調理する方法ですが、意味や目的が異なります。意味の違いを理解し使い分けをしないと意図しない調理法になってしまいます。「湯がく」と「茹でる」の違いや目的、使い方について紹介します。他にも「煮る」「湯通し」「ゆでこぼす」など似ている表現もあります。これらの違いも紹介します。一部地域では方言で使われているケースもあり、混同しやすいことも注意点として説明します。

「湯がく」と「茹でる」の違い!湯がく方法/意味や似た表現などのイメージ

目次

  1. 1湯がくと茹でるの違いや使い分けを説明できる?
  2. 2湯がくの使い方
  3. 3茹でるの使い方
  4. 4食材で見る湯がく時間の目安
  5. 5湯がくや茹でる似た表現の使い分け
  6. 6湯がくや茹でるの意味を知って料理に使ってみよう!

湯がくと茹でるの違いや使い分けを説明できる?

調理法にはいろいろな方法があります。「焼く」、「炊く」、「蒸す」、「煮る」など様々です。似ている調理法の中に「湯がく」、「茹でる」という調理法があります。「湯がく」と「茹でる」の違いや使い分けを知っていますか?

ともに熱湯の中に材料を入れる調理法なのですが、意味も目的も異なります。使い方を間違えると全く異なる調理法になってしまうため、使い分けすることが大事です。

似て非なる調理法である「茹でる」と「湯がく」の違いについて紹介します。また、「茹でる」や「湯がく」に似た調理法の表現やその意味も説明します。

湯がくの使い方

レシピにたびたび登場するのが「湯がく」という言葉です。熱湯の中に食材を入れる調理法は「茹でる」と一緒ですが、意味も目的も異なります。「湯がく」レシピを「茹でて」しまうと全く異なる料理ができてしまいます。

調理法

湯がく」という調理法の意味は短時間熱湯に浸すことです。サッとお湯にくぐらせる程度ですぐにお湯から出すのが「茹でる」との違いです。素材の芯まで火を通す必要はありません。お湯の温度は65度程度から沸騰しているお湯まで様々です。

目的

素材を湯がく調理法は、野菜のアク抜きをする場合や色落ちを防ぐために使われます。目的は下ごしらえの為に使われることが多く、食材をしんなりさせるために用いられ、「茹でる」のと使い分けされます。

湯がくだけの調理法は栄養素をほとんど失わずに済むメリットもあります。野菜に豊富に含まれる栄養素は茹でると栄養成分が流れ出てしまいます。短時間湯がくだけであれば、栄養成分の流出を最小限にとどめることができます。

注意点

湯がく場合の注意点は、長時間熱湯に浸さないことです。時間は秒単位です。数十秒が一般的で長くても1分以内です。野菜はしんなりとするまでの時間で、筍などアクがやや強めの食材は少し長時間湯がくのが特徴です。

「湯がく」時間が長くなると食材に火が通り、「茹でる」ことになってしまいます。レシピに「湯がく」と書かれている場合には、食材の芯まで火を通さずにさっとお湯から取り出すようにします。

西日本の方言でもある

湯がく調理法は一般的に短時間熱湯に食材を浸す方法ですが、地域の方言によって異なる使われ方をする場合があります。西日本の一部地域では、「茹でる」という言葉の代わりに「湯がく」を使う方言があります。

特に関西地方で多く使われる方言で、麺類などを湯がくという使われ方をします。そうめんなど短時間の麺だけでなく10分以上茹でるパスタも方言で湯がくと言います。方言で調理法が変わってしまうため混同しやすく注意が必要です。

茹でるの使い方

「湯がく」のがしんなりするまで軽く熱湯に食材を入れるのに対して「茹でる」はしっかりと火が通るまで熱湯の中に入れる調理法です。「湯がく」よりも長時間調理するのが「茹でる」の使い方です。

調理法

茹でる」とはお湯に入れて煮る事を意味しています。素材の芯までしっかりと火を通すまで煮込みます。一般的に素材の状態がはっきりと変化するのが茹でる調理法です。麺類やじゃがいもなどは柔らかくなるまで調理します。一方卵などは固くなるまで調理します。

目的

茹でる目的は素材の芯までしっかりと火を通すことです。麺類やじゃがいもなどは柔らかくして食べられるようにします。逆にゆでたまごはしっかりと黄身や白身が固まるまで調理します。茹でることが完結すれば、食べられる状態になっているのが特徴です。

注意点

茹でる際の注意点は、あくまでも芯まで火を通すことです。「さっと茹でる」という表現は、湯がくことを意味しているため、本来は間違った使い方です。レシピに「さっと茹でる」と表現されている場合には、「湯がく」という表現に置き換えて調理するようにします。

また、しっかり熱湯に通す調理法に「煮る」という表現もありますが、「茹でる」は汁を使用せず捨てるのに対して、「煮る」は味付けした汁を使用するという異なる意味があります。

食材で見る湯がく時間の目安

食材の下ごしらえに欠かせない湯がく調理法ですが、食材によって湯がく適正時間は異なります。固い食材ほど湯がく時間が長めになるのが特徴です。

ほうれんそう

美味しいおひたしなどの材料になるほうれんそうは湯がくことの多い食材の一つです。ほうれんそうは茎の部分と葉の部分に分かれています。ほうれんそうの理想の湯がき方は茎と葉に分けて湯がく方法です。

お湯の量は1L程度が理想です。塩を小さじ1杯入れます。そして茎の部分を最初に湯がきます。火傷に注意しながら約30秒お湯につけます。

次に全体を湯に沈めて15秒湯がきます。15秒経過後全体を裏返してさらに15秒湯がきます。合計1分です。茎が固い場合には茎の湯がき時間を少し長めに取ります。

小松菜

小松菜はサラダなどにも活躍しますが、湯がいてパスタなどと混ぜ合わせるレシピもあります。小松菜の場合には、柔らかいため湯がく時間が短くなります。

小松菜もほうれんそうと同じように約1Lのお湯を準備して沸騰させます。小さじ1杯の塩を入れて湯がきます。まず、茎の部分を10秒程度湯がき、全体を熱湯に沈めて15秒湯がきます。茎が少し固い状態の方が歯ごたえがあって美味しい状態となります。

もやし

シャキシャキのもやしはリーズナブルでとても美味しいおかずです。もやしを湯がく際の時間は30秒程度です。太めの肥えたもやしや柔らかめのもやしにしたい場合には、50秒程度湯がくのがベストです。沸騰している熱湯で湯がくのがポイントです。

肉や魚には基本的には使わない

「湯がく」調理法が用いられるのは野菜やタケノコなどだけです。肉や魚の調理には使用しません。肉や魚を霜降りにするときには熱湯をくぐらせたりする場合がありますが、これは「湯がく」とは呼ばずに「湯通し」すると言います。

湯がくや茹でる似た表現の使い分け

「湯がく」ことと「茹でる」ことは意味も異なれば、調理時間も異なります。そして「湯がく」や「茹でる」以外にも似た表現があります。「煮る」、「湯通し」、「ゆでこぼす」の意味も理解しておくと便利です。

煮る

「茹でる」ことの目的は食材を芯まで火が通るようにじっくりと調理することです。同じお湯の中でじっくりと調理する手法に「煮る」というのがあります。「煮る」は調味料を使用して食材にタレの味をしみ込ませることを意味しています。芯まで火を通すことが目的ではなく、食材に味をしみ込ませるのが目的です。

湯通し

湯がくと似ている調理法に「湯通し」があります。「湯通し」は「湯がく」よりもさらに短時間熱湯に浸す調理法です。湯にくぐらせるだけの短時間で表面に軽く火を通すことが目的です。ワカメやこんにゃくなどの調理に使用されます。

肉や魚にも使われます。霜降りにする場合などには湯通しが最適です。色を鮮やかに仕上げたいときや臭みなどを取りたいときに「湯通し」が利用されます。

熱湯の入った鍋に食材をくぐらせるだけでなく、食材に熱湯をかけることも「湯通し」すると言われます。目的は同じです。また湯通しと同じ意味の言葉として「湯引き」「湯洗い」も使われます。

ゆでこぼす

「ゆでこぼす」とは、食材を茹でたあとにざるなどにあけてゆで汁を捨てる調理法です。芋のぬめり取りや小豆の渋み抜きなどに用いられます。アクや臭み抜きなどにも用いられます。「煮こぼす」とも呼ばれます。

ゆでこぼす調理法は茹でる時と違い、食材を水の状態から入れて、一緒に沸騰させていきます。沸騰している状態で食材を投入する「茹でる」調理法とは使い分ける必要があります。

湯がくや茹でるの意味を知って料理に使ってみよう!

レシピには「湯がく」「茹でる」「煮る」など様々な調理用語が登場します。日本語の調理用語は使い方が難しいのが特徴です。それぞれの調理用語にはちゃんとした意味があります。調理法の意味を理解して料理することで素材を活かした美味しい料理を作ることができます。

同じように見えて似て非なるのが「湯がく」と「茹でる」です。使い方を間違うと、全く異なる調理法になってしまいます。方言など紛らわしい地域もありますが、調理用語を理解して使い分けて料理してみましょう。

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