どんぐりを食べる方法とは?縄文時代の下処理/食べ方やレシピなど

どんぐりを食べたことはありますか?どんぐりは縄文時代から食べられてきた食材でもあり、今でもいろいろな食べ方があります。どんぐりを食べるための方法と、どんぐりに含まれる栄養成分や健康面での効果を調べました。どんぐりといっても実は種類が多く、食べるどんぐりとしておすすめな種類と、アク抜きなどの方法が必要なものもあります。簡単などんぐり料理レシピも合わせて紹介していきます。

どんぐりを食べる方法とは?縄文時代の下処理/食べ方やレシピなどのイメージ

目次

  1. 1どんぐりは実は食べることができる!
  2. 2どんぐりを食べる方法
  3. 3どんぐりを使ったおすすめレシピ
  4. 4どんぐりは栄養価が高いスーパーフード
  5. 5どんぐりの種類
  6. 6どんぐりを食べる方法があった!

どんぐりは実は食べることができる!

どんぐりは縄文時代の貴重な食糧

どんぐりというと、秋になるとリスが冬眠する前に食料として蓄えたり、イベリコ豚が好んで食べたりするというイメージがあるかもしれません。実はどんぐりは、人間も食べることができるもので、日本でも稲作が始まる以前の、縄文時代ではどんぐりが主食となっていた時代もありました。縄文時代は、狩猟や魚をとるといったことと同じくらいに、どんぐりなどの木の実を採集することが、食生活に直結していました。

どんぐりの採集は、魚をとる、獣をとることにくらべると、木に登ることもなく安全に収穫することができ、季節は限られるものの、森に入れば拾うことができて保存もできるという意味では、縄文時代には貴重な食糧でもありました。粉にして焼いたり、お米が無い時代ながらおかゆや雑炊のような食べ方をしていたとされています。縄文時代の遺跡からは、たくさんのどんぐりがみつかっています。

韓国ではどんぐりは伝統料理にも

韓国では昔からどんぐりを使った料理が食べられています。庶民の味として親しまれているのが「トトリムク」「トットリム」といわれる豆腐や寒天のような食べ物です。野菜や米が不作の年であっても、貯蔵していたどんぐりの粉を使って作るこの料理は、命をつなぐものでもあり、今ではおかずの一つにもなっています。どんぐりを拾ってきてから調理しなくても、韓国食材としてどんぐりの粉も売られています。

どんぐりに含まれるデンプンによって、自然と固まるもので、そのもの自体にはほんのりとした木の実も甘さあがる程度なので、特に味や香りはなく、食感に特徴があります。キュウリや鷹の爪などの千切りを薬味トッピングしたり、酢醤油をかけたり、辛味噌などの濃い味付けでの食べ方が一般的です。

どんぐりは木の名前ではない

一般的にどんぐりと呼ばれているのは、木の実のことです。特定の木の名前ではなく、ブナ科木になる実のことを総称して「どんぐり」と呼んでいます。どんぐりは「団栗」と漢字で書かれ、この実をコマにして遊んでいたことから、コマの古くからの呼び名の「ツムグリ」が「ドングリ」になったという説があります。また朝鮮語の円いを意味する「トングルダ」、日本語の円い輪を意味する「トグロ」から転じたという説もあります。

どんぐりといっても種類が多く、葉や色、形、実についているカクト(殻斗)といわれる帽子のような殻で種類を見分けることができます。シラカシ、マテバシイなどの常緑樹と、コナラ、ミズナラ、クヌギといった落葉樹があって、花が咲いた年に実が熟すものと、翌年に実が熟すものがあります。同じブナ科でもクリは、どんぐりと呼ばれず栗として知られています

デトックス効果があると最近注目

幼い頃に、どんぐりを食べてはいけないと教えられた人もいると思いますが、それは、クなどの成分が、胃腸を刺激して吐き気や下痢になることがあるためです。ですが、縄文時代には広く食べられていて、今でもどんぐりを食用として料理している地域もあるように、種類を見分け、アク抜きなどの下処理をすることで食べることができ、しかも体内の毒素などを排出してくれるデトックス効果もあると注目されています。

どんぐりを食べる方法

どんぐりを炒って食べる方法

アクのすくない椎の実などのどんぐりは、フライパンで炒る方法でも食べることができます。炒る食べ方は、どんぐりを洗ったら、キッチンペーパーなどでよく拭き、厚手のフライパンにいれて中火にかけます。表面お水分が蒸発したら火を弱めてじっくりと火を通し、時々フライパンをゆすりながら外側の皮が焦げて、裂けるように割れ目ができるくらいまで炒ります。そうしたら火を止め、少し冷ましてから皮をむいて中の実を食べます。

電子レンジで乾煎りするレシピも簡単です。椎の実を洗って表面の水気をふきとったら、厚手の紙袋や封筒などに入れて、口を折りたたみ電子レンジで加熱します。新聞紙などで包む方法もあり、1分ほど加熱したところで一度包んだまま振って、再度30秒ほど加熱し、はぜる音が聞こえたら取り出して、外の皮がはじめているので、それをむいて食べます。シンプルな食べ方ですが、銀杏をつまむように、どんぐりをつまむことができます。

どんぐりをアク抜きする方法

どんぐりの苦味、渋みのアクが気になる時には、アク抜きをする方法があります。拾ってきたどんぐりの外側の皮をペンチなどで割り薄皮をはがします。ペンチで割ることが上手くてきないときには、厚手のフライパンで炒ることで皮がはじけるものもあり、また1週間ほど天日干ししていると皮が割れるものもあるので、そうすることでむきやすくなります。

薄皮をむいて白い実になったどんぐりを、水に1時間ほどつけておくだけでもアクが抜けます。短時間でアクを抜く方法は、沸騰させたお湯で10分ほどゆでます。ゆでたらザルにあげて、水洗いをして水気を切ればだいたいのアクが抜けています。アクが強い種類のどんぐりであれば、再度沸騰させた湯で茹でる方法や、重曹といっしょに茹でることでアク抜きができます。

お菓子やコーヒーなど食べ方はさまざま

どんぐりは粉にして、小麦粉の代わりに使って焼いて食べることができます。またどんぐりのかたい殻をむいて取り出した白い実をフライパンで茶色に色づくまで炒って、それをコーヒーミルで砕き、熱湯を注ぎコーヒーをドリップするようにすれば、どんぐりコーヒーとして味わうこともできます。でんぷん質を利用した料理レシピもあり、煎じてお茶にして味わうなど様々な食べ方がどんぐりにはあります

どんぐりを使ったおすすめレシピ

手間をかける時間も縄文気分「縄文クッキー」

どんぐりを使った料理として、クッキーなどの焼き菓子がおすすめです。縄文時代は砂糖がないので、砂糖を使わずに、素朴な味のビスケットのようなクッキーが焼けるレシピです。

  • どんぐり(マテバシイがおすすめ)
  • 卵1個
  • 山芋60gほど
  • 塩小さじ1

  1. どんぐりは一晩水に漬けて置きます。アクの強いものなら1週間ほど水に漬けます。
  2. 水を切って、フライパンで皮が弾けるまで炒ります。厚手の紙封筒に入れて、電子レンジで加熱する方法でも皮がむけます。
  3. 外側のかたい皮と薄皮をむいたら、フライパンで少し炒って水分をとばします。
  4. すりばちにいれて粉になるまですります
  5. ボウルにどんぐりの粉と、卵、すりおろした山芋、塩を加えてよく混ぜ合わせます。この時にかたまりにくいようであれば水を少しずつ加えます。
  6. 手で丸めて薄くして、190度のオーブンで20分ほど焼けばできあがりです。

韓国の庶民料理「トトリムク風どんぐり豆腐」

韓国のどんぐりの食べ方の一つ、豆腐のように料理するレシピです。材料はどんぐりのみで、何度か火にかけて、寒天やゼラチンなどを合わせなくても、ゼリーのような食感を楽しめます。味付けは好みで、ところてんのように三杯酢やワサビ醤油、黒蜜やきな粉をかけるとデザートとしての食べ方ができます。

  1. アク抜きをしたどんぐりをフードプロセッサーなどに入れて、ひたひたになるくらいの水と合わせて撹拌しペースト状にします。
  2. ペースト状にして、布巾で包み絞ります。絞り汁となる方を使い、布に残ったカスは捨てます。
  3. 絞った液体を鍋にいれて弱火で15分ほどかき混ぜながら煮詰めます。
  4. 熱いうちにバットやタッパーに移し、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やします。
  5. 冷えると固まるので、それを適当な大きさに切って食べます。

炊飯器にお任せレシピ「どんぐりの炊き込みご飯」

大量のどんぐりがなくても、美味しく食べるレシピとして、どんぐりご飯があります。お好みで油揚げやニンジン、しめじなどを加えて炊き込みご飯にするのもおすすめな、簡単レシピです。

  • 米2合
  • 昆布5cm
  • どんぐり(椎の実)20粒ほど
  • 油揚げ1/2枚
  • 酒、しょうゆ各大さじ1
  • 塩小さじ1/2

  1. 米は研いでおき、油揚げは細切りにしておきます。
  2. どんぐりは良く洗って水気を切り、紙袋にいれて電子レンジで1分ほど加熱して、皮をむいて白い実をだしておきます。
  3. 炊飯器に1、2と調味料を加えて、2合炊きの目盛りまで水をそそぎ、普通に炊きます。
  4. 炊き上がったらざっくりと混ぜてできあがりです。

どんぐりは栄養価が高いスーパーフード

非常食として重宝されてきた

どんぐりが実をつける樹は大きく時間をかけて育つものが多く、野菜や植物が栽培しにくい環境でも育つことができ、飢餓や食糧難という事態になった時に備えられる非常食として、どんぐりが重宝してきた一面もあります。稲作が始まる以前の縄文時代では、炭水化物としてイモ類も食べられていたようですが、イモよりもどんぐりの方が長期保存が可能で、たくさん収穫して穴に貯蔵して保存していたと考えられています。

江戸時代には、飢饉が起きた時にはどんぐりの種類の一つであるトチの実を使って餅を作り、それを非常食として食べて飢えをしのいだということも伝えられています。また戦争中や戦後の食糧難の時代にもどんぐりを食べていた人たちもいます。どんぐりを非常食として活用してきた歴史が日本にはあり、今後も食料不足などの事態に備えるものの一つとしてどんぐりが注目されています。

豊富な栄養とは?

どんぐりには実は栄養価の高い食材で、68%が炭水化物、18%が脂肪、6%がタンパク質で、アミノ酸、ビタミンA、ビタミンCといった栄養を含んでいます。渋みの成分はタンニンやサポニンで、種類によっては渋みが強すぎるので、そのまま食べるのではなくアク抜きなどの下処理をしてから料理します。まれにペットの犬が散歩などでたくさんのどんぐりを食べて、便秘や嘔吐といったタンニン中毒をおこすことがあります

期待できる効果

どんぐりはアコニック酸という成分を含み、体内に蓄積された重金属などの有害物質の排出を促すデトックス効果があるといわれています。アク抜きしたどんぐりや炒ったどんぐりを煎じて飲むどんぐり茶を飲むと、デトックス効果が期待できます。また渋みのタンニンも、ペットなどには良くないものでも、人間が大量でなく食べる分には、殺菌や解毒といった効果もあり、どんぐりの含まれる繊維質と合わせて快便を促す効果もあります。

どんぐりの実ではありませんが、どんぐりの葉や枝を使ったお茶などは、薬草としての効果もあり、ウラジロガシという種類のものは、体内にできた結石を溶かす効果のある成分が含まれ、煎じて飲む人もいます。また渋み成分のカテキンやタンニンをたっぷり含むものとしてカシワの種類のお茶は、殺菌効果が期待できお茶として飲むことで風邪予防などの効果もあります。

どんぐりの種類

どんぐりは種類が多い

どんぐりは日本固有の種類でも22種あるとされ、北海道から沖縄まで全国で育っています。拾い意味ではクリもどんぐりの一種でもあって、他にはブナ、コナラ、シイ、マテバシイと大きく5つの属にわけることができます。日本の森林ではこうした固有種がみられますが、公園などでは海外から持ち込まれたどんぐりの品種のものを植樹しているところもあります。

食べやすい種類

どんぐりは苦味、渋みがあってそのままでは食べにくいものです。食べやすい種類としてはアクの少ない種類で、スダジイ、マテバシイといった「椎の実」といわれるものが食べるどんぐりとしておすすめです。スダジイは公園などでは少なく、どんぐりの実が小さいので、家庭で調理しやすく食べやすいものはマテバシイです。クヌギ、コナラといったものは大粒で料理がしやすそうですが、アクが強く、食べにくいどんぐりです。

食べやすいどんぐりの見分け方

どんぐりの種類は多いので、食べやすいどんぐりを見分け方は、帽子のような殻が実全体を包んでいるものというのがあります。クリのように丸い実に殻がついているものよりも、殻に長さがあるものとして、スダジイ、マテバシイ、ツブラジイなどがそれで、食べるのにはおすすめです。また帽子のような殻部分がうろこのようになっていて小さく、細長いマテバシイは拾いやすいどんぐりで、食べるのにもむいているものです。

どんぐりを拾ってきたら洗って、ボウルに水をためて、そこにどんぐりをつけます。古いものや虫食いのあるどんぐりは浮いてくるので、そのどんぐりは除きます。水の底に沈んでいるどんぐりだけを分けて食べるようにします。

どんぐりを食べる方法があった!

秋になるとたくさん落ちているどんぐりは、実は食べることができます。デトックス効果も期待でき、非常食としても注目されています。炒ってそのまま食べることができる種類もあり、でんぷん質を固める料理レシピもあります。どんぐりをたくさん拾う機会があったら、まずは縄文時代になったつもりの食べ方で、素朴なクッキーのレシピを試してみてください。

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