オマール海老（ロブスター）とは？伊勢海老との違いやおすすめ料理は？

オマール海老はヨーロッパでは地中海からノルウェー近辺に生息し、アメリカでは東海岸の北大西洋に生息します。前者をヨーロピアン・オマール、後者をアメリカン・オマールと呼びます。漁獲量ではアメリカン・オマールの方が多いです。

味はヨーロピアン・オマールの方が濃く、美味であるとされます。中でも体の色が青いオマール海老は「オマール・ブルー」と呼ばれ、オマール海老の最高峰です。価格もヨーロピアン・オマールの方が高く、1キロ1万円になる場合もあります。アメリカン・オマールの方が比較的安価で手に入ります。

オマール海老の名前はフランス語のHomard（オマール＝英語でハンマー）に由来します。性格が非常に獰猛で、その大きなハサミで仲間同士で傷つけ合うこともあります。「ロブスター」は英語での名称です。

オマール海老は甘み、旨味が濃厚です。クセのある味わいではないので、様々なソースにマッチし、調理法も問いません。肉質は締まっていて、ぷりぷりとして食べ応えがあります。特にヨーロピアン・オマールは味が濃いので、茹でただけでも十分に楽しめます。

栄養面では、たんぱく質が豊富で脂質が少なく、ダイエット食品として適しています。また、善玉コレステロールを増やすタウリンや、免疫力を高めるセレン（ミネラルの一種）も多く含まれており、栄養価も非常に高い食材です。

焼く、茹でる、蒸す、煮込むなど、あらゆる調理法で美味しく食べられます。また、殻は出汁が取れるので、余さず使い切ることができます。調理法としては火を通した方が味が凝縮しますが、刺身でも食べられます。また、オマール海老のミソを使ったソースがアメリケーヌソースです。海老のエキスが濃密に詰まった絶品ソースです。

オマール海老も伊勢海老も生物分類額的にいえば「エビ目」で同じ仲間ですが、さらに細かい分類ではオマール海老はアカザエビ科ウミザリガニ属、伊勢海老はイセエビ科イセエビ属です。最も目立つ大きな違いは、オマール海老には大きなハサミがあり、伊勢海老にはハサミがないことです。伊勢海老には長い触角があります。

また、体の表面（殻）もまったく違います。オマール海老の殻はつるっとしており、滑らかで、一方の伊勢海老の殻にはトゲがあり、ごつごつしています。大きさは、伊勢海老は一般的には35cm程度で、40cmを超えるものは稀です。アメリカン・オマールは海老の仲間では一番大型になる種で、過去には体長1.5mという驚くべき記録もあります。

オマール海老の体の色は生息場所によって異なり、赤褐色、青色、クリーム色、灰色など様々な色があります。伊勢海老は暗赤色です。

オマール海老と伊勢海老はどちらも高級食材ですが、値段はかなり違います。伊勢海老の方が圧倒的に高く、オマール海老の倍近くします。仕入れ値では、オマール海老はヨーロピアン・オマールがキロあたり3500〜5000円程度、伊勢海老はキロあたり7000円程度です。伊勢海老は養殖ができないことが値段の高さにも影響しています。

オマール海老の身は締まっており、プリッとした肉感で食べ応えがあります。甘み、旨味も強いです。伊勢海老の身は比較的柔らかです。刺身にすると滑らかな食感で抜群の舌ざわりです。伊勢海老も甘味系アミノ酸が豊富で非常に甘みがあります。

【材料】

• オマール海老：1尾
• 車海老：8尾
• 黒ソイ：1尾
• 金目鯛：1尾
• ブラックタイガー：3匹
• ホウボウ：1尾
• イカ：1杯
• ムール貝：200g
• あさり：200g
• オリーブオイル：適量
• 塩：適量
• コショウ：適量
• 白ワイン：200ml
• Aトマト：1個
• A玉ねぎ：1/2個
• Aニンジン：1/2本
• Aジャガイモ：1個
• Aセロリ：1/2本
• Aニンニク：1片
• トマトの水煮：300g
• チキンブイヨン：300ml
• サフラン：ひとつまみ
• ディル：1束
• フランスパン：適量
• オリーブオイル：適量
• ニンニク：1片

1. 魚はウロコと内臓を取り、適当な大きさに切る。Aは皮をむいて角切りにする。
2. フライパンにオリーブオイルを熱し、オマール海老と車海老を入れる。塩、コショウを振り、焼き色がついたらバットに取り出す。
3. 金目鯛とイカを焼き、火が通ったら取り出す。
4. あさりとムール貝を入れ、白ワインを加え、フタをして加熱する。
5. 殻が開いたら、ザルでこしながらボウルに移す。こしたスープは出汁として使う。
6. 別の鍋にオリーブオイル、ニンニク、黒ソイ、ホウボウ、ブラックタイガー入れ、炒める。
7. Aを加え、色がつくまで炒める。
8. 手順5の出汁、トマトの水煮、サフラン、チキンブイヨンを加え、フタをして30分間煮込む。
9. フランスパンは好みの厚さに切り、オリーブオイルを塗ってトーストする。
10. トーストしたフランスパンにニンニクを擦り付ける。
11. 手順8をザルでこし、鍋に戻す。
12. 手順2〜4の魚介類も鍋に加え、ディルを乗せてフタをし、5分間煮込む。
13. 煮込んだら盛り付け、フランスパンを添えれば完成。

オマール海老のエキス、魚介類の出汁がこれでもかというほど凝縮しています。海の幸を存分に堪能できる至福のブイヤベースです。

【材料】

• オマール海老：1匹
• パスタ：1人前
• トマト：2個
• ニンニク：2片
• オリーブオイル：適量
• ブランデー：少々
• 塩：適量
• コショウ：適量
• ブロード・ディ・ポッロ（チキンブイヨン）：大さじ1杯半
• 水：180cc

1. ニンニクはみじん切りにする。
2. オマール海老はハサミ、足、触角を取り、半分に切る。ハサミには切り込みを入れておく。
3. トマトはヘタを取り、湯煎して皮をむく。
4. オリーブオイルでニンニクを炒め、ブランデーを加える。
5. トマトを入れて潰しながら炒め、ブロード・ディ・ポッロを加える。
6. オマール海老を入れ、水を加え、煮込む。
7. 煮込んだら、オマール海老を取り出し、塩コショウでスープの味を整える。
8. 固めに茹でたパスタを加え、少し煮る。
9. パスタを盛り付け、オマール海老を乗せれば完成。　

オマール海老を1匹丸ごと使った贅沢なパスタです。オマール海老の出汁、旨味はパスタと抜群の相性です。生きたオマール海老を使えば、さらに濃厚な味わいになるでしょう。

【材料】

• オマール海老：1匹
• Aライム：適量
• A塩：少々
• Bポン酢：適量
• Bもみじおろし：適量
• B青ねぎ：適量
• C玉ねぎ：1個
• Cゆで卵：1個
• Cピクルス：適量
• Cレモン：適量
• C塩：少々
• Cこしょう：少々
• Cパセリ：適量
• Cマヨネーズ：適量
• 市販のソース：ホットチリソース、ヤンニョムなどお好みのもの

1. オマール海老を塩茹でにする。茹で時間は体長30cm（およそ450g）のもので12分〜15分。
2. Aでライムソースを作る。ライムを絞り、少量の塩を加える。
3. Bでもみじおろしポン酢を作る。ポン酢にもみじおろし、刻んだ青ネギとレモンを加える。
4. Cでタルタルソースを作る。玉ねぎは刻んでレンジでチンする。
5. チンした玉ねぎにゆで卵、刻んだピクルスを加え、レモンを絞る。
6. 塩こしょうし、刻んだパセリ、マヨネーズを加え、しっかり混ぜれば、タルタルソースは完成。
7. ソース類を小鉢などに盛り、茹でたオマール海老に添えれば完成。

調理はシンプルに茹でるだけの簡単レシピですが、ソースをいろいろ揃えて食べ比べてみましょう。どのソースが一番オマール海老に合うか、パーティーなどで食べ比べてみるのも楽しいでしょう。

【材料】

• オマール海老：1匹
• パルミジャーノ・レッジャーノ：適量
• バター：適量
• しょうゆ：適量

1. オマール海老はハサミを取り、半分に切る。ハサミの中の身はほぐす。
2. 卓上コンロで焼く。
3. お好みでバターを乗せ、しょうゆを垂らす。または、パルミジャーノ・レッジャーノをおろしてかける。

焼き始めるとすぐにオマール海老の香りが強烈に立ち上がり、食欲をそそります。見た目にもインパクトがあり、食卓が大いに盛り上がるでしょう。ほぐしたハサミの身は、焼いたオマール海老のミソに絡めるなどして、お好みで食します。

ビスクは海老やカニなどの甲殻類の殻を裏漉しして作るとろみのあるスープです。オマール海老の殻と野菜をたっぷり時間をかけて煮込み、エキスを抽出します。オマール海老の旨味が濃密に凝縮した至福のスープです。

オマール海老の残った殻で作るアメリケーヌソースです。海老の旨味がたっぷりと凝縮した絶品ソースです。生クリームを加えればパスタソースになり、また、グラタンのソースとしても活用できます。煮込む際にはアクはこまめに取りましょう。

オマール海老は見た目の華やかさで食卓を飾ります。また、残った殻もソースとして活用できる、コストパフォーマンスの高さも魅力です。さらに、ダイエット食品としても適し、栄養価も高い優れた食材です。

オマール海老は伊勢海老と違い、比較的安価で手に入ります。シンプルに焼く、茹でるだけでも十分にその美味さを味わえます。逆に手間と時間をかけて、ブイヤベースやパスタなどでじっくりと、その味を堪能するのもおすすめです。ぜひ、いろいろな形で楽しんでみてください。