ゼラチンの原料と使い方!寒天との違いと料理での使い分け方法

ゼラチンの原料や特徴を知っておけば、様々な料理に上手に活用できます。今回の記事ではゼラチンと寒天の原料についてや特徴、料理での使い分け方法などについて紹介します。違いが知りたい方や料理で活用したい方は参考にしてみて下さい。

ゼラチンの原料と使い方!寒天との違いと料理での使い分け方法のイメージ

目次

  1. 1ゼラチンの原料や寒天との違いを知って上手に使おう
  2. 2ゼラチンの原料と主成分
  3. 3ゼラチンの使い方を知る
  4. 4ゼラチンと寒天との違いは?
  5. 5ゼラチンと寒天の料理での使い分け
  6. 6ゼラチンと寒天は原料もカロリーも別物だった

ゼラチンの原料や寒天との違いを知って上手に使おう

ゼラチンと寒天はどちらもプルプルとした食感で似た様な物に感じますが、実は原料や使い方が異なっています。それぞれの特徴や違いを知って普段の料理に活かしてみてはいかがでしょうか?今回の記事ではゼラチンの原料や使い方について詳しく紹介していきます。

カロリーや溶ける温度や使われる料理などゼラチンと寒天の違いは様々なので、両者の違いを知りたいという方は今回の記事を参考にしてみて下さい。

ゼラチンの原料と主成分

早速ゼラチンの原料と主成分について見ていきましょう。知らない方にとってはゼラチンの原料は驚きの物が原料になっているので、何から作られているかを知らない方はこちらの項目から読み進めてみて下さい。

原材料は豚の皮!?

既に知っている方も多いかと思いますが、ゼラチンの原料には多くの場合豚の皮が使用されています。グミは独特の弾力がある食感が特徴ですが、これはゼラチンによるものです。よってグミの原料も豚であると言う事が出来るでしょう。動物が原料という事もあり、意外とカロリーも高いので食べすぎには注意したい食品です。

ただ、原料として豚を使っているかどうかは地域で異なっている場合もある様です。豚を使用せずに牛や魚、ロバを使用している地域もあるので、全ての物が豚から作られているという訳ではありません。

意外に思われる方が居るかもしれませんが、動物から作られているゼラチンはベジタリアンの人からは嫌われている食品の一つです。フルーツや野菜を使用して一見ベジタリアンの方でも食べる事が出来る料理もありますが、原料であるゼラチンに豚の皮などが使用されていては食べることが出来ません。人に料理を振舞いたい方は注意しましょう。

主成分はたんぱく質

ゼラチンの原料は豚の皮であることを紹介しました。豚の他にも牛やロバを使用される場合もありますが、どれを原料とした場合でも主成分はたんぱく質になります。皮から作られているという事もあり多少の脂肪分やビタミンB群も含まれていますが、ゼラチンの成分中87%以上はたんぱく質です。

ゼラチンの使い方を知る

粉ゼラチンの使い方

粉ゼラチンを使用する場合には常温か冷たい水を使用してふやかしていきます。粉タイプの物は温かい水でふやかした方が良いような気もしますが、温かい水を使用してしまうとダマになってしまう可能性が高いので注意してください。

粉状の物は板状の物よりも溶けやすく使いやすいというメリットがありますが、その一方でダマになりやすいといったデメリットがあるので、ふやかす時は注意しましょう。

粉ゼラチンと水を混ぜるだけという簡単な使い方ですが、その順番には注意する必要があります。粉を入れた容器に水を加えるのではなく、水の入った容器に粉を振りかけるようにして混ぜていきましょう。

固めたい液体が60度以上である場合には直接粉ゼラチンを振り入れるといった方法もありますが、ダマになってしまう可能性があるのであまりおすすめはしません。可能であるならば、水でふやかしてから固めたい液体へ加えましょう。粉タイプの物はゼリーやムースといったデザートやテリーヌなどを固める時によく使用される材料です。

板ゼラチンの使い方

使ったことが無い方だと板タイプの物は少し使い方が難しい様に感じてしまいますが、その様な事はありません。板タイプの物は色々なメーカーから販売されていますが、1枚の量は3g、半分の大きさの物なら1.5gと決まっています。この倍数の量を使用したい場合には、特に軽量の必要が無いので粉タイプの物よりも便利に活用出来るでしょう。

必要な分の板ゼラチンを計量したら、冷たい水の中で5分程度放置しておきましょう。水は板ゼラチンがしっかり漬かる位十分な量を準備してください。板ゼラチンがふやけたらしっかりと水気を取り、固めたい液体に加えていきましょう。

固めたい液体は60度以上であるならふやかした板ゼラチンをそのまま加えれば良いですし、冷たい場合には板ゼラチンを湯せんに溶いてから加えるようにします。

板状の場合でもふやかす時に温かい水は使用しない様にしましょう。温かい水で溶かすとゼラチンが溶けてしまい1枚当たりの容量が変わってしまうからです。板タイプの物をふやかす時は冷たい水を使用するのがおすすめです。

ゼラチンは冷やして固める

冷蔵庫の画像

固めたい液体に粉や板のゼラチンを混ぜた後は冷蔵庫に入れて冷やし固めましょう。ゼリーを作りたい場合には、食べるサイズのカップに入れて冷蔵庫に入れておけば大丈夫です。

夏場に調理している場合はゼラチンは常温でも溶けだしてしまうので、冷蔵は必須です。固めるための時間は濃度によっても異なりますが、10度以下で数時間は冷やしておく必要があるでしょう。ホームパーティで振舞いたい場合や、おやつとして食べたいという場合には食べたい時間から逆算して調理を始めた方が良いでしょう。

ゼラチンの分量の目安

本と数字の画像

ゼラチンの分量は基本的には水分量のおよそ2%から3%程の量位が目安です。これは板タイプの物や粉タイプの物、更に細かい顆粒タイプの場合でも同じなので是非覚えておきましょう。

ゼラチンが上手く固まらない理由は?

シマウマの画像

分量や手順を守ってゼラチンをふやかしているのに、液体のままでうまく固まらないという場合もあるでしょう。失敗には必ず原因があるので、それを突き止めてゼラチンを料理に活用しましょう。

ゼラチンの濃度が低い

固めたい物が液状のままで固まらない理由はいくつかありますが、最初に疑うべきなのがゼラチンの濃度が低いという点です。ゼラチンは液体を固めるために使用する物なので、当然量が少なければ上手に固める事は出来ないでしょう。

濃度が低くなってしまうのを防ぐためには、やはり液体に対するゼラチンの量をしっかりと量っておく事が重要でしょう。基本的なゼラチンの割合は2%から3%程であると紹介しましたが、もし固まらない場合には量をこれよりも増やした方が良いでしょう。

ゼラチンを入れた液を沸騰させてしまう

ゼラチンを入れた液が溶けにくかった場合でも、液を沸騰させてしまわないように注意しましょう。混ぜた後の液を沸騰させてしまうと冷蔵庫に入れても固まらなくなってしまうので、上手に固めるためには沸騰しないように気を配ることが大切です。

液体に入れたゼラチンが溶けにくい事もありますが、この場合には温度を上げずにとにかく混ぜて溶かすようにしましょう。もしゼラチンを入れた後に液を沸騰してしまったという場合には、一度液体を冷やしてから追加すればしっかり固める事が出来るでしょう。

フルーツの酵素作用

おやつのゼリーを作る場合にはフルーツを入れる場合もあるでしょう。しかし、このフルーツが原因となってゼリーが固まらないといった場合があります。グレープフルーツやみかんといった柑橘系の果物はたんぱく質を分解し、ゼラチンの固める力を弱めてしまいます。

とは言っても、ゼリーに相性ピッタリのフルーツを入れたいという方は多いでしょう。どうしてもフルーツゼリーを手作りしたい場合には、あらかじめフルーツを加熱することでゼリーを固める事が出来ます。加熱すればフルーツの酵素は分解されてしまうので、ゼラチンの固める力が弱まる事もありません。

ゼラチンと寒天との違いは?

ゼラチンと寒天は両方プルプル食感が特徴の食材で似ていますが、はっきりとした違いがあります。両者の原料の違いやカロリー、食感の違いについて確認してみましょう。

原料の違い

ゼラチンの原料は豚や牛といった動物性でしたが、寒天の原料は天草であり植物性です。寒天の原料である天草は海の中では赤褐色をしていますが、何度も天日干しをする事で退色してお馴染みの半透明の状態になります。天草は寒天だけではなく心太の原料としてもお馴染みでしょう。

主成分の違い

ゼラチンの主成分はたんぱく質で87%以上を占めていますが、天草を原料としている寒天の主成分は炭水化物であり約80%を占めています。また、ゼラチンは主成分であるたんぱく質の他にもビタミンB群が含まれていましたが、寒天はミネラル分を豊富に含んでいます。原料が海藻の天草である事を考えれば納得でしょう。

カロリーの違い

カロリーをイメージさせる画像

両者にはカロリーの違いもあります。ゼラチンのカロリーは100g当たり343kcalで、意外とカロリーが高い食材です。白米のカロリーが100g当たり168kcalであることを考えるとかなりの高カロリー食材である事が分かります。ゼリーなどはこれにフルーツや砂糖をプラスして作るので、食べる前にはカロリーをしっかり確認しておきましょう。

一方寒天のカロリーは100g当たり3.1kcalです。よく似た特徴を持つ両者ですが、同じ量で考えるとなんと100倍近い差があります。天草を原料とした低カロリーであるという点からダイエットに活用されることも多い食材です。

溶ける温度の違い

温度計の画像

ゼリーと寒天は溶ける温度にも違いがあり、これは口当たりにも影響します。寒天は一度固まったら約60度以上にならないと溶ける事はありませんが、ゼラチンから作ったゼリーは約25度程で溶けだしてしまいます。

自分で作ったゼリーを机の上に常温で放置しておいたら、溶けてしまったという経験がある方も居るのではないでしょうか?これはゼリーの溶ける温度が低い事によるものです。

食感の違い

ゼラチンと寒天とは溶ける温度が違うので、食感も異なってきます。60度以上にならないと溶けない寒天は口の中で溶けないのでしっかりとした食感となっていますし、ゼリーは25度程で溶けるので食べた時はとろっとした食感を愉しむことが出来ます。

とろけるような柔らかいゼリーを食べたい時にはゼラチンを使用すれば良いですし、噛むことが出来るしっかりした食感に仕上げたい時には寒天を使用するようにしましょう。

ゼラチンと寒天の料理での使い分け

ゼラチンと寒天は特徴が違うので、料理によって使い分けしましょう。それぞれどういった料理で使用されているかを紹介しているので、調理の際の参考にしてみて下さい。

ゼラチンが使われる料理

ゼラチンは様々な料理で活用されており、おかずやスープ、スイーツ、スープなどで使用されます。中でも一番身近な料理がゼリーでしょう。この他にもマシュマロの主原料として使用されています。これは泡を抱き込む性質を利用したもので、ムースとの相性も良いでしょう。

スイーツジャンルでは他にもアイスクリームやシャーベットに使用されています。アイスクリームに使用されるのは意外に感じるかもしれませんが、材料の粘度を適度に保つ効果や保型性、保存安定性の向上などの効果が期待されます。

また、ゼラチンには固めるだけではなく意外な使い方も有ります。ハンバーグを焼く前にタネの中に少量のゼラチンを入れておくことで、肉汁を閉じ込めてジューシーな仕上がりになります。

ホームパーティーでオシャレな料理を振る舞いたいなら、テリーヌやコンソメジュレスープもおすすめです。美味しいだけではなく透明感があるので華やかなシーンにぴったりです。

寒天が使われる料理

寒天を使用した有名な料理と言えば、やはりところてんでしょう。ところてんというとツルツルした食感としっかりした歯ごたえが特徴ですが、これは寒天ならではでゼラチンでは出すことが出来ません。

ところてんの他にも牛乳寒天や杏仁豆腐などにも使用されており、どれもゼリーとは違ってしっかりとした弾力や歯ごたえを愉しむことが出来るという特徴が有ります。郷土料理に使用されることもあり、加賀の郷土料理であるべろべろという料理では生姜を効かせただし汁を固めるために寒天が使用されています。

また、天草を原料として作られているヘルシーな寒天は腸で脂や糖分の吸収を阻害することから、ダイエット中の食事によく使用されています。

ゼラチンと寒天は原料もカロリーも別物だった

今回の記事ではゼラチンと寒天との違いについて紹介しました。両者はどちらもぷるっとした食感の食材ですが原料は動物性と植物性、カロリーも高カロリーと低カロリーの物と全くの別物になっています。

食感もゼラチンはとろっとした食感、寒天はしっかりしており噛むことが出来る状態とかなりの違いが有ります。どちらも様々な料理で使用できるので、違いを把握して是非使いこなしてみて下さい。

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