日本酒度を甘口・辛口別にランキングで紹介!マイナスとプラスの意味は?

日本酒度って?いったいどんな度数を示すものなのか、知っていますか?日本酒ができる過程をみることで、日本酒度と甘口、辛口との関連性を探ってみます。マイナスとかプラスで表される日本酒度とは、その酒の比重を示しているのにすぎない。そんな日本酒度の意味を知ったうえで、酸度やアミノ酸度といった、日本酒のもつ他の要素も含め、日本酒の奥深さを調べてみます。甘口や辛口別のおすすめ日本酒をランキング形式で紹介します。

日本酒度を甘口・辛口別にランキングで紹介!マイナスとプラスの意味は?のイメージ

目次

  1. 1日本酒度とは?
  2. 2日本酒度でみる甘口と辛口
  3. 3日本酒度におけるマイナスプラスの意味
  4. 4日本酒度と酸度との関係
  5. 5日本酒度マイナスの日本酒ランキング
  6. 6日本酒度プラスの日本酒ランキング
  7. 7日本酒度を知ると日本酒の味の深みが分かる

日本酒度とは?

日本酒度は、摂氏4℃の真水を日本酒度±0としたとき、その水と比べて、計測対象となる、摂氏15℃の酒が、どれだけ重いのか、軽いのかを計測して決めます。この場合、計測されるのは酒ですから、重さの正体はその酒に含まれる糖分ということになります。米から酒のできる過程を、簡単に説明しますと、でんぷん質である米を麹菌が糖分に変えます。その糖分を酵母がアルコール分に変えて、酒が完成するのです。

簡単にいえば、酒の原材料である、米、麹、酵母の種類によって、あるいはどの程度の発酵段階で止めるかによって、その酒の糖分量とアルコール分量は決まってくるのです。他からの添加物がないかぎり、その酒の糖分が多いということは、アルコール分が少ないということになります。したがって、糖分量が多いほど酒の比重が重くなり、アルコール分量が多いほど酒の比重は軽くなります。

日本酒度では、水より重い酒をマイナスとし、水より軽い酒をプラスとして表しています。日本酒度計の秤は上がプラスで、下がマイナスとなっています。ちなみに、糖度がきわめて低い、ウイスキーを測ってみれば、秤は底まで沈んで超プラスの超辛口を示すはずです。

日本酒度でみる甘口と辛口

ここに、日本酒度が甘口、辛口の絶対的指標であるかのような、誤解を生む要素があります。マイナスの数値が高ければ甘口度数が高く、プラスの数値が高ければ辛口度数が高い、と。マイナスの酒には糖分が多くて、プラスの酒にはアルコールが多い、と。したがって糖分は甘いから、アルコールは辛いから、となりやすいわけです。しかし、必ずしもそうではないという問題点を二つ紹介しておきます。

まず第一に、甘いとか辛いというのは、極めて主観的な判断にすぎないということです。同じものが、人によっては「甘い」と「辛い」に分かれることはよくあります。同じ人が同じものを口にしても、体調によって判断が異なることもしばしばです。第二には、日本酒に含まれる味には、糖やアルコールばかりじゃなく、酸味、アミノ酸などが複雑にからみます。単純に甘口、辛口と言い切れない味わいを醸し出します。

日本酒度は、客観的に酒の比重を表している数値であり、甘口や辛口は、主観的な目安にすぎない、ということです。この点を理解していただけたら、この後に紹介するランキングの際の、日本酒の吟醸とか、純米、本醸造といったラベルの違いも、飲み込みやすいものとなり、日本酒への愛着もいっそう深くなるでしょう。

日本酒度におけるマイナスプラスの意味

ここまで述べてきましたように、日本酒度は甘口、辛口の目安です。目安としての日本酒度表は、上の画像のとおりです。比重が水に近い±0~±1.4を「普通の甘口、辛口」として、±1.5~±3.4の間を「やや甘口、辛口」、±3.5~±5.9の間を「甘口、辛口」、±6.0以上を「大甘口、辛口」となっています。これを、目安の指標としたうえで、酸度やアミノ酸度とがからまって、複雑な甘口、辛口が展開することになります。

そして、甘口や辛口という人の味覚に影響をあたえる要素が他にもあります。それは酒の温度です。温度が高くなるに比例して、酒は甘味を増し、苦みや辛みは減少します。ここに日本酒に燗をつけて飲む理由があります。同じ酒を冷酒と燗酒に分けて飲んだ人は、たぶん異なる感想を言うと思います。そして、器でも違ってきます。冷酒をグラスで飲んだり、燗酒を陶器の猪口で飲めば、また異なる感想につながるはずです。

日本酒度と酸度との関係

上の画像にある表を、よく見てください。横軸が日本酒度で、縦軸が酸度です。初めての日本酒を、ラベルの数値だけで見極めるときや、自分が飲みたいと思っている酒を酒店の人に伝える際に、たいへん参考になる表です。日本酒度5.0で、酸度1.8の酒ならば、芳醇辛口に近い端麗辛口の酒を、と要望することができます。酒店の人は、それならばこの銘柄の酒だなと、見当がつきます。

日本酒度マイナスの日本酒ランキング

日本酒度マイナスの数値が高い日本酒は、酸度とかをふくめた旨味を追求すると、どうしても甘口白ワインに似てくるのを否めません。そんな甘口日本酒から、5銘柄を厳選してみました。

日本酒度マイナスランキング5位:明鏡止水純米吟醸

まず第5位は、大澤酒造の「明鏡止水純米吟醸」です。日本酒度-1で、酸度1.5で、数値的にも非常にバランスのとれた酒です。その味も、旨味と甘みが1本の瓶のなかで、巧く調和しています。

日本酒度マイナスランキング4位:ちえびじん特別純米酒無濾過生原酒

続いては、中野酒造の「ちえびじん特別純米酒無濾過生原酒」です。日本酒度-5で、酸度1.8ですから、濃醇甘口といえます。仕込み水の甘さと相まって、締りのある甘口日本酒となっています。1.8と高めの酸度が、-5の日本酒度を巧く引き締めてくれています。このバランスの良さが飲み心地の良さにつながっています。

日本酒度マイナスランキング3位:而今純米吟醸神の穂無濾過生

こちらは、木屋正酒造の「而今純米吟醸神の穂無濾過生」です。日本酒度は±0で、それだけをとれば、特別甘口というわけではありません。しかし、この而今を一口ふくんだときの、泉が湧き上がってくるような甘味は、日本酒の神髄を感じさせてくれます。同時に香ってくる、キウイフルーツのような香りも、ひかえめで上品です。

日本酒度マイナスランキング2位:醸し人九平次純米大吟醸

萬乗醸造の「醸し人九平次純米大吟醸」は、そのフルーティさで、洋食とも違和感のない日本酒です。やや、人気の銘柄ですが、飲み飽きないスッキリとしたその味は、海外でも評判を得ています。銘柄名だけを見ると、どうみても辛口の酒をイメージしてしまいますがその味は、お酒に強くない女性でも十分に美味しく味わえます。

日本酒度マイナスランキング1位:木陰の魚

そして1位は、嘉美心酒造の「木陰の魚」は、超濃醇甘口の酒です。日本酒度-70、酸度7前後、アルコール度8%で、これは甘口白ワインの世界です。けれども、後口がスッキリしていて、アルコール度の低いことと併せて、いかにも女性受けのする日本酒といえます。コストパフォーマンスが、高いことも見逃せません。

日本酒度プラスの日本酒ランキング

さすがに日本酒度プラスの辛口には、骨のありそうな日本酒がそろっています。やはり、こちらも5銘柄を厳選しました。

日本酒度プラスランキング5位:陸奥男山超辛純米生原酒

まずは、八戸酒造の「陸奥男山超辛純米生原酒」です。日本酒度+10で、酸度2.3で、典型的な濃醇辛口の酒です。超辛口な日本酒度を、2.3とこれまた高めの酸度が、ほど良い旨味と酸味を引き出していて、生原酒なのに食中酒としてもいける日本酒となっています。

日本酒度プラスランキング4位:酔鯨純米吟醸

続いては、酔鯨酒造の「酔鯨純米吟醸」です。日本酒度+7で、まちがいのない辛口の酒です。高知の酒らしく、香りはほとんどなく、しっかりとした旨味とキレが、魚料理などとの相性を高めてくれます。

日本酒度プラスランキング3位:〆張鶴純

宮尾酒造の「〆張鶴純」は、日本酒度+2の、純米吟醸酒です。恵まれた水で作られる、ここの酒は、どれもが合格点ばかりですが、この純米吟醸は、食前酒としても、食中酒としてもオールラウンドプレーヤーとしていけます。肴もほとんど選びません。また、冷でも燗でも、それぞれに旨い日本酒です。

日本酒度プラスランキング2位:磯自慢本醸造

磯自慢酒造の「磯自慢本醸造」は日本酒度+4~5で、酸度1.2です。ここで紹介する日本酒のなかで、唯一の本醸造酒でもあります。日本酒度数からいえば、辛口ですが、この本醸造は、そんな一言でくくり切れない味をもつ酒です。本醸造の良さを保ったまま、純米吟醸酒に負けない、香りや酸味、旨味を兼ね備えています。本醸造酒の、一押し日本酒です。

日本酒度プラスランキング1位:獺祭純米大吟醸磨き2割3分

1位は旭酒造の「獺祭純米大吟醸磨き2割3分」です。いまでは、有名になり入手も難しい獺祭ですが、その味わいも格別です。2割3分という精米歩合もさることながら、値段もプレミアムがついていて、問題点がないわけではありません。しかし、その味は文句のつけようがないものです。口から胃の腑まで、染みわたるようにスムーズな飲み口は、ぜひ一度試してみたくなる味わいです。

日本酒度を知ると日本酒の味の深みが分かる

日本酒度をめぐって、ここまでいろいろ紹介をしてきました。まだ、料理との相性などは、紹介しきれていませんが、日本酒度のプラス、マイナスや甘口、辛口について、なんとか把握できたように思います。日本酒に歴史があることは当然のことながら、日本酒が相当に奥深いこともわかってきました。数多ある日本酒のなかから、自分好みの1本を探し当てることも、飲むことと共に、楽しみになってきたのではないでしょうか?

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