「こち」という魚のさばき方と食べ方は?旬の時期と値段も調査!

「こち」という魚を知っていますか?普段スーパーなどではあまり売られていないため名は知られていませんが、釣りをする人の中では美味しい魚として有名です。透明感のある上品な白身は刺身やあらい、煮付けなどにして食べるととても美味しい魚です。今回は「こち」のさばき方や食べ方、旬の時期や気になる値段についても調査しました。この記事で「こち」という魚の魅力が伝われば嬉しいです。

「こち」という魚のさばき方と食べ方は?旬の時期と値段も調査!のイメージ

目次

  1. 1こちという魚はどんな魚?
  2. 2こちの旬の時期と値段は?
  3. 3こちのさばき方
  4. 4こちの美味しい食べ方とレシピ
  5. 5こちを料理して堪能しよう

こちという魚はどんな魚?

こちという魚を知っていますか?あまりスーパーなどでは見かけない魚なので、名前も知らないという人も多いのではないでしょうか?こちは、熱帯から温帯の海の海岸近くに生息している魚です。漁量が少なくあまり流通していないので値段も高く、知る人ぞ知る高級魚ともいえます。こちはキス釣りの外道としてもよく釣れる魚で、その見た目からかリリースされることも多いです。しかし、こちは食べてみると意外に美味しいのです。

高級料理店などでは刺身やちり鍋として提供されることが多く、一度食べると上品な白身と独特の食感の虜になってしまう人もいるようです。今回は、そんなこちのさばき方や食べ方、旬の時期や値段についても調査しました。まずはこちがどんな魚なのかを紹介していきましょう。

こちという魚の特徴

こちという魚の特徴で、まず目を惹くのは大きな頭ではないでしょうか?カサゴ目に属しているこちの頭はカサゴを潰したような頭の形をしています。大きな頭に対して体は細く、砂地にぴたっと沿うように泳ぐ為に、平べったい体をしています。また、下あごが受け口のようになっていて、目が上に付いているのも特徴です。

こちの種類の中でよく食べられているのは、メゴチとマゴチです。どちらも似たような見た目ですが、メゴチは成長すると24cm前後の大きさになるのに対し、マゴチはなんと1m前後にもなる物もいるようです。また、メゴチの方が少し目が大きく体の前半に斑紋が見えるのに対し、マゴチは砂地のような地味な色合いをしているので並べて見比べると良くわかります。

こちのメスとオスの見分け方

こちは40cm以上に成長するものはほとんどがメスと言われています。その為、今までは成長するとオスからメスに性転換をする「雄性先熟型」と考えられていました。しかし最近の研究では、オスからメスに性転換するのではなく、オスはもともと大きくならない事が分かって来ました。ですので、大きなこちが売っていたり釣れたりしたときはメス、小さなものはオスと考えて良いようです。

こちにつく寄生虫に注意

こちにつく寄生虫は、主に粘液胞子虫とアニサキスです。粘液胞子虫というのは、海水魚や淡水魚に寄生する寄生虫の一種で、寄生された魚は身の一部がゼリー状に変化してしまいます。大抵の粘液胞子虫は人間に害はないのですが、クドアという種類の粘液胞子虫に寄生された魚を非加熱の状態で食べてしまうと、数時間後に下痢や嘔吐などの症状に悩まされることがあるようです。

しかし、その症状も一過性で後遺症も無くすぐに収まることから、あまり心配はいりません。また、人間に寄生はしないそうです。もう一方で生食をする上で注意しなくてはならないのがアニサキスです。近年アニサキスによる食中毒が増えています。アニサキスはアニサキス亜科に属する線虫の幼虫で、生きたまま飲み込んでしまうと、胃壁や腸壁に刺入しアニサキス症となり激しい腹痛や嘔吐の症状がでます。

アニサキスは普段魚の内臓などに寄生していますが、鮮度が落ちてくるにつれて身の部分に移動して来るようです。釣って来たこちを刺身にするときは、早めに内臓を取り除き、さばきながら身の部分にアニサキスが付いていないかチェックしましょう。また、マイナス20℃で24時間以上冷凍するのも効果的です。食べる時も良く噛んで食べるようにしましょう。

こちの旬の時期と値段は?

こちの美味しい旬の時期は?

こちが美味しく食べられる旬の時期は一体いつなのでしょうか?実はこちの旬は初夏~秋ごろと言われています。旬の時期の中でも特に7月・8月は産卵期にあたり、捕食も盛んで栄養を身や卵に蓄えるので一番美味しい期間です。また、産卵期のこちはお腹に卵が入っているものもいます。卵は煮付けなどにするととても美味しいです。逆に、産卵期を終えたこちは捕食も少なくなりじっとしていることが多く、身が痩せてしまいます。

こちの気になる値段は?

こちは鮮度の劣化が早く市場に出ても数が少ないため、非常に値段が高く販売されているようです。その気になる値段は、大きさや種類によって異なりますが、旬のマゴチで1kgあたり3500円~6000円にもなるようです。しかし近年スーパーなどでも販売されることが増え、少しづつ値段は下がってはいるようです。地域によっても変わりますが、場所によっては旬のマゴチでも1000円以下で販売されていることもあるようです。

買い物に出かけたときに、このように安い値段でこちが販売されていたら、ぜひ手に取ってみて下さい。他の魚に比べて値段が高く感じるかもしれませんが、販売量は少なく次はいつ購入できるか分かりません。少しでも食べてみたいと思っている人は、ぜひこの機会に購入して上品な白身の美味しさを味わってみて下さい。

こちのさばき方

こちはその押し潰されたような見た目から、さばき方が分からないという人も多いのではないでしょうか?しかしコツを掴めばそこまでさばき方が難しい魚では無いようです。他の魚に比べて骨は硬いので小骨の処理をしっかりするのがポイントです。

まずは背びれとしりびれ、えら蓋のトゲを切っていきましょう。こちの背びれとしりびれ、えら蓋には鋭いトゲがあり、刺さると大変危険です。まずはこのひれを包丁やキッチンハサミなどを使って切っていきます。トゲの除去が出来たらウロコを落として水洗いしましょう。こちは表皮にぬめりがあるので軍手をしながら作業すると滑らず掴みやすいです。

胸ビレの後ろから頭に包丁を入れ、中骨に当たるまで切ります。反対側も同じように包丁を入れ頭を落としましょう。頭を取る時に、頭についている内臓も一緒に引き抜きます。尻から上に向けて包丁をいれ、腹を裂いて内臓を取り出しましょう。このとき、肛門の後ろ側にも切れ目を入れておきましょう。次は血合いをとります。血合いを綺麗に取り除いたら水で洗い、水気をふき取っておきます。

【コチのさばき方】三枚卸しの方法

まずは、こちの腹側を手前にして置きます。まずは肛門の後ろからしりびれの上に沿うように包丁を入れます。中骨に当たるまで包丁を立てるようにして切っていきましょう。次は、背側を手前にし、背ビレの付け根に包丁を合わせて切ります。中骨に当たるように切っていったら、中骨の山の部分に包丁を入れて半身を切り離します。ひっくり返して、背側が手前に来るように置き、同じ様ににさばいていきましょう。

【コチのさばき方】小骨を取り除く

三枚におろし、中骨をとったら今度は腹骨を取りましょう。こちの腹骨は身の中に入っているので他の魚のさばき方とは違い厚めに削ぎとります。腹骨には身が沢山ついてしまうのであら汁などに利用しましょう。残りの小骨は腹に沿ってあります。こちの骨は太く硬いため、骨抜きなどで丁寧に抜きましょう。

実際のさばき方については、こちらの動画で詳しく解説されています。実演しながらさばき方を説明しているので大変分かりやすい動画です。こちを初めてさばくという人や、さばき方で困ってしまった時はぜひチェックしてみてください。

キス釣りなどをしていると小さなこちが釣れることがあります。この小さいこちのさばき方に困ったことはありませんか?こちらの動画では、少し小さいサイズのこちのさばき方について紹介されています。小さいながらも天ぷらなどにして食べるととても美味しいです。ぜひ調理して食べてみて下さい。

こちの美味しい食べ方とレシピ

こちの身は透明感のある上品な白身で、刺身などの食べ方で食べるとシコシコとした歯ごたえがありとても美味しいです。ここからは美味しいこちの魅力を最大限に活かしたおすすめの食べ方を紹介していきます。

こちの美味しい食べ方イチオシは「刺身」

こちの美味しい食べ方は、やはりその身の食感と淡白で上品な味を楽しめる刺身がおすすめです。皮を引いたら薄造りにし、紅葉おろしとポン酢しょうゆで食べましょう。見た目も美しい白身の刺身はさすが高級魚といった出来栄えです。こちの薄造りは別名「テッサナミ」と呼ばれ、ふぐにも負けない美味しさと評判です。

こちの美味しい食べ方は「あらい」にするにもおすすめ

普通に刺身にするのも美味しいですが、あらいにすることで身が引き締まり、シコシコとした食感を更に美味しく仕上げます。作り方は、皮を引いたこちの身を刺身にし、氷水にさっとくぐらせます。ザルにあけて水気を切ったらキッチンペーパーなどでふき取り、盛り付けて完成です。普通にわさび醤油で食べても美味しいですが、野菜やオリーブ油でカルパッチョなどにしても美味しく食べられます。ぜひ試してみて下さい。

薄味で楽しみたい「煮つけ」

頭の部分にも美味しい身が詰まっているこちは、煮付けにするのもおすすめです。あっさりとした薄味にし、上品に仕上げましょう。こちはうろこと内臓を取ったらぶつ切りにします。ザルにいれ、熱湯をかけ臭みを取りましょう。鍋に薄切りの生姜と、しょうゆ・みりん・酒を各大さじ2、昆布だしのだし汁70ccを入れひと煮立ちさせます。煮立ったらこちを入れ、落し蓋をしながら中火で10分くらい煮たら出来上がりです。

ヒレやカマも残さない食べ方「からあげ」

刺身やあらいを調理する時に出たヒレやカマの部分も美味しく食べましょう。こちは骨が硬く、骨を取る時についてしまった身もからあげにすれば捨てずに楽しむ事ができます。もちろん、骨だけではなく、卸した身で作っても美味しいです。作り方は、全体に塩を振りしばらくおきます。水が出てきたらキッチンペーパーなどでふき取りましょう。

こちに溶き卵をつけ、片栗粉をまぶします。170度~180度に熱した油でカラッと揚げ、油を切ったら完成です。筋肉質なこちの身は油で揚げることによって身がしまり、まるで鶏肉のような食感に変わります。ポン酢しょうゆやレモンを絞って食べるととても美味しいです。おつまみにもおすすめです。

旬の時期の珍味「こちの卵の煮付け」

旬の時期のこちをさばいていると、腹の中から大きな卵が出てくることがあります。この卵を捨ててしまうのは勿体ないです。こちの卵は煮付けにすることで美味しく食べることができます。まず、腹から取り出した卵の汚れを流水で洗い流しましょう。鍋に出し汁・酒・醤油・生姜のしぼり汁を煮たてたら、たまごを入れて7~8分程煮ます。あまり煮過ぎないことがポイントです。

火が通ったら火を止め、そのまま冷まし味をしみ込ませます。冷めたら薄切りにし、盛り付けたら出来上がります。ちなみにオスのこちには白子が入っています。この白子の食べ方は塩と酒をふって30分程おいたあと、沸騰したお湯でさっと茹で、ポン酢などで食べるとこれもまた上品で美味しいです。旬のこちが手に入ったら試してみたい食べ方です。

残ったあらで「あら汁」

こちを刺身にしてさばくと、頭や中骨などが残りますが、こちは頭も大きくまだ食べれる身も沢山ついています。あらを使ってあら汁にすれば骨からも良い出汁が出て、とても滋味深い味わいの1品となります。作り方は、まずあらを適当な大きさに切り分けておきます。お沸騰させたお湯にあらを入れ白っぽくなったらすぐにザルにあけます。鍋に酒と水をいれ、そこにあらを入れて加熱します。

10分程煮込んだら、塩としょうゆで味を調えましょう。器に盛り付け、お好みでネギを散らせば完成です。塩としょうゆでさっぱりと薄味に仕上げたあら汁は、こちから出た出汁を存分に味わえます。また、頭や骨のまわりに付いた身を食べるのも楽しみです。

ふぐにも負けない料亭の味「こちのちり鍋」

こちの美味しさを丸ごと味わうにはちり鍋がおすすめです。こちは3枚に卸し、あらと身の部分に分けます。鍋に昆布とあらを入れ火にかけ出汁をとります。良い出汁が出てきたら、しょうゆ・酒・塩で味を調えます。ネギや白菜、しいたけなど好みの野菜や豆腐をいれ、こちの身もいれ火が通れば出来上がりです。ポン酢などで食べましょう。

こちの身は身離れが良くプリプリとした食感が堪らない美味しさです。鍋と言えば、最後に残ったスープで作るシメが楽しみの一つです。こちのちり鍋のシメは雑炊がおすすめです。こちのアラや身から出た出汁をご飯が吸い込み、非常に美味しい雑炊が楽しめます。最後まで美味しく頂きましょう。

こちを料理して堪能しよう

今回は、「こち」という魚のさばき方と食べ方や、旬の時期と値段について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?こちは料理をすると高級魚のふぐにも負けず劣らない美味しさだということが分かりました。

なかなか手に入りづらい食材ではありますが、スーパーや市場などで見かけたら是非購入し、こちという魚の美味しさを体験してみて下さい。釣りをしていて今までリリースしていたという人は、一度食べてみてはいかがですが?きっと上品な白身とプリプリな食感の虜になることでしょう。この記事を参考に、旬の時期のこちの美味しさを堪能して頂ければ嬉しいです。

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