酒粕の正しい保存方法や賞味期限は?常温と冷凍どちらが正しい?

発酵食品ブームで酒粕も人気が上昇しています。使ってみたいけれど、扱い方がよくわからないという人のために、今回は酒粕の保存についてまとめました。酒粕の正しい保存方法や保存期間について解説します。冷凍、冷蔵、常温など保存方法の種類別に賞味期限はどれくらいなのかもくわしく調べていますので、酒粕の正しい保存方法と賞味期限を知って、美容と健康に良い発酵食品の酒粕を食卓に取り入れましょう。

酒粕の正しい保存方法や賞味期限は?常温と冷凍どちらが正しい?のイメージ

目次

  1. 1酒粕の保存方法や賞味期限などを詳しく知りたい!
  2. 2酒粕の正しい保存方法について解説
  3. 3酒粕の賞味期限はどれくらい?
  4. 4酒粕の変化について知っておこう
  5. 5酒粕のおすすめ使い切りレシピ
  6. 6酒粕の保存方法や賞味期限を知っておこう!

酒粕の保存方法や賞味期限などを詳しく知りたい!

酒粕とは?

酒粕とは、日本酒などを作る過程でもろみを圧搾した後に残る白い固形物のことです。ろ過された液体が日本酒、残った固形のものが酒粕です。酒米の醸造過程では約25%ほどの酒粕が取り出され、アミノ酸やビタミン、酵母などの栄養素に優れています。

酒粕の種類には、清酒と分離、圧搾された酒粕を剥がした板粕、板状に取れなかったばらばらの粉状のものはばら粕、柔らかいペースト状に練った練り粕などがあります。一般的に手に入りやすくよく知られている酒粕の種類は板粕とばら粕です。

酒粕の一般的な利用方法は、焼くなどしてそのまま食べるほか料理の材料や食品の原料としても使われます。飲み物としての甘酒や、奈良漬や粕漬けなど漬物の「床」、酒粕焼きや粕汁などが一般的です。酒粕を原料として作られる食品には、酒粕を酢酸発酵させた粕酢や、麹を加えてもろみを作り発酵させて酒粕焼酎があります。

酒粕は発酵食品ブームで人気上昇中

発酵食品が健康や美容にいいとブームになっていますが、酒粕も発酵食品のひとつなので人気が上昇中です。キヌアやアサイーなどスーパーフードとして人気ですが、酒粕もこれらのスーパーフードにも劣らない高い栄養価を含んでいます。

酒粕に含まれるたんぱく質は代謝を高めて抵抗力を上げてくれますし、体を作るのに欠かせない栄養素です。酒粕はビタミン、特にビタミンB1やB2、B6を豊富に含み、これらのビタミンは精神状態の安定、疲労の回復、細胞の働きを正常に保ってくれる役割などがあります。

酒粕にはほかにもたくさん栄養を含んでいます。食物繊維は整腸作用があり血糖値やコレステロールを正常に保ってくれます。このほかにもビタミンの一種である葉酸や、亜鉛、ナトリウム、カリウム、リン、カルシウム、鉄など多くのミネラルも含んでいます。

これら多くの栄養素を含む酒粕は多くの食品の原料や料理の材料として利用されます。代表的なもので甘酒は「飲む点滴」と言われて最近話題になっています。また食べるだけでなくパックにすると美白効果があるといわれ、酒粕を使った石鹸や化粧品も多く市販されています。

今回は、そんな酒粕についてまとめました。酒粕のおすすめの保存方法やそれぞれの保存方法別の保存期間について説明します。また酒粕を使った美味しいレシピもいくつか紹介しますので参考にしてみてください。酒粕の正しい保存方法と賞味期限を知って酒粕を活用しましょう。

酒粕の正しい保存方法について解説

酒粕は常温でも冷凍でも保存が可能!

酒粕は実は意外と長い間保存ができる食品です。しかも常温でも、冷蔵や冷凍でも保存することができます。酒粕には8~9%ほどのアルコールが含まれているので、保存方法によっては賞味期限はないとも言われます。市販の酒粕には賞味期限が表示されていますがこれは目安としての期間のようです。

とはいえ、酒粕は保存しているうちに変化していくのでいつまでもできたての味や風味を保つというわけではなく、やはり適した保存方法というのはあります。酒粕を常温、冷蔵、冷凍でそれぞれ保存した場合の保存方法について説明しましょう。

酒粕を常温保存する場合

酒粕は常温でも保存ができます。しかし常温での保存は季節や冷暖房などにより室温が変化しやすく、ほかの保存方法に比べて熟成や発酵などの変化が進みやすくなります。温度が高い場所で保存するのは向きませんので、開封前、賞味期限前でも涼しく直射日光などがあたらない場所に保存しましょう。開封後はしっかりと空気を抜いて密閉できる袋などに入れましょう。

酒粕を冷蔵庫で保存する場合

酒粕を冷蔵庫で保存する場合は常温よりも熟成の進行をかなり抑えられます。冷蔵庫で保管する場合は未開封はそのままで、開封した酒粕は袋に入れて空気を抜き、口を閉じて保存しましょう。酒粕の中にいる微生物は生きていますので、密閉できる袋に入れる場合は小さな穴を開けておくといいでしょう。

酒粕を冷凍保存すると長期間の保存が可能!

酒粕を冷凍保存するとかなり長期間の保存が可能です。しかも、栄養素などはそのままですのでたくさん買った時や当分使う予定がない場合は便利な保存方法です。ただし、酒粕に含まれているアルコール分や水分は冷凍庫に長期間保存するうちに少しずつ抜けていってしまいます。小分けしてラップなどにしっかりと空気を抜いて包み、ジップロックなどの密閉できる袋で保存しましょう。

出来立ての風味をいつでも楽しみたいときには特に冷凍がおすすめです。冷凍庫で保存した酒粕を使いたいときは自然解凍しましょう。日本酒に浸しておくとさらに美味しく解凍できるそうなので試してみてください。

酒粕の賞味期限はどれくらい?

常温保存した場合の賞味期限

酒粕を常温で保存した場合の保存期間はどれくらいでしょうか?酒粕は日持ちする食品で腐りにくいものですが、常温での日持ちは未開封で3~6ヶ月ほどです。開封してしまうと熟成が早く進みますのでこれよりも保存期間は短くなります。熟成度合いをチェックしながら開封後は2週間程度を目安に使い切るようにしましょう。

Thumb酒粕に賞味期限はある?どのくらい?日持ちする正しい保存方法を解説 | お食事ウェブマガジン「グルメノート」

冷蔵保存した場合の賞味期限

冷蔵保存の場合はもっと長期間の保存が可能になります。常温の場合は未開封で3~6ヶ月ですが、冷蔵庫で保存した場合は開封した後でも半年ほど保存することができます。開封してもこれほど長持ちするのは少しずつ使いたい人には嬉しいですし解凍の手間などがなくすぐ使えるのでとても便利です。

冷蔵庫でこれほど長期間もつのは冷蔵庫内は温度が低く一定なので酒粕の中の菌の活動が抑えられ、熟成の進み具合がかなり遅くなるためです。それでも熟成は徐々に進みますので長期間保存すると次第に酒粕の色は黄色やピンクに変わっていきます。とはいえ、半年もあればその間に使い切ることは難しくなさそうですので、熟成度合いに応じて適した料理などに使ってください。

冷凍保存した場合の賞味期限

冷凍庫で酒粕を保存した場合は、菌の活動がほとんどストップしてしまうのでかなり長期間保存することができます冷凍での保存期間は1年ほどです。酒粕にはアルコール分が8~9%含まれており、冷凍してもカチカチに凍ってしまうことはありません。当分使う予定がない場合は冷凍庫での保存がおすすめです。冷凍しても、酒粕に含まれる豊富な栄養素は壊れることなくいきているので、長期保存でも品質の変化が少ないのは安心です。

酒粕の変化について知っておこう

酒粕は保存しているうちに色や風味などが次第に変化してきます。これは菌の働きで熟成が進むためで見た目などにも変化が現れます。できたての酒粕と熟成が進んだ酒粕はどのように違うのか、変化がどう進んでいくのかを見てみましょう。

新しい酒粕の特徴

搾りたてで新しい酒粕の特徴は、まず固いことです。そしてほんのりと香りがし、色は白色です。そして味は薄めです。買ってきたばかりの酒粕はこのような特徴がみられますが、保存している間にだんだん変化してきます。

保存しているうちに見られる酒粕の変化

保存しているうちに酒粕はその色も変化してきます。はじめは白かった酒粕は保存期間が長くなるにつれてだんだんとから茶色ピンク色褐色へと変化し、最終的に茶色や黒っぽくなります。ときには白い粉がふいていることもあり、まただんだん固さも柔らかくなってきます。

酒粕の保存中にこのような変化が出てくると、もしかして腐っているのではないかと思ってしまうかも知れません。まだ食べられるのか不安になりますが、酒粕を保存しているうちに変化してくるのは、酒粕の発酵が進むためです。上記のような変化がでてきても食べることはできます。

酒粕が黄色やピンク色になってきたとしても品質が落ちたわけではありません。むしろ、熟成が進んで味がまろやかになり風味が増しています。これは糖とアミノ酸の相互作用でうまみや香り、風味が増えている証拠で、このように色が変化しても栄養が落ちるわけではないので安心してください。

色が濃くなってしまった酒粕は漬物などで使おう

色が濃くなるにつれて酒粕は味も変化してきます。熟成が進んだ酒粕は新しい酒粕に比べて味が濃くなっていくので、使うときには量を調整しましょう。茶色っぽくなってしまった酒粕は、粕汁など白い色が特徴の料理には使いづらくなるので漬物などに利用するといいでしょう。市販の酒粕でも漬物用として4ヶ月から半年程度熟成されたものが売られています。

酒粕に白い粉や斑点などがみられる場合腐っている?

酒粕に白い粉が出てきたときは、アミノ酸の一種であるチロシンが結晶化して表面に白く斑点状に浮いてきたものです。黄色っぽい斑点のこともあります。これも酒粕本来のうまみで、腐っているのではないので食べても害はありません。

酒粕は賞味期限は長いが早めに使い切るようにしよう

このように酒粕は賞味期限が長く長期間保存することができますし、保存中に色や固さなどに変化が出てきても食べることができます。しかし保存状態により温度が高いともちろん保存期間は短くなってきますし、永遠に腐らないわけでもありません。

酒粕の変化に注意して熟成度に合った料理や使い方をし、早めに使い切るようにしましょう。熟成がかなり進んでいる場合や保存の温度が高かった場合などは賞味期限を過信せず自己責任で食べるかどうかを確認してください。

酒粕のおすすめ使い切りレシピ

下漬けの必要なし「お母ちゃんの奈良漬け」

手間のかかるイメージの奈良漬ですが、こちらのレシピは下漬けが不要で簡単です。たくさん酒粕が余って消費したいときや少し古くなってしまった酒粕があるときに便利なレシピです。

  • 酒粕2kg
  • ザラメ糖500g
  • 塩大さじ1
  • きゅうり15本

  1. きゅうり以外の材料を漬物用のポリ容器に入れて混ぜ合わせます。
  2. きゅうりは洗って水気を拭き、容器に入れます。
  3. 冷暗所で保管し、1ヶ月に1回ぬか床を混ぜます。
  4. 3ヶ月ほどして水分が出てきたらできあがりです。

具沢山で栄養も満点「鮭と根菜のぽかぽか酒粕味噌汁」

生姜と根菜入りで体が温まる栄養たっぷりの具沢山味噌汁です。酒粕と白味噌で優しくコクのある味わいです。酒粕が溶けにくい場合があるので、少量の煮汁で溶いてから加えるといいでしょう。

  • 鮭2切れ
  • ネギ2分の1本
  • 人参2分の1本
  • 大根100g
  • ごぼう2分の1本
  • さつまいも3分の1本
  • 生姜10g
  • 紹興酒または酒小さじ1
  • 塩少々
  • サラダ油大さじ1
  • ごま油大さじ2分の1
  • 酒粕10g
  • 水500ml
  • 白味噌大さじ1.5
  • しょうゆ大さじ1
  • 白すりゴマ大さじ1
  • 青ネギ適量

  1. 生姜は千切り、ネギとゴボウは斜め切りにし、人参、大根、さつまいもはいちょう切りにします。ゴボウは酢水につけておきます。
  2. 酒は骨を取って食べやすい大きさに切り、紹興酒と塩をまぶして表面に水が出たら拭き取ります。
  3. 鍋にサラダ油を熱して鮭に焼き目を付けます。
  4. 鮭を一旦取り出した鍋にごま油をひき、生姜、ネギ、人参、大根、ゴボウ、さつまいもを順に炒めます。
  5. 水を加えて酒粕を溶かし、鮭を戻して煮ます。
  6. 具に火が通ったら残りの調味料を加えて器によそい、青ネギをトッピングして出来上がりです。

漬け込むだけの簡単レシピ「豚肉の酒粕みそ漬け焼き」

漬け込んで焼くだけの簡単レシピです。酒粕、味噌、ヨーグルトと発酵食品に漬け込むので柔らかくなります。調味料が焦げやすいので、焼く前に落としてから焼いてください。豚肉だけでなく鶏肉や鮭などでも美味しくできるので試してみてください。

  • 豚ロース4枚
  • ヨーグルト大さじ4
  • 味噌大さじ3
  • 酒粕大さじ2
  • ハチミツ大さじ1

  1. 調味料を全てビニール袋に入れて混ぜます。
  2. 筋切りした豚肉を袋に入れて1~2日漬け込みます。
  3. 酒粕みそは取り除いてからグリルで片面7分程度焼きます。

飲む点滴で美肌に「甘酒」

酒粕を鍋で溶かすだけで簡単に甘酒が手作りできます。砂糖と生姜はお好みで調整してください。甘酒は「飲む点滴」といわれるほど、疲労回復や代謝の促進、美肌などたくさんの美容・健康効果があります。自家製甘酒でほっこりと温まりながら美肌を目指しましょう。

  • 酒粕200g
  • 水800cc
  • 砂糖大さじ5~6
  • 塩少々
  • 生姜すりおろし適量

  1. 酒粕を小さくちぎって鍋に入れ、水を加えます。
  2. 中火~強火で加熱し、沸騰したら砂糖と塩を加えて弱火で溶かしながら煮ます。
  3. 酒粕が溶けたら火を止めて器に注ぎ、生姜のすりおろしを加えて出来上がりです。

酒粕の保存方法や賞味期限を知っておこう!

今回は酒粕の保存方法や賞味期限について説明してきました。常温でも保存でき、冷蔵や冷凍で長期間の保存がきく酒粕は好きな時に使えて便利ですし、酒粕を使った美味しいレシピもたくさんあります。

栄養価も豊富で美容や健康に良い発酵食品の酒粕はぜひ毎日の食卓に取り入れたいところです。今回紹介したレシピも参考にしてみてください。酒粕の正しい保存方法と賞味期限を知り、酒粕をかしこく利用しましょう。

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