イタリア料理の種類と名前は?イタリアンレストランのコースを解説!

イタリア料理というとどんな料理が頭に浮かびますか?最近は家庭でも日常的にパスタなどが作られていて、日本人にとっては身近で馴染みのある外国料理です。ここでは、イタリア料理の種類と料理の名前、コースの順番ごとの名前をひとつひとつ紹介しています。また、イタリア料理店には種類があり形式よって名前が違います。それぞれどういった店なのかも説明しています。外食の際、イタリア旅行の際、是非参考にしてみて下さい。

イタリア料理の種類と名前は?イタリアンレストランのコースを解説!のイメージ

目次

  1. 1イタリア料理はどのくらい種類がある?
  2. 2イタリア料理の種類の前に覚えたいコースの順番
  3. 3イタリア料理の種類を名前と特徴と共に紹介!
  4. 4イタリア料理はお店によって種類が違う?
  5. 5イタリア料理の種類を覚えたら本場でもばっちり!

イタリア料理はどのくらい種類がある?

イタリア料理はどのくらい種類があるかご存知でしょうか?パスタやピッツァは日常食といえるほど日本の食生活に根付いています。最近ブームになったバーニャカウダなど、女性に特に人気があります。今からイタリア料理について詳しく分析していきます。

イタリア料理の特徴とは?

イタリア料理の特徴は、素材の持ち味を最大限に活かしたシンプルな調理法であることです。地中海性気候のため比較的温暖で、小麦・野菜・果物・魚介類と豊富な食材に恵まれています。そしてイタリア料理は赤や緑など色彩に富んでいます。イタリアは縦に長い地形のため、南部・中部・北部と風土や気候が違います。それぞれの地方によって料理の特徴も違います。

日本も地方によって素材や味付けに違いがあり、日本食も素材の味を活かした料理が多いです。類似する点が多いイタリア料理だからこそ、日本人が馴染みやすいといえます。

イタリア料理の代表的な料理を覚えよう!

先ほどイタリア料理は地方によって特徴が違うと述べました。イタリア料理を代表するパスタ・ピッツァは南部のナポリ料理の代表的な料理です。オリーブオイルやトマトを使用した料理が多いのも特徴です。イタリア中部にはローマ・フィレンツェがあり、都会的な料理があります。

ローマには仔牛に生ハムを乗せて焼いたサルティンボッカ、フィレンツェにはビステッカ・アッラ・フィオレンティーナというフィレンツェ風ビーフステーキがあります。ミラノがあるイタリア北部はフランスと隣接しています。料理もフランス料理に似てバターを多く使用しています。名物料理のコトレッタ・アッラ・ミラネーゼはバターで揚げ焼きした仔牛のカツレツです。水田地帯もあるため、リゾットなど米料理も多種あります。

イタリア料理の種類の前に覚えたいコースの順番

本格的なイタリア料理店に行くと、各皿がコース形式で提供される場合が多いです。コースのそれぞれの皿の種類と名前も理解しておくと、オーダーの際に困らずイタリア料理をより楽しむことが出来ます。それではコースの順番に沿って説明していきます。

1.食欲をわかす「アペリティーヴォ」

アペリティーヴォは食前酒のことで、コース料理を食べる前に食欲を促進させるために軽く1杯飲むお酒です。アマーロという薬草入りの酒・カンパリ・スプマンテ(スパークリングワインといった発砲ワイン)などが食前酒として飲まれています。炭酸は食欲を増進する作用があるため食前酒に向いています。

本格的な料理店では入り口近くにバーカウンターがあり、そこでアペリティーボを済ませてテーブル席に着く形式もあります。また、メインの料理店に行く前にバルでビールを飲んでから食事をしに行くというパターンもイタリアでは多くあります。

2.食事の始まりを告げる「アンティパスト」

アンティパストは、いわゆる「前菜」のことです。食前酒と同様に食欲を高めるための料理です。居酒屋などでいう「突き出し」や「お通し」といったところです。マリネ・オムレツ・生ハムなど作り置き料理やサッと出せるシンプルな料理が多く、冷製と温製があります。単品ではなく、数種類の盛り合わせで提供される場合がほとんどです。

3.お腹にしっかり「プリモ・ピアット」

プリモ・ピアットはイタリア語で第一の皿という意味で、パスタ・リゾット・スープなどが提供されます。その他にポレンタというトウモロコシの粉を粥状にした料理や、クスクスが提供される場合もあります。炭水化物中心の料理でボリュームがありますが、コースの主役ではありません。

4.お待ちかねのメイン!「セコンド・ピアット」

セコンド・ピアットは第2の皿という意味があり、いわゆる「メインディッシュ」のことです。肉や魚を中心にした料理で、品数の多いコースの場合あっさりした魚料理の次に肉料理という順番で提供されます。肉料理の前に非常に小さな「口直しのジェラート」が提供される場合もあります。レモンやハーブ類を使用したもので口をさっぱりさせます。

セコンド・ピアットは煮込み・ソテー・揚げ物といった種類の料理でシンプルな調理法のものがほとんどです。

5.最後は甘味!「ドルチェ」

ドルチェはコースを締めくくる「デザート」のことです。ティラミスなどのケーキ・パイ・クッキーなどの焼き菓子・果物・ジェラート・パンナコッタなどが出されます。この時カッフェといって一緒にエスプレッソかコーヒーが提供されます。日本のイタリア料理店では紅茶やジュースも選ぶことが出来る場合がほとんどです。

イタリア料理の種類を名前と特徴と共に紹介!

イタリア料理の種類は数多くあります。どのような料理があるのか、前菜・主食・主菜・デザートをコースの順番に沿って名前と共に紹介していきます。日本でも馴染みのある名物料理・ご当地料理などが多数登場します。

ワインが進む「カルパッチョ」

コースの前菜として高い割合で提供される料理がカルパッチョです。カルパッチョは、生の牛肉の薄切りの上にパルミジャーノチーズを削ったものや、ソースを網の目状にかけた料理です。カルパッチョという名前は、1950年頃にイタリアの画家「ヴィットーレ・カルパッチョ」が由来です。赤色を使った独創的な絵画が、皿に並んだ赤い生の牛肉の色彩に似ていたため付けられました。

もともとイタリアでは牛肉から始まりましたが、現在では魚の刺身状のものや野菜の薄切りを並べたものにソースをかけたイタリア料理全般の名前でもあります。牛肉以外の場合は「ヒラメのカルパッチョ」など、食材の名前を置き呼んでいます。マリネとカルパッチョを混同してしまう方が多いようですが、マリネは酢・ワイン・調味料に食材を漬け込むフランス料理の調理法です。カルパッチョはあくまでもイタリア料理の名前です。
 

色々な具材で楽しめる「ブルスケッタ」

ブルスケッタとは、イタリア料理の代表的な軽食の一つです。名前の由来はローマ地方の方言で「炭火で表面をあぶる」という意味のブスカーレです。もともとは古くなったパンを美味しく食べるために考案されたものです。パンを薄く切りカリカリに焼いてオリーブオイルを塗り、具を乗せた料理です。小さく角切りにトマトとバジルを乗せたものがポピュラーですが、生ハム・チーズなど具の種類は豊富です。

前菜の定番「カプレーゼ」

カプレーゼはイタリア・カンパニア地方のサラダです。イタリア語で「カプリ風の」という意味で、カプリ島のサラダのことです。トマトの薄切りにモッツァレラチーズ(特に水牛のミルクを使用したもの)を挟み、バジルの葉・オリーブオイル・塩・ブラックペッパーだけで味付けをしたシンプルなサラダです。素材が美味しくなければ成立しない料理で、イタリア国旗のカラーでもありイタリア料理を象徴しています。

現在は食材は国内全域に流通していますが、トマトとオリーブオイルを使用した料理は、もともとイタリア南部の発祥です。イタリア南部出身の移民が多く、調理の仕事に就くイタリア人が多かったため国外にイタリア料理として広まりました。

女性に人気「バーニャカウダ」

バーニャカウダは、イタリア・ピエモンテ地方の冬の鍋料理です。ピエモンテ語でバーニャは「ソース」、カウダは「熱い」を意味します。オリーブオイル・アンチョビ・にんにく・塩で作ったソースを温めながら、野菜に付けて食べます。ソースをまろやかにするために、日本では牛乳や生クリームを入れる店も多いです。

野菜はかぶ・チコリ・パプリカ・根菜類などをスティック状または食べやすい大きさに切ったものを使用します。日本のイタリア料理店では通年提供されることが多いため、季節ごとにアスパラガスやオクラ・ヤングコーンなど様々な種類の野菜が使用されています。

イタリア版自家製ツナマヨソース「ヴィッテロ・トンナート」

ヴィッテロ・トンナートもピエモンテ地方の郷土料理で、仔牛にツナのソースをかけた前菜です。本来は仔牛モモ肉のソテーを薄切りにしますが、現在は鶏ムネ肉か豚モモ肉にアレンジされる場合もあります。トンナートソースは、マグロのオイル漬けのピューレに卵黄・オリーブオイル・塩・胡椒・マスタード・ビネガーを混ぜたソースです。仕上げにケイパーを散らしているのが特徴です。

卵のやさしい味「フリッタータ」

フリッタータとはイタリアのオムレツのようなもので、イタリア語で「炒める、揚げる」を意味するフリットが名前の由来です。溶き卵に野菜・チーズ・ハーブなどを混ぜ、耐熱皿や鉄鍋に流しオーブンで焼いたイタリアの家庭料理です。具材に決まりはなく、玉ねぎ・じゃが芋・ズッキーニ・パプリカなど様々な種類の食材でアレンジされています。

フランス料理のキッシュと似ていますが、キッシュはタルト生地かパイ生地が敷いてあります。フリッタータはオリーブオイルで焼き上げますがキッシュはバターを使用します。卵液の中に牛乳または生クリームも入っているため、フリッタータより濃厚でボリュームがあります。

こんがり美味しい「グラティナーティ」

グラティナーティは、フランス料理のグラタンに似た調理法ですが、グラタンのように牛乳を使用したベシャメルソースはありません。魚介類・野菜にパン粉と香草や、パルミジャーノレジャーノチーズをまぶし、天火またはオーブンで焼きます。日本では写真のようなホワイトアスパラは珍しいですが、ヨーロッパではよく食べられています。

野菜たっぷり「カポナータ」

カポナータはシチリア島およびナポリの伝統料理で、材料が少し異なります。日本で浸透しているのはシチリア島のカポナータです。日本でいう肉じゃがや筑前煮といった、イタリア人にとってはこの料理を食べて成長したおふくろの味・家庭料理の定番煮込み料理です。カポナータは素揚げしたナスをメインに、オリーブ・パプリカ・香味野菜をトマト・ビネガー・砂糖・塩とじっくり煮込んだ料理です。

ナポリのカポナータは、乾燥したパンを水で戻しトマトと調味料で和えたサラダのような料理です。シチリアのカポナータはフランス料理のラタトゥイユとも似ていますが、ラタトゥイユは野菜は揚げずにズッキーニをメインに野菜全てを煮込んで調理します。カポナータのようにビネガー・砂糖も使用しません。

定番の惣菜「アランチーニ」

アランチーニは、シチリアの郷土料理のライスコロッケです。見た目がオレンジに似ていることからイタリア語で「小さなオレンジ」という意味のこの名前が付きました。イタリアの惣菜店にも必ずと言っていいほど置いてある定番のストリートフードです。サフランやブイヨンで炊いた米の中に、ミートソースやモッツァレラチーズ・ハムなどの具材を包み丸めてパン粉を付け揚げた料理です。

オレンジのような形のアランチーニはシチリア西岸のもので、シチリア東岸では円錐型です。ローマでは「スップリ」または「スプリ」と呼ばれ、形も俵型でサフランは使用せず、中の具はモッツァレラチーズが入っています。ナポリのアランチーニはピンポン玉ほどの大きさでシチリアのものより小さくなります。

ライスコロッケひとつとっても地域で違いがあります。日本も寿司やおにぎりの特徴が地域によって違い、そういったところも類似しています。

マンマの味「ズッパ・ディ・ポモドーロ」

イタリアではスープのことを「ズッパ」といいます。フランス料理のコースで提供されるような小さなスープカップに入ったスープとは違ったものです。コースのプリモ・ピアットで提供される場合もあり、主食になるボリュームのある食べるスープのことを呼びます。ポモドーロはトマトのことで、子供にも大人にも愛され安心するシンプルな味わいです。

イタリアでは各家庭それぞれの味がある家庭料理です。ズッパはポモドーロに限らず水気が少なくトロトロした状態で、カリッと焼かれたパンですくって食べます。この料理もトマトをピューレ状にし、煮込んで作ります。味付けは塩のみか、生クリームを使用する場合もあります。

濃厚な味わい「カルボナーラ」

カルボナーラはイタリア語で「炭焼き職人風の」などの意味を持ちます。たっぷりかかった黒胡椒が、炭の粉がこぼれた様子を表現しています。日本でも人気の高いパスタですが、本場イタリア・ローマのカルボナーラは日本のものとは少し違います。イタリアのカルボナーラは、豚肉をハーブと共に塩漬けにしたパンチェッタ・卵黄・チーズを使用します。

日本のように生クリームが入らないため、チーズの味を濃厚に味わうことが出来ます。生クリームを使用する作り方は、第二次世界大戦以降に米兵たちに大量に振る舞う際、卵が固まらないようにするため考案されました。日本にはアメリカ経由でカルボナーラが伝わったため、日本のイタリア料理店では生クリームを使用したカルボナーラが一般的になりました。

バジルたっぷり「ペスト・アラ・ジェノベーゼ」

ペスト・アラ・ジェノベーゼとはイタリア・リグリア地方のジェノバが起源のソースです。バジルの葉・にんにく・松の実・粗塩・パルミジャーノレジャーノチーズ・ペコリーノチーズをオリーブオイルと撹拌して作るソースです。ジェノベーゼパスタは生のバジル独特の新鮮な風味が麺と絡み人気のイタリア料理ですが、パスタ以外にもこのソースは多用されています。

じゃが芋やインゲンと和えたり、カルパッチョやサラダのソースなど様々な種類の料理に使用されています。上記で挙げたズッパ・ディ・ポモドーロにかかっているソースも同じです。イタリアで「ジェノベーゼ」というと、ルネッサンス時代にジェノバからナポリに伝わった玉ねぎを使用したソースのことをいいバジルは使用していません。バジルを使用したジェノベーゼをオーダーする際は「ペスト」を付けましょう。

重なる美味しさ「ラザニア」

ラザニアは料理名だと思われがちですが、パスタの種類の名前です。薄く平たい形のラザニアとソースを重ね焼きにした料理を全般的に呼ばれています。ポピュラーなのはボロネーゼのラザニアで、モチモチした食感のラザニアとミートソースの複雑な味が絡むボリュームたっぷりのパスタ料理です。

シンプルな米料理「リゾット・アラ・ミラネーゼ」

リゾット・アラ・ミラネーゼとはミラノ風サフランリゾットのことです。米とサフランを煮て、仕上げにバター・パルメザンチーズをかけた黄色いリゾットです。米を煮る際、牛の骨髄からとったスープを使用することもあります。コースのプリモ・ピアットとして提供されたり、肉料理の付け合わせとして添えられる場合もあります。

ピッツァといえば「ピッツァ・マルゲリータ」

ピッツァ・マルゲリータはナポリで生まれたトマト・モッツァレラチーズ・バジルを使用したシンプルなピッツァです。名前の由来は、19世紀のイタリア国王妃がナポリで食べたこのピッツァの美味しさに感銘を受け自身の名前を付けたとされています。イタリアの国旗のカラーでもある赤・白・緑の色彩でまさにイタリアの国民食です。

半熟卵を絡めて食べる「ピッツァ・ビスマルク」

ピッツァ・ビスマルクは中央に卵を落として焼き上げたピッツァです。ドイツの政治家・ビスマルクが名前の由来で、目玉焼きをのせたステーキが好物だったことから半熟卵が乗っているピッツァをビスマルクと呼んでいます。ビスマルクは美食家で、食の好みが同盟関係にあったイタリアに伝わったといわれています。卵を使用していること以外にはこの料理に定義は特にありません。

野趣あふれる「ピッツァ・ボスカイオーラ」

イタリア語でボスコは「森」といい、ボスカイオーラは「木こり風」という意味です。森で採れた山の幸のキノコをふんだんに使ったもので、舞茸・しめじ・マッシュルーム・ポルチーニ・トリュフなどを使用します。オイル・トマトソース・クリームソースそれぞれ相性が良いためピッツァだけでなくパスタにも使用されます。

シンプルの極み「ピッツァ・マリナーラ」

マリナーラとは、「船乗りの」という意味でナポリの船乗りや漁師がよく食べていました。トマト・ニンニク・オレガノのみで、チーズを使用していないピッツァです。生鮮食品を使用していないため、保存性が高いソースは長い船旅に向いていました。焼きたてのマリナーラにオリーブオイルを垂らして食べます。

トマトの酸味と小麦の旨味が引き立ち、チーズに負けない豊かな味わいです。素材の持ち味を極限まで引き立てるイタリア料理らしい調理法です。

旬を味わう「ピッツァ・プリマヴェーラ」

プリマヴェーラはイタリア語で「春」という意味で、フィレンツェでよく食べられているピッツァです。名前の通り、菜の花・アーティチョークなどの春野菜、春が旬の食材を使用しています。

海の幸たっぷり「アクアパッツァ」

アクアパッツァとは、鯛やスズキ・鱈などの白身魚をオリーブオイルで焼き、あさり・ムール貝などの貝類・トマト・バジル・オリーブ・にんにくなどを白ワインと水で煮込んだ料理です。調理はかなりシンプルですが、豊富な具材を使用しスープには旨味が凝縮されていて、豪華なナポリ発祥の魚料理です。

ブイヤベースと比較されることも多いですが、ブイヤベースは南フランスの郷土料理です。魚・貝・蟹や海老・トマトを煮込んで作るスープで、パンを浸して食べます。ブイヤベースはあくまでもスープで、アクアパッツァは魚介類がメインの煮込み料理です。

豪快シンプル「ペッシェスパーダ」

ペッシェスパーダはイタリア・シチリアの名物料理でメカジキのことを意味します。イタリア語でペッシェは「魚」、スパーダは「剣」という意味です。新鮮なメカジキをオリーブオイルでソテーし、塩・胡椒で味付けします。仕上げにライムやハーブをかけて食べます。調理法がシンプルな分、素材の旨味を存分に味わうことが出来ます。

軽やかな食感「フリット」

フリットは、日本でいう天ぷらのようなイタリア料理の揚げ物のことです。肉・魚介類・野菜と様々な食材を調理します。イタリアではズッキーニ・イカ・海老・イワシなどがポピュラーです。フリットは衣にメレンゲを使用しているのが特徴です。そこに小麦粉・卵を合わせます。外がカリカリ、中はふんわりホクホクとした仕上がりです。

肉料理の定番「コトレッタ」

コトレッタはイタリア・ミラノの名物料理で、正式にはコトレッタ・アラ・ミラネーゼ「ミラノ風カツレツ」といいます。仔牛のロース肉を叩いて下味をつけ、きめの細かいパン粉をまぶしバターかオリーブオイルで揚げ焼きにした料理です。それをクレソンなどの野菜と共に、レモン汁をかけてさっぱりと食べます。

肉の旨味を味わう「タリアータ」

タリアータはイタリア語で「切る」という意味のポピュラーな肉料理です。牛肉の表面をオリーブオイルで焼き、レアに仕上げ一口大か薄めに切ります。日本の牛肉のたたきに似ています。バルサミコ酢や肉汁を煮詰めたソースをかけ、パルミジャーノレジャーノチーズを薄く削りかける場合もあります。

コースの場合付け合せの野菜は少量ですが、店によって単品で提供する場合にルッコラやクレソンなどをたっぷり盛りサラダ仕立てにしている店もあります。シンプルな味付けで牛肉の旨味を味わうことが出来、ワインと相性も良いです。

肉の柔らかさが魅力「オッソブーコ」

オッソブーコは仔牛の骨付きすね肉を、セロリなどの香味野菜・白ワインなどと煮込んだイタリア・ミラノの郷土料理です。イタリア語でオッソは「骨」、ブーコは「穴」を意味します。骨付きすね肉は調理すると中心に穴が開いたよう見える様を表現しています。上記で挙げたリゾット・アラ・ミラネーゼを添えるのが定番です。

長時間じっくり煮込んだすね肉はホロホロと崩れるほど柔らかく、旨味が染み込んでいます。骨の髄をスプーンですくって、トロリとした食感を楽しむこともこの料理の醍醐味です。

ハーブ香る「サルティンボッカ」

サルティンボッカは短時間で調理できるため、イタリア語で「口に飛び込む」という意味があります。イタリア・ローマの名物料理で主に仔牛肉を使用しますが、豚肉・鶏肉の場合もあります。仔牛肉の切り身にセージというハーブの葉を乗せ、生ハムを巻き、オリーブオイルでソテーしたシンプルな料理です。

生ハムに塩味が付いているため余計な味付けはせず、肉の旨味とセージの爽やかな風味を味わうことが出来ます。

サラッとした口どけ「ジェラート」

ジェラートはイタリア語で「凍った」という意味で氷菓子を指します。2500年以上前に生まれた歴史のあるイタリアのお菓子です。イタリアのアイスクリームだと思われがちですが、日本のアイスクリームの定義とは違いがあります。アイスクリームは乳脂肪分の数値が8パーセント、ジェラートは5パーセントと少なくなります。

ジェラートはヘルシーなうえに、果物などの食材の味をより深く味わうことが出来ます。口当たりも軽いため、コースの最後に食べるデザートととして最適です。

こってり甘い「パンナコッタ」

パンナコッタはイタリアのプリンと捉えられていますが、厳密には違います。プリンは卵と牛乳を使用していますが、パンナコッタは卵を使用せず、生クリームと牛乳・砂糖・ゼラチンで作ります。そのため見た目もプリンのような黄色でなく白なのです。イタリア語で「パンナ」は生クリーム、「コッタ」は煮詰めるという意味があります。

生クリームを使用しているため濃厚で、ツルツルトロリとした食感です。コースの最後に食べるデザートとしても食べやすいお菓子です。写真のパンナコッタはカラメルソースですが、季節ごとに旬の果物をトッピングしたり、果物をピューレ状にしたソースをかける場合もあります。

複雑な味の「ズコット」

ズコットとは、フィレンツェ生まれの伝統菓子です。イタリアの神父などの聖職者が被る帽子のことをズコットといいその形に似ていることから名前が付きました。薄いスポンジケーキの生地をドーム状に敷き、中にチョコレートやナッツ・ドライフルーツなどを混ぜた生クリームを詰めたお菓子です。中のクリームはリコッタチーズやヨーグルトクリームの場合もあり、生の果物の場合もあります。

ズコットは、一度冷凍し食べる前に取り出したセミフレッド(半解凍)状のアイスケーキをイメージして頂くとわかりやすいです。

イタリアの揚げ菓子「カンノーロ」

カンノーロはシチリア生まれの伝統菓子です。単数形の名前は「カンノーロ」、複数形の場合は名前が「カンノーリ」になります。筒状の生地をカリカリになるまでじっくり揚げ、中に羊乳で出来たリコッタチーズを使用したクリームをたっぷり詰め粉砂糖をかけたものです。ザクザクとろりとした食感も人気です。

カンノーロはクリームだけのシンプルなものや、オレンジ・レモンなどの果物の砂糖漬けをトッピングしたものもあります。その他にチョコレートチップやピスタチオを細かく砕いたものも人気です。

リキュールが効く「ズッパ・イングレーゼ」

上記で説明したようにズッパは「スープ」の意味です。スープのようにスプーンですくって食べるデザートで、ティラミスの原型ともいわれています。フィンガービスケットをアルケルメスというリキュールを使用したシロップに浸し、トロトロにしたものを下に敷きます。

チョコレートソースを重ね、ビスケットとカスタードクリームで層を作っています。写真のトッピングはメレンゲですが生のフルーツやチョコレート、ナッツの場合もあります。

Thumbフリッタータはとっても簡単!家庭で作れる本場イタリアレシピを紹介 | お食事ウェブマガジン「グルメノート」

イタリア料理はお店によって種類が違う?

イタリアには高級レストランから気軽な居酒屋までいくつか種類があります。店のランクやスタイルによって呼ぶ名前が違います。それぞれの業態や違いについて名前と共に紹介しています。

高級なレストラン「リストランテ」

リストランテとは高級レストランのことで、日本でいう高級料亭です。予約が必要で、特別な日やお祝いなどでドレスアップして行く格式高い店です。男性ならスーツかジャケット着用が常識的な服装といえます。食材も厳選された高級食材を使用し、上記で紹介したフルコース形式で提供されます。費用と時間をかけて店の雰囲気や音楽を楽しみ、一流のサービスと共に食事をすることが出来ます。

カジュアルなレストラン「トラットリア」

トラットリアは、特に予約を必要とせず普段着で入店出来るレストランです。本格的なイタリア料理を手の届きやすい価格で提供し、気軽に行くことが出来るカジュアルなレストランです。単品で料理をオーダーすることも出来、コース料理もあります。

気軽に立ち寄れる「オステリア」

オステリアは中世からあり、もともとは旅館の食堂でした。日本でいう手ごろな価格の大衆食堂・居酒屋です。お酒を出す飲み屋ではなく、イタリアの家庭料理や日常的なおつまみなどの料理が主体の店です。

専用釜で焼いたピッツァを楽しむ「ピッツェリア」

ピッツェリアはピッツァ専門店のことです。店内にある釜で焼いた出来立てのピッツァを食べることが出来ます。注文はひとり一枚からというスタイルが多く、イタリア人は1人1・2枚食べます。イタリアのピザは日本のものより生地が薄く、小さめで低価格なためです。ピッツァ以外にサラダや前菜などサイドメニューもあります。

気軽にパスタを食べるなら「スパゲッテリア」

スパゲッテリアはスパゲッティ専門店という意味ですが、軽食を摂る軽いレストランのことです。大都市に多く、若者や旅行者が立ち寄りやすいカジュアルな店です。

イタリアの家庭料理を味わう「ターヴォラ・カルダ」

ターヴォラ・カルダは軽食堂・セルフサービスの食堂のことです。調理済みの惣菜が多く並べられ、選んだ料理を皿に盛ってもらうか自分で盛り付けます。日本でいう「まいどおおきに食堂」のような、自分で選ぶ形式の定食屋です。テイクアウトも出来、駅前や観光地に多くあります。

イタリア料理の種類を覚えたら本場でもばっちり!

いかがでしたか?イタリア料理が食べたくなったのではないでしょうか?野菜・魚介類など豊富な食材で調理するイタリア料理は日本料理と共通点も多く、日本人に好まれる健康食です。フランスと隣接しているためフランス料理と類似したものも多くあることがわかりました。調理法や味付けもシンプルなため、家庭でもレパートリーに取り入れやすいことも魅力です。

今回紹介したイタリア料理を参考にして頂ければ、リストランテでフルコースを食べる際や旅行でのオーダーもスムーズに出来ます。イタリア語は例えばcotoletta(コトレッタ)のように、表記のまま読めば伝わる料理同様シンプルなスペルです。日本語メニューが無くても焦る必要はありません。是非、魅力たっぷりのイタリア料理を堪能してください。

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