板ゼラチンと粉ゼラチンの違いは?使い方・溶かし方に分量など比較!

暑い夏、ツルツルとした食感や透明感が涼しげなゼリーを食べたくなりますよね。そんな夏を代表するお菓子、ゼリーやババロアなどの冷たいスウィーツやお料理作りに欠かせない食材といえば、ゼラチンですね。身近な食材のゼラチンですが、ゼラチンには板ゼラチンと粉ゼラチン、二つの種類があることを知っていましたか?板ゼラチンと粉ゼラチンの使い方や溶かし方、それに分量に違いはあるの?など、板ゼラチンと粉ゼラチンの違いについて説明していきます!

板ゼラチンと粉ゼラチンの違いは?使い方・溶かし方に分量など比較!のイメージ

目次

  1. 1板ゼラチンと粉ゼラチンの違いや使い方を比較!
  2. 2板ゼラチンと粉ゼラチンの違い
  3. 3板ゼラチンの使い方は?
  4. 4プロも使う板ゼラチン
  5. 5工業用にも使われるゼラチン
  6. 6板ゼラチンや粉ゼラチンを気楽に使ってみましょう!

板ゼラチンと粉ゼラチンの違いや使い方を比較!

暑い夏に食べたくなる冷たいスウィーツやお料理。液体を固め、ツルンとした喉越しやプルプルの食感、涼しげな透明感を作り出しているのがゼラチンです。ゼラチンには板ゼラチンと粉ゼラチン、二つの形状がありますが、その違いは一体どんなものなのか、使い方や溶かし方など、板ゼラチンと粉ゼラチンを調べてみました。

板ゼラチンと粉ゼラチンの違い

そもそもゼラチンってなに?

何気なく使っているゼラチンですが、そもそも、ゼラチンって何でしょう?ゼラチンの主成分は、実は豚や牛などから抽出された、繊維状の動物性タンパク質のコラーゲン。そのままではなかなか水に溶けないコラーゲンにさらに熱を加えて抽出し、温めれば溶け(ゲル化)、冷やせば固まる(ゾル化)しやすくしたものがゼラチンです。その温度によって溶けたり固まったりする性質を生かして、食品以外の分野でも使われています。

主成分は同じ

板ゼラチンと粉ゼラチン、主成分は同じ動物性タンパク質コラーゲンでした。弾力のタンパク質とも呼ばれるほど弾力性に優れたコラーゲンが、ゼリーなどのプルプルとした独特の食感を作り出しています。またゼラチンは気泡性と安定性を持っているのも特徴。ババロアやマシュマロののフワフワ感はその特性を活かして作られたもの。他にも動物性タンパク質の持つ体温と同じ温度で溶けるという特性が、口どけの良さにも繋がっています。

主成分は動物性タンパク質
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板ゼラチンの使い方は?

板ゼラチンと粉ゼラチン、主成分は同じですが、板と粉という形状の違いが、使い方や溶かし方、分量などの違いに大きく関わってきます。粉ゼラチンは粉だけに分量が測りやすく微調整が可能で、好きな分量を使うことができます。温かい食材に直接振り入れるという使い方もできるため、扱いも簡単でスピーディーです。では、板ゼラチンはどうでしょうか?

板ゼラチンの分量

粉ゼラチンと違い、板状になっている板ゼラチンは1枚の分量が決まっています。そのため、わざわざ計量しなくても、枚数を数えれば分量がわかるというメリットがあります。ただしメーカーや商品によって1枚の重さが違うので、使う前には重さをしっかり調べておきましょう。使う分量は、他の材料の水分量の2〜3%が目安。必要な分だけハサミで切って使うことも可能です。

板ゼラチンの使い方

板ゼラチンの使い方は、粉ゼラチンの使い方と少し違っています。温めた材料に直接振り入れることができる粉ゼラチンとは異なり、板ゼラチンは使う前に冷水に浸してふやかす必要があります。ここで注意したいのが浸す水の温度です。温かい水に浸してしまうと、ゼラチンが溶けて分量が変わってしまうので、必ず冷たい水に浸してください。ふやかした後はしっかり水気を絞りましょう。次は、溶かし方の説明です。

板ゼラチンの溶かし方

板ゼラチンは、溶かし方に若干の注意が必要です。まず水でふやかした板ゼラチンは溶液に溶かす前にしっかりと水分を絞ります。絞り方が悪いと水分量が変わってしまうので気をつけてください。次に溶かし方ですが、板ゼラチンを溶かす溶液を約60度に温め、ふやかした板ゼラチンを入れて溶かします。ゼラチンは熱にも弱いため、溶液の温め過ぎは禁物。沸騰するほどの熱い溶液で溶かしてしまうと、うまく固まらないことがあります。

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プロも使う板ゼラチン

板ゼラチンと粉ゼラチン。主成分は同じですが、形状や溶かし方の他にもちょっとした違いがあります。実は板ゼラチンにはグレードがあるのです。グレードが上がるほどに純度が高くなり、透明度や固さ滑らかさなど、仕上がりに差が出てきます。そこでプロの料理人は粉ゼラチンよりも板ゼラチンを好んで使っているそうです。

AとBとC、Aは黄味がかっていて、あまり透明感は高くありません。それに比べてCはすっきりとした透明感があり、とても綺麗です。ちなみに板ゼラチンは、リーフゼラチン、ゼラチンリーフなどとも呼ばれています。

板ゼラチンでスウィーツ

ゼラチンを使ったスウィーツといえばゼリーです。暑い夏はフルーツを使ったゼリーはとても魅力的です。ただタンパク質が主成分のゼラチンはタンパク質分解酵素に弱いという特性があり、生のパイナップルやキウイなどタンパク質分解酵素を持つフルーツなどと一緒に使うとタンパク質が分解されてうまく固まらないことも。火を通すか缶詰を使うようにしましょう。

ゼリー

簡単ゼリーの簡単レシピ

ゼリーの作り方はとっても簡単で、少ない材料で作れてしまいます。用意するのは板ゼラチンと、ゼリーにしたいお好みの溶液。材料が揃ったら、たっぷりの水で板ゼラチンをふやかし、しっかりと水を切ります。溶液を60度程度に温めたら、ふやかした板ゼラチンを入れて冷蔵庫で固めます。

とっても簡単なので、お子さんと作ってもいいかもしれません。ゼリーだけでなくグミやマシュマロも、ゼラチンを使って作ることができるスイーツです。

お料理にも取り入れたい

板ゼラチンは無味無臭で他の食材の味に影響することがありません。冷やせば固まり温かいと溶けるという特性を活かして、普段のお料理にも気軽に取り入れることができます。アイデア次第では意外と広い範囲で使うことのできる優秀アイテムです。例えば餃子。板ゼラチンで冷やし固めたスープを刻んでタネに仕込んでおけば、火を通すことでゼラチンが溶け、噛んだ時にスープが溢れ出る餃子の出来上がりです。

ゼリー寄せ

アンチエイジングに効く!ゼラチンの栄養素

動物性タンパク質コラーゲンが主成分のゼラチン。タンパク質がその栄養素の約87%を占めています。なかでも食物からしか摂ることができない必須アミノ酸が8種類も含まれているという優れものです。またコラーゲン由来のゼラチンを食べるということはコラーゲンを摂取するのと同じことです。ゼラチンを食べることで加齢とともに減ってしまうコラーゲンを補うことができ、アンチエイジングにピッタリな食材です。

工業用にも使われるゼラチン

ゼラチンの用途は、食材ばかりとは限りません。口に入れても無害な素材なので、現在では医療用、写真用など、幅広い分野で利用されています。そんなゼラチン、実は古くい歴史を持っていて、古代エジプト時代、動物の毛皮から取れる糊「ニカワ」として製造されたのが始まりと言われています。長い間接着剤として使われてきたゼラチンが食用として使われ始めたのは、19世紀ごろだそう。食材としての歴史は、意外に浅いのです。

エジプト

医療用に

人体に取り入れても無害で、しかも消化吸収されるゼラチンは、医薬品の分野でも広く取り入れられています。水や酸素を通しにくく、ツルっとした材質で喉を通りやすいことから、錠剤のカプセルとして多く用いられています。また、コラーゲン由来のゼラチンだから、化粧水や乳液、シャンプーなど美容の分野でも使用されています。

薬のカプセルに使われる

接着剤に

古代エジプト時代に作られたというニカワも、ゼラチンの一種です。食用のゼラチンと比べると精製度が低いですがその分接着性があり、接着剤として工業用に使われてきました。食用のゼラチンと同じように熱や湿気で溶けやすいため剥がしやすく、和紙を使う日本画の接着などにも重宝されてきました。また、温度によって変化する木材の収縮に順応するため、音の伝達をよくする働きがあり、楽器用には理想の接着剤とされています。

写真用にも使われる

写真とゼラチン、なかなか結びつかない組み合わせてですが、フィルムや印画紙などの写真の乳剤としてゼラチンが使われています。ゼラチンを溶かして臭化カリウム溶液などを加えて撹拌してできた液体をフィルムベースやバライタ紙に塗布して乾燥させることで、ゼラチンが感光膜になり、写真用のフィルムや印画紙となるのです。

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板ゼラチンや粉ゼラチンを気楽に使ってみましょう!

板ゼラチンと粉ゼラチンの違いや主成分、使い方や溶かし方など調べてみましたが、いかがでしたか?近くのスーパーでも気軽に手に入る板ゼラチンや粉ゼラチン。まだまだ残暑が続くこの時期、ぜひともツルッと喉越しよく、見た目も涼しげな冷たいスウィーツを作ってみてください。スウィーツばかりでなく、冷めれば固まり温めれば溶けるというゼラチンの特性を活かして、日々の献立のレパートリーを増やしてみてはいかがでしょうか?

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